ヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニス 宿泊記 ( Hilton Molino Stucky Venice Hotel stay review )

数あるホテルの中でもリピート宿泊したくなるホテルと出会えるというのは、旅を楽しむ上でとても幸せなことなのは間違いありません。

程度の差はあっても緊張を強いられ続ける旅行中、おなじみのホテルを持つことで、はっきりとしたオン/オフを実感する場所の確保につながるからです。

我が家にとっても、イタリア・ベネチアにあるヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスは、そんなリピートしたくなる大切なホテルの一つ。

ヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスへのアクセス

ヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスは、ジュデッカ島と呼ばれる島にあるホテルのため、ベネチアのホテルとしては部屋が広く、エグゼクティブラウンジを含め、ホテルとしてのサービスも充実しています。

しかし、そのジュデッカ島にはベネチア本島から橋による接続はないため、ベネチア観光のスタート地点になる鉄道駅のサンタルチア駅やバス停のあるローマ広場から徒歩でたどり着くことは不可。

ホテルを訪れるためだけでも、ベネチアでの主要な公共交通機関として活躍しているヴァポレットと呼ばれる水上バス、あるいはホテルが運航しているシャトルボートを利用する必要があります。

その中でもおすすめしたいのはやはりヴァポレットの方。

サンタルチア駅やローマ広場からホテルを訪れる時には、ライン2かライン4.1のヴァポレットを利用し、逆にホテルからサンタルチア駅やローマ広場を訪れる時には、ライン2かライン4.1のヴァポレットを利用するという方法。

一方で、ホテルが運航しているシャトルボートはいくつかの大きなデメリットがあるため、サンタルチア駅やローマ広場-ホテル間のアクセスでの活用はおすすめできません。

より詳しいアクセス方法や注意点などは別の記事で特集しましたから、こちらからどうぞ。

歩いてたどり着けない島にあるホテル、ヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスへの行き方とアクセス方法

エントランス メインロビー

元々製粉工場だった建物を丁寧にリニューアルしたホテルだけあって、とても立派な外観。

ホテル周辺もきれいに整備され、散策コースとしても十分活躍できるものが用意されています。

ホテルの目の前は豪華客船の航行コースとしても設定されるような主要な運河で、大小様々な船が行き交う様子が楽しめるはず。

特に、まるで山のように大きな豪華客船が音もなく静かに目の前の運河を進んでいく様子は、夢でも見ているような非現実感があり、一度は体験する価値ありです。

エントランスはあまり大きくはないシンプルなものながら、元々のレンガの質感やデザインをそのまま素直に活かした作りで落ち着きを感じます。

そうした配慮はホテル内部も同様。

ホテルとしての快適性も重視しながら、元々の建物が持つ素性や特長とのバランスを上手に取っているように感じますね。

 

フロントデスクは最大4人体制でチェックインやチェックアウトが集中する時間帯でも、それほど長く待たされることはありません。

ただし、このヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスにはエグゼクティブラウンジが用意されているものの、ラウンジ内には専用のデスクは用意されていないため、ラウンジへのアクセスを付与されている場合でも、基本的にフロントデスクでのチェックインやチェックアウトの手続きが必要です。

タワースイート(TOWER SUITE)

アサインされたのは418号室のタワースイート。

このヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスには

  • ゲストルーム(GUESTROOM)
  • デラックスルーム(DELUXE ROOM)
  • デラックスルーム ベネチアの眺望あり(DELUXE ROOM WITH VIEW)
  • エグゼクティブルーム(EXECUTIVE ROOM)
  • エグゼクティブルーム ベネチアの眺望あり(EXECUTIVE ROOM WITH VIEW)
  • ファミリースイート(FAMILY SUITE)
  • エグゼクティブスイート(EXECUTIVE SUITE)
  • エグゼクティブスイート ベネチアの眺望あり(EXECUTIVE SUITE W/VIEW)
  • タワースイート(TOWER SUITE)
  • プレジデンタルスイート(PRESIDENTIAL SUITE)

の10種類のカテゴリーの部屋がありますから、このタワースイートは上から2番めの部屋になります。

正統派のスイートらしく、十分広く立派なリビングルームが用意されています。

この部屋最大の魅力はやはり窓が贅沢に用意され、ベネチアの景色を思う存分楽しめること。

リビングに5つ、寝室に2つの合計7箇所もの窓から眺める風景はいずれも美しく、とても贅沢瞬間を実感できるものです。

寝室はリビングほど広すぎず、どこか落ち着くため、安心感を感じながら眠れます。

ウェットエリアはヒルトンブランドのホテルのスタンダードなものながら、スイートらしくダブルシンクで快適です。

バスアメニティはピーター・トーマス・ロス。

しっかりとした作りの使いやすい浴槽とシャワーブースが別々に配置されたもので、ゆったりと入浴を楽しめます。

また、正統派には必須と言える、2つめのトイレも完備。

この418号室付近はスイート棟と呼ばれる場所でもあるらしく、スイート専用のエレベーターもこっそりと隠されるようにして用意されています。

中の案内には、7階に用意されたプレジデンシャルスイートの名前もありました。

リピート宿泊者に優しいホテル

このホテルは、何度目の滞在なのかを詳細に把握し、その履歴を元に明らかにリピート宿泊者に優しい方針で運営されているようです。

そのため、ある程度宿泊し続けていると、高確率でのスイートアップグレードやウェルカムドリンクとしてのプロセッコ(イタリア特産のスパークリングワイン)などの無料プレゼント、一部アクティビティのお試し無料参加など、それまでとはひと味もふた味もより快適な滞在になるはず。

少なくとも今後も長く継続してお付き合いしていきたいと感じるには十分な対応に出会えます。

エグゼクティブラウンジ 営業時間と基本サービス

エグゼクティブラウンジへは1階のフロントデスクの隣のドアから。

入り口のタッチ端末にカードキーをタッチすると自動ドアが開きます。

一方で、ラウンジから出る時には、ドア近くにある白いスイッチを軽く押すと同じようにドアを開けることが可能。

ラウンジの営業時間は7時から23時まで。

特別なサービスとしては、朝食が7時から10時、カクテルタイムが17時から19時の時間限定で提供されています。

朝食やカクテルタイム以外の時間はドリンクや簡単なスナックなどの基本サービスが利用可能。

基本サービスの内容としては、各種ソフトドリンクやフルーツジュース、ガスあり・ガスなしのミネラルウォーターに加え、チーズやオリーブ、フルーツ、クラッカー、数量限定(?)のクロワッサンなどのパン類などが提供されていました。

ラウンジとしてはあまり広さを感じるものではありません。

しかし、インテリアなどの細かな使い方もしっかりしていて、居心地は想像以上に良好。

特に、ラウンジの窓の外には運河と街並みが広がっているため、飲み物を片手にゆったりと時間ごとに変化していくベネチアの姿を楽しむにはお気に入りな場所の1つです。

エグゼクティブラウンジ カクテルタイム

17時から19時まではカクテルタイム。

各種アルコールに加えて、おつまみにぴったりな料理なども提供されるようになります。

飲み物としては、基本サービス時のソフトドリンクなどに、ビールや赤・白ワイン、数種類のハードリカーなどのスタンダードなアルコールが追加されます。

食べ物についても、ホットミールとしては、イタリアの郷土料理の揚げ物、炒め物。

この揚げ物はメインレストランの朝食でも提供されているものと同様です。

旅行中の食物繊維補給には嬉しいサラダに加え、シンプルなマリネやハムなど。

提供される料理や食べ物は全体的にシンプルですが、夕食前の軽い一杯と一緒に楽しむ内容としては十分なものでした。

メインレストラン 朝食

メインレストランでの朝食は7時から。

全体的に品揃えも料理の取りやすさも良好な状態のレストランで提供されています。

コールドミールとしては、各種サラダとスモークサーモンなど。

地元の名産も含めたハムやチーズのラインナップ。

日替わりの多文化料理コーナー。

必要十分な充実を見せるカットフルーツコーナー。

ホットミールとしては、ソーセージやスクランブルエッグ、ベーコンなど、スタンダードなもの。

その他にはイタリアの郷土料理を思わせる揚げ物も用意されていました。

それ以外にも、メインレストランの営業開始の約10分後から利用できるシェフによるエッグステーションが、上の写真の左奥のホットミールコーナー隣に用意され、そこではオムレツや目玉焼きの注文も可能。

実際、そうして提供される一皿はとてもおいしく、かなりの人気を集めていました。

この他で気になったのは、見た目で目を引くのはもちろん、くせがなく風味が豊かで実際に食べた時のおいしさ的にも満足だった巣蜜(ハニーコーム)。

良い品質のものを惜しげもなく利用しているのか、ついついおかわりしたくなるおいしさの思い出に残る一品でした。

イタリアのヒルトンではよく見かける、オレンジをまるごと絞ってジュースにする生搾りジューサーも、このレストランでの満足度の高い朝食をサポートしてくれる重要な仕組みの一つ。

実際、レストランのスタッフの方が休むことなくジュース絞り作業を行っていて、絞ったジュースは上の写真右のサーバーに移し替えながら、どんどん提供していました。

エグゼクティブラウンジ 朝食

エグゼクティブラウンジでの朝食も7時から。

ラインナップとしては、他の多くのヒルトンブランドのホテルと同様に、メインレストランの料理と同じような系統ながら、種類や量が少なくなっているのは変わりありません。

ホットミールは4種類程度のみと、メインレストランの数分の一以下。

コールドミールもあれだけ用意されていたハムやチーズも、それぞれ2種類ずつまで厳選され、少し寂しさを感じさせます。

フルーツやヨーグルト、飲み物コーナーなどもそれは同様。

最低限の必要な内容は確保されているものの、多様な中からあれこれしっかりと朝食選びながらを楽しみたい場合には、ラウンジではなくやはりメインレストランの利用が本当におすすめです。

ベネチアを眼下に楽しむ屋外プール、SKYLINE

このヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスの隠れた魅力の1つといえば、間違いなく宿泊者専用の屋外プール、SKYLINEの存在です。

このプールは、ホテル最上階の屋上に用意され、周囲を遮られることなく、ベネチアの風景を眼下に過ごせるまさに特別な場所。

日差し対策のパラソルはもちろん、バーなども併設され、ゆったりと過ごすための工夫も十分。

ここのプールで過ごしていると、吹き抜ける風も心地よいのはもちろん、空が広く感じられ、ここでの時間もまた忘れられないベネチアでの時間の1つになるはず。

まとめ

元々が製粉工場という異例の経歴を持つホテル、ヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニス。

ホテルとして営業を続けていても、そうした由来を大切にしているのか、ホテルのあちらこちらに、製品工場時代からの歴史を解説する展示などが自然な形で提示されています。

もちろん、徒歩も含めたアクセスに恵まれたベネチア本島とは橋での接続がなく、必ず船を利用した訪れる必要があるなどの注意点はあるのも事実です。

しかし、海と共に長い時間を歩んできた都市ベネチアに今もしっかりと根付く船の文化を実際の利用の中で実感できるという点で、このヒルトン・モリノ・スタッキー・ベニスへの宿泊は他のホテルでは味わえないとても満足なものになる可能性も十分高いと思いますよ。

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