歩いてたどり着けない島にあるホテル、ヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスへの行き方とアクセス方法

世界遺産としても登録され、世界中から観光客を惹きつけ、そして魅了し続けるイタリア有数の観光都市、ベネチア。

アドリア海とそこに浮かぶ美しい街並みとのコントラストはもちろん、街に張り巡らされた路地を散策した時に感じる数百年前の時代にタイムスリップしてしまったかのような不思議な感覚など、ここでしか味わえない魔法のような魅力は確かに存在しています。

歩いてはたどり着けないホテル、ヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニス

そんなベネチアでの滞在で最も気に入っているのが、ヒルトン系のホテル、ヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニス。

このヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスは、ジュデッカ島と呼ばれる島にあった製粉工場跡を数年の歳月をかけて改装した後に営業を開始したという珍しい来歴を持つホテルです。

しかし、そのジュデッカ島にはベネチア本島から橋による接続はありません。

そのため、ベネチア観光のスタート地点になる鉄道駅のサンタルチア駅やバス停のあるローマ広場から徒歩でたどり着くことはできず、ベネチアでの主要な公共交通機関として活躍しているヴァポレットと呼ばれる水上バス、あるいはホテルが運航しているシャトルボートを利用するなどして、ホテルを訪れる必要があります。

サンタルチア駅やローマ広場からのヴァポレットの乗り方

ベネチアの玄関口と言えば、鉄道を利用した時に到着するサンタルチア駅(Venezia Santa Lucia)、そして、飛行機利用で到着するマルコポーロ空港からバスに乗り継いで訪れることになるローマ広場(Piazzale Roma)の2つ。

この2つのどちらからヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスを目指す場合でも、おすすめしたいのはヴァポレットと呼ばれる水上バスの利用。

具体的には、

サンタルチア駅:

  • 「FERROVIA “A”」から「S.MARCO-S.ZACCARIA 」行きのライン2
  • 「FERROVIA “C”」から「S.MARCO-S.ZACCARIA 」行きのライン4.1

ローマ広場:

  • 「P.LE ROMA “G”」から「S.MARCO-S.ZACCARIA 」行きのライン2
  • 「P.LE ROMA “E”」から「S.MARCO-S.ZACCARIA 」行きのライン4.1

というように、ライン2、ライン4.1のいずれかのヴァポレットにそれぞれの異なるアルファベットで案内された乗り場から乗船します。

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この乗り場の名前の後ろについているアルファベットは、サンタルチア駅やローマ広場、サンマルコ広場など、利用者の多い乗り場でのみ利用されるもので、より具体的な乗り場の建物を表しているもの。

同じ「FERROVIA」でも「FERROVIA “B”」で待っていては、「FERROVIA “A”」に来るはずの「S.MARCO-S.ZACCARIA 」行きのライン2はいつまで待っても来ないので、小さなことですが、最後のアルファベットには要注意です。

ちなみに、サンタルチア駅最寄りの「FERROVIA」とローマ広場最寄りの「P.LE ROMA 」は1駅分しか離れていない隣り合った乗り場になっていて、ライン2もライン4.1もそれぞれ全く同じヴァポレットが停まります。

そのため、ヴァポレットに乗船するために、サンタルチア駅からローマ広場に移動したり、逆にローマ広場からサンタルチア駅に移動する必要はなく、それぞれ最寄りの乗り場を利用するのがおすすめ。

さて、こうして乗船したライン2でも、ライン4.1でも下船するのは、時刻表上では「Giudecca PALANCA」、乗り場の表示では単に「Palanca」となっている乗り場でどちらも変わりありません。

その「Palanca」で降りた後は右に曲がってそのまま道なりに進みます。

距離にして400m弱歩き、途中で2つほど小さな橋を渡った先に目的地のヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスが見えてきます。

ホテルからサンタルチア駅やローマ広場へのヴァポレットの乗り方

さて、ホテルを訪れるためには、ライン2かライン4.1のどちらかを利用しました。

逆にホテルからサンタルチア駅やローマ広場へ向かう時には、「Palanca」を乗り場として利用するのは変わらないものの、そこから乗船するヴァポレットは「FERROVIA」と「P.LE ROMA 」行きのライン2かライン4.2のものを選ぶ必要があります。

と言っても難しいものではなく、「Palanca」の乗り場にある建物のうち、上の写真のように、「Direction」の部分に、「FERROVIA」と「P.LE ROMA 」が書かれた建物で待っていると、サンタルチア駅とローマ広場の両方に停まるヴァポレットが到着します。

一方で、逆方向に向かってしまうヴァポレットの乗り場(ホテルを訪れる時に利用)には「Direction」の部分に「S.MARCO-S.ZACCARIA 」という案内がありますから、落ち着いて確認すると、間違う心配は全くありません。

ちなみに、この「Palanca」の「S.MARCO-S.ZACCARIA 」行きの乗り場は、ライン2やライン4.1を利用してベネチアの中心部のサンマルコ広場を訪れたり、ライン2のみが停まるサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会最寄りの「S.GIORGIO」に移動する時にお世話になるなど利用する機会は多いはず。

ベネチアの中心からたった水上バス一駅で訪れられる超絶景 サン・ジョルジョ・マッジョーレの鐘楼

ライン2とライン4.1/4.2の違い

サンタルチア駅やローマ広場とヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスをヴァポレットで結ぶライン2とライン4.1/4.2ですが、どちらを利用しても全く同じというわけではありません。

実際、ヴァポレットが航行する経路が違っていて、出発してから到着するまでの所要時間やその間に楽しめる風景も大きく異なります。

まず、ライン2の方は、豪華客船ターミナルやフェリーターミナル、ローマ広場近くの物流拠点など、新しく整備されたベネチアの姿も確認しながら外洋寄りを大きく迂回して移動する路線。

一方の、ライン4.1/4.2はライン2に比べると赤レンガの倉庫などがきれいに立ち並ぶベネチア本島寄りを無駄なく移動する路線。

そのため、同じサンタルチア駅最寄りの「FERROVIA」とヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニス最寄りの「Palanca」間でも、ライン2では約32分、ライン4.1/4.2では約20分と違いは12分ほどになります。

基本的に、運航されている便数は1時間に5便程度運航されているライン2の方が、1時間に3便程度のライン4.1/4.2に比べ多く、すぐにそのまま利用する機会も多いと思うのですが、もし数分の待ち時間であれば、より早く移動できるライン4.1/4.2を選ぶのもおすすめです。

おすすめできないホテルのシャトルボート利用

ヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスでは、宿泊者へのサービスの一環としてシャトルボートを運航しています。

料金は大人1人1滞在につき、6ユーロの定額制。

ただし、このシャトルボート、ホテルを訪れたり、ホテルからサンタルチア駅やローマ広場に移動する目的で利用するのはおすすめできません。

なぜなら、ホテル-サンマルコ広場間の運航を基本としていて、サンタルチア駅やローマ広場からすぐに利用できるものではないからです。

一応、救済策としてなのか、18時40分以降に運航される便に関しては、ベネチア本島の中でも比較的サンタルチア駅やローマ広場に近いザッテレ(ZATTRE)を経由するようになります。

しかし、このザッテレは、比較的サンタルチア駅やローマ広場に近いといっても、有名なリアルト橋やアカデミア橋さえ越えたさらに先で、直線距離でさえ約1kmほど。

実際に歩くとなると、入り組んだ路地や歩きにくい石畳、さらには島と島を結ぶ大小様々な橋のあるベネチアでは、実質的に1.5km以上の徒歩での移動は覚悟しなくてはいけないはず。

チェックイン前やチェックアウト後でスーツケースなどの荷物を持ちながら移動する距離としては、あまり快適なものではなく、シャトルボートを頼りにしたホテル-サンタルチア駅/ローマ広場への移動は率直に言っておすすめできません。

まとめ

ヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスのように、ベネチア本島からは完全に独立した島にあるなどして、徒歩でのアクセスはできず、必ず船での移動が必要なホテルと聞くと移動時間や必要なコストなど敬遠したくなる方も多いかもしれません。

しかし、ベネチアは海と共に長い時間を歩んできた都市で、そこには今でもゴンドラなどから脈々と続いている船の文化が力強く残っています。

そうしたベネチアの本質的な部分と言える船との関わりのある生活に、自然な形で触れるためにも、ヴァポレットを利用したホテルへのアクセスはなかなかおすすめなものだと思いますよ。

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