飛行機の利用で快適性や満足度を大きく左右する要因の1つが利用するキャビンクラス。
JALの場合は、国内線と国際線とで、種類の異なる名称が用意され、
国内線:
- 普通席
- クラスJ
- ファーストクラス
国際線:
- エコノミークラス
- プレミアムエコノミー
- ビジネスクラス
- ファーストクラス
というように、それぞれのクラスごとにくっきり分かれた形でサービスの提供が行なわれています。
国内線と国際線の空港アップグレードの違い
そんなJALが運航する国内線と国際線で、国内線ではかなりの自由度で利用できる一方、国際線では様々な制限が設けられた結果、自由に利用のできないサービスが、出発当日の空港での空席のある上位クラスへのアップグレード。
国内線の場合、元々の予約がお金で支払って発券した有償航空券でも、マイルを引き落として発券した特典航空券の違いはもちろん、普通席やクラスJといった利用するキャビンクラスの違いにも左右されることなく、アップグレード先のクラスに空席さえあれば、
- 普通席 → クラスJ:1,000円
- 普通席 → ファーストクラス:8,000円
- クラスJ → ファーストクラス:7,000円
というように、あらかじめ決められたアップグレード料金を支払うことでアップグレードが可能になっています。
しかも、有償の国内線航空券の場合、マイルでの引き落としでは対応できず、お金を追加で支払うことが必要な関係上、アップグレードを行うことでアップグレード先のクラスで加算される特典航空券用のマイルや上級会員資格獲得用のポイントも増加するというのも嬉しいメリットも存在しています。
一方、国際線の場合は、出発当日の空港でのアップグレードとして、
- 有償航空券のエコノミークラスの場合、普通運賃に近い割高な予約クラスの運賃のみ、マイルを引き落とすことでアップグレードが可能。
- 有償航空券のビジネスクラスの場合、ファーストクラスが運航されている路線なら基本的にすべての予約クラスでアップグレード可能。
- 特典航空券エコノミークラスの場合、プレミアムエコノミーとビジネスクラスのいずれかに、それぞれとの差額のマイルを引き落とすことでアップグレード可能。
- 特典航空券プレミアムエコノミーの場合、ビジネスクラスにのみ、差額のマイルを引き起こすことでアップグレード可能。
- 特典航空券ビジネスクラスの場合、ファーストクラスにのみ、差額のマイルを引き起こすことでアップグレード可能。
という条件が設定。
また、有償の国際線航空券でも、アップグレードのためにはマイルの引き落としが必要という関係もあって、アップグレード後の上位クラスに搭乗しても、加算される特典航空券用のマイルや上級会員資格獲得用のポイントの増加もなし。
そのため、自由度もお得度も高いため積極的にアップグレードを活用したい国内線に対し、アップグレードのルール自体が複雑で、さらに制限によってお得度もかなり限定的なものになる国際線というように、それぞれがかなり対照的な存在という印象を強く感じます。
JAL国内線の出発当日のアップグレード手続きと空席待ち
そんな国内線の出発当日の空港でのアップグレードの手続きは意外にシンプルです。
空港に設置された自動の搭乗券発券機を利用したり、地上係員が常駐している各種空港カウンターで空席のある上位クラスへのアップグレードを希望していることを告げるだけ。
支払いは自動搭乗券発券機ではクレジットカード、空港カウンターでは現金またはクレジットカードでの支払いに対応してくれます。
ただし、少しだけ厄介なことになるのが、アップグレードを希望する上位クラスに空席が残っていない時。
この場合は、空席待ちの登録が行なわれ、元々予約していたアップグレード前のクラス用の搭乗券とは別にもう1枚「空席待ち整理券」と呼ばれるチケットが手渡されることに。
これはアップグレードを希望する便が出発の約15分前に設定される空席待ち希望者の集合時間と指定の空席待ちカウンターなどの集合場所が記載されているもの。
この集合時間に指定された集合場所で待っていると、元々予約だけはされていたものの、チェックイン手続きの完了や保安検査場を通過が確認できなかったために、予約の無効になって生まれた空席が空席待ちを希望している他の利用者向けに提供され始めます。
空席待ちのデメリットと積極的に利用をできない理由
元々確保されていた予約を無効にし、その結果空席として扱えるようになった席を再度空席待ち希望者に提供するため、この便出発前の約15分という時間での結果発表は仕方のないことなのかもしれません。
しかし、このタイミングで空席待ちの当落が分かるということは、JALの上級会員資格を保有して、国内線のキャンセル待ちに申し込む利用者にとって、大きなデメリットを生み出す原因になる可能性があります。
なぜならはせっかく上級会員特典として提供されている優先搭乗が利用できず、自分の席の最寄りにある頭上の荷物入れを確保できるとは限らない状況になってしまうリスクがあるから。
特に、JALの場合、搭乗開始後に優先搭乗として設定されている時間以外は、例え上級会員だったとしても途中から優先的に列に入れてくれることはありません。
その結果、一般利用者の列に並ぶ必要があるため、空席待ちでのアップグレードに成功しても、残念ながらアップグレードに失敗しても、空席待ちの利用を決めてしてしまった時点で優先搭乗の利用は絶望的。
出発直前の機内に、優先搭乗利用時よりも慌ただしい状態で乗り込むことは避けられません。
さらに、アップグレードに成功した先の席がバルクヘッドと呼ばれる目の前が壁の席だったり、アップグレードできずにそのまま利用することになる元々の席が、上級会員だからこそ指定可能な非常口席などだったりする場合、それらの席の足元に荷物を置くことは不可。
つまり、機内に持ち込んだ荷物の全てを頭上の荷物入れに入れなくてはいけないのですが、ほぼすべての利用者が搭乗を完了した時点で限られた空きスペースを探すという、なかなか経験したくないタイプの悩ましい作業が待っていることを意味します。
もちろん、荷物をすべて預入荷物として預けてしまい、機内に持ち込む手荷物自体がほとんどないという場合は全く気にならないデメリットなのは間違いありません。
そのため、リスクを意識することすらなく、どんどん空席待ちを活用できるはず。
しかし、我が家のように機内持ち込み手荷物での旅行を基本としている方にとっては、空席待ちを積極的に選べない理由として、大きな心理的なハードルになりうるというのはなかなか面白いですね。
まとめ
空席待ちを申し込むことで、普通席よりも格段に快適なクラスJやファーストクラスをお得な料金の負担で利用でき、特典航空券用のマイルや上級会員資格獲得用のポイントまで追加されるという可能性や希望を搭乗直前までつなげるというのは確かに魅力的です。
しかし、それは確実なものではなく、さらに空席待ちと優先搭乗のどちらか一方しか利用できないという条件が加わるとなると話は別。
特に、優先搭乗でのゆったりとした旅の始まりに高い価値と好印象の両方を感じている我が家としては、積極的に空席待ちは利用できないというのが正直な部分です。
もちろん、前日深夜の空席状況を元に、出発当日は少し早い時間から空港を訪れ、元々残っている空席へのアップグレードを利用する方法だけでも、意外に高確率で成功していることも、あえて空席待ちをあまり活用していない理由の1つになっています。
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