最も魅力的なJALマイルの使い道と言えば、それはJAL国際線ファーストクラスを特典航空券として予約だと考えています。
なぜなら、有償では数百万円もの負担が必要な最上級のフライトを利用できるというお得度はもちろん、そこはJALの理想とするサービスを実践する最前線ですから、素晴らしい思い出に残る時間を楽しむことすらあるから。
一方のビジネスクラスやエコノミークラスもマイルを利用した特典航空券として予約は可能なものの、ファーストクラスと比べてしまうと、マイルの使い道としてのお得度はもちろん、搭乗中に提供されるサービスにも想像以上に大きな差が生まれてしまいます。
目次
JAL国際線特典航空券だけが可能な2種類の切り替えアップグレード
では、特典航空券として提供されている国際線ファーストクラスが満席だったからと言って、せっかく貯めたマイルをビジネスクラスやエコノミークラスの予約に活用することは損なことのかというと、実はそうとは限りません。
なぜなら、JAL国際線特典航空券には、
- 出発4日前までの切り替えアップグレード
- 出発当日の空港での切り替えアップグレード
という2種類の切り替えアップグレードが用意され、これらを活用することで予約時に確保できなかったファーストクラスやビジネスクラスの搭乗に最後まで希望をつなげることができるというメリットがあるから。
出発4日前までの切り替えアップグレード
繁忙期を中心に争奪戦が熾烈を極めるファーストクラスやビジネスクラスといった上位クラスを予約するためにうまく活用したいのが出発4日前までの切り替えアップグレードの存在。
これはすでに予約・発券済みのJAL国際線特典航空券について、出発の4日前で、なおかつ同一区間の特典航空券上位クラスに空席がある場合、差額の必要マイル数を支払うことで切り替えアップグレードが電話での手続きに限って受け付けてもらえるというものです。
さらに、その際に必要な手数料負担は通常のキャンセル手数料(3,100円)とその後の新規の電話発券手数料(2,160円)の合計5,260円ではなく、電話発券手数料の2,160円のみで手続きが可能になるなど、ちょっとした優遇も用意されています。
ちなみに、この出発4日前までの切り替えアップグレードの最大のメリットとして我が家で最も重視しているのが、往路と復路の同時アップグレードはもちろん、片道だけのアップグレードにも対応していること。
なぜなら、通常一度予約・発券したJAL国際線特典航空券の往路か復路のいずれかを上位クラスにアップグレードする場合、一度キャンセルを行い、新規で予約を行う必要があるのですが、その際、切り替えアップグレードを行なわない区間でのキャンセル待ちを申し込んでいる他の利用者が存在していた場合、せっかく確保していた席は消え去り、正常に予約を完了することができなくなります。
しかし、出発4日前までの切り替えアップグレードでは、アップグレードを行なわない区間についてもしっかりと確保した上で、手続きを完了してくれるため、そうした心配をすることなく上位クラスへのアップグレードという目的を果たしてくれるのはとても好印象。
実際、こうした内容でのサービスが提供されているおかげで、希望の上位クラスを予約できなかった後でも、気が向いた時にでもちょくちょく空席状況を確認していると、最終的には意外に高い確率で上位クラスへの切り替えアップグレードが可能になるなど、我が家でもなかなか頼りにしています。
しかも、元々の予約がエコノミークラスだったとしても、差額の必要マイルさえ引き落としできるのなら、プレミアムエコノミーだけではなくビジネスクラスすら飛び越して、ファーストクラスへの切り替えアップグレードすら可能なのも嬉しいですね。
出発当日の空港での切り替えアップグレード
ちょくちょく上位クラスの特典航空券空席状況のチェックが必要なことと引き換えとは言え、出発前の段階での切り替えアップグレードが確定できる特長を持っている出発4日前までの切り替えアップグレード。
それに対し、出発当日時の空港での切り替えアップグレードはチェックインのタイミングとその時点の特典航空券文だけではなく、有償航空券含めたすべての席の空席状況だけが勝負を分ける要素になっていて、結果がすぐに分かるという意味ではとてもシンプル。
とは言え、事前の申し込みはできないことに加え、基本的に早いもの勝ちで上位クラスの席が確保されていきますから、できるだけ勝率を高くするためには出発空港でのチェックインが可能なった直後のタイミングに手続きできるように準備しておくのがおすすめです。
ちなみに、出発4日前までの切り替えアップグレードは2,160円の発券手数料の負担が必要だったものの、出発当日時の空港での切り替えアップグレードの方は手数料の負担は求められません。
ただし、手続きを行うタイミングや空席状況によっては、機内食などサービスに必要な準備ができないなどの理由で、空席が残っていたとしても出発当日時の空港での切り替えアップグレードの対象外として、利用できないリスクも存在。
また、出発4日前までの切り替えアップグレードでは可能だったエコノミークラスからファーストクラスへのビジネスクラスをあっさり飛び越しての切り替えアップグレードについては出発前の段階での切り替えアップグレードでは不可といった制限も設けられています。
つまり、ファーストクラスを出発前の段階での切り替えアップグレードで希望するならビジネスクラスでの予約確保が必須になっているのは要注意です。
1段階しかアップグレードできないというこの辺りの制限は、同様に出発当日空港で手続きも可能な、マイルでの上位クラスへのアップグレード対象になっている有償航空券とよく似ていると感じる部分。
予約完了後でも上位クラスに切り替えられる2つのメリット
こうした切り替えアップグレードを利用するメリットと言えば、
- 予約時に特典航空券として空席がなかった上位クラスを利用可能
- 予約時に必要マイルに満たなくて予約できなかった上位クラスを利用可能
という2つ。
実際、元々特典航空券として提供される席数自体が大きく制限されているのはもちろん、エコノミークラスに比べ必要マイル数が格段に多く設定されていることでも予約難易度が高くなっている上位クラスの予約を確保するために、こうしたメリットは強力なツールとして活躍してくれるのは間違いありません。
JAL国際線ファーストクラスを特典航空券で3人分以上予約するための必須の秘密兵器
こうした切り替えアップグレードを活用できることがとても重要になる予約の1つといえば、3人分以上のJAL国際線ファーストクラスを特典航空券として予約する時。
なぜなら、元々8席しか座席が存在しないJAL国際線ファーストクラスは330日前の予約受付開始日でも特典航空券に2席しか枠を開放しないから。
そのため、出発直前1週間前後を中心に行なわれる大規模な特典航空券への空席の開放と出発4日前までの切り替えアップグレードを組み合わせて、できるだけファーストクラスの予約を確保し、それでも確保できなかった分は出発当日時の空港での切り替えアップグレードでの確保に望みを託すということが必要になります。
もちろん、出発当日時の空港での切り替えアップグレードまで必要座席確保の最終決戦がもつれ込んでしまった場合に備えて、それまでにファーストクラスは無理だったとしてもその1段階下にあたるビジネスクラスを特典航空券として確保しておくことは必須条件。
逆に、その条件が満たせなかった場合は、1段階分のアップグレードに限られる出発当日時の空港での切り替えアップグレードでのファーストクラス争奪戦には参戦すらできない状況になってしまいますから、これは意外な落とし穴になりやすい要注意ポイントかもしれません。
まとめ
せっかく貯めたマイルの使い道として、予約時から元々希望している国際線ファーストクラスなどの上位クラスを確保できることは最も理想的な状況です。
しかし、JAL国際線特典航空券で提供されている2つの切り替えアップグレードを有効活用することで、仮に希望する上位クラスの予約を確保できなかった場合でも、最終的には出発当日の空港までアップグレードへの希望をつなげることができるのは、忘れてはいけない大きなメリット。
実際、3人を越える複数名分の国際線ファーストクラス特典航空券など、このメリットを活かすことでしかほぼ確保できない種類の予約も間違いなく存在しています。
もちろん、そんな少し特殊な予約だけではなく、元々の予約時よりも少しだけ良い席で旅行を楽しみたいというような気持ちのちょっとした変化が生まれた時も、それほど大きな負担感を感じずに上位クラスへ変更できるのもまた、この2つの切り替えアップグレードの持つ忘れてはいけない魅力の1つかもしれません。
コメント
いつも有益な情報、ありがとうございます。
1点、確認させて下さい。
4日前までの切り替えアップグレードは、仮にファーストクラスにアップグレードしたい際に、「空席がある場合」というのは「特典航空券のファーストクラス席に空席がある場合」ということでよろしいでしょうか? 普通に販売されているファーストクラスの空席があったとしても、特典航空券のファーストクラスの枠が埋まっていればダメですよね?
よろしくお願いします。
コメント、ありがとうございます。
この2つの切り替えアップグレードには、
・出発4日前までの切り替えアップグレード:特典航空券の空席枠
・出発当日時の空港での切り替えアップグレード:特典・有償含めたすべての空席枠
というように対象の空席枠に大きな違いがあります。
そのためコメントの中で予想されている通り「特典航空券のファーストクラス席に空席がある場合」のみ「出発4日前までの切り替えアップグレード」が利用可能です。
初出のブログ記事では、2つの切り替えアップグレードの違いに分かりにくい表現があったため、追加でそれぞれの切り替えアップグレードの項目ごとにアップグレード先の空席枠について補強・修正を行いました。
今回のコメント、本当にありがとうございました。
いつも楽しく拝見しています。
さて、出発4日前までの切り替えアップグレードですが、マイルを払い戻すことなく、差額分のマイルさえあれば、上位クラスにアップグレードできるのでしょうか?
(払戻手数料が不要というのが、そのような意味にも読み取れます。)
2017/10/12の記事では、有効期限前に予約と発券を行い、延命できたマイルがある場合、切り替えアップグレードをそのマイルの有効期限後に行ってしまった時点で、そのマイル分だけ払い戻されるマイルは目減りしてしまうと書かれているようです。
コメント、ありがとうございます。
出発4日前までの切り替えアップグレードは、3,100円の払戻手数料ではなく、2,160円の発券手数料が請求されることからも分かるように、「キャンセル+新規発券」ではなく予約変更の範囲内の「交換発券」として扱われています。
ご指摘の予約・発券時には有効だったものの、切り替えアップグレード手続き時点では有効期限切れになってしまっているマイルについて、2017年11月の予約システム刷新を経た現時点では、実際にこのサービスを利用する段階で有効期限切れになることはないという説明が行なわれるようになっています。
この点はシステム刷新以前の切り替えアップグレード利用時に説明を受けた、失効リスクを考えなくてはいけない当時のサービス内容との違いを感じる部分の1つであるのと同時に、最終的な上位クラス搭乗を目指す場合にはなかなか嬉しい改善と言えるかもしれませんね。
今回のコメント、本当にありがとうございました。
前回はご回答ありがとうございました。
もう一点教えていただきたいのですが、切り替えアップグレードのキャンセル待ちはできないと考えてよいのでしょうか?
JALのホームページを見ると2016/11/1受付分からキャンセル待ちできないと記載されているようです。
お久しぶりです。
再びのコメント、ありがとうございます。
出発4日前までの切り替えアップグレードは、元々予約しているものと同じ区間の上位クラスに空席があることを条件に、差額の必要マイル数と2,160円の発券手数料(航空券取扱手数料)との支払いで上位クラスへ切り替えるものですから、アップグレード先に空席がまったくない時には利用不可なサービスです。
また、ご指摘の通り、現状では、すでにキャンセル待ち区間が予約の中に1つもなく発券自体が完了している予約では、キャンセル待ちを追加で申し込むことはできない以上、切り替えアップグレードでのキャンセル待ちの活用は不可ということになりますね。
そのため、私にとっての切り替えアップグレードは、出発直前期に上位クラスが開放された結果、キャンセル待ちなども解消され、その上で空席が確認できた時に利用するサービスという位置づけになっています。
今回のコメントも、本当にありがとうございました。