ホテルに宿泊する時に、快適な滞在を間違いなく強力にサポートしてくれるのは、大手のホテルグループでそれぞれ用意されている上級会員資格。
特に、最上級に位置する上級会員資格を保有している場合、それが例え、そのホテルでのはじめての滞在であっても、ホテル側が様々な場面で大切なお客様として気にかけてくれるため、一般の利用者としての滞在よりも格段に快適に過ごせるはずです。
これは、あらかじめ明示されている上級会員資格で利用できる特典よりも大きな働きをしてくれることもあるほど。
一方で、上級会員としての滞在と同様におすすめしたいのが、1つのホテルに何度もリピート滞在してみるということ。
そうすることで、ホテル側もお得意様やその候補として認識してくれるようになり、それぞれのホテルの持つ、個性や文化とでも呼べるような良さをよりはっきりと実感できるはず。
我が家にとっては、ちょくちょく滞在し、いつの間にか国内のホテルでは最も利用するホテルとなっているコンラッド東京がそんなホテルの筆頭。
そのコンラッド東京に2018年はクリスマスに引き続き、年末年始も滞在することにしました。
目次
大晦日で満室のコンラッド東京
大晦日のコンラッド東京は、同じホリデーシーズンとは言え、数日前までのクリスマスとは全く異なる装いを見せてくれます。
上の写真は1階ロビーへと向かう玄関に飾られた門松ですが、カジュアルな自由さの中にも伝統的な美意識も十分な仕上がりが好印象です。
ホテル内にも、それまで華やかな彩りを加えていたクリスマスツリーの代わりに、どこか新春らしさを感じさせる花々も。
そんな大晦日のコンラッド東京の館内は大賑わいで、チェックインの手続きを受け持つ28階のフロントデスクにも手続き待ちの列ができるほど。
というのも、この2018年の大晦日はヒルトンの公式サイト上でも、コンラッド東京は満室の表示で、しかも、ダイヤモンド会員向けの特典として用意されている24時間以内の空室保証でも、予約対象外として表示される、正真正銘の満室の予約となっている日だったのが最大の理由です。
年末年始の繁忙期で満室のコンラッド東京でのヒルトンダイヤモンドアップグレード
我が家でヒルトンのダイヤモンド会員としてコンラッド東京を予約する時には、通常最も安価なカテゴリーの部屋を予約するのですが、もし可能ならという条件の下、
- ベイビュー方向の部屋
- ラウンジのある37階
- ラウンジにできるだけ近い部屋
という内容でのアップグレードを希望しているのですが、ちょくちょくリピートを続けた効果なのか、ここ数年はそのいずれの条件を満たす条件の部屋となるエグゼクティブベイビューの部屋へのアップグレードが提供されています。
こうしたアップグレードの内容を重視するのはやはり、コンラッド東京に宿泊するのであれば、ベイビューの部屋からの景色が楽しめないというのはあまりにもったいないということと。
そして、ラウンジへのアクセスが容易な37階のラウンジ近くの部屋にアサインされたのなら、ラウンジをちょっとしたリビング代わりに気軽に利用できるというのが最大の理由です。
ただし、この日の大晦日は完全な満室になるほどの繁忙期。
実際に28階のフロントデスクでチェックインをお願いしたところ、PC画面上から部屋を選び始めた担当の係の方の顔は渋く、しばしPCの操作音だけが聞こえてくる時間が続きました。
その結果、最終的にアサインされたのは、36階のエグゼクティブベイビュー。
最も重要なベイビューという条件でのアップグレードはなんとか死守されたものの、それ以外のラウンジのある37階で、ラウンジに近い部屋という希望は残念ながら叶いませんでした。
しかし、完全満室の状況では、最安のカテゴリーの部屋からのアップグレード不可という可能性もあっただけに、担当の方がかなり頑張ってくださった末の結果なのは分かりますから、十分満足な結果です。
ちなみに、追加で差額を負担してのスイートを含めた上位カテゴリーの部屋へのアップグレードの可能性も質問してみたものの、いずれのより良い条件の部屋も埋まっていて、提供不可との回答。
この部分からも、繁忙期の中でも、完全満室になるほどの大晦日の混雑は伊達ではないことが分かりますね。
ちなみに、この大晦日の滞在では、離れて暮らす私の家族も合わせて、元々合計3名での滞在として予約し、エキストラベッドも用意してもらいました。
そのため、ターンダウンの時に用意される、可愛らしいコンラッドベアは、もちろん3体用意されることになります。
大晦日のコンラッド東京 エグゼクティブラウンジのアフタヌーンティー
コンラッド東京の滞在でのお楽しみと言えば、37階にあるエグゼクティブラウンジで提供される様々なサービス。
具体的には、
- アフタヌーンティー(15時から17時まで)
- イブニングカクテル(18時から20時まで)
- 朝食(7時から10時30分)
といった内容が提供され、大晦日でも変わることなく利用することができます。
その中で、我が家での一番の楽しみは15時から17時までのアフタヌーンティー。
決して派手な印象を感じさせるものではないものの、1つ1つの料理やスイーツの味付けや素材の活かし方が楽しいのはもちろん、頻繁に行われる補充では、それまでに用意されていなかった種類もどんどん追加されるため、ゆったりとラウンジでの時間を過ごしたくなる魅力があります。
ソースにちょっとしたこだわりを感じるサンドイッチ。
食感で感じる意外性が楽しいカナッペ。
上品な甘さが食べやすいティラミスに、スタンダードなダブルベリーのミニショートケーキ。
クリーム入りのワッフルコーンが上に乗ったパイに、柑橘類の風味と濃厚なクリームのコクとの相性が美味しいムース。
そして、素朴で美味しいスタンダードなレシピで作られたスコーンも。
追加のスイーツでは、ベリーのチーズケーキとスタンダードないちごのミニショートケーキも登場しました。
もちろん、数日前に体験し、あまりに多くのスイーツの種類による大盤振る舞いに驚いたクリスマスの時の滞在には及ばないものの、大晦日の日のアフタヌーンティーも十分な種類が提供されたため、なかなか満足度の高い結果となりました。
それ以外の定番としては、高い人気を誇るアイスクリーム2種。
この時は、バニラとチョコの組み合わせ。
しかも、保冷状態がちょうどよかったのか、普段はカチコチで削り取るようにしなくてはいけない固さのアイスクリームが程よい柔らかさで、気軽に楽しめたのも好印象です。
もちろん、アイスクリームのトッピングとしても活躍する、
- マンゴー
- ストロベリー
- チョコレート
の三種類のソースももちろん完備されています。
温かい料理としては、きのことトマトのキッシュも一口サイズで用意。
また、クリスマスの時期に引き続き、冬の寒い時期には楽しい、ホットワインも変わらず楽しめるようになっていました。
さらに、アフタヌーンティーの時間も、比較的手軽に楽しめる種類のフルーツも準備され、十分な甘みを持つ品質を楽しめるのも好印象です。
ちなみに、アフタヌーンティーのタイミング限定というわけではないものの、日替わりでラウンジ内に用意されているコラージュオリジナルチョコレートは、黒七味柑橘というこれまた不思議なフレーバーのもの。
クリスマスの時に提供されていた、醤油黒糖よりもさらに難解で不思議な味のチョコレートですが、その不思議さが人々を惹きつけるのか、これまた意外に好評だったようでちょくちょく売り切れになって補充待ちになっている様子も何度も確認できました。
大晦日のコンラッド東京 エグゼクティブラウンジのカクテルタイム
同じホリデーシーズンの特別な日とは言え、大晦日のアフタヌーンティーは、クリスマスに比べて、控えめなサービスに感じられたのも正直な部分です。
そんな印象が変わることになったのが、18時から20時までサービスが提供されるイブニングカクテル。
ホットミールは、メインとして扱われる風味の良いチーズをたっぷり利用したグラタンに、スパイシーな味付けでグリルされた野菜。
温かい状態で提供されるスープも用意され、この日は上品に仕立てられまろやかなポテト風味のもの。
あっさり味付けされたジュレと冷製スープの海鮮の風味が楽しいコールドミール。
コンラッド東京のイブニングカクテルの定番になりつつある、一口サイズのおにぎりと餃子。
そして、クリスマスに引き続き登場の牛肉のテリーヌ。
野菜スティックやチップスなどのおつまみ類。
イブニングカクテル開始直後は、時々面白いチーズに出会うことができるチーズやサラミ、オリーブなどのコールドミールコーナー。
旅行中の食物繊維を補給には嬉しい生野菜のサラダと、珍しいと感じたミョウガの酢漬け。
ホテルらしさを感じる品質のパンも、数種類用意され、好きなようにカットして楽しめるようになっています。
デザートには嬉しい、十分な甘さのメロンも含む、フルーツ類。
アフタヌーンティーでは見かけなかった種類のものもさり気なく姿を見せる、ケーキやムースなどスイーツ類も。
個人的には、油断すると軽く楽しむつもりがだったものが、いつの間にかお腹がいっぱいになってしまいそうな、なかなか危険なラインナップに仕上がっていると感じています。
大晦日最大のスペシャルはアップグレードされたシャンパン
そんなコンラッド東京の大晦日のイブニングカクテルで、最も特長的なものと言えば、提供されるシャンパンの存在。
なぜなら、普段はスパークリングワインとして、Berry Bros. & Rudd Crémant de Limouxが提供されているコンラッド東京でも、大晦日には、シャンパンのG.H.Mummにアップグレードされた形での提供が行われるから。
実際、普段のBerry Bros. & Ruddに比べると、G.H.Mummは格段に飲みやすいのはもちろん、美味しく、大晦日の夜のイブニングカクテルを軽やかな気持ちで楽しむ銘柄としては嬉しい部分です。
この部分から、アフタヌーンティーではクリスマスが重視されていたものの、少なくともイブニングカクテルのアルコールの品質については、大晦日の方が大切なものとして扱われていることが分かりますね。
ちなみに、後述する大晦日限定でコンラッド東京28階ロビーで開催のカウントダウンパーティーではシャンパンとしてTAITTINGERが大体的に提供されていますから、それとは異なる銘柄がエグゼクティブラウンジのスペシャル用に選ばれたことになります。
それ以外のアルコールについては、コンラッド東京の定番から外れるものではなく、
- 赤ワインと白ワインはDe Bortoli Lorimer
- ビールは、コエドビール(COEDO)とアサヒスーパードライ
- 日本酒(Sake)は新潟の北雪(ほくせつ)
といったラインナップ。
ハードリカーについても、定番から変わらず、良い意味で安定感があります。
その中でも、コンラッド東京のこだわりが感じられるのが、上の3種類のアルコール。
ラウンジで提供されているアルコールの中でも面白いと感じ、いつまでこのラインナップで提供され、そして今後変更されるならどのように手が加えられるのか、少しだけ注目しているポイントの1つだったりします。
コンラッド東京の大晦日限定サービス
そうしたエグゼクティブラウンジの営業も、イブニングカクテルが終了する20時から、さらに2時間が経過した22時には営業を終了。
その頃になってようやく大晦日限定のとあるサービスの提供が開始されます。
そのサービスというのが、
- 天ぷら年越しそば
- コンラッド東京カウントダウンパーティー
の2つ。
いずれも、有料のサービスですが、大晦日の22時から24時までの2時間限定で楽しめるサービスという部分が共通しています。
コンラッド東京の年越しそば
コンラッド東京の年越しそばは、大晦日限定のルームサービスメニューとして用意されるため、事実上、大晦日の日の宿泊者のみが利用できる有料サービスです。
利用料金は1食あたり3,500円(税サービス料別)が部屋付として扱われ、最終的な明細にはルームサービスの利用として4,347円が請求されるというもの。
しかも、70食までという限定数が決まっている上に、事前予約が必須とされています。
そのため、大晦日の22時から24時までの2時間の間に、
- 22時~22時30分
- 22時30分~23時
- 23時~23時30分
- 23時30分~午後24時(午前0時)
というように、30分毎に区切られた4つの時間帯の中から希望する時間帯を指定した上での予約手続きを、できるだけ早いタイミングに、
- フロントデスク
- ラウンジコンシェルジュ
- コンラッドサービスへの電話
などで行わなくてはいけません。
こうして指定した時間帯に届けられた年越しそばは、しっかりとした和食部門を持つホテルのルームサービスだけあって、そばと一緒に用意された天ぷらの仕上がりもなかなか良好。
さっくり、ほっこり、かりっといったそれぞれの食材ごとの食感はもちろん、甘みや旨味といった味わいも十分です。
肝心のそばも、一見つゆが少なく、「もしかしてそばがのびて、つゆを吸い尽くしてしまった!?」とも思ったのですが、さすがにそんなことはなく丁度良い食感とほっとするようなつゆの味付けに満足な一品でした。
大晦日限定のイベント、コンラッド東京カウントダウンパーティー
こうしてコンラッド東京の年越しそばを楽しみはじめるタイミングの22時には、ちょうど同じタイミングで大晦日のコンラッド東京限定のイベントが開催されます。
それが、タイムズスクエアグラマーと名付けられた、ニューイヤーズイブカウントダウンパーティーパーティー。
このカウントダウンパーティーは、コンラッド東京の28階にあるバー&ラウンジの「トゥエンティエイト」で大晦日の22時から新年を迎える24時まで開催され、シャンパンを含めたドリンクや軽食などを自由に楽しめるイベントです。
気になる利用料金は、
- スタンディング(宿泊者以外のゲスト):1名15,000円(税・サービス料込)
- スタンディング(宿泊者による部屋付利用):1名13,000円(税・サービス料込)
- VIPテーブル(着席利用可能):1名30,000円(税・サービス料込)
という設定。
スタンディング限定とは言え、宿泊者への優遇が用意されているのは嬉しいですね。
ちなみに、税・サービス料込みで、一杯数千円~というコンラッド東京としてのシャンパンの提供価格を考えると、このイベントは恐ろしくお得なチャンスなのは間違いありません。
実際、コンラッド東京側も、大晦日というとても特別な日に開催するイベントとして、収益よりも、あくまでファンサービスとしての一面を重視した上で、開催している模様。
その結果、毎年欠かさず参加するというような多くのファンやリピーターを抱えているのも納得ですね。
また、28階ロビーの会場では、アルコールも提供されるため、未成年者の利用は制限されるかと思いきや、小学生くらいのお子さんを連れた家族連れも問題なく楽しんでいる様子も何組か見られましたから、コンラッド東京側でもかなり緩やかで自由な運用が行っているようでした。
コンラッド東京の大晦日カウントダウンパーティーと年越しそばの両立
このような形で大晦日のコンラッド東京限定で提供される2つのサービスですが、気になるのは、年越しそばとカウントダウンパーティーの両方を楽しむことができるのかということ。
なぜなら、年越しそばの提供時間も、カウントダウンパーティーの開催時間も、両方とも22時から24時までというように、完全に重なってしまっているから。
しかし、年越しそばは
- 22時~22時30分
- 22時30分~23時
- 23時~23時30分
- 23時30分~午後24時(午前0時)
というように、30分毎に区切られた4つの時間帯の中でも、事前に希望した時間帯にルームサービスとして部屋に届けられるわけですから、カウントダウンパーティーが開催されている22時から24時までの2時間の間、ずっと部屋で待つ必要はありません。
しかも、カウントダウンパーティーも、22時から24時までの間、会場となる28階の「トゥエンティエイト」を離れることができないわけではなく、自由に出入り可能。
そのため、同じ階にあるレストランや化粧室などの設備の利用はもちろん、宿泊者の場合は自分の部屋に戻って少し休んだり、年越しそばを予約した時間帯に部屋に戻るということも十分可能です。
まとめ
大晦日のコンラッド東京に滞在する宿泊者だけが楽しめる、少し特別なサービスの数々。
確かに、繁忙期の中でも特に厳しい予約争奪戦や類を見ない宿泊費の高騰など、簡単におすすめできるというわけではないものの、一度体験すると、また同じ時期に訪れたいと思うだけの魅力があるものも事実です。
もちろん、自宅での年越しのゆったりとした心地よさも魅力的だとは思うものの、高品質なホテルで過ごす少し特別な年越しの時間もなかなか楽しく、きっと大晦日を忘れられない一年の締めくくりの1日にしてくれると思いますよ。
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