様々な航空会社同士がアライアンスと呼ばれる航空連合を形成している状況では、1つの航空会社のマイルを貯めることで、その航空会社自身の特典航空券はもちろん、その航空会社と提携している様々な航空会社の特典航空券も利用できる可能性が広がるということ。
ルフトハンザのマイルを利用して、最近予約と発券を行ったANA運航の国内線特典航空券もその1つです。
ルフトハンザとANAが同じスターアライアンスに加盟しているからこそ実現したマイル利用と言えます。
目次
リモワ購入で貯まったルフトハンザマイル
普段JALを主に利用しながらJALマイルを貯めている我が家に、なぜルフトハンザのマイルがあるのかというと、ルフトハンザが拠点の1つにしているフランクフルト空港の直営店、ルフトハンザワールドショップを利用することがあるから。
このルフトハンザワールドショップでは、ルフトハンザが同じドイツ企業のリモワと協力した成果のルフトハンザリモワと呼ばれる限定品のリモワスーツケースが免税対象のお得な商品として販売されていて、我が家でもフランクフルトを訪れる度にちょくちょく購入するほどお気に入り。
しかも、ワールドショップでは、リモワなどの商品を購入する時にルフトハンザ会員番号を登録や提示することで、ルフトハンザマイルが貯まるキャンペーンを定期的に開催しています。
実際、2017年の夏にフランクフルト経由でヨーロッパから帰国した時にも、サイズの異なる2種類3個のリモワスーツケースを購入してきたのですが、加算されたマイルの合計は23,117マイルにもなるなど、加算せずに見逃してしまうのはあまりにもったいないサービスです。
ルフトハンザでの日本国内線特典航空券の必要マイル数
ルフトハンザのマイルで日本国内線を予約する場合、利用する旅程はANAが運航するものになるのですが、その時に必要なマイル数は片道12,500マイル、往復25,000マイルという設定になっています。
実際、上の画像からもANAが運航する国内線の中では最長距離の札幌・新千歳(CTS)-沖縄・那覇(OKA)でも往復25,000マイルで利用できることがわかるはず。
ちなみに、この往復25,000マイルという必要マイル数は乗り継ぎによって利用する区間数が増えても変わらず、幅広い選択肢から自由に好きな便を選んで組み合わせられるようになっているのはなかなか好印象です。
しかも、ルフトハンザのマイルサービス専用ページ、Miles & Moreからオンラインで片道ずつ予約すると、なぜかそれぞれ12,000マイルの必要マイル数にディスカウントされ、それらを組み合わせて往復でも24,000マイルで利用できてしまいます。
もちろん、こうした片道ずつの予約・発券は、後述するキャンセルした時に必要になるキャンセル手数料の負担が2倍になるというデメリットはあるものの、片道が往復よりも優遇されるという不思議な取り扱い。
つまり、リモワの購入だけで加算された23,117マイルという数字は往復には少し足りないものの、片道分のANA国内線特典航空券の予約・発券には十分活用できることが分かります。
ちなみに、ルフトハンザマイルを利用した特典航空券では燃油サーチャージや空港税の負担は必要になりますが、ANA国内線特典航空券では、燃油サーチャージの設定はなく、空港税についても羽田空港などの一部の空港税負担額が設定された空港以外は完全に無料で予約手続きが可能です。
ルフトハンザ特典航空券のキャンセル&変更の条件と手数料
実際に予約手続きを進めていくと、上のような画像が表示されます。
内容としては、ルフトハンザマイルを利用したANA国内線特典航空券はエコノミークラスフレックス運賃として扱われるものの、
- 最低滞在日数の制限なし
- 最長滞在日数(航空券の有効期限)12ヶ月
- コンパニオンアワード(特典航空券の必要マイル数特別割引)対象外
- キャンセル手数料50ユーロ
- 予約変更手数料50ユーロ
- 無料の事前座席指定不可
といった条件が適用される航空券として提供されるというもの。
この中では、JALの場合は3,100円、ANAの場合は3,000マイルの負担で済むキャンセル手数料が50ユーロと少し割高なことと日本の航空会社では無料が当たり前の特典航空券の予約変更でも、50ユーロの手数料が必要なことなどは特に気になりました。
また、JALとANA問わず、日本国内線では当たり前のように提供されている無料での事前座席指定がルフトハンザのマイルで予約したANA国内線特典航空券では全く利用できないというのも、少しだけ意外に感じますね。
ルフトハンザ特典航空券の機内持ち込み荷物と預入荷物の制限
このANA国内線特典航空券の手荷物の制限は、
- 機内持ち込み荷物:最大サイズ55cm×40cm×23cm、最大重量8kgのものを1つまで。
- 預入荷物:3辺の合計サイズ最大168cm、最大重量23kgのものを1つまで。
となっています。
これはANA国内線の手荷物利用ルールで定められている、
- 機内持ち込み荷物:最大サイズ55cm×40cm×23cmの3辺合計115cm以内、最大重量10kg
- 預入荷物:20kg(プレミアムクラス40kgまで)の重量、三辺合計203cm以内
という制限とはかなりかけ離れていて、航空券のルール自体が別物ということが分かりますね。
発券後の航空券の情報や状態の確認方法
普段から予約や発券を行っていない航空会社の特典航空券を利用する場合、気になるのは発券が確実に行なわれ、航空券の情報が確定済みやOK、confirmedといった発券済みの状態になっているのかどうかです。
これが確認できるまでは、予約自体が成立していないために空港を訪れても飛行機に乗れなかったり、それ以前に航空会社に前触れ無く予約を取り消されるリスクもあるので要注意。
この確認は難しいものではなく、予約・発券手続きを担当したルフトハンザはもちろん、実際に運航を行うANAからも、予約完了時に表示される6桁英数字からなる予約確認番号と搭乗社の氏名を利用して調べることが可能です。
上の画像はルフトハンザの予約詳細画面の一部ですが、航空券のステイタスが確定済みの状態。
また、ANAの予約詳細も特典航空券の普通席として扱われ、予約状況は問題なくOKになっていました。
ちなみに、ANAのホームページ上でルフトハンザで予約したANA国内線特典航空券はあくまで国際線として扱われているらしく、予約詳細を確認するためには国際線のタブに切り替えて、手続きを進める必要があるのは要注意。
国内線タブからでは、予約を見つけることすらできません。
また、予約詳細にはオプショナルサービスとして事前座席指定のセクションもあるのですが、申し込みを行うためのボタンがグレーになっていて選択不可。
やはり、事前座席指定はできないようになっていました。
ルフトハンザのマイルでANA国内線特典航空券を予約するお得度
こうして特典航空券の予約と発券を行う時にどうしても気になってしまうのがお得度かもしれません。
ANAマイルを利用してANA国内線特典航空券の予約を行う場合、利用する時期によって、3つの区分に分かれるものの、国内線最長距離となる札幌-沖縄線往復の場合、
- 閑散期(ローシーズン/Lシーズン):17,000マイル
- 通常期(レギュラーシーズン/Rシーズン):20,000マイル
- 繁忙期(ハイシーズン/Hシーズン):23,000マイル
となっていますから、純粋なお得度だけ比較すると、一年を通して往復25,000マイルが必要なルフトハンザのマイルを利用したANA国内線特典航空券に勝ち目はないように思えます。
しかし、ルフトハンザのマイルを利用したANA国内線特典航空券の場合、乗継便を利用して区間数が増えても往復25,000マイルという必要マイル数は変わりません。
そのため、直行便が選べて利用区間数を抑えられる場合にはANAマイル、混雑している時期で乗継便を駆使することが必要になる場合にはルフトハンザマイルというように、結果的には同じANA国内線特典航空券を利用するとしても、そのお得度は空席状況に大きく左右され、一概にどちらか一方が優れていると決められるわけではないのが面白いですね。
まとめ
日本で暮らしていると、あまり縁がないルフトハンザのマイル、Miles & More。
しかし、フランクフルト空港のルフトハンザ直営店のワールドショップを利用する時に、幸運にもタイミングが良かったり、マイル加算のためのちょっとした一手間を惜しまなかったりすると、特典航空券が利用できるだけの量のマイルが加算されるチャンスがあるのも事実。
そのマイルを利用したANA国内線特典航空券は、ANAマイルを利用したものとは全く異なる個性を持ち、なかなかの魅力と使いこなしの楽しさを感じさせるものですから、貯められる時にはルフトハンザのマイルのことも少しだけ意識して貯めてみるのも面白いと思いますよ。
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