ファーストクラスやビジネスクラスなどの上位クラス利用者に加え、それぞれの航空会社の上級会員が空港からの出発を前にアクセスを認められるラウンジ。
同じ国際線の利用者を対象としながら、JALのビジネスクラスラウンジとして有名なサクララウンジとは異なり、その上位に位置するJALファーストクラスラウンジは、ごく限られた空港にのみ設置しているのはもちろん、その利用条件自体も厳しく設定されているという特徴を持っています。
しかし、そうしたファーストクラスラウンジだからこそ、サクララウンジでは用意されていない特別なサービスが提供されているのも重要な特長の1つです。
目次
- 1 羽田空港JALファーストクラスラウンジへのアクセス
- 2 羽田空港JALファーストクラスラウンジの入室利用条件
- 3 羽田空港JALファーストクラスラウンジの営業時間
- 4 サクララウンジにはないファーストクラスラウンジ限定、鉄板ダイニングのサービス提供時間
- 5 羽田空港JALファーストクラスラウンジの鉄板ダイニングの利用方法
- 6 朝食時間帯の鉄板ダイニング限定メニュー
- 7 夕食時間帯の鉄板ダイニング限定メニュー
- 8 混雑時を避けて注文するメリット
- 9 鉄板ダイニングで楽しめるプチアレンジ
- 10 JAL特製鉄板ビーフバーガーの魅力
- 11 羽田空港ファーストクラスラウンジ最奥RED SUITEで提供されるローランペリエはうっかり見逃し注意
- 12 特別なタイミングだけに楽しめる特別なローランペリエ
- 13 ローランペリエ ロゼ、ローランペリエ ウルトラブリュット、ローランペリエ グランシェクルの詳細と特長
- 14 まとめ
羽田空港JALファーストクラスラウンジへのアクセス
羽田空港のJALファーストクラスラウンジは国際線利用者を対象としたラウンジだけあって、羽田空港の国際線ターミナル(2020年3月以降は羽田空港第3ターミナル)に設置されています。
立地としては保安検査と出国審査を終えてから到達できる3階制限エリアの112番搭乗口付近に入口が用意され、エスカレーターで4階に上がると、サクララウンジと共有する形のラウンジエントランスが見えてくるはず。
112番搭乗口近くには、ラウンジエントランスの受付に向かって右側にファーストクラスラウンジ、左側にサクララウンジというように、2つのラウンジが受付のためのカウンターを共有している形になっているのですが、搭乗クラスやステイタスが表示された搭乗券、あるいはそれに追加する形でステイタスカードを提示し、無事入室が認められると、受付のカウンターに向かって右側にあるファーストクラスラウンジへ案内されることになります。
羽田空港JALファーストクラスラウンジの入室利用条件
この羽田空港にあるファーストクラスラウンジに入室するための条件としては、
- 国際線ファーストクラス利用者(航空券の有償・特典問わず)
- ワンワールドエメラルド相当の上級会員(搭乗クラス、航空券の有償・特典問わず)
- 上記対象者の1名までの同伴者(搭乗クラス、航空券の有償・特典問わず)
といった条件を満たす場合に無料での利用が可能です。
一方、サクララウンジの場合、
- JMBダイヤモンド
- JGCプレミア
- JMBサファイア
- JGC
に関しては、1名まで無料の同伴者に加え、さらに追加で2名までマイルと引き換えに発行されるラウンジクーポンを使用すること最大4名での入室が認められていますが、2019年9月現在、国際線利用者を対象としたJALファーストクラスラウンジで利用できるクーポンの存在や入手方法は一般に公開されていないため、1人の対象者につき最大2名までの入室に制限されているので要注意。
ちなみに、その制限を突破し、3人以上でJALファーストクラスラウンジを利用するための方法が全く存在しないわけではありません。
というのも、JALがJMBダイヤモンドとJGCプレミアの2つの上級会員限定で用意している特典、サービスセレクションのパートナーステイタスコースで、家族を会員本人と同じJMBダイヤモンドやJGCプレミアのステイタスを付与し、その家族本人とその同伴者を含め最大4人でJALファーストクラスラウンジの利用が可能になるという抜け道が用意されているから。
しかし、家族の誰かがJMBダイヤモンドかJGCプレミアに到達しなくてはいけない時点で、誰でも活用できるわけではなく、お手軽な抜け道と言えないのがとても残念な部分です。
羽田空港JALファーストクラスラウンジの営業時間
そんな羽田空港のJALファーストクラスラウンジの営業時間ですが、
- 6:00から翌日2:00
となっています。
一方で、同じ112番搭乗口近くで、ファーストクラスラウンジのお隣にあるサクララウンジの営業時間は、
- 4:30から翌日2:00
といった形で営業が行われていますから、ファーストクラスラウンジとサクララウンジとでは、営業開始時間が異なるものの、営業終了時間は全く同じということですね。
ちなみに、羽田空港国際線ターミナルにあるJALのチェックインカウンターの営業開始時刻は6:00ですから、4:30から営業を開始しているサクララウンジは、24時間眠らない国際空港として運営されている羽田空港らしく、制限エリアを出て日本に入国することなく、そのまま第三国行きの飛行機に乗り換える、乗り継ぎ客をサービス対象にしていることが分かりますね。
また、ファーストクラスラウンジもサクララウンジも翌日2:00に揃って営業を終了するのは、JALが運航する中では羽田空港からの出発時間が最も遅い羽田空港を2:00前後に出発しヒースロー空港に現地時間6:00前後に到着するロンドン行きの深夜便、JL41に対応するためというのがその大きな理由になっています。
サクララウンジにはないファーストクラスラウンジ限定、鉄板ダイニングのサービス提供時間
このように、入室資格や営業時間でも似ているようで意外に異なるファーストクラスラウンジとサクララウンジですが、よりはっきりと違いを実感できるサービスが鉄板ダイニングと呼ばれる、ライブキッチンサービス。
この鉄板ダイニングでは、担当シェフの方が利用者の注文を受けてからファーストクラスラウンジ内の鉄板焼きコーナーを利用して、こだわりを感じる作りたての料理を提供してくれるもので、ファーストクラスラウンジらしいサービス品質重視の姿勢が感じられるのは嬉しいポイントです。
ただし、この鉄板ダイニングは、羽田空港のJALファーストクラスラウンジが営業している6:00から翌日2:00までの間なら常にサービスが提供されているというわけではなく、
- 朝食時間帯:7:00~11:30
- 夕食時間帯:17:30~23:30
というように、サービス提供時間に制限が設けられているのは要注意。
そのため、空港を訪れチェックイン手続きを行った時間と実際に搭乗する飛行機の出発時間の組み合わせによっては、必ずしも利用できるとは限らないサービスということです。
また、後述するように、朝食時間帯と夕食時間帯では、全く別の種類の料理が提供されるため、その日に提供されているすべての料理を1回の搭乗で楽しむことは通常は困難な仕組みになっているのも覚えておきたいポイントかもしれません。
羽田空港JALファーストクラスラウンジの鉄板ダイニングの利用方法
朝食時間帯と夕食時間帯という2つの異なる時間帯でのサービス提供が行われている羽田空港のJALファーストクラスラウンジの鉄板ダイニングですが、実際の利用方法に違いはありません。
具体的には、鉄板ダイニングのサービス提供時間帯にファーストクラスラウンジのダイニングエリア中央、鉄板焼用の調理エリアを備えたキッチンに常駐している担当シェフの方に、注文するだけ。
もちろん、ラウンジ利用者向けの無料サービスですから、注文時に支払いが必要になることもなく、さらにはシャワーや仮眠室の利用などの他のラウンジ内のサービスの提供を受ける時に必要な搭乗券の提示も求められず、担当シェフの方に声を掛け、注文をお願いするのみというとてもシンプルなものです。
この注文時、一緒にラウンジを訪れている同伴者を含めた2名分など複数名分の注文はもちろん、極端に混雑していない時などは、後述するようなアレンジ希望も伝えることも可能です。
担当シェフの方に問題なく注文が受け付けてもらえると、上の写真のような料理が完成したことを振動で知らせてくれる無線機器、ページャーが手渡され、数分から十数分程度の間料理の完成を待つことに。
その後、ページャーが「ブブブブブ・・・」という振動と音で、料理の完成を告げたなら、そのページャーを持って担当シェフの方の元を訪れると、ページャーと引き換えにお皿に盛り付けられた鉄板焼料理が手渡されるはずです。
朝食時間帯の鉄板ダイニング限定メニュー
こうした形でサービスが提供される鉄板ダイニングで最も気になることといえば、それはどんな料理が用意されているのかということかもしれません。
これについては、基本的に朝食時間帯と夕食時間帯のそれぞれのメニューについて、月替りで変更が行われています。
まず、朝食時間帯の羽田空港JALファーストクラスラウンジでの代表的なメニューとして忘れられない存在といえば、JALオリジナル ライ麦ガレット。
クレープの原型の1つにもなったフランスの伝統的な料理を食べやすい朝食メニューとしてJALが大胆にアレンジした一品で、JALファーストクラスラウンジの朝食といえば、これを思い浮かべる方も多い象徴的な定番メニューの1つと言えるかもしれません。
しっかりとした食事として楽しめるガレットに対し、スイーツ方面への鉄板焼ダイニングの可能性を示すことに成功したのが、JAL特製パンケーキ。
写真はJAL特製パンケーキキャラメルアイス添えとして提供されるているもので、熱々のパンケーキの上にひんやりとしたキャラメルアイスがとけ続けることを前提に盛り付けられ、食感的にも味わい的にもカロリー的にもなんとも危険な一皿として提供されています。
そして、同じJAL特製パンケーキでも、別バージョンとして提供されているのが、JAL特製パンケーキミックスベリーソース添え。
たっぷりのベリーの美味しさ十分のソースで彩られたパンケーキは見た目的にも彩り的にもきれいで、女性を中心に人気を集めているようでした。
この他にも、2019年8月の夏の時期限定での別バージョンとして、JAL特製パンケーキ(マンゴーソース添え)も提供されていたのですが、残念ながらその提供タイミングでの朝食時間帯の羽田空港発の便の利用はなかったため、実際に味わえず、無念でした。
夕食時間帯の鉄板ダイニング限定メニュー
夕食時間帯の鉄板ダイニングで象徴的なメニューを1つ挙げるとするなら、それは上ミスジ カットステーキかもしれません。
実際には、
- 上ミスジ カットステーキ JALオリジナルトリュフ風ソース
- 上ミスジ カットステーキジャポネソース
というように、2種類のそれぞれ異なるソースで味付けされた状態で提供され、羽田空港のJALファーストクラスラウンジの夕食といえば、ミスジステーキという時期も意外に長く、楽しみにしていた方も多いはず。
そんなミスジステーキが定番だった状況に一石を投じたのが、JAL特製ハンバーグ マデラ&トリュフソース。
ステーキに比べると幾分ランクダウンしたような印象も感じかねないのですが、工夫が感じられるソースの美味しさとステーキに比べて食べやすく、消化にも優しいふんわり柔らかい仕上がりということもあって、個人的には好印象を感じていたメニューの1つです。
ステーキやハンバーグと、肉料理が提供されると思われていた羽田空港JALファーストクラスラウンジの夕食時間帯のサービスに、間違いなく大きなインパクトを与えることになった存在が真鯛のポワレ トマトソース。
この料理は、羽田空港の持つ水産品を新鮮な状態で空輸可能な流通機能とのコラボレーションとして、2018年3月に提供が開始されたもので、これ以後、鉄板焼として調理された魚料理が夕食時間帯の羽田空港JALファーストクラスラウンジのラインナップに加えられる1つのターニングポイントになりました。
そうした流れを引き継いだ魚料理として提供されたのが、羽田市場直送 スズキのポワレ ケッカソース。
さわやかな風味を持つケッカソースが、くせを感じさせないあっさりとしたスズキに合っていて、こういうのもなかなか面白いと感じた1品でした。
2019年7月からは肉料理での新展開が楽しめた時期が続きました。
まず、2019年7月と9月限定の土佐はちきん地鶏のグリル 田野屋塩二郎氏の太陽結晶塩を添えて。
ブランド鶏肉として売出し中で味わいの深さが特長の土佐はちきん地鶏のグリルを、田野屋塩二郎氏の太陽結晶塩を含めた3種の味付けで楽しめる料理で、とにかく食べやすいという印象を強く感じながら楽しめた1皿でした。
そして、土佐はちきん地鶏のグリルと対を成すように、2019年8月と10月に提供されるJAL特製鉄板ビーフバーガー。
肉厚なパテを含めた十分なボリューム感に日本食的な味わいも感じるソースが良い組み合わせになっていて、想像以上に楽しめる仕上がりが嬉しい一品。
実際、これまでに私が楽しんだ夕食時間帯の鉄板ダイニングで提供された料理の中では、最も気に入った1皿になっています。
しかし、想像以上に全体としてのボリュームはかなり凶悪なものですから、これを食べてしまうと、ラウンジ内での他の料理はもちろん、機内に搭乗してからの機内食すらお腹がいっぱいで十分に楽しめなくなるリスクすらあるのは要注意です。
混雑時を避けて注文するメリット
このように様々な種類の魅力的な料理が提供される羽田空港のJALファーストクラスラウンジの鉄板ダイニングですが、最大限楽しむためには少しだけ気をつけたいことが存在しているのも事実です。
それはあまりに混雑していると感じた時には、可能ならば鉄板ダイニングでの注文を避けるというもの。
というのも、そうした時には、担当のシェフの方も注文の集中による調理時の余裕がなくなり、鉄板焼料理でその料理の美味しさを左右する焼きの仕事の精度がどうしても落ちてしまうと感じるから。
実際、上の写真は17時30分の鉄板焼きサービス提供開始直後に撮影したものですが、5皿分となる10切れの白身魚を一度に手早く調理している様子が確認できるはず。
その一方で、上の写真では1皿分の2切れのみを丁寧に調理してくれている様子が確認できます。
こうした形での1皿分に集中してもらえる調理では、食感として感じるふんわりとした柔らかさや食材が持つ細やかな風味などがはっきりと感じられる形で残されていることが多く、口にした時の満足度を大きく高めることに貢献してくれるのは間違いありません。
もちろん、混雑している時でも、混雑していない時でも、変わらずに同じ高品質な料理を味わえるのが理想だと思うのですが、出発時間という絶対遵守の制限時間を抱え、これから飛行機に乗って飛び立たなくてはいけない利用者を対象に料理を提供する空港ラウンジという特殊性を考えると、調理の面で物理的な無理をすることになっても、迅速で確実な提供を優先するという方針を選択されているのかもしれませんね。
とは言え、鉄板ダイニングのサービス性質上、かなり混雑している状況だったとしても、数分から十数分待つだけでそうした混雑状態は大きく改善されますから、せっかくの鉄板焼きでの料理を楽しむのであれば、美味しく味わうためにも少しだけ待ってみて、混雑の解消を確認した後に注文してみるのはなかなかおすすめなことだと思います。
鉄板ダイニングで楽しめるプチアレンジ
鉄板ダイニングを楽しむ上での隠れた魅力の1つが、注文時に受け付けてもらえるちょっとしたプチアレンジです。
もちろん、あまりに混雑している時には遠慮するべきですが、そうではない時には、多くの場合、担当シェフの方は快く引き受けてくれます。
その一例としては、ライ麦ガレットを少ししっかりと焼いてもらったり。
付け合せの野菜やポテトをなしにしてもらったり。
付け合せだけではなく、標準的なソースもなしにして、塩と醤油だけのシンプルな味付けを楽しんだり。
複数用意された味付け用の調味料の中で、お気に入りの調味料だけを用意してもらったり。
ソースの分量コントロールを試すために、ソースだけを別皿に用意してもらったり。
こうしたプチアレンジはより自分自身の好みにあった美味しい状態で鉄板ダイニングで提供される料理を楽しむために、大きな助けになってくれるのは間違いありませんから、混雑具合と担当シェフの方の忙しさを確認した上で、お願いしてみるのも十分価値のあることだと感じています。
JAL特製鉄板ビーフバーガーの魅力
鉄板ダイニングで提供されてきたそれぞれのメニューを簡単に紹介する中でも取り上げたように、鉄板ダイニングで楽しめた料理の中での個人的なお気に入りといえば、それはやはり2019年8月と10月に提供されたJAL特製鉄板ビーフバーガーです。
実は、かつての定番だったミスジステーキとも迷ってしまう問題なのですが、私がどちらか1つだけを選ぶのなら、やはりJAL特製鉄板ビーフバーガーに気持ちが傾くというのが正直な部分です。
それはやはり、JAL特製として、日本人にとって馴染みやすく楽しみやすい日本食を思わせる味付けをハンバーガーの形で表現していることに魅力を感じていることが大きな理由かもしれません。
また、その比較対象として、JAL以外にも様々な国の航空会社が自社のラウンジ内で提供しているハンバーガーが存在している中で、それらと比べてもよく考えられた確かな個性を持つ仕上がりの1皿が作り上げられたことも嬉しいと感じるポイントです。
ただし、前述の通り、鉄板ダイニングで提供される料理の中では、ボリュームも極端に大きく、さらにきれいに食べるための難易度や1皿で摂取できるカロリーすらなかなか凶悪なものですから、ラウンジ内に用意されたナイフやフォークを活用することを前提に、同伴者など一緒に利用している2人などで1皿をシェアするなどの対策も考えるのも現実的な対策として十分検討する価値があると感じています。
羽田空港ファーストクラスラウンジ最奥RED SUITEで提供されるローランペリエはうっかり見逃し注意
鉄板ダイニングと同様、サクララウンジにはないファーストクラスラウンジだけのサービスとして人気を集めているのが、特別なシャンパン、ローランペリエの提供です。
羽田空港のJALファーストクラスラウンジの場合、その舞台はラウンジ内でも特に奥にあるエリアに用意されたRed Suite。
そのRed Suiteの中でも、最も奥にあるエリアに、ローランペリエはまるでこっそりと隠されているかのように用意されています。
周囲には、はせがわ酒店が月替りで選定するこだわりの日本酒ラインナップに加え、自由に利用できるリーデルのグラスが整然と並べられています。
肝心のローランペリエは、大量の氷できりりと冷やされた状態のものを2本ずつ用意。
その一方で、ファーストクラスラウンジ内のRed Suite以外のエリアの目に付きやすい場所にも、その時その時で選定されたシャンパンが用意されているのですが、そこにはローランペリエの姿はなく、必ずファーストクラスラウンジ奥のRed Suiteまで足を運び、そこで用意する必要があるのは少しだけ要注意ですね。
ちなみに、ローランペリエの提供は羽田空港のファーストクラスラウンジだけに限られるものではなく、成田空港第2ターミナルにあるJALファーストクラスラウンジでも楽しめるように提供されています。
ただし、この成田空港のJALファーストクラスラウンジでも、羽田空港と同様に、目の付きやすいところに用意されているのはあくまでローランペリエ以外のシャンパンのみで、ローランペリエを楽しむためには、握り寿司が提供されている本館にあるラウンジ奥のエリアだったり、本館のラウンジから物理的に離れたサテライトのJALファーストクラスラウンジに用意されていたりと、それほど簡単には楽しめるようにはなっていないという部分で共通点を感じますね。
特別なタイミングだけに楽しめる特別なローランペリエ
JALファーストクラスラウンジの魅力を支えるサービスの1つとなっているローランペリエの提供ですが、実は特別なタイミングだけに普段とは全く異なる特別なローランペリエが提供されることがあります。
具体的には、例年、
- 通常期(通年):ローランペリエ ラ キュベ(Laurent-Perrier La Cuvée)定価税込6,480円
- 桜の開花~満開時期(3月中旬~4月初旬):ローランペリエ ロゼ(Laurent-Perrier CUVÉE ROSÉ BRUT)定価税込12,999円
- 空の日(9月20日):ローランペリエ ウルトラ ブリュット(Laurent-Perrier ULTRA BRUT)定価税込12,960円
- クリスマス(12月24日~25日)、正月元旦(1月1日):ローランペリエ グランシェクル(Laurent-Perrier GRAND SIÈCLE)定価税込24,000円
といったラインナップになっていて、それらの定価に注目してみると、
- ロゼ:通常期のローランペリエの約2倍。ウルトラブリュットとほぼ同等。
- ウルトラブリュット:通常期のローランペリエの約2倍。ロゼとほぼ同等。
- グランシェクル:通常期のローランペリエの約4倍。ロゼとウルトラブリュットの約2倍。
というなんだかわかりやすい形での価格設定が採用されていることが分かりますね。
これらの特別なローランペリエも羽田空港のJALファーストクラスラウンジで提供される時には、Red Suite内に用意されるのは変わらないのですが、通常のローランペリエに加わる形で一緒に冷やされ、その近くには銘柄を紹介する銘板も必ず準備されています。
ただし、2019年クリスマスは12月24日のクリスマスイブのみのローランペリエ グランシェクルの提供への変更に加え、2020年正月元旦には、これまでのローランペリエ グランシェクルから空の日と同様にローランペリエ ウルトラ ブリュットへの変更が実施されることに。
これは、明らかなサービスダウンですから、それが行われてしまったのは本当に残念な部分です。
ローランペリエ ロゼ、ローランペリエ ウルトラブリュット、ローランペリエ グランシェクルの詳細と特長
特別なローランペリエの中でJALファーストクラスラウンジで楽しむことが最も困難な1本を選ぶのなら、それは間違いなくローランペリエ ロゼです。
なぜなら、このローランペリエ ロゼだけは、かつては2月14日のバレンタインデーにもていきょうされていたものの、現在では首都圏での桜の開花時期に提供されるのが基本となっていて、確度の高い開花予想が出揃った頃に提供日がJAL側から発表されるのが定番だから。
つまり、ローランペリエ ロゼにJALファーストクラスラウンジで出会えるかの可否については、予約段階ではかなりの部分で運任せになってしまうことは避けられません。
逆に、ローランペリエ ウルトラブリュットやローランペリエ グランシェクルは、通常、余程のことがない限り、毎年提供される日付が決まっている種類の特別なローランペリエですから、スケジュールの調整さえ可能なら、それに合わせる形で海外旅行を計画する・・・なんてことも現実に不可能ではないことを考えると、桜の花のご機嫌次第となるローランペリエ ロゼの難しさが特に際立っていると感じられますね。
せっかく通常のローランペリエと一緒に並べられ、飲み比べも容易に可能なわけですから、気になる味わいをローランペリエ ロゼと比べてみると、意外にも飲みやすさとしては通常のローランペリエの方が良好。
ローランペリエ ロゼの方は色合いの美しさに加え、美味しさに確かな深みや重厚感が味わえるため、個人的には好きなものの、それらがクセのように感じられ、シャンパンをあまり得意としていない方には気になる部分になってしまうかもしれないと感じたのも正直な部分です。
続いて、毎年9月20日の空の日を記念してJALファーストクラスラウンジで提供されるローランペリエ ウルトラブリュット。
2020年には1月1日の正月元旦にも提供される銘柄に選ばれています。
全体的な印象としては、通常のローランペリエを素直に高品質化したというのが正直なものです。
そのため、飲みやすさとしても、ローランペリエ ロゼはもちろん、通常のローランペリエよりもシャンパンが苦手な方にとっても飲みやすいと感じる銘柄かもしれません。
ただし、味わいや旨味、風味といったものは、よく味わい楽しんだ時のローランペリエ ロゼに一歩及ばないという印象を抱いてしまう仕上がりで、個人的にはウルトラブリュットよりもロゼの方が好きだと感じてしまう1本になりました。
もちろん最後を飾るのは、12月24日と12月25日のクリスマスの時期に加え、2019年までは1月1日の元旦にも振る舞われるローランペリエ グランシェクル。
1年の中でも記念すべき日に提供されるローランペリエだけあって、定価で見ても他のローランペリエとは一線を画する値段設定になっています。
そうした値段設定を反映してか、航空会社によっては、国際線ファーストクラスで提供するシャンパンとして採用しているケースもあるほど。
そんなローランペリエ グランシェクルで気になる、実際に楽しんだ時の印象はというと、最も味わいの深さや旨味、豊かな風味を実感できるにも関わらず、飲みやすさを左右するクセも皆無と言って気にならず、JALファーストクラスラウンジで提供されるローランペリエの中で際立って高品質を誇るまさに別物。
確かに1本あたりの値段も大きく異る以上、ある程度は仕方のないこととはいえ、これまでちょくちょく楽しんできた同じブランドでもコストの掛け方が変わるとここまで変貌してしまうのかと、強烈な実感を伴って理解するにはとても良い経験になったのも正直な部分です。
ちなみに、これらの特別なローランペリエは数量限定で提供されていて、その中でも最も高価なローランペリエ グランシェクルは1日に10本程度。
その10本を午前に5本、午後に5本というように配分しての提供となりますから、幸運にもローランペリエ グランシェクルが提供される特別な日にJALファーストクラスラウンジが利用できる場合には、少し早めにラウンジを訪れるのがおすすめかもしれません。
一方で、特別なローランペリエでも、ローランペリエ ロゼとローランペリエ ウルトラブリュットについては、それほど極端に本数が制限されているわけではないようで、夜遅い時間帯にラウンジへ到着しても、問題なく味わえたことも一度や2度ではありませんから、個人的にはローランペリエ グランシェクルの時ほど心配する必要はないという印象を感じています。
まとめ
同じJALが運営するラウンジでも、似ているようで意外にはっきりと違いが設けられているJALファーストクラスラウンジとサクララウンジ。
羽田空港のJALファーストクラスラウンジで提供されている鉄板ダイニングと特別なものも含めたローランペリエの提供も、2つのラウンジ間に確かな違いを生み出す魅力的ななのは間違いありません。
もちろん、どちらのサービスも常に利用できるものではなく、活用するためにちょっとした運も必要になることもあるなど、これらのサービス独自の難しさも存在するのですが、それらを乗り越えた時の満足度は大きく、価値を感じる方も多いはず。
そうした一筋縄ではいかない部分も含め、少し積極的にJALファーストクラスラウンジのサービスを楽しんでみるのも、なかなかおすすめだと思いますよ。
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