高速鉄道タリスに乗ってパリからアムステルダムへ(オペラ~パリ北駅~アムステルダム)

ヨーロッパ周遊の切り札、高速鉄道

ヨーロッパを周遊する上で最大のメリットは間違いなく高速鉄道を利用できること。

1つの国の中だけではなく、ロンドン-パリやパリ-アムステルダム、アムステルダム-ケルンというように、国と国を行き来する国際鉄道として運行されているため、旅での自由度は想像以上。

しかも、LCCなど飛行機との熾烈な競合もあってか、販売開始直後の時期には数百キロ以上の距離間を結ぶ高速鉄道の乗車券でも数十ユーロから販売されているなど、かなりダイナミックな割引率の安価なチケットを購入できるのも、ヨーロッパ周遊を楽しむためには嬉しいポイントなのは間違い無し。

そんな高速鉄道の中でもお気に入りの1つが、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツの4カ国をカバーするタリス(Thalys)です。

そのタリスを利用して、パリから向かったのはオランダ絵画で有名なアムステルダム国立美術館やゴッホ美術館などを擁するオランダ・アムステルダム。

パリ・オペラからメトロに乗ってパリ北駅へ

我が家がパリ観光の拠点としているオペラからタリスを利用する場合、パリ北駅に移動する必要があります。

利用するのは、定宿として宿泊中のインターコンチネンタル パリ ルグランの目の前に駅があるメトロ。

1回だけ乗り換えが必要ですが、タクシーなどのように治安があまり良くないとされるパリ北駅の駅前を歩かなくても、駅構内にダイレクトに到着できるため、気に入っています。

乗り換え例としては、

オペラ(Opéra)

↓ メトロ7号線(La Courneuve 8 Mai 1945方面)

パリ東駅(Gare de l’Est)

↓  メトロ4号線(Porte de Clignancourt方面)

パリ北駅(Gare du Nord)

となっていて、数ある乗り換えの中でも難しいものではありません。

 

また、日中の時間帯であれば、車内や乗換駅も含めメトロの治安も大きな問題を感じるほどではないはず。

パリ北駅到着後は、駅構内のあちこちにある乗換案内に従って上に上にと移動すると高速鉄道対応のプラットフォームが見えてきます。

その時の目印は、電車への乗り換えを示す「TRAINS」や高速鉄道を特に示す「Grandes lignes」など。

高速鉄道用のプラットフォームは駅最上階のエリア。

開放感のある空間が確保されています。

そこにはパリとロンドンを結ぶ国際鉄道としても有名なユーロスターも。

フランス国内のあちこちを結ぶ特急列車もすでに入線済みで出発の時を待っていました。

出発時刻と行き先が表示されている電光掲示板もフランス以外の国外の地名もしっかり案内されています。

さて、今回我が家で利用するアムステルダム行きのタリスもパリ北駅始発らしく、よく見てみるとすでに入線済み。

利用したのはパリ北駅10時25分発タリス9327便。

この時は、繁忙期らしく途中駅のブリュッセルまで限定で運行される9427便も接続されて2便構成でした。

手荷物検査と優先乗車

タリスを利用する場合、最近の強化されたセキュリティの影響で、その乗客は基本的には手荷物検査が必要。

そのため、タリスが入線しているプラットフォームに入場するためには、手荷物検査の開始を列に並びながら待ちます。

列は2つに分かれていて、お子様連れの方やお体の不自由な方に加え、タリス上級会員が利用可能な優先乗車の列と、一般の利用者用の列の2種類。

まるで飛行機の優先搭乗のようで面白いですね。

手荷物検査が開始されたのは出発の25分前の10時ちょうど。

もちろん、席自体は指定席ですから、急がなくても席がなくなることはないものの、荷物を置くスペースは早い者勝ち。

特に、バカンスシーズンは多くの方が巨大な荷物をいくつも持ち運ぶ姿も見られますから、ある程度早めに並んでいないと自分の席から離れた目の届きにくい場所に荷物を置く必要に迫られます。

それを避けるためは、手荷物検査開始の10分程度前には列に並んでおくほうが安心です。

タリスへの乗車と2等車車内

チケットのチェックが完了すると、大きな荷物だけを対象にした手荷物検査が行われ、プラットフォームに入場。

入場後は、これから乗車する車両(Coach)を、車両に表示された表示を参考に探しながら進んでいきます。

ただ、パリ北駅で乗車する場合、その探している車両がかなり奥まった位置に停車していることもあり、かなりの距離を歩く可能性もケースもあるので要注意。

乗車した2等車車内はタリスのブランドカラー、ワインレッドに統一されたもの。

席には中央にテーブルの用意された4人掛けも完備。

もちろん、オーソドックスな2人掛けも用意され、予約時に座席位置と合わせてある程度選択することができます。

上の写真は2人掛けの席の通路側に着席して撮影したもの。

ヨーロッパの大柄な方々の体格を考慮し、ゆったりとしたサイズ感になっているのか、全体的にゆったりとした印象を感じながら過ごせるようになっています。

さらにシート自体もどっしりとしたサポート力を感じながら座れるため、乗車時の快適性はかなり高いもの。

トイレもほぼ各車両の前後に用意され、そのどちらも使用中ということはそれほどなく、待ち時間をあまり意思せず快適に利用可能。

 

ちなみに料金は最安値付近での購入&パリ北駅からアムステルダムまでの片道2等車利用大人1人35ユーロ。

パリ-アムステルダム間、約600キロ弱の距離を最大時速300kmの高速鉄道で移動することを考えるとかなりお得としかいいようがありません。

新幹線での日本国内移動では考えられない割引運賃です。

到着はオランダ・アムステルダムにあるアムステルダム中央駅(Amsterdam Centraal)。

このアムステルダム中央駅は東京駅とよく似ていることでも知られるオランダ観光の起点となる駅です。

アムステルダムの主要空港、スキポール空港もアムステルダム中心部からのアクセスが優れていることでも有名ですが、到着するのが主要駅そのものの高速鉄道がもつ利便性にはやはりかないません。

高速鉄道利用では、飛行機の利用で必須な都市中心部と空港間の往復のコストも時間もカットできるわけですから。

まとめ

国同士が陸続きで、伝統的に列車での移動が発達してきたヨーロッパだからこそ、便利にそれでいて安価に利用できる高速鉄道は、ヨーロッパ内を安心しながら周遊するためにぜひとも活用したい強力なツールの1つです。

しかも、予約も日本を出発する前から簡単に行えるようになっていて、実際の利用時にも印刷したり画面に表示したチケットを改札にきた車掌などタリススタッフに提示するだけなど、チェックイン手続きや手荷物の制限などが厳しいLCCなどの飛行機利用よりも手軽で快適に感じる方も多いかもしれませんね。

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