個人情報リスクに要注意なJMBダイヤモンド・JGCプレミア・ワンワールドエメラルド・ビジネスクラス利用者用JALファーストクラスラウンジ代替ラウンジ、サクララウンジスカイビューの無料印刷メールプリントサービス

ファーストクラスやビジネスクラスなどの上位クラス利用者に加え、航空会社の上級会員も、出発前に利用することができる空港ラウンジ。

JALを含め様々な航空会社がサービスを提供するラウンジ内では、食事や飲み物の提供はもちろん、PCやプリンターなどを備えたビジネスセンター機能も用意されるなど、旅行者の利便性を高めるための配慮や工夫が感じられる場所に仕上がっています。

羽田空港JALファーストクラスラウンジリニューアル工事の内容と注意点(出国審査場の優劣、ビジネスクラス利用者の優遇、混雑が原因のサービス品質低下、シャワールーム争奪戦、鉄板ダイニング休止とローランペリエ、ジョンロブ靴磨きでの制限)
羽田空港JALファーストクラスラウンジの鉄板ダイニング限定メニューとRed Suiteで提供の特別なローランペリエ3種の魅力

2020年3月末までのJALファーストクラス代替ラウンジ

そうしてJALが国際線の利用者向けに提供するラウンジの中でも最も上位に位置するファーストクラスラウンジは、世界中に、

  • 羽田空港国際線ターミナル ファーストクラスラウンジ
  • 成田空港第2ターミナル本館 ファーストクラスラウンジ
  • 成田空港第2ターミナルサテライト ファーストクラスラウンジ
  • フランクフルト空港第2ターミナル ファーストクラスラウンジ

の合計4ヶ所しか用意されていないため、特別な場所の1つなのは間違いありません。

ただし、これらのファーストクラスラウンジのうち、

  • 羽田空港国際線ターミナル ファーストクラスラウンジ
  • 成田空港第2ターミナル本館 ファーストクラスラウンジ

については、

  • 羽田空港国際線ターミナル:2019年10月29日~2020年3月末
  • 成田空港第2ターミナル本館: 2018年11月1日~2019年9月30日

というようなスケジュールでリニューアルのための改修工事が行われていて、工事中は一部サービスの提供が制限されたり、通常とは異なる代替ラウンジが用意されることになります。

実際、2020年3月末まで実施される羽田空港国際線ターミナル本館のファーストクラスラウンジのリニューアル工事では、

  • 2019年10月29日~2020年3月末までの工事中はファーストクラスラウンジは閉鎖
  • 閉鎖期間の間、ファーストクラスラウンジ利用対象者には114番ゲート近くにある、2019年10月29日にリニューアルオープン済みのサクララウンジスカイビューを代替ラウンジとして用意
  • サクララウンジスカイビューには本来のファーストクラスラウンジ利用対象者と、特別な措置としてビジネスクラス利用者も利用対象として追加
  • ファーストクラスラウンジで通常提供されていた鉄板焼サービスの提供は休止
  • ジョンロブの靴磨きサービスはファーストクラスラウンジと同様に提供されるも、元々のファーストクラスラウンジ利用対象者のみの利用に制限され、ビジネスクラス利用者は対象外

といった少し変則的なラウンジ運営が行われています。

サクララウンジスカイビュー最大の要注意ポイントはメールプリントサービス

そんなファーストクラスラウンジの代替ラウンジとして用意された羽田空港国際線ターミナルのサクララウンジスカイビューですが、なかなか深刻な要注意ポイントが存在しています。

それが、サクララウンジスカイビュー内に用意された複合機タイプのプリンターで無料提供されているメールプリントサービス。

このサービスは、プリンターメーカーのエプソンが提供するクラウドサービス、「EPSON CONNECT」によって運用され、指定のメールアドレス宛に、

  • Microsoft Word(doc 、.docx )
  • Microsoft Excel(.xls 、.xlsx )
  • Microsoft PowerPoint(.ppt 、.pptx)
  • Adobe PDF(pdf)
  • 画像ファイル(.jpeg、.gif、.png、.tiff、.bmp)

などのファイルをメールに添付し、そのメール送信するだけで、自動的に添付ファイルが印刷されるというもの。

特に、対応しているファイルの種類が比較的充実している上、操作自体も希望するファイルをメールで送るだけと簡単なのが特長です。

また、完全に信頼することが不可能な共用パソコンでログインや認証などを行った後で個人情報を印刷する場合などに比べ、このサービスは対象のファイルを添付した状態でメール送信ができる自分自身の端末を用意するだけで利用可能ですから、セキュリティの面での気楽さを感じる方もいらっしゃるはず。

こうして一見便利に見えるメールプリントサービスがなぜ要注意なのかというと、実際のサービス提供情報を知らずに利用してしまうと、それは個人情報の紛失に遭遇してしまうリスクのあるサービスだから。

全ての原因はサクララウンジスカイビューのインターネット環境の弱さ

このプリントサービスは、ファイルを添付したメールの送信後、インターネット上のクラウドを介して、必要なデータがプリンターに届けられる形で1分程度の必要時間での印刷が行われるサービスとして提供されています。

しかし、実際には、サクララウンジスカイビュー内のインターネットの接続環境が良好なものではなく、利用者向けのインターネット利用でも十分な回線速度と品質が確保されていないという、かなり問題のある状況では、このプリントサービスを利用した場合に、それまで想像もしていなかったトラブルに巻き込まれることに。

そのトラブルというのが、ファイルを添付したメールを送信しても、通常必要とされる1分が過ぎても印刷が開始されず困ってしまうというもの。

私も羽田空港を日付の変わった後の深夜2:45に出発するJL41便ロンドン行きに搭乗する前のタイミングに、このサクララウンジスカイビューのメールプリントサービスを利用したのですがこのトラブルに巻き込まれてしまいました。

上の画像は、実際にこのサービスを利用した際に、「EPSON CONNECT」からメール送信完了時に送られてくる「メールプリント受付完了」メールと、印刷完了後に送られてくる「メールプリント完了」メールが並べたものですが、それぞれのメールの到着時間は、

  • 受付完了 00:04
  • 印刷完了 01:00

となっていることからも分かるように、最終的に印刷が完了したのは約1時間もの時間が経過した後ということです。

このように元々見込まれていた必要時間の数十倍にもなる時間を要するメールプリントサービスを利用してしまうと、ファイルを添付したメールの送信は行ったものの、予想外に時間を要することが分かります。

しかも、私が実際にメールプリントサービスを利用した時間帯は、多くの深夜便の利用者がラウンジを後にし、JL41便の利用者のみが残る混雑具合がかなり改善された時間帯だったにも関わらず、印刷完了までに約1時間も時間を要しているわけですから、出発便が重なる混雑がピークとなるタイミングにはより一層大変な状況になってしまう可能性も十分考えられますね。

空港ラウンジで印刷する印刷物を紛失するリスク

こうした形で提供される羽田空港国際線ターミナルのサクララウンジスカイビューのメールプリントサービスですから、利用者自身は印刷が完了する前に飛行機の出発時刻が近づいたためにラウンジを離れるしかなく、肝心の印刷物はそのまま放置されるというような事態も十分考えられます。

なぜなら、このメールプリントサービスは、一度申し込んでしまうと、例え出発時間が迫っているなどの特別な事情があっても、利用者側でのキャンセルはできないサービスとして運営されていて、時間がないからサービス利用を中止することができないから。

このことはプリンターの近くに用意された「メールプリント FAQ」で小さく案内されていました。

その結果、このメールプリントサービスを利用する上で考えなくてはいけないのは残された印刷物が原因の個人情報リスク。

というのも、空港のラウンジで印刷が行われる印刷物の中には、

  • 航空会社発行のEチケット控えやホームプリント搭乗券
  • 乗車券や入場券
  • 各種予約確認書

など、個人情報がしっかりと掲載されたものも含まれる可能性が高いから。

しかも、それらの個人情報が印刷された印刷物は、悪意ある第三者の手に渡った場合、断片的とは言え正確な旅程を把握されることで旅先での危険が生じるのはもちろん、

  • 勝手に座席指定やマイル積算先の変更が行われる
  • 予約の種類によっては勝手にキャンセルや予約変更が行われる
  • 予約を全くの他人に不正利用されてしまう
  • 複数の個人情報を組み合わせることで不正なパスワード再発行などが行われる

といったリスクが発生してしまうのも見逃せません。

また、すぐに印刷が完了されないということは、完了するまでの間、プリンターの前で待っている必要があったり、あるいはちょくちょく印刷されたかどうかプリンターを訪れて確認する必要があるため、ゆったりと出発前のラウンジでの時間を過ごせないことも、メールプリントサービスを利用する上での大きなデメリットと言えるかもしれません。

ちなみに、私が今回印刷しようとしていたのは、個人情報の含まれていない簡単なメモのみだったため、仮に出発時間までに印刷が完了せずに放置することになったとしても、実質的なダメージはなかったはずです。

しかし、我が家でも、海外の渡航先に到着後すぐ利用する搭乗券の印刷目的で、ラウンジ内でオンラインチェックインを行い、そのままラウンジに用意されたプリンターで印刷することもあるため、そんな時にうっかりこのメールプリントサービスを使っていたのなら、個人情報の含まれた印刷物を紛失する可能性もゼロではありませんでした。

そう考えると、羽田空港国際線ターミナルのサクララウンジスカイビューのメールプリントサービスは、あまり積極的に利用をおすすめできるものではなく、何らかの事情で利用する必要がある場合でも、

  • 個人情報を含む印刷には極力利用しない
  • 少なくとも1時間以上の時間的な余裕がある時に限って利用する
  • 出発時間が近づき、無念にも印刷完了前にラウンジを離れる場合には、ラウンジスタッフに事情を話し、印刷物の回収と廃棄を依頼する

などの対策をあらかじめ頭の中に意識しておくのが大切だと考えています。

まとめ

リニューアル工事を終え、2019年10月29日からファーストクラスラウンジの代替ラウンジとして、サービスの提供が開始された羽田空港国際線ターミナルのサクララウンジスカイビュー。

ただ、JALの運営する最新ラウンジの1つにも関わらず、そこで提供される印刷サービスに残念に感じる部分や特に注意を要する部分が存在しているのはとても意外に感じたのも正直な部分です。

特に、うっかり心の準備もなく利用してしまうと、思いも寄らない形で個人情報リスクにつながる可能性もあるサクララウンジスカイビューのメールプリントサービスは、今後見込まれる改善が実際に行われるまでは要注意と考えておくのが安心でおすすめと言えるかもしれません。

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