花の都の別名を持つ世界遺産としても知られ、都市そのものからルネサンスの時期に栄華を誇ったメディチ家の繁栄を感じられるイタリア・フィレンツェ。
ウフィツィ美術館やアカデミア美術館、ピッティ美術館など世界的な傑作を収蔵する美術館がごく近い距離に林立しているのはもちろん、ルネサンス当時の面影を色濃く残す建造物や街路などの旧市街地の様子からは、この同じ石畳をレオナルド・ダ・ビンチやミケランジェロ、ボッティチェッリといった巨匠たちも過去に歩いたことを強く実感しながら散策が楽しめるなど、ただ街歩きをしていても強力な魅力を感じる貴重な都市の1つです。
目次
旧市街地から離れたホテル、ヒルトン フローレンス メトロポール
そんなフィレンツェで宿泊するホテルとして選んだのがヒルトン フローレンス メトロポール (Hilton Florence Metropole)。
このホテルは、観光の目玉が集中している旧市街地はもちろん、フィレンツェ観光の主要な玄関口の1つ、鉄道駅のサンタ・マリア・ノヴェッラ駅からも5キロ弱ほど離れた場所に立地する郊外型のホテルです。
しかも、一部で山道や坂道も含むルートを通る必要がある5km弱の距離ですから、徒歩でのアクセスは事実上不可。
訪れるためには、タクシーやホテル側が用意しているシャトルバスを利用するしかありません。
タクシーとシャトルバスを利用したアクセス
ホテルまでの移動にタクシーを利用した場合、定額料金は用意されておらず、道路の混雑状況によるものの、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から20ユーロ前後。
この金額にタクシーのトランクに入れたスーツケースなどの荷物1個に付き1ユーロの料金や運転手へのチップを追加して支払うことになります。
ちなみに、タクシー乗り場はサンタ・マリア・ノヴェッラ駅をホームを背に左側の出口を出ると、右側に見えてくるはず。
一方、ホテル側が用意しているシャトルバスは無料で利用可能です。
2017年8月現在、シャトルバスの時刻表はというと、
ホテル発 → フィレンツェ中心部着
- 8:00、9:30、10:30、11:30、14:15、15:30、17:00、18:30、20:15、22:00
フィレンツェ中心部発 → ホテル着
- 8:45、10:00、11:00、12:00、14:45、16:15、17:45、19:00、20:45、22:30
となっていて、それぞれ合計10便ずつの運行。
また、ホテル-フィレンツェ中心部間の所要時間は25分から30分程度でした。
ホテル発のシャトルバス乗り場
このシャトルバスを利用する時に最も不安を感じたのは、ホテルから乗る場合も、フィレンツェ中心部から乗る場合も、乗り場が分かりにくいこと。
まず、最も分かりやすいはずのホテル発のシャトルバスも乗り場を表す表示はなく、乗り場を探してしまう方もいらっしゃるかもしれません。
その正解はホテルのエントランス正面。
エントランス付近で待っていると、出発時間の5分から10分前くらいにヒルトンのロゴとホテル名が掲示されたバスが到着し、先着順でどんどん利用者を乗せ始めます。
ホテルによると、通常期は29人定員のマイクロバスでの運行とのことですが、バカンスシーズンのためか、一般的な大型観光バスで運行されていました。
バス内部は一般的なバスですから、スーツケースなどの大きいサイズの荷物はすべてバスのトランクルームに入れるようにバスのドライバーから指示されるはずです。
フィレンツェ中心部発のシャトルバス乗り場
さて、ホテル発以上に悩まされることになるのは、フィレンツェ中心部発。
ホテルの案内によると、フィレンツェ中心部発のシャトルバスは、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅近くのモンテルンゴ広場(Piazzale Montelungo)から出発するという案内のみで、詳細な地図などは提供されていません。
そこで、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅に到着してすぐの状態からモンテルンゴ広場までのアクセス、そしてバスを待つ場所も、写真で振り返ってみたいと思います。
モンテルンゴ広場を目指すためにはまず、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅を出口に向かわずにプラットフォームの中でも最も端にある16番線のプラットフォームを探します。
目印はマクドナルドの店頭に掲示されたロゴマーク。
そのまま16番線のプラットフォームを奥に進むと、まず見えてくるのは手荷物預かり所。
そこでも足を止めずにどんどん進むと、今度は警察官が詰めている交番が見えてきます。
さらに、その奥までまっすぐ歩いてようやく見えてくるのが、最も重要な目印になる自転車駐輪所。
この駐輪所付近で道は2つに別れ、そのうちの左側はそのままサンタ・マリア・ノヴェッラ駅のプラットフォームに合流する一方で、右側は緩やかなスロープが駅の外へとつながっています。
そのスロープをそのまままっすぐ道なりに進んでいくと右手にはモンテルンゴ広場に隣接するバッソ要塞の城壁。
スロープが終わった後も道を進んだ先にあるのが、モンテルンゴ広場のバス停エリア。
このバス停エリアは様々なバス会社がシンプルな目印をバス停として用意しているようで、そこを起点に多くのバスが発着している様子が見られました。
しかし、どんなにすべてのバス停をチェックしても、ヒルトン フローレンス メトロポールの名前や時刻表はもちろん、ヒルトンのマークすら見つけられません。
これはどういうことかというと、シャトルバス用の決まったバス停は用意されておらず、バス停エリアの中で空いているスペースにバスが到着・停車し、出発時間になったらそのまま出発するということが正解。
そのため、出発時間が近づいたら、バス停エリア周辺でヒルトン フローレンス メトロポール 行きのシャトルバスを探す必要があります。
ただし、シャトルバスのドライバーとしても目標としている場所は一応あるようで、バス停エリアの中心付近にある、屋根の付いた待合スペース付近を目指して停車することが多いということでした。
上の写真では赤い丸で囲った部分ですね。
まとめ
確かに、ヒルトン フローレンス メトロポールでは、無料利用可能なシャトルバスを運行しているため、フィレンツェ中心部から離れた立地のホテルでも、観光での利用が全くできないというわけではありません。
しかし、シャトルバスの運行本数が往路と復路でそれぞれ10便程度と、あまり運行頻度が高くはないことや、乗車時間も1回最低でも25分程度は必要と意外に長く、何度も利用すると、待ち時間と乗車時間の両方で、せっかくの貴重なフィレンツェでの滞在時間を消費してしまう可能性もあります。
そのため、チェックイン前とチェックアウト後などにはホテルではなく駅にある手荷物預かり所などを利用するなど、できるだけシャトルバスでホテルとフィレンツェ中心部間を行き来する回数を減らすなど工夫も、ヒルトン フローレンス メトロポール滞在での満足度を高めるためには重要かもしれませんね。
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