さすがは美食の国だけあって、パリを訪れた時に日本へ持ち帰るお土産として何を選ぶのかということは、楽しみであるのと同時に悩みのタネかもしれません。
我が家の場合、数多く購入する定番としてはモノプリというスーパーで販売されているエコバッグを頼りにしているものの、自宅用としてはもちろん、ごく親しい友人へのお土産としては発酵バターを冷蔵保存した状態で持ち帰ることも楽しみにしています。
目次
エシレバターを中心としたフランスの発酵バター
ではなぜ、発酵バターをパリのお土産として持ち帰るのかというと、同じフランスの発酵バターでも、日本で購入する価格と、フランスで購入する価格に大きすぎる違いがあることが最大の理由です。
というのも、海外から日本に輸入されるバターを含む乳製品には巨額の関税と手数料が課され、それに輸送費すら上乗せされた日本での価格は見るも無残なものになっているから。
実際、パリでは数百円で販売されているバターでも日本では数千円になっていることも珍しくありません。
そうした状況は日本でも人気があり、JALの国際線ファーストクラスでも採用されている発酵バターブランドの1つ、エシレバターでも同様です。
そうした日本での購入には様々な追加負担が必要な状況でも、旅行者個人が海外旅行のお土産として(常識的な範囲内の分量を)持ち帰るのであれば、関税も手数料も輸送費すら負担すること無く、お得に美味しいバターが楽しめるわけですから、そこに大きな魅力を感じる方も多いはず。
パリから日本に発酵バターを持ち帰る方法
こうしてパリからのお土産としてエシレバターを中心とした発酵バターの日本への持ち帰りを考えた時、最大の難関は持ち帰るための方法です。
というのも、発酵バターは冷蔵での保管を要する食品のため、お店で購入してから、日本で冷蔵庫に入れるまで保冷できる環境を用意する必要があるから。
それが実現できないことには、せっかく購入した発酵バターの品質は劣化してしまうだけではなく、最終的には食品として楽しむことができない状態になってしまうことも考えられます。
そのために必ず用意したいのは、保冷バッグ。
この保冷バッグは、安価なものでも十分利用できるのですが、高価格で高品質なものは冷気を逃さない機能が大きく異なるため、万全を期すのであれば、少し投資してみるのもおすすめです。
実際、発酵バターの購入に限らず、保冷目的での再利用は可能ですから。
こうしてあらかじめ日本で用意した保冷バッグに購入した発酵バターを入れ、できるだけ冷たい状態を維持しながら持ち帰ることになります。
機内持ち込みではなく預け入れを選ぶ理由
保冷バッグに入れた状態で持ち帰る発酵バターですが、悩むことになるのが、
- 機内持ち込み荷物として飛行機の客室内に持ち込むのか
- 預入荷物として飛行機の貨物室に預けるのか
という2つ。
これについては、基本的に預入荷物として貨物室に預けるのがおすすめです。
というのも、
- バターは溶けると液体になるため、液体物として扱われた結果、機内持ち込みとして持ち込めず廃棄されるリスクがある
- 預入荷物が保管される飛行機の貨物室は上空で平均気温4度前後の低温状態になるとされ、飛行中の長い時間を冷蔵庫に保管するのと同じ効果が期待できる
というのがその理由。
実際、我が家でも発酵バターをパリから持ち帰る時には預入荷物として預けるようにしていますが、全く問題はありません。
直行便を利用して発酵バターを持ち帰るメリット
ただし、こうしてパリから発酵バターを持ち帰る時に気をつけたいのが、どれだけ良い条件で保冷できるのか確認するというもの。
実際、
- 乗継便ではなく直行便で帰国できるか
- 発酵バターをより強力に保冷した状態で持ち帰ることができるか
という2つの条件を満たすことによって持ち帰りの難易度は低くなる一方、逆に満たせなかった場合には発酵バターの美味しさや安全性が大きく低下してしまうことになるのも避けられません。
この中で特に重要と考えるのが、乗継便ではなく直行便を利用するという条件です。
なぜなら乗継便に対して直行便には、
- 全体の移動時間が短い
- 乗り継ぎ時の荷物紛失や遅延リスクがない
- 乗り継ぎ空港での荷物積み替え時の温度変化の影響を軽減可能
といった有利になる理由があるから。
逆に、乗継便では、発酵バターをより強力に保冷した状態で持ち帰る方法を別途用意しない限り、おすすめできないというのが正直な部分です。
保冷をサポートする手段
どうしても乗継便利用時に発酵バターを持ち帰りたい時はもちろん、直行便利用でも保冷に万全を期したい時に活用したいのが保冷を強力にサポートする手段です。
具体的には、実現が容易な順番に、
- 冷蔵保存していた保冷剤を保冷バッグに追加する
- 冷凍食品を購入して保冷剤代わりに保冷バッグに追加する
- 発酵バター自体を冷凍する
といったものがあります。
この中で断然おすすめだと考え、我が家でも活用しているのが、発酵バター自体を冷凍し、それ自体を強力な保冷剤として活用するというもの。
ただし、この方法の実現には、宿泊先のホテルの部屋に冷凍庫が用意されていたり、そうではなくても、ホテルの業務用の冷凍庫を利用させてもらえることが必要になります。
また、冷凍庫を利用できた場合でも、発酵バター全体がしっかり冷凍されるまでには数時間から十数時間の冷凍時間を要しますから、空港に向かう帰国日の前日までには発酵バターの購入を完了し、しっかりと冷凍するための時間を確保することも重要ですね。
ちなみに、我が家では2019年のゴールデンウィークには、エミレーツ航空を利用し、パリからドバイ経由の乗継便で帰国したのですが、パリで滞在したホテルの業務用冷蔵庫で24時間ほど冷凍した発酵バターを少し高品質な保冷バッグに入れて預入荷物として預けたところ、成田空港で受け取った時もしっかりとひんやり保冷されていて、無事に持ち帰ることができました。
逆に、ホテルの冷凍庫を利用できず、冷凍状態の発酵バターを持ち帰ることができない場合には、今回のような乗継便での帰国時には発酵バターの購入とその後の持ち帰り自体を諦めていたと思うほど、乗継便利用時の保冷手段の有無は重要なポイントだと考えています。
真空パックサービスが標準装備のギャラリーラファイエット
こうして持ち帰るための方法を準備した後、考える必要があるのは、どのお店で発酵バターを購入するのかということかもしれません。
我が家の場合、基本的にオペラ座のあるオペラエリアのインターコンチネンタル パリ ルグランに滞在するため、その周辺にある、
- ギャラリーラファイエットのグルメ館
- モノプリ オペラ店
のいずれかで購入するようにしています。
ちなみに、それぞれの店の特徴としては、
ギャラリーラファイエット:
- 高品質な発酵バターの種類が多い
- ディスプレイされている発酵バターの個数も多い
- 標準の無料サービスとして真空パックサービスが利用可能
- モノプリに比べると商品価格がわずかに高い
モノプリ:
- 高品質な発酵バターの種類がギャラリーラファイエットに比べて少ない
- モノプリのプライベートブランドを含め、リーズナブルでも美味しい発酵バターが多く並んでいる
- ディスプレイされている発酵バターそれぞれの個数はそれほど多くなく、需要の集中による売り切れに弱い
- 真空パックサービスが利用しやすい標準サービスとしては提供されていない
となっています。
個人的には、ギャラリーラファイエットでの購入が好みなのですが、それはやはり、取扱が格段に楽になるだけではなく、衛生面や万が一のバターが溶け出した際にも安心な真空パックを気軽に利用できる標準サービスとして提供されていることも大きなポイントです。
逆に、日本からジップロックタイプの袋を用意した上で、真空パックサービスに大きな魅力を感じないのであれば、発酵バターの持ち帰り初心者でも安心なギャラリーラファイエットではなく、あえてモノプリを選んだほうが、お得に楽しめる要素がたっぷりと感じています。
大型連休による売り切れと補充重視の来店時間
実際に発酵バターを購入する上で、意外に忘れやすいリスクが在庫がなく売り切れてしまっているというもの。
実際、上の写真は2019年ゴールデンウィークの最終盤にギャラリーラファイエットのバター売り場で撮影したものですが、グルメ館の営業が開始される午前8時30分頃に訪れたにもかかわらず、我が家でも追加購入を希望していた、日本人に人気の有塩タイプの発酵バターは軒並み売り切れになってしまっていることが分かります。
この写真の撮影を許可してくれた売場係員の方に在庫を問い合わせても、週末ということもあってバックヤードの在庫自体がなく、すでに本日分の補充は完了しているにも関わらずこの有様とのこと。
つまり、お店を訪れる曜日や時間帯によっては購入したい商品が全く残っていないリスクもあるということです。
実際、大型連休など日本人の間で休みが重なる時には、2019年GWの10連休という特別な時期ほど極端にひどく状況に至ることはないものの、これに近い在庫状況と共に、バター売り場で発酵バターを探し求める日本人の姿を多く見かけます。
そのため、冷凍に必要な時間と合わせて、売り切れになってしまう可能性も考慮しつつ、発酵バターを購入するタイミングを慎重に判断する必要があるということですね。
まとめ
準備の手間や注意点は存在するものの、無事に持ち帰ることができた時の嬉しさはとても大きいという魅力を持つ、エシレバターを始めとしたパリの発酵バター。
確かに利用する宿泊先や利用する帰国便、滞在スケジュールによっては、誰にでもおすすめできるものではない種類のお土産ですが、バターが好きな方や美味しいバターをたっぷり楽しみたい方にとって、パリでの最後の挑戦として価値あるものなのは間違いありません。
次のパリ訪問を前にした準備の1つとして、頭の中で少しだけシミュレーションしてみるのもなかなか面白いと思いますよ。
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