JALシステム刷新後の改悪で最も油断できない深刻な予約消失トラブル

2017年11月15日に実施されたJALの予約システム刷新。

このタイミングで、これまで利用されてきたJAL独自に構築され、維持されてきたシステムから、ワンワールドに加盟する航空会社はもちろん、ANAも含めた他の航空会社でもすでに利用されている国際的なシステムへの移行が行なわれました。

しかも、このシステム刷新は、業界標準のシステムを利用することによる利便性の向上はもちろん、数年間の準備期間を経て実行される以上、機能面での充実も期待していた人も多かったはずです。

自由度が大幅に低下した刷新後の予約システム

しかし、このシステム刷新はお金を支払って購入する有償航空券、そしてマイルを利用して発券する特典航空券問わず、予約における自由度を大きく制限する事になってしまった時点で、私は影響の大きな改悪と判断しています。

特に、その改悪っぷりを実感することになるのは、国際線を国内線乗り継ぎを加えた形で利用する時。

予約システム刷新前は当然のように空席や時間帯によって様々な便から自由に国際線と組み合わせることができたものが、システム刷新後は、システムが最適と判断した結果のみが提示され、それ以外をJALホームページ上で予約することはできません。

もし、仮にこれまでのシステム刷新前のような自由度の高い予約を行いたい場合、予約デスクへの電話をかけて、電話発券してもらうことで実現できますが、それには有償航空券で5,400円、特典航空券で2,160円の航空券取扱手数料の負担が必須。

我が家では自由度の高い旅程を確保しつつ、航空券取扱手数料を回避するために、支払いの一部または全部に利用することで、それらの手数料を免除してもらえるJAL旅行券を活用しているものの、電話発券する度にJAL旅行券のストックを心配しなくてはいけない状況で、快適な予約手続きとはとてもいえません。

JALシステム刷新 最大の改悪ポイント(国際線予約の選択肢激減、国際線特典航空券国内線乗継の活用不可、手数料負担の大幅増リスク)
JAL旅行券と発券手数料・航空券取扱手数料の秘密(手数料免除特典、発送方法、特典航空券での活用、予約変更時の手数料、1,000円券と10,000円券の価値の違い)

存在していたはずの予約が突如消失する恐怖

そうした改悪としか判断できない制限の影響もあって、私自身、あまり良い印象を感じていないJALの予約システム刷新ですが、最も油断できず、深刻と捉えているのが予約消失トラブル。

このトラブルは、JALで予約し、発券まで完了している予約について、前触れもなくJALホームページ上の予約確認ページの予約一覧から消え去ってしまうことがあるというもの。

その結果、出発日時の確認はもちろん、事前座席指定やEチケットの印刷まで困難を極める状況になってしまいます。

上の写真は影響が最も大きく十数件あった私の国際線予約全てが完全に消え去った時のスクリーンショットですが、有償と特典の区別もなく、さらにはJAL運航のものはもちろん、提携航空会社が運航するものの区別もなく、すべての予約が消失の対象になってしまっています。

一度こうなってしまうと、スマートフォンアプリなど、他の経路からの予約確認を行っても結果は同じで、オンライン上での手続きは手詰まりで、打つ手はありません。

ここまでのものではないとしても、ある日突然、同じような条件で知らぬ間に予約が消失してしまうということは、システム刷新後、これまで何度も経験してきました。

予約消失は現実に直接的な損害を被ってしまう可能性を秘めたトラブル

このトラブルが発生した時、最も困ることの1つが、予約を自分自身で覚えていなければ解決できないというもの。

なぜなら、JALホームページ上の予約確認ページの予約一覧から予約が消え去ってしまう以上、自分自身で予約を持っていたことを覚えていなければ、消え去ってしまったことすら確認できないから。

その結果、予約したことを忘れたまま、同じような予約を重複する形で予約と発券の手続きしてしまったり、実際に搭乗する数日前の搭乗案内メールが届けられるまで予約自体を忘れてしまうリスクもあります。

そうした時には、現実に直接的な損害を被ってしまう可能性も十分考えられることに。

もちろん、海外旅行の航空券予約を忘れてしまうなんてそれ自体が考えられないという方も多いと思います。

しかし、330日前など早い時期に予約を確保したり、確保している予約数自体が多くなってしまうと、JALホームページ上で表示されている目の前の予約一覧にすべての予約が消失することなく存在しているのかどうか、多くの航空券を予約し、JALを利用する機会が多い方ほど、自信がなくなり、同時に不安を感じるはず。

予約消失の傾向

こうした予約消失には実ははっきりとした傾向が存在しています。

それは、消失する予約はシステム刷新の行なわれた2017年11月15日以前に予約と発券手続きが行われたものだというもの。

逆に、システム刷新後の2017年11月16日以降に予約と発券が行われた予約については、消失は起こりません。

これはJAL側による予約消失に関する技術的な回答ですが、実際、私自身も消失した予約はいずれもシステム刷新前に予約したもので、システム刷新後に手続きを行った予約に関しては発生を確認していません。

つまり、予約消失のトラブルを回避するためには、システム刷新前の予約についてのみ重点的に監視するようにしておくのが一番ということになります。

予約消失発生後の対策とその結果

予約消失の発生が判明した時点で行うべき行動は、オンライン上では全く打つ手なしになっている以上、JALの予約デスクへの電話のみ。

逆にこれ以外の方法ではどうすることもできませんから、素直に電話するのが一番。

予約デスクは様々な情報を元に予約を探してくれることになるのですが、無事に消失した予約が見つかると、オペレーターさんがJALホームページ上の予約一覧に表示させるための手続きを行うのと共に、システム刷新後に新たに付与された新しい予約番号を教えてもらうことになるはずです。

ただし、この手続きが完了したからと言って、必ずしも全ての消失した予約がJALホームページ上の予約一覧に復活するわけではありません。

その場合は、予約デスクでもそれ以上は打つ手なしということになり、新しく教えてもらった予約番号や予約の詳細な情報を元に、手動入力で予約詳細を表示する必要があります。

消失した予約の表示を復活できなかった時の予約確認方法

残念なことに、予約デスクでも消失した予約を予約一覧に復活することができなかった時には、手動で必要な情報を入力し、予約詳細を表示するしかありません。

そのためには、JALホームページ上で「ログアウト」を行い、一般の利用者として「国際線」のタブにアクセスし、その中の「国際線ご予約・購入済みのお客さま」のボタンを押します。

次に、「予約確認 購入/座席指定/取消」をタップ、またはクリック。

そうして表示された予約検索画面では、

  • 便名
  • 搭乗日
  • 予約番号

といった5つの情報全てを入力し、ようやく消失してしまった予約の予約詳細にアクセスできることになります。

こうした手続きには、それまでせっかくログインした状態であっても、ログアウトが必須なことと、5種類の細かな情報の入力が必須という意味でも、決して好印象を与えるものではありません。

消失さえしなかったら本来は全く不要な手間なわけですから。

まとめ

システム刷新後のJALホームページ上で生じるリスクのある予約消失は、あくまでシステム刷新前に発券まで行われた予約が対象ということで、今後は確実にその発生リスクが低下していく種類のトラブルです。

しかし、発生してしまうととても大変な事態を引き起こすリスクのある種類のトラブルなのはもちろん、運が悪いと予約が消失してしまったことにすら気づけないという意味で、想像以上に深刻で厄介なものという印象を強く感じています。

そのため、多くの予約を確保する傾向がある方ほど、一度念のため、システム刷新前に発券した予約に消失してしまったものがないかどうか、確認してみるのも大切だと思いますよ。

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