2017年-2018年の年末年始のヨーロッパ周遊旅行で訪れたマドリードでは、ダブルツリー バイ ヒルトン マドリード プラド(DoubleTree by Hilton Madrid Prado)を宿泊先として選びました。
このホテルは、2016年に営業を開始したかなり新しいホテルという快適に過ごすためにはとても嬉しい特長と共に、マドリード中心部の主要観光地にも数百mという好立地も持ち合わせているため、徒歩での観光を強力にサポートしてくれました。
目次
メインレストランKirei by Kabukiのアクセスと営業時間
そんなダブルツリー バイ ヒルトン マドリード プラド(以後略してダブルツリーマドリードプラド)の朝食はホテルエントラスを入ってすぐのエリアにある日本料理レストラン、Kirei by Kabukiで提供されます。
このメインレストランでの朝食サービス提供時間は、
- 午前7時から午前11時まで(月曜から金曜)
- 午前7時から午前11時30分まで(週末)
となっていました。
こうした朝食提供時間の設定はスペインのヒルトン系ホテルでは一般的なものですが、朝早い時間帯からの行動で時間を有効利用したい我が家にとっては、もう少し早く朝食が開始されたらより嬉しい部分。
逆に、ゆったりと朝食を楽しむという方には、平日で午前11時まで、週末で午前11時30分までという時間設定は朝食を楽しむ時間帯を選ぶ自由度が高くなり、好印象を感じるかもしれません。
ダブルツリーマドリードプラドのメインレストランの利用方法と席への案内
午前7時になるとメインレストランの入り口の受付カウンターにはレストランスタッフの方が登場し、席への案内が始まります。
その時に用意するものは部屋番号と宿泊者の名字のみで、特段、朝食用のバウチャーやチケットを用意する必要はありませんでした。
また、このKirei by Kabukiでは、一般的なテーブル席に加え、開放感を感じるカウンター席も用意されているのですが、席が空いている限り、好きな席を選べるのもなかなか好印象。
ただし、このメインレストランを朝食で利用した時に、少しだけ変わっていると感じたのは、朝食後できるだけ早く出発するためにチェックアウトしてからの利用は認められていないこと。
これは、後述するアラカルトメニューが無料のものだけではなく、有料のものも用意され、その注文内容によっては追加の支払いが必要になってしまう可能性が残ってしまうことが理由のようでした。
コールドミールのみのシンプルすぎる朝食と誤解しかねない朝食会場のレイアウト
このダブルツリーマドリードプラドの朝食で最も注意しなくてはいけないポイントと言えば、朝食会場のレイアウトがかなり特殊な構成になってしまっていること。
というのも、レストランに入ってすぐに見つけられるビュッフェ台にはオーソドックスなパンや各種シリアル類に加え、カップケーキやチュロス、クッキーなどの食べ物があるのみ。
もちろん、その他に各種フルーツジュースやコーヒーも自由に利用できるようになっているのですが、その全体としての種類はかなり限られ、かなりシンプルすぎる朝食内容と感じてしまうはずです。
しかし、このシンプルすぎる朝食という評価は実は間違いで、別の場所にホットミールなどを提供するビュッフェ台が追加で用意されています。
その追加のビュッフェ台が用意されているのはレストラン奥を右に曲がってようやく到着できる場所。
一見すると、スタッフしか入ることのできない厨房などのバックヤードへの入り口のように考えてしまうのですが、この先にビュッフェ台があることを示す「Buffet」と書かれた案内板が用意されているので、安心して進むのが吉です。
日本の家庭料理を思わせる優しい味付けも楽しめる魅力的なホットミールラインアップ
案内板に従って到着した場所には、壁に沿って用意されたコの字型のテーブルの上に様々な料理が用意されていました。
一番手前にはメインとなるホットミール。
具体的には、
- ベイクドポテト
- スクランブルエッグ
- 肉団子
- カリカリベーコン
- マッシュルーム
- 豆煮込み
- スパニッシュオムレツ
- 各種野菜パイ
といったラインアップが並んでいます。
この中で私が特に気に入ったのは上の写真で奥の方に写っている肉団子。
肉団子と言っても中華料理的な味付けのものではなく、どこか日本の家庭料理を思わせる優しくシンプルな味付けで、口にするとほっとする美味しさの一品。
また、スペインらしい料理としては、スパニッシュオムレツや野菜を前面に押し出したパイなども用意され、さすが本場だけあってなかなかの美味しさを誇り、これらもまたホットミールの中では人気を集めていました。
朝から自由に楽しめる真っ当な寿司
このレストランの朝食で一番驚くことになったのは、コールドミールに寿司が用意されていたこと。
もちろん、このKirei by Kabuki自体が元々日本料理レストランとして営業している以上、日本料理としても人気のある寿司がメニューとして用意されているとしてもそれほど不自然なものではないのですが、それが自由に楽しめる朝食のラインナップに加えられているとなると、話は別です。
しかも、構成自体はサーモンや蒸しエビ、巻物など外国人の方が無理なく楽しめるような形でまとめられているものの、シャリやネタ、さらには握りの仕事もまずまず以上に真っ当な寿司を感じさせるものばかり。
特に、寿司という料理の特性上、氷の用意されたコールドミールコーナーに並べられるのは仕方ないとは思うものの、レストランスタッフの手によって厨房から用意された直後は、シャリもまだ柔らかく、ホロリと口の中で崩れる食感も楽しめました。
その結果、海外にあるホテルの朝食で自由に楽しめる寿司として、これだけのものが楽しめるというに正直驚いてしまうことに。
こだわりを感じるラインナップが嬉しいコールドミール
また、寿司以外のコールドミールもスペインらしいこだわりや利用者の満足度を追求する姿勢が感じられるラインナップになっていました。
特に、ローカルなハムやサラミに加え、チーズやサラダ用の野菜も十分な品質のものが用意され、なかなかの満足度を感じながら楽しめる内容。
そうした姿勢はフルーツコーナーも同様。
実際、コスト的に響きそうなイチゴや大粒のブドウなどもラインナップに加えている部分に頑張りが感じられます。
しかも、いずれのフルーツも甘みとフレッシュな酸味のバランスが心地よく、日本のフルーツを基準にしても、十分楽しめるものになっていました。
上の写真は、コールドミールのエリアの中でもヨーグルト用のトッピングと、各種ミネラルウォーターが用意されたコーナー。
ヨーグルト用のトッピングは、率直に言って豊富な種類が用意されているわけではないのですが、あれこれと考えながら選ぶ楽しさは確保されていると感じました。
そうしたビュッフェ台でもホットミールとは反対側の端にあるのは、トースターで温めて楽しむタイプの少しハード系のパン。
そのお隣にはサラダ用のドレッシングやトッピング、利用者側で皮を向いて食べるまるごとフルーツも並んでいました。
人が滞留しがちなトースターやドレッシングがこうした形でビュッフェ台の端に用意されているあたりに、レストランとしての混雑時への対策が感じられますね。
充実の無料&有料アラカルトメニュー
実は、ダブルツリーマドリードプラドの朝食の魅力はこれだけに留まりません。
なぜなら、これらのビュッフェ台から選んで自由に楽しむ料理の他に、注文後に調理してもらうアラカルトメニューも用意されているから。
具体的には、
- オムレツ
- 目玉焼き
- ポーチドエッグ
- ゆで卵
- パンケーキ
- フレンチトースト
- ラタトゥイユ
といったラインナップが朝食に元々含まれる無料アラカルトメニューとして提供される一方で、エッグベネディクトやキューバンサンドイッチなどのさらに一手間が加えられた料理は有料のアラカルトメニューとして用意されていました。
実は、我が家では、ビュッフェ台に用意されているホットミールとコールドミールで十分満足していたこともあって、アラカルトメニューは注文しなくてもいいかもしれないとは考えたのも正直な部分。
しかし、レストランスタッフの方に是非試してほしい無料アラカルトメニューとして、フレンチトーストとラタトゥイユをおすすめされたこともあって、それらを1つずつ注文してみました。
結果、その選択は大正解でした。
まず、フレンチトーストはじっくりと時間をかけて下ごしらえしていることが感じ取れる、ふわふわもちもちのプリンに似た食感はお見事。
味付けも、深みを感じさせるコクとワンポイントのアクセント的にディスプレイされているイチゴの酸味とのバランスが素晴らしく、デザート的にペロリと食べてしまえる一品でした。
もう一方のラタトゥイユも、家庭料理をイメージしたというだけあって、シンプルな味付けの中に野菜の旨味や風味が自然な形で溶け込んでいて、しみじみと美味しさを楽しめる一皿。
また、料理だけではなく、盛り付けられた器も、光の加減によって色合いが移り変わる瑠璃色が特長で、こういった部分でもレストランスタッフのこだわりや熱意が感じられました。
まとめ
数多く用意されたヒルトンブランドのホテルでも、規模的にも比較的コンパクトなホテルに利用されることの多いダブルツリーブランドのホテルということもあって、正直、あまり多くを期待していなかったダブルツリーマドリードプラドでの朝食。
その期待はとても良い形で裏切られることになりました。
特に、日本料理レストランがメインレストランという特色を活かすだけではなく、細かな部分でのサービス品質にこだわりと熱意が感じられ、その結果が朝食での握りたての寿司提供を筆頭にした充実のラインナップなのかもしれません。
確かに、ダブルツリーマドリードプラドでの滞在では、エグゼクティブラウンジがなかったり、部屋自体がバスタブのないコンパクトな作りなどの気になる点はあるものの、徒歩での観光には抜群といえる立地の良さに加え、朝食の楽しさはそれらのデメリットを補って余りあるものですから、次回以降のマドリード訪問でも、ひとまず予約を検討したいホテルの1つになりました。
コメント