飛行機を利用した旅行で最も思いがけない幸運と言えばインボランタリーアップグレード。
この通称インボラと呼ばれるアップグレードは、元々予約していたクラスが満席になったことにより、
- エコノミークラスからプレミアムエコノミーやビジネスクラス
- ビジネスクラスからファーストクラス
のように無料でより上位のクラスにアップグレードしてもらえる嬉しいサービスです。
目次
インボラアップグレードされるタイミング
インボラアップグレードが確定し、上位クラスの搭乗券が手渡されるタイミングは大きく分けて、
- チェックインカウンターでのチェックイン手続き時
- 航空会社ラウンジ内での呼び出しに応じた時
- 搭乗ゲートでの呼び出しに応じた時
- 搭乗ゲートを通過しようとした時
- 機内に搭乗後
など様々。
もちろん、どのタイミングでもインボラアップグレードが嬉しいことに変わりはないのですが、その中でもやはりチェックインカウンターでアップグレードを伝えられると、ちょっとした心の準備や実際の搭乗まで少しだけウキウキした気持ちで過ごせるなど、一番の好みです。
そんなアップグレードが確定するタイミングの中でも、チェックインカウンターでインボラアップグレードの手続きが完了すると、搭乗までの時間が一番長く、アップグレードされた後の上位クラスとしてのサービスのほぼすべてが利用可能に思えます。
そのサービスとは具体的には、
- 預入荷物の優先対応
- 保安検査や入国審査の優先
- サクララウンジなどのラウンジサービス
- 優先搭乗
- 機内食の内容とメニュー選択
- 上位クラス限定の機内販売
- マイル加算率
の7つ。
インボラアップグレードでも利用できるサービスと利用できないサービス
この7つのうち、インボラアップグレードされた時に利用可能なサービスは、
- 保安検査や入国審査の優先
- 優先搭乗
- 機内食の内容とメニュー選択
- 上位クラス限定の機内販売
の4つのみ。
逆に、元々上位クラスを予約しているときにのみ利用可能なサービスとして制限され、インボラアップグレードでは利用できないサービスは、
- 預入荷物の優先対応
- サクララウンジなどのラウンジサービス
- マイル加算率
の3つです。
保安検査や出入国審査の優先
まず、保安検査や出入国審査の優先については、搭乗券の提示のみが必要な場合、問題なく利用可能です。
例えば、羽田空港や成田空港の場合、航空会社の上級会員資格を示すステイタスカードの他に、上位クラスの搭乗券を提示することでの優先保安検査が受けられるレーンの利用も可能ですから、インボラアップグレードされた搭乗券でも指定のクラス以上ならスムーズに通過できます。
ただし、保安検査や出入国審査の優先を受けるために、事前に提供特別なカードやクーポンの提示が必要な場合は、到着前に機内での配布では問題なく提供が行なわれるものの、チェックインカウンターでの配布されるケースでは、出発する空港の方針や実際にチェックインを担当するスタッフとのやりとりに左右され、優先が受けられない可能性もあります。
そのため、インボラアップグレードはあくまで機内サービスのみのアップグレードとしてとらえ、一部の空港では保安検査や出入国審査の優先は期待できないものとして考えておくのもおすすめかもしれません。
優先搭乗
優先搭乗についても同様に利用可能。
実際、搭乗券を見ても、「優先搭乗 Priority boarding」と記載済み。
搭乗ゲートでの担当スタッフによるチェックでも搭乗券を見せるだけで問題なく通過できます。
機内食の内容とメニュー選択
機内食については、アップグレード先の上位クラスでの内容がしっかりと提供されます。
そのため、アップグレードの前のエコノミークラスの食事が提供され、悲しい思いを味わう・・・なんて心配はありません。
上位クラス限定の機内販売
ビジネスクラスとファーストクラスの利用者を対象に販売されている、幻の焼酎、森伊蔵などの上位クラス限定の機内販売商品も、インボラアップグレードでの利用を理由に、購入を制限されることがないのも嬉しいですね。
預入荷物の優先
ビジネスクラスやファーストクラスの利用時に受けられる預入荷物の優先受け渡しは、早く空港からの移動を開始できる点で嬉しいサービスです。
しかし、インボラアップグレードでの上位クラス利用では、基本的に提供してもらえないルールになっています。
こうした運用ルールはとても残念ですが、インボラアップグレード自体、あくまで機内サービスのみのアップグレードを目的としたものですから、仕方のない部分ですね。
サクララウンジなどのラウンジサービス
インボラアップグレードでの利用中に、その制限を最もはっきりと感じることになるのが間違いなく、ラウンジサービス。
というのも、ビジネスクラスやファーストクラスはもちろん、プレミアムエコノミーも加えた上位クラスを元々予約していた場合に利用可能なサクララウンジなどのラウンジサービスも、エコノミークラスからのインボラアップグレードでは利用できないからです。
実際に、エコノミークラスからビジネスクラスへのアップグレードが行われた搭乗券を見ても、大きく「C」と書かれたクラス名の下には、利用可能なラウンジについての案内が全くなし。
この状態でラウンジを訪れても、受付での手続き時にエラーが発生し、入室できないので要注意。
もちろん、元々プレミアムエコノミー以上で予約していた上でアップグレードされたり、ラウンジへのアクセスが可能な上級会員資格を保有している場合は問題なく、元々利用可能なラウンジサービスにアクセスできることに変更はありません。
マイル加算
マイルの加算については、アップグレードで実際に利用した上位クラスではなく、予約時に選択したアップグレード前のクラスでの計算が行なわれるため、インボラアップグレードとしての恩恵は全く受けられません。
これは、有償の航空券をマイルを使ってアップグレードした場合と同じです。
まとめ
インボラアップグレード後に提供される上位クラスのサービス内容からは、基本的に機内でのサービスのみのアップグレードとしていることがわかります。
しかし、保安検査や出入国審査の優先はもちろん、優先搭乗など一部搭乗の前後で利用できる上位クラスのサービスも提供されているのは面白いですね。
特に、JALの場合、上級会員資格がない場合でも、満席または満席近くの便の利用では、エコノミークラスからプレミアムエコノミーへのアップグレードが行われるのはもちろん、さらに運がよい場合、エコノミークラスからビジネスクラスへのアップグレードすら行なわれますから、実は毎回のチェックインが密かに楽しみなことの1つになっています。
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