高速鉄道イタロ(italo)はイタリア周遊の心強い味方

イタリア国内を周遊する時に好んで利用しているのがイタロ(italo)と呼ばれる高速鉄道。

このイタロはイタリア版新幹線の1つと呼べるような高速鉄道で、最大時速300kmでローマやフィレンツェ、ベネチア、ミラノといった主要都市を結んでいます。

Italo, italian high-speed train | Book no service fee | italotreno.com
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数年前から格段に便利になったイタロ

実はイタロの歴史は浅く、2010年にEU域内の鉄道輸送が自由化されたのに伴い、自動車で有名なフィアット社の会長など、イタリアの財界人が中心となって生まれた新しい会社によって運行中。

そのため、開業当初は、イタリア国鉄のトレインイタリアに競争相手として目の敵にされ、余裕のない発着枠を理由に主要駅での発着が認められず、その1つ手前の駅を利用するしかないなど不遇の時代も。

しかし、数年前にはイタロもすべての主要駅への発着が行なわれるようになり、現時点では、トレインイタリアが誇るイタリア版新幹線、フレッチャロッサ(Frecciarossa)とほとんど同じ感覚で利用できる高速鉄道になりました。

EN - Trenitalia
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実際の駅で電車の到着や出発を案内する電光掲示板を見ても、イタロ運行の列車も、トレインイタリア運行の列車も一緒に表示されているくらいです。

ちなみに、今回の記事やイタロとは全く関係ないのですが、上の写真でミュンヘン中央駅発で午前6時19分に到着予定だった297便という電車の遅れは380分にもなっています。

6時間以上の遅れですから、国際鉄道が本当に遅れに遅れた時の恐ろしさを感じますね。

実際の利用時には電光掲示板で入線するプラットフォーム番号を確認。

イタリアの高速鉄道用のプラットフォームには改札がなく、車内での改札はあるものの、駅ではそのままノーチェックで入場可能。

そのプラットフォームに入線している電車のそれぞれの入口付近にある案内板を参考に予約してある車両(Coach)を見つけなくてはいけません。

イタロの運賃の仕組み

運賃はイタロもトレインイタリアも予約や空席状況によって大きく変動する仕組みが採用され、同じ目的地間を移動する時には、イタロで調べた後にトレインイタリアでも調べてみるのもおすすめです。

両方とも同じような価格帯になっているとは思うものの、その中でも都合の良い時間帯や少しでも安価な方を選べるなど選択肢が広がるはず。

また、イタロの乗車クラスは、

クラブ(Club):ファーストクラス相当

プリマ(Prima):ビジネスクラス相当

スマート(Smart):エコノミークラス相当

という3つに分かれていて、

クラブ(Club):

  • 一列3人掛けのゆとりのあるシート
  • 飲み物とスナックなどの無料サービス
  • 主要駅でのラウンジサービス

プリマ(Prima):

  • 一列3人掛けのゆとりのあるシート
  • 飲み物とスナックの無料サービス

スマート(Smart):

  • 一列4人掛けのスタンダードなシート
  • 飲み物などの無料提供なし

という違いがあります。

クラブ、プリマ、スマートのどれを選ぶのか

こうして3つもクラスがあると、どのクラスを選ぶのか悩むはず。

我が家の場合、基本的にはスマートで十分なものの、繁忙期で始発以外の駅から乗車する時には、安価に販売されているプリマを狙いたいという方針を採用中。

クラブでのみ利用可能な駅にあるラウンジ、イタロクラブなどは純粋にすごいなーとは思うものの、サービス自体が過剰だと感じるため、最初から選択肢に入っていません。

必要十分なサービスのスマート(Smart)

最も安価な料金で利用可能なスマートですが、通常の利用では不満のない旅行を楽しめるはず。

クラブやプリマに比べて横に1席多い一列4人掛けとは言え、基準となっているのがヨーロッパの体格の良い方々ですから、日本人が利用するには十分すぎるゆとりがあるシートがスマートでも提供されています。

シート自体も革張りでどっしりと体重を支えてくれる高品質なもの。

前後の間隔もフットレストが用意されるくらい、十分なゆとりが確保されています。

ただし、スマート利用時に問題になるのは、頭上の荷物置き場の問題。

というのも、バカンスシーズンなどの混み合う時期に、始発以外の駅から乗車する場合、スマートでは、すでに荷物が一杯で、自分自身のシートの近くに荷物を置くスペースを確保できないケースもあるからです。

その場合、車両と車両の間にあるデッキの荷物置き場に置く必要があるなど、万が一の盗難や紛失のリスクを考えると、不安が全くないといえません。

様々な部分でのゆとりが魅力のプリマ(Prima)

一列に3人掛けのプリマ最大の隠れたメリットはやはり、頭上の荷物置き場にゆとりがあること。

実際、スマートでは4人で利用していたスペースを3人で利用する計算になるわけですから、混雑した時の余裕は全く異なります。

特に始発駅からの利用ならまだしも、途中駅から乗車した場合には、プリマを利用する安心感はとても大きな違いになるはず。

飲み物やスナックなどが係の方の手によって無料で提供されるのも嬉しいサービスです。

乗車中に少しだけほっと一息つけるリラックスタイムになりますから。

まとめ

ローマやフィレンツェ、ベネチア、ミラノといったイタリアの主要都市を数時間程度で結ぶイタロは周遊旅行を気軽に楽しむためにはぜひとも活用したい重要ツール。

さらに、早めの予約を行った場合、大人1人20ユーロちょっとでプリマ利用の主要都市間のチケットが確保できるなど、お得度にもキラリと光るものがあります。

これは日本の新幹線を基準に考えてしまうと、最高時速300kmで数百キロもの距離を移動する高速鉄道の運賃とは思えない値段です。

イタリア周遊と聞くと、コスト面や所要時間の面で難しさをイメージしてしまうかもしれませんが、高速鉄道を利用して主要都市間を移動する限り、想像以上に快適でお得なものになるはず。

イタロもトレインイタリアも予約手続きは英語にはしっかり対応し、操作自体も簡単ですから、イタリアを訪れる時には高速鉄道での周遊にチャレンジしてみるのもおすすめだと思いますよ。

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