海外発JAL国際線特典航空券のメリットと活用方法(必要な下ごしらえ、330日前からの国内線予約、航空券1冊で最大6区間、必要マイル数の割引、燃油サーチャージ・空港税の割引、要注意ポイント)

JALマイルで予約するJAL国際線特典航空券には面白いと感じる使い方の1つに、海外発の国際線特典航空券があります。

日本を出発地とする一般的な国内発券の国際線特典航空券に対し、海外発の国際線特典航空券は海外を出発地とするもの。

この出発地の違いによる影響は大きく、同じ国際線特典航空券でも海外発の国際線特典航空券は

  • 330日前から日本国内線が予約可能
  • 燃油サーチャージや空港税の計算結果が日本発と異なる

といった日本発の国際線特典航空券にはない特長を持ち合わせている以上、その活用方法やメリットも大きく異なっています。

海外発国際線特典航空券利用の前の下ごしらえ

ただし、この海外発国際線特典航空券は名前の通り、利用の前に別の手段で一度海外に行き、さらに利用後には別の手段で日本に戻ってくる必要があるのは要注意。

そのため、海外発国際線特典航空券利用の前の下ごしらえとして、その前後に別の航空券など移動手段を用意することから始めなくてはいけません。

とは言え、今の時代は日本から東南アジアまでエリアはLCCによる国際線の運航がかなり安価な運賃で行なわれているのはもちろん、航空券として破格の自由度を誇る特典航空券を組み合わせるなどの方法も充実しているため、実際にはそれほど困ることはないはずです。

我が家の場合も、日本国内線の搭乗券をFAXするだけで貯められるデルタ航空のニッポン500マイルキャンペーンでコツコツ貯めたマイルを利用して予約・発券を行った特典航空券を海外発の国際線特典航空券の前後にくっつけてお得に使い始めるということも多くなっています。

330日前からの日本国内線予約が可能

海外発の国際線特典航空券を利用する一番分かりやすいメリットの1つといえば、本来は特典航空券の予約開始が2ヶ月前に制限されているはずの日本国内線も330日前から予約できるというもの。

具体的には、

  • ソウル-東京-石垣-東京-ソウル

というように、石垣を目的地とした国内線も含む予約も復路の330日前から可能になっています。

もちろん、システムの仕様上の制限で、330日前からJALが運航する日本国内線を国際線特典航空券扱いで予約可能な提携航空会社もあるものの、そういった利用とは一線を画した正規のサービスとして活用できるのは海外発国際線特典航空券だけのメリット。

また、日本国内線用の特典航空券として提供されている席数も提携航空会社に開放されているものより全体的に余裕のある傾向ですから、他の予約方法よりも予約難易度が抑えられているのも嬉しいですね。

海外発海外着の国際線特典航空券だけに許された片道3区間、往復6区間の自由度

 

国内線利用を目的とした場合よりは予約段階での準備や工夫が必要なものの、海外発国際線特典航空券の特長を最大限生かせるという意味で花形と言えるのは、海外発海外着の国際線特典航空券。

具体的には、

  • ソウル-東京-ロサンゼルス-東京-ソウル

というような予約のことです。

また、海外発海外着の国際線特典航空券では、片道ごとに国際線-国内線-国際線の最大3区間を利用可能ですから、

  • ソウル-東京-大阪-バンコク-中部-東京-ソウル

というような往路と復路で1回ずつの合計2回分、国内線の乗り継ぎも無料で追加できるルールで、予約を作成する時の選択肢を増やす大きな助けになってくれます。

ちなみに、無料で追加できる国内線はすべて同じエリアの空港間で乗り継ぐ必要があり、

  • ソウル-東京-(地上移動)-札幌-大阪-バンコク-中部-東京-ソウル

というような地上移動との併用は不可。

活用の幅が制限されているという意味で、少しだけ残念ですね。

海外発海外着の国際線特典航空券の必要マイル数割引

しかも、海外発海外着の国際線特典航空券として予約した場合、海外-日本と日本-海外の2つに分けて予約した場合に比べて、必要マイル数はもれなく割引されるのも嬉しいメリット。

具体例として、韓国から日本を経由して北米に向かう場合、韓国-日本-北米を1冊の航空券として予約した海外発海外着国際線特典航空券の必要マイル数は、エコノミークラスが55,000マイル、ビジネスクラスが110,000マイル。

これに対して、韓国-日本と日本-北米を別々に2冊の航空券として予約した国際線特典航空券の必要マイル数は、エコノミークラスが15,000マイル+50,000マイル=65,000マイル、ビジネスクラスが36,000マイル+100,000マイル=136,000マイル。

つまり、その差はエコノミークラスで10,000マイル、ビジネスクラスで26,000マイルにもなるという結果です。

これは他のエリアとエリアを結ぶすべての海外発海外着国際線特典航空券にも当てはまる重要な特長。

もちろん、1冊の海外発海外着国際線特典航空券として予約した場合、日本でのストップオーバーとして24時間以上の乗り継ぎの猶予は与えられないなどの制限はあるものの、思ったよりも小さな負担感で海外発海外着国際線特典航空券を利用できる理由の1つになるはず。

海外発国際線特典航空券のお得度

海外発国際線特典航空券を予約する時に気をつけてチェックして欲しいのが、燃油サーチャージや空港税等のマイル以外に必要になる負担の合計金額です。

中でも全体の金額を大きく左右する燃油サーチャージは発券地や出発地などで設定が大きく異なるため、同じ国際線特典航空券でも日本発のものとは全く違う合計金額が表示されているはず。

具体例として、

  • 海外発:ソウル-東京-ロサンゼルス-東京-ソウル
  • 日本発:東京-ロサンゼルス-東京

という2つの国際線特典航空券の必要合計金額を比べてみると、

  • 海外発:16,720円
  • 日本発:30,520円

というように2倍近くの差が生まれ、何かの間違いじゃないかと感じてしまうほど。

特に、海外発の燃油サーチャージや空港税の合計金額は、東京-ソウル間の往復を追加して飛行距離が増えているにも関わらず、より飛行距離の少ない日本発の半額近くになっているのはなかなか衝撃的です。

その理由の1つが燃油サーチャージの設定金額自体、全体的に海外発の国際線特典航空券に有利なものになっていること。

例えば、日本発では10,500円に設定されている日本-北米間の燃油サーチャージが、海外発では86USD=約9,202円(1USD=約107円)で差額は片道につき1,298円。

最も差が大きな設定としては、日本発では10,500円に設定されている日本-オセアニア間が、オーストラリア発では83AUD=6,889円(1AUD=約83円)で差額は片道に付き3,611円にもなります。

海外発国際線特典航空券で予約前の比較と試行錯誤が必要な理由

では、すべての海外発国際線特典航空券が日本発の国際線特典航空券に比べてお得なのかと言うと、実はそうではないため、要注意。

なぜなら、複雑怪奇としか言えない出発地ごとの空港税など燃油サーチャージ以外の費用負担のルールが設定されているため、海外発で燃油サーチャージの負担が少ない=必要合計金額が少ないという単純な図式にはなっていないから。

具体的に、日本発と海外発で燃油サーチャージの金額差が最も大きかったオセアニアのメルボルンを目的地とした、

  • ソウル-東京-メルボルン-東京-ソウル

という海外発国際線特典航空券の37,330円。

この金額は、

  • 東京-メルボルン-東京

という日本発国際線特典航空券の33,050円の必要合計金額を大きく上回っています。

つまり、北米のように海外発国際線特典航空券を利用した方が良い目的地とオセアニアのように日本発の国際線特典航空券を利用した方が必要マイル数はもちろん、燃油サーチャージや空港税の必要合計金額も少ない目的地に分かれるため、お得度を追求する場合は要注意ということが分かります。

また、この必要合計金額の有利・不利は燃油サーチャージの増減や空港税等の新設・撤廃によって大きく変化しますから、最終的に旅程を決める前のタイミングで念の為、チェックしてみるのがおすすめです。

実際、数分間もあればJALホームページの簡単な操作だけで確認できるものですから。

まとめ

海外発の国際線特典航空券と聞くと敷居が高く感じられるかもしれません。

しかし、自由度の高い特典航空券や片道での発券が容易に行えるLCCによる国際線運航が潤沢に用意された今の時代、前と後ろに別の移動手段をくっつけるという少し変わった下ごしらえが必要な国際線航空券という印象を強く感じています。

その結果として得られるのは、日本発の国際線特典航空券ではなかなか得られない種類の自由度やお得度。

確かに、それらをトコトン追求するためにはちょっとした工夫や確認こそ必要ですが、気軽な利用でも十分特長を活かしたり、旅程自体を楽しめるのが海外発の国際線特典航空券です。

そのため、常に日本発や海外発のどちらか一方の利用に縛られるのではなく、その時その時でお得なマイルの活用方法を選ぶための選択肢として、この2つの国際線特典航空券とその特長を覚えておくのはなかなかおすすめだと思いますよ。

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