よく考えてみると飛行機はとても変わった形で利用する乗り物です。
搭乗前に手荷物の検査が必要なことはもちろん、チケットを予約・購入しただけでは搭乗できず、チェックインという、「予定通りこれから予約した飛行機を利用することを伝える手続き」が必要。
逆に、指定された締め切り時刻までにチェックインが行なわれない場合には、予約自体が無効になり、確保されていた席は他の人に割り当てられても文句を言えないルールです。
一方で、チケットを購入さえしているなら、後は改札を通過して乗車するだけの新幹線などを利用した時は、チェックインカウンターはもちろん、ラウンジの受付などの係の方と全く会話することもないため、シンプルでスムーズすぎて何となく不安を感じることさえあります。
思った以上にたっぷりの指定可能席の追加開放
そんな飛行機利用の特徴の1つといえるチェックインも、旧来のチェックインカウンターで行う形に加え、ホームページ状などのオンラインでの手続きも可能になりました。
それがオンラインチェックインやWebチェックインと呼ばれるサービス。
JALでも国際線利用時には、Webチェックインという名称のサービスとして提供され、出発時間の72時間前から、座席指定はもちろん、搭乗者情報の登録・確認や空港によっては搭乗券の発行さえ可能になっています。
そんなWebチェックインも実はエコノミークラス利用時にこそ活用したいしたいお得なサービスと言えます。
その最大の理由がエコノミークラスの座席指定可能な席の追加開放。
これによって、予約受付開始時から事前座席指定可能な席以上に豊富な指定可能座席がWebチェックイン開始後には開放されるため、より良い席を確保する最大のチャンスになっています。
実際、上の画像のように、Webチェックイン開始後の指定可能座席の追加は大規模なもので、かなり自由に座席が選べます。
特に、繁忙期に2人以上で旅行する場合には、予約手続きを完了した直後や空港のチェックインカウンターでの手続きよりも、予約時期に左右されず、より確実に隣同士での座席を確保できるチャンスですから、利用しないのはもったいないですね。
スムーズな出国手続きに便利なホームプリント搭乗券
すべての空港で利用可能なわけではないものの、Webチェックインを利用した時の忘れてはいけないメリットの1つが、ホームプリント搭乗券。
このホームプリント搭乗券は、Webチェックイン完了後、印刷するだけでそのまま搭乗券として利用可能な画面が表示される機能です。
そのため、ホームプリント搭乗券を印刷した状態で空港に到着した後、預入荷物がない場合には、そのまま保安検査場や出国審査場まで進むことが可能になります。
ちなみに、預入荷物がある場合でも、預入荷物専用のカウンターや通常カウンターの預入荷物手続きのみの利用が基本で、それぞれのカウンターでのチェックイン作業は必要ありませんから、なかなかスムーズに手続きが完了します。
また、海外の空港からの帰国時には、チェックインの手続き開始時間が利用する便ごとに決まっていて、チェックインカウンターを利用する場合は、同じタイミングでチェックインを終えた人たちで混雑した保安検査や出国検査の行列に並ぶのもよく見かける光景。
その点、ホームプリント搭乗券なら、チェックインカウンターでの手続き開始とその後の混雑を避けて、好きなタイミングで保安検査や出国検査を通過できることも、意外に嬉しいメリットかもしれません。
ファーストクラスやビジネスクラス利用時に感じるWebチェックインのデメリット
一方で、座席指定可能な席の追加開放はファーストクラスやビジネスクラスなどの上位クラスでは基本的に行なわれず、Webチェックインが開始されたからといって、より良い席が自由に選べるわけではありません。
この部分は、同じWebチェックインでもエコノミークラスと最大の違いを感じる部分です。
ただし、飛行機で最も前方左側の1Aの席やバシネットと呼ばれる赤ちゃん用のベッドを装着可能な席などは、空港調整席としてWebチェックインでも開放されないものの、座席が残っている場合のみ、空港のチェックインカウンターで希望を出すと指定して可能になることも。
そう考えると、ファーストクラスやビジネスクラスの座席指定は、予約時期の早い遅いに左右されることに加え、チェックインカウンターの手続きでも全く同様ですから、良い席は完全に早い者勝ちの競争と言えそうですね。
また、ホームプリント搭乗券についても、ファーストクラスやビジネスクラスを利用する時に気をつけたいデメリットがあります。
それがファーストクラスやビジネスクラスの利用者に加え、各種上級会員に、チェックインカウンターでのみ、優先的に保安検査や出国検査を通過するための提供される特別なカードの存在。
つまり、これらのカードはチェックインカウンターで提供される特典ですから、そこに立ち寄らずに保安検査や出国検査に進んでしまうホームプリント搭乗券では受け取ることができず、せっかくの特典を活用できないことになってしまいます。
それは、特別なラウンジへの入室に必要なインビテーションカードも同様。
つまり、ファーストクラスやビジネスクラスを利用する時には、利用者自身で一手間加えてWebチェックインを行っても、メリットよりもデメリットの方が大きくなってしまうリスクもあります。
さらに、ファーストクラスやビジネスクラスに搭乗する時には、専用のチェックインカウンターが豊富に用意され、待ち時間自体もかなり少なくなるように配慮されていますから、あえてWebチェックインを利用する必要はなく、あらかじめ座席指定だけは行っておいてそのままチェックインカウンターで手続きを行うのがおすすめといえるのかもしれません。
まとめ
JALで提供されているWebチェックインはエコノミークラス利用時には快適性を向上させる文句無しで有効なサービスです。
特に、座席指定の面での追加開放はなかなかダイナミックで、このためだけに72時間前のWebチェックイン開始直後に手続きを行う価値があると感じるほど。
ただし、ファーストクラスやビジネスクラスといった上位のクラスでは、現状、Webチェックインを行うメリットは見つけにくく、利用する空港によっては逆にデメリットを抱え込んでしまうリスクさえあります。
そのため、Webチェックインはエコノミークラス利用時には頑張って積極的に利用した優れたサービスと言える一方で、ファーストクラスやビジネスクラスといった上位のクラス利用時には、今のところ少し要注意で別に頑張って利用する必要はないサービスと言えるのかもしれませんね。
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