航空会社ごとの提携関係構築が当たり前のこととして機能している現在、それぞれの航空会社が就航している海外の空港すべてに自社で運営するラウンジを設置するということは、すでに過去のものとして扱われています。
実際、国際線利用者がアクセスできるJAL直営のラウンジは、
- 羽田空港 ファーストクラスラウンジ/サクララウンジ
- 成田空港 ファーストクラスラウンジ/サクララウンジ
- 中部空港 サクララウンジ
- 関西空港 サクララウンジ
- フランクフルト空港 ファーストクラスラウンジ/サクララウンジ
- ホノルル空港 サクララウンジ
- サンフランシスコ空港 サクララウンジ
- バンコク空港 サクララウンジ
- 上海・浦東空港 サクララウンジ
- マニラ空港 サクララウンジ
と合計10ヶ所の空港に限られ、それ以外の空港では提携する航空会社や空港運営会社が設置しているラウンジを共用する形でラウンジサービスが提供されています。
そんな風に珍しい存在と言える海外サクララウンジの1つが、バンコクの空の玄関口、スワンナプーム国際空港に設置されています。
目次
バンコク空港サクララウンジへのアクセス
サクララウンジを利用する前に、必ず通過する必要のあるバンコク空港では出国時に、
- 5階:保安検査(一般利用者のみ)
- 4階:チェックイン、保安検査(プレミアムレーン対象者のみ)、出国審査、免税店街
- 3階:ラウンジ、搭乗ゲート入り口
- 2階:搭乗ゲート
というようにそれぞれの階層ごとに割り当てられた役割があるため、特にプレミアムレーンを利用できない一般利用者はとにかくエスカレーターで上がったり下がったりが忙しい空港という印象を持つかもしれません。
実際、サクララウンジへのアクセスも、4階で出国審査を終えた後、免税店が並ぶ通路にたどり着いたなら、右に曲がってからとにかくまっすぐ進み、大きな十字路に到着した後、十字路に向かって左のゲートE方面に進んだところにあるエスカレーターで3階に降りることが必須。
その後、3階にもある十字路に向かって右側のゲートD方面に進むと右側の壁にサクララウンジが見えてくるはずです。
確かに初めてバンコク空港を利用する時など、自分がどの場所にいるのか把握するのが難しいと思うのですが、この空港では、出国審査や免税店街のある4階なのか、それともラウンジや搭乗ゲートの入り口がある3階なのか、そしてどのゲートの方面にいるのかがとても重要になりますから、迷ってしまいそうになった時には、これらのことを慌てずに確認するのがおすすめです。
バンコク空港サクララウンジの営業時間とチェックイン開始時間の関係
このバンコク空港サクララウンジの営業時間は
- 5時45分から8時30分
- 18時から23時30分
となっていて、午前と午後の2部構成。
これは5時40分からチェックインが開始される、
- JL708便成田行き(8時10分発)
- JL32便羽田行き(9時45分発)
の午前発の2便。
さらに、19時からチェックインが開始される、
- JL34便羽田行き(21時55分発)
- JL728便関西行き(23時発)
- JL738便成田行き(0時25分発)
の午後発の3便という内容の運航に合わせたものということが分かります。
そのため、それぞれ5時40分と19時のチェックインカウンターがオープンし、空港でのチェックイン手続きを経てから、制限エリア内のサクララウンジに到着する場合は全く問題はないものの、オンラインチェックインで手続きを行い、自分自身で搭乗券を印刷するホームプリント搭乗券を利用する場合は、サクララウンジが営業を開始する時間よりも前に到着してしまう可能性もありますから、少しだけ要注意ですね。
バンコク空港の保安検査と出国審査の混雑対策としてのオンラインチェックイン
我が家でバンコク空港から帰国する際には、
- 預入荷物がない
- 事前インボラアップグレードの対象になっていない
- 空港でのインボラアップグレードの可能性が少ない
といった条件を満たす時には、積極的にオンラインチェックインを活用するようにしています。
なぜなら、JALのチェックインカウンターがオープンする時間は保安検査や出国審査が混雑する時間と重なる部分も多く、オンラインチェックインでカウンターでのチェックインを回避することで、混雑前の保安検査場や出国審査場を通過できるから。
特に、バンコク空港の保安検査や出国審査は、混雑している時と混雑していない時の差があまりに激しいですから、混雑やそこで無為に費やす時間がもったいないと感じる方は、念の為一度オンラインチェックイン利用可能条件を確認した後限定で、オンラインチェックインの積極的な利用は本当におすすめ。
また、サクララウンジの営業が開始されていない時間帯に制限エリアに入ったとしても、プレミアムエコノミーやエコノミークラスフレックス運賃の利用者以外なら、JALの運営するサクララウンジとほぼ同じ入場条件で利用できるキャセイパシフィックのラウンジが4時から18時20分というJALと一部の営業時間を重複させる形でサービスを提供していますから、そちらを利用することも可能です。
バンコク空港サクララウンジのインテリアと設備
このバンコク空港のサクララウンジは2017年3月1日にリニューアルオープンした比較的新しいラウンジということもあって、ラウンジ内のインテリアや機能面なども、なかなか使いやすいものに仕上がっています。
最近になって手が加えられただけあって、様々なタイプの椅子やテーブルが用意され、限られたスペースを効率的に活用できる工夫も十分。
充電などに活躍するコンセントについても、極力利用者1人毎に1つが利用できるようにという配慮が感じられ、搭乗前の時間の快適な利用がサポートされていると感じられました。
そうした作りは占有スペースがコンパクトに抑えられたテーブル席だけではなく、比較的ゆったりとしているソファ席でも同様。
また、ラウンジ内で荷物の扱いを気にせず、快適に過ごすためには嬉しい利用者自身が暗証番号を設定するタイプのロッカーも数に限りがあるものの用意されているのは嬉しいですね。
さらに、シャワーも3ルーム体制で提供され、ラウンジの受付で搭乗券を提示することで利用が可能。
ただし、シャワーサービス希望者数が多いことが原因で、せっかく希望しても利用できないリスクがあるのはもちろん、シャワールーム自体の面積や機能がかなり制限されたものになっているため、利用するタイミングや利用するシャワールームによっては、
- 清掃が行き届いていない
- 換気扇による換気が不十分で湿度が高く、脱衣スペースの床すら湿っている
- 排水口からシャワールームに下水由来と思われる悪臭が漂う
などのがっかりしてしまう可能性もあるのは要注意。
少なくとも常に日本のサクララウンジと同様、常に快適に利用できるわけではないと頭の片隅で考えておくのがおすすめかもしれません。
帰国便利用者には嬉しい東南アジア料理と日本料理のコンビネーション
バンコク空港サクララウンジの魅力の1つといえば、充実した料理の数々。
JALのラウンジでは定番のカレーがチキンカレーやビーフカレーの2種類用意されているのを筆頭に、チキンガパオなどのタイ料理もホットミールとしてラインナップされています。
煮物や漬物などの料理はもちろん、チョコのたっぷり入ったコロネなど特長的な日本を感じさせる一品が取り揃えられ、補充も一生懸命行われていました。
それ以外にも、タイにローカライズされたお菓子やカップ麺なども自由に楽しめるようになっていて、気軽に現地に馴染んだ味を試してみる機会になるはず。
また、飲み物としては、常温で提供されている各種ハードリカーに加え、水や緑茶なども手に取りやすいように用意済み。
上下2段に分かれているシースルーのガラスタイプの冷蔵庫にはシェイクしてドレッシングと混ぜ合わせるサラダと各種フルーツジュース、缶入りのソフトドリンク、そして、ビールを中心としたアルコールがたっぷり。
この中では、バンコクとは縁もゆかりも無いものの、我が家でも好きだな~と感じている銘柄の1つ、カールスバーグが用意されているのは嬉しいポイント。
混雑対策とライバルとなる他のラウンジの活用
そんなサクララウンジの最大の敵と言えば、それは混雑。
実際、チェックイン時には上の写真に写っているような案内が手渡され、サクララウンジではなく、ミラクルラウンジという別のラウンジを利用するようにお願いされることもあるほど。
そのため、サクララウンジで席が確保できたとしても、ラウンジ内の混雑で快適な利用が難しいケースも十分考えられます。
その対策としておすすめしたいのが、他のラウンジの利用。
特に、サクララウンジと同じような条件で利用できるキャセイパシフィックラウンジや、混雑時の代替ラウンジとして設定されているミラクルラウンジの一部(プライオリティパスでも利用可)では、混雑とはほぼ無縁のゆったりとしたスペースに加え、利用者からの注文後にシェフが調理し、できたての料理を提供するサービスがあるなど、サクララウンジにはない魅力を持ち合わせています。
特に、ゲートD方面にどんどん進んだ先にあるミラクルラウンジはオーダーできるタイ料理の種類も豊富なのは嬉しいメリット。
帰国前の時間に手軽なタイ料理を楽しむチャンスとして我が家でも楽しみながら活用しています。
まとめ
海外に設置された希少で珍しいバンコク空港のサクララウンジ。
提供される料理の充実や頑張りはなかなかのもので、出発前の朝食や夕食を楽しめる場所としては、なかなか頼りになるラウンジなのは間違いありません。
一方で、2017年のリニューアルを経た現在でも、増便に増便を重ねるバンコク線において、結果的に増え続ける利用者に対する対応力という意味では、一生懸命の頑張りは見られるものの、様々な部分での不足が見られ、残念に感じる部分に出会ってしまう可能性もあります。
ただし、バンコク空港ではワンワールドの提携による特典として利用可能なキャセイパシフィックラウンジを筆頭に様々なラウンジが運営され、それらとサクララウンジをお互いに補完するように活用するというのも、より快適なラウンジ利用の方針としておすすめできると思いますよ。
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