JMBダイヤモンドとして羽田空港発よりもあえて成田空港発のJAL国際線を優先的に利用する理由(コスト面でのお得度、充実した空港設備、鉄板焼きと寿司バーでのファーストクラスラウンジサービス、競合する上級会員に左右されるインボラアップグレードの期待値)

JALが首都圏での国際線の拠点としている羽田空港と成田空港。

2010年に羽田空港が再国際化したことで、それまでの国内線は羽田空港、国際線は成田空港という基本的な枠組みは崩れ去り、それぞれの空港から国際線も国内線も運航されているという状況が当たり前になりました。

とは言え、日本各地の地方空港とを結ぶ主要な幹線が発着しているのはもちろん、都内に立地し、アクセスの面でも優れている羽田空港に対し、成田空港には、国内線と国際線のスムーズな乗り継ぎ用途のために一部の国内主要空港とを結ぶ国内線が運航されているのみという状況に加え、千葉県の内陸部まで移動しなくてはいけないというアクセスの面でのデメリットが存在しているのも事実です。

その結果、JALやANAといった大手航空会社の収益を支える主要路線の多くは、発着枠が許す限り、成田空港から羽田空港に移動していくという流れを止めることができないのが現状です。

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羽田空港と成田空港の両方で発着している路線であえて成田空港を選ぶ理由

そんな状況の成田空港ですが、目的地によっては、JALが成田空港と羽田空港の両方の空港を発着する便として運航しているケースもあります。

具体的には、

  • ニューヨーク(羽田1便、成田1便)
  • バンコク(羽田2便、成田2便)
  • シンガポール(羽田2便、成田1便)
  • マニラ(羽田1便、成田2便)

といったもの。

さらに、これ以外にワンワールドに加盟する航空会社などとのコードシェアまで含めると、意外に多くの目的地で、羽田空港と成田空港のいずれからも出発できることに驚くはずです。

そうした事情もあって、我が家で羽田空港と成田空港のどちらからでも出発できる目的地に向かう時には、あえて羽田空港よりも成田空港を好んで利用するようにしています。

その理由は、

  • コスト面でのお得度
  • 空港設備の充実
  • ファーストクラスラウンジで提供されるサービスの好み
  • インボラアップグレードの高期待値

という4つ。

成田発のコスト面でのお得度

羽田空港と成田空港の両方から向かうことのできる目的地の航空券を比べてみると、同じ予約クラスの航空券でも、羽田空港発の方が成田空港発のものより5,000円~10,000円程度高い価格設定になっていることを意外に多く見かけるはずです。

また、同じ時期に予約を行う場合でも、羽田空港発よりも成田空港発の方が、より安い予約クラスの航空券が残っていて、結果的に成田空港発の航空券の方がお得ということに遭遇したことがある方もいらっしゃるかもしれません。

これはやはり、羽田空港は、成田空港では不可避なアクセスに要する時間や交通費などの追加時間が不要なことから需要が高く、それが価格や航空券そのものの人気に反映されていると考えるのが自然です。

とは言え、5,000円~10,000円、あるいはそれ以上の金額の差にもなると、羽田空港と成田空港の間にある、移動の手間や交通費の負担などの優劣を十分にカバーし、成田空港発を選んでも十分お得と感じるケースも意外に多く存在しています。

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快適性を左右する空港設備の充実

国際空港としての羽田空港と成田空港を比較した時、成田空港に感じるのは空港設備の面での余裕です。

例えば、チェックインカウンター。

成田空港の場合、上の写真のように、1つのエリアすべてがファーストクラス利用者やJMBダイヤモンド、JGCプレミア用のファーストクラスチェックインカウンターとして用意されていて、混雑時でも極力待ち時間が発生しないようにという最大限の配慮が行われています。

一方、同じファーストクラスチェックインカウンターでも、羽田空港ではJALの上級会員用のエリアの一画を占めるのみで、JGC用やビジネスクラス用のチェックインカウンターとスペースを共有する形です。

その結果、同じピーク時で比較しても、羽田空港の方が成田空港より、実際の待ち時間はもちろん、待たされているという感覚的な実感でも、あまり良い印象を感じるものではありません。

このことは優先保安検査でも同様。

というのも、成田空港の場合、上の写真のようにJALを含めた第二ターミナルを出発する航空会社の

  • ファーストクラス利用者
  • ビジネスクラス利用者
  • 一定以上の上級会員

が対象の優先保安検査用の入口が用意されているだけではなく、JAL運航便の利用者を対象とした別の優先保安検査用の入口も準備されています。

こうして充実した優先保安検査用の設備が整備された結果、混雑の緩和はもちろん、JAL利用者への優遇がしっかりと考えられているのも好印象。

一方、羽田空港の場合は、優先保安検査用の入口は、国際線ターミナルを出発するすべての航空会社の利用者を対象としたものしかなく、日常的に混雑している状況です。

実際、そうした状況を反映してか、成田空港では問題なく優先保安検査の利用が可能なビジネスクラス利用者も、羽田空港ではなぜか対象外になっているなど、羽田空港には国際空港としての全体的な余裕の少なさを実感することになるはず。

一方、成田空港に対しては、利用時の安定した快適性を期待できると感じています。

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ファーストクラスラウンジで提供されるサービスの好み

羽田空港と成田空港の両方に用意されているファーストクラスラウンジですが、そこで提供されているサービスはすべてが全く同じものというわけではありません。

その中でも最も分かりやすいのが、ラウンジ専属のシェフや職人の方によって、作りたての料理が楽しめるライブキッチンサービス。

というのも、羽田空港のファーストクラスラウンジでは、担当シェフの方による鉄板焼きとして、ライ麦ガレットやパンケーキ、ステーキ、ハンバーグなどが提供される一方で、成田空港では、担当の職人の方による握り寿司が振る舞われています。

もちろん、鉄板焼きと握り寿司という料理としての方向性も全く異なることに加え、羽田空港は月替り、成田空港は週替りというように、それぞれのラウンジを訪れるタイミングで変化するメニューとの相性にも、利用者の満足度は左右されるとは思います。

それでも、我が家の場合、これから海外に出発する前のタイミングに、日本で楽しむ最後の食事としては、成田空港の握り寿司の方が気に入っています。

実際、旬の寿司ねたが美味しく提供された時には、羽田空港の鉄板焼きのメニューをあっさり上回る満足度が成田空港の握り寿司では得られますから。

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インボラアップグレードの高期待値

羽田空港と成田空港の両方の空港を発着する目的地に向かうなど、羽田空港と成田空港の中から、好きな空港を自由に選べる時に、あえて成田空港を選択する最大の理由と言えるのが、高い確率で期待できるインボラアップグレードの存在です。

このインボラアップグレードというのは、国際線利用時に追加の料金負担やマイルの負担もなく、無料で元々予約したキャビンクラスより上位のキャビンクラスへアップグレードされるサービスのこと。

ただし、上位クラスに空席がある時でも、その空席を埋めるように積極的に行われるものではなく、下位クラスが満席の時に、上級会員や高い予約クラスを持つ航空券の購入者など、よりインボラアップグレードの優先度の高い利用者から順番に行われるという特長があるため、JMBダイヤモンドだからといって、十分な空席が元々予約したエコノミークラスに残っている時には、必ずビジネスクラスへのインボラアップグレードが提供されるわけではありません。

そのため、あくまでエコノミークラスが満席や満席近い便に搭乗しなくてはいけないという前提があるのですが、同じような条件の便を利用した場合、成田空港利用時の方が羽田空港利用時に比べ、はっきりとインボラアップグレードが提供される機会が多くなり、その経験を元に成田空港の利用を増やすことで、さらにインボラアップグレードが提供される機会が増えるという、私にとっての好循環につながることになりました。

しかも、インボラアップグレードは、それが例え1回の提供でも、数万円から数十万円もの価値があるサービスですから、そうしたせっかくのチャンスを無駄にしたくはないという考えも成田空港の利用を優先するモチベーションにつながっています。

ちなみに、同じ満席や満席に近い便でも、羽田空港よりも成田空港のほうが有利と感じる理由ですが、個人的には利便性の高い羽田空港発の便にインボラアップグレードの対象となるような上級会員が多く集中した結果、僅かな枠をめぐって、成田空港よりも格段に厳しいインボラアップグレードの争奪戦が密かに繰り広げられているのかもしれないと予想中。

実際、私のこれまでの経験では、それぞれの空港から同じ目的地に向かう便の同じような混雑が予想できるタイミングでの利用でも、最優先搭乗待ちの列に並ぶJMBダイヤモンドやJGCプレミア、他社のワンワールドエメラルドの人数は、多少の例外や変動はあるものの羽田空港の方が多く、そして順番待ちの列も長い傾向があると感じています。

逆に、数多くのJMBダイヤモンドやJGCプレミア、他社のワンワールドエメラルドといったインボラアップグレードが優先的に提供される上級会員が集結する羽田空港発の便を避け、あえて人気がなく不便な成田空港発の便を選ぶということは、インボラアップグレードを高期待値で楽しむためには、想像以上に重要で意味のあることなのかもしれません。

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まとめ

JALが重要な拠点として整備し、首都圏の国際線の発着を分担して受け持つ羽田空港と成田空港。

都内だけではなく、その周辺地域はもちろん、地方空港からの乗り継ぎを経た利用でも圧倒的な利便性を誇る羽田空港に対し、成田空港の持つ魅力は際立ったものには感じられないかもしれません。

しかし、

  • コスト面でのお得度
  • 空港としての設備の充実
  • ラウンジで提供されるサービスの好み
  • インボラアップグレードへの期待

など、少し別の視点で成田空港を見てみると、羽田空港とは異なる種類の魅力を持ち合わせた空港という印象を感じるはずです。

もちろん、羽田空港のみ発着する目的地や成田空港のみ発着する目的地では、こうした選択の自由は元々与えられるものではないのですが、それでも、自由に出発する空港を選べる時には、あえて不便で人気のない成田空港を選んでみるのも、なかなかおすすめだと思いますよ。

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