ビジネスクラスやファーストクラスを利用したり、それぞれの航空会社の提供する上級会員資格を持っている利用者は、制限エリアに用意されたビジネスクラスラウンジやファーストクラスラウンジで搭乗前の時間をくつろぐことができます。
特に、それぞれのラウンジには、運営している航空会社はもちろん、立地している国や都市などの特色も色濃く感じられ、そうしたラウンジ違いを実感できるのも旅行の楽しみの1つかもしれません。
目次
JAL上位クラス・ワンワールドステイタスで利用できるラウンジ
例えば羽田空港や成田空港から出発するJALの上位クラスに搭乗する場合、チェックインカウンターでの手続きで、ビジネスクラス利用時にはサクララウンジ、ファーストクラスにはファーストクラスラウンジが案内されます。
実際に、その時に発券される搭乗券を見ても、搭乗するクラスの右下に利用できるラウンジが印字され、上のファーストクラス搭乗券には「FIRST LOUNGE」の文字が確認できるはず。
では、利用できるラウンジが搭乗券に印字されているラウンジのみなのかと言えば、そんなことはありません。
なぜなら、JALのビジネスクラスやファーストクラスを利用する場合、ワンワールドに加盟する航空会社が運営する他のラウンジも無料で利用できるルールがあるからです。
これは、ワンワールドステイタスを持つそれぞれの航空会社の上級会員の方も同様。
実際、羽田空港と成田空港の国際線出発に利用できるラウンジについて、ワンワールドのラウンジ検索サービスで検索してみると、
羽田空港(国際線ターミナル)
- 日本航空ファーストクラスラウンジ
- 日本航空サクララウンジ
- 日本航空サクララウンジ – Sky View
- キャセイパシフィック航空ラウンジ
成田空港
- 日本航空ファーストクラスラウンジ
- 日本航空サクララウンジ
- アメリカン航空アドミラルズクラブ
- キャセイパシフィック航空ラウンジ
- カンタス航空インターナショナル ビジネスラウンジ
というように、複数の候補が提示されます。
これらの中から元々案内されたラウンジではないラウンジを利用する時にも、ラウンジの受付で搭乗券やステイタスカードの提示だけで手続きは完了し、無料での入室が許可されます。
また、1つのラウンジを利用していて、次第に混雑してきたなどの理由で、他のラウンジに移動しても問題なく、無料で2つ以上のラウンジでサービスを楽しむことも可能です。
利用(入室)を断られるラウンジには要注意
利用可能なラウンジを見つけるためにはとても便利なサービスと言える、ワンワールドのラウンジ検索サービスですが、思わぬところに落とし穴があることだけには要注意。
というのも、ワンワールドに加盟している航空会社のビジネスクラスやファーストクラスを利用していたり、対象となるはずのワンワールドステイタスを持っていても、利用が断られ、入室できないラウンジも検索結果に表示されてしまうからです。
具体例として分かりやすいのが、韓国 ソウルにある仁川国際空港。
利用できるラウンジを検索してみると、
- Asiana Airlines ビジネスクラスラウンジ
- Asiana ラウンジ
- Korean Air ラウンジ
という3つのラウンジが表示されるのですが、例えばJALを利用する場合、この中でもKorean Air ラウンジのみが利用可能。
それ以外のラウンジでは利用できないラウンジとして案内され、入室が許可されず、Korean Air ラウンジを訪れるように促されるはずです。
では、なぜこんなことが起きるのかというと、仁川国際空港にあるこれら3つのラウンジは、ワンワールドに加盟している航空会社が運営するラウンジではなく、他の航空会社が運営するラウンジと提携しているに過ぎないからです。
具体的には、
- Asiana Airlines ビジネスクラスラウンジ:カタール航空
- Asiana ラウンジ:ブリティッシュエアウェイズ、S7航空
- Korean Air ラウンジ:JAL、アメリカン航空、マレーシア航空
というように、同じワンワールドに加盟する航空会社でも全くバラバラのラウンジと提携している状況。
そのため、いずれのラウンジの利用条件でも、「対象のお客様が上記の oneworld 加盟航空会社のフライトでご旅行になる場合にのみご利用いただけます。」という注意書きがあることに要注目。
逆に、羽田空港や成田空港のラウンジではそうした制限は全くなく、好きなラウンジを利用できますから、「対象のお客様が oneworld 加盟航空会社のフライトでご旅行になる場合にご利用いただけます。」というように、「上記の」という言葉が存在しない状態の注意書きしかありません。
つまり、一部の空港で見られるような、それぞれの航空会社が別々に提携しているラウンジは、ワンワールドの提携とは全く関係のないラウンジですから、案内されたラウンジ以外を訪れても利用できないのは仕方のないことですね。
こうした例は、JALと独自で提携しているパリのシャルル・ド・ゴール空港のエールフランスラウンジにも当てはまります。
このシャルル・ド・ゴール空港は、利用される方の母数も多い以上、ルールを誤解される方も多いのか、JAL以外の航空会社を利用するワンワールドステイタスをお持ちの方が、入り口で利用を断られている場面は意外に高頻度で見かけました。
使えるはずのラウンジが利用できない時の対応
また、チェックインのタイミングで案内されたラウンジを訪れた際に、案内されたラウンジを利用してくださいと促される可能性もあります。
これには、ラウンジスタッフがワンワールドのラウンジ利用のルールを誤解していること、あるいは、訪れたラウンジが満席近いことなどの2つの理由が考えられます。
もし仮に、1つめの理由が原因の時には、誤解を解くために、英語版やその国で最も使われている言語版の利用可能ラウンジ一覧画面を提示するのが一番。
具体的には、ワンワールドのラウンジ検索サービスの画面の左上の「言語を選択」のリンクをクリックすると、様々な言語のページに切り替えることが可能です。
インターネット接続が可能な場合は、目の前でそのページをタブレットやスマートフォン上に表示してラウンジの受付スタッフに見せたり、それが難しい場合には、あらかじめスクリーンショットを記録したものや紙に印刷したものを念のため用意しておくのがおすすめですね。
一方で、2つめの、訪れたラウンジが満席近いなど、混雑状況が理由で断られる場合は、残念ですが、素直に諦めるのが一番。
ワンワールドで提携しているとは言え、そのラウンジを元々運営している航空会社の利用者がそのままその航空会社のラウンジを利用できることを重視し、ある程度の余裕を空席として確保しておかなくてはいけない以上、それ以外の航空会社の利用者が制限を受けるのはある程度仕方のないことだからです。
実際、JALとしても、ラウンジサービスの詳細を説明するページで、
- 「ラウンジの混雑状況によっては、ご入室いただけない場合があります。」
- 「ピーク・シーズンには、ラウンジの人数制限からご入場をお断りする場合もございます。ご入場は、ワンワールド アライアンス加盟航空会社へ搭乗される当日のみとなります。ワンワールド アライアンス加盟航空会社以外が運営するいくつかのラウンジでは、入場を制限させていただく場合がございます。」
というような案内で注意喚起しているくらいですから。
インボラアップグレード時のラウンジ利用
ビジネスクラスでのラウンジ利用で気になることと言えば、元々エコノミークラスで予約していて幸運にもビジネスクラスに無償でアップグレードされる、インボラアップグレードに遭遇した時のラウンジアクセスです。
この場合、ラウンジアクセスも可能になりそうなものですが、あくまでインボラアップグレードは機内でのサービスが対象となるもの。
そのため、インボラアップグレードされた搭乗券の右下にもラウンジの利用可能なラウンジの印字がなく、ラウンジは利用できません。
ラウンジと同様に、飛行機の外でのサービスの1つ、預入荷物の優先扱いもなしです。
ただし、アップグレードされた後の搭乗券を確認して提供される、保安検査や出国手続き、優先搭乗などの優先扱いは問題なく受けられるなど、サービスごとにちょっとした温度差があるのは面白いですね。
まとめ
同じ空港ラウンジといって、それぞれのラウンジの場所や運営企業によって、様々な特長や意図が感じられるのはとても楽しいものです。
特に、ビジネスクラスやファーストクラスを利用したり、それぞれの航空会社の提供する上級会員資格を持っている利用者はそうしたラウンジの中から、好きなラウンジを選んで自由にアクセスすることが認められているため、活用の幅が広く、様々な楽しみ方を秘めた特典といえます。
もちろん、ちょっとした注意事項はあるものの、簡単にチェックするだけで解決できるものが大半ですから、気軽にいろんなラウンジを訪れてみて、自分だけのお気に入りのラウンジやその使い方を見つけてみるのも、旅のちょっとした楽しみになるかもしれませんね。
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