JAL67便 シアトル-成田線初便ビジネスクラス搭乗記(最果てにあるJAL用搭乗ゲート、シアトル・タコマ空港JAL指定ラウンジ、サテライトゲートのBAラウンジ利用は罠?、搭乗ゲートでの初便限定セレモニー、ビジネスクラス機内食、記念品プレゼント、初便のタイムテーブル)

2018年度末となる、2019年3月31日。

この日、JALは新規路線の就航として、成田-シアトル間の初便運航を行い、その路線網に新たな目的地を加えました。

その成田-シアトル間では、

  • JAL68便:成田18時05分発 → シアトル11時05分着
  • JAL67便:シアトル14時15分 → 成田16時25分

というスケジュールで1日1往復、合計2便が運航されることに。

我が家では、成田からシアトルへの初便というメモリアルなフライトをビジネスクラスで利用する機会に恵まれ、実際にその搭乗の様子はすでに搭乗記としてまとめました。

そうなると気になるのは、初便は初便でも、復路となるシアトル発のもの。

そこで、シアトルから成田空港への初便のフライトも、同じように搭乗記としてご紹介したいと思います。

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シアトル・タコマ空港でのチェックイン

シアトル・タコマ空港のJALチェックインカウンターは、メインターミナルの南側に位置しています。

ご近所さんとしては、

  • ルフトハンザ航空
  • エミレーツ航空
  • アシアナ航空
  • ハワイアン航空
  • エバー航空
  • ブリティッシュ・エアウェイズ
  • ANA
  • キャセイパシフィック航空

などのチェックインカウンターも立地していますから、新参者で案内の少ないJALだけではなく、これらの航空会社の案内表示も参考にするのがおすすめ。

逆に、

  • アラスカ航空
  • デルタ航空
  • サウスウェスト航空
  • アメリカン航空

などのチェックインカウンターが目に映るのなら、同じメインターミナルの中でも、それは南側とは反対の北側に来てしまっているということですから、制限エリアの入口に向かって左側に進んで、南側のチェックインカウンターエリアに向かうべきですね。

ちなみに、シアトル発の初便から、ワンワールドの上級会員向けの優先チェックインカウンターや優先保安検査のサービスは問題なく提供されていました。

最果てにあるJAL用の搭乗ゲートとJALシアトル・タコマ空港のJAL指定ラウンジ

チェックインの手続きを終え、保安検査を終えると、そこは出国審査というもの自体が存在しないアメリカ。

国際線も国内線もごちゃまぜ状態の制限エリアに到着します。

JALを利用してシアトル・タコマ空港を出発する時に、気をつけなくてはいけないのが、JAL用のゲートが保安検査場からとにかく遠く、到着するまでそれなりの時間と距離を歩く必要があるということ。

上の画像でも、JAL便が利用する可能性のあるA11~A14、A20、A21の搭乗ゲートはメインターミナルの南の端としか言えない場所に立地していることが分かります。

もちろん、途中には動く歩道も用意されているものの、上の写真のように、一番奥がかすかにしか見えないような長い長いものを利用する必要がある距離ですから、かなりの歩いた実感を感じる方も多いはず。

搭乗ゲートA21近くにあるJAL指定ラウンジ、The Club at Sea

そんなJAL用のゲートに向かう途中にあるのが、シアトル・タコマ空港でのJAL指定ラウンジ、The Club at Seaです。

上の写真のように、複数の案内板が分かりやすいように掲示され、動く歩道からも容易に確認できるように配慮されています。

その案内板を素直に信じると、階段を登ってラウンジにアクセスするしかないように感じるのですが、そんなことはなく、階段の隣のエレベーターでのアクセスも可能。

エレベーターの中にも、The Club at Seaの表示があり、そもそも搭乗ゲートのある階とラウンジのある階の間での移動専用のエレベーターですから、迷う心配もないはずです。

エレベーターを降りると、そこはラウンジのエントランス。

JALの指定ラウンジですから、

  • JMBダイヤモンド
  • JGCプレミア
  • JMBサファイア
  • JGC
  • 他社ワンワールドエメラルド(JAL便名のJAL運航便に限る)
  • 他社ワンワールドサファイア(JAL便名のJAL運航便に限る)
  • JALビジネスクラス利用者

といった上級会員や上位クラス利用者は搭乗券の提示のみで利用可能。

一方で、The Club at ○○という名前のラウンジは、プライオリティパスで利用可能なラウンジブランドとしても有名ですから、プライオリティパス保有者も問題なく、The Club at Seaへのアクセスが提供されます。

ラウンジの内容としては、国内線向けのラウンジとしての性質が強く感じられるもので、基本的にはコールドミールが中心のラインナップ。

一部にサラダも用意。

そんな中で人気を集めていたのが各種フルーツ。

一方で、このラウンジでホットミールとしては、唯一、チキンヌードルスープの一品だけが並ぶのみ。

国際線の利用前に案内されるラウンジの食事としては正直寂しさを感じさせるものです。

飲み物としては、多くの利用者にとりあえずの一杯として楽しまれていると感じたフレーバーウォーター。

冷蔵庫内の各種ソフトドリンク。

アメリカにあるラウンジらしく、アルコールは基本的にラウンジスタッフが常駐するカウンターでの注文を経て提供される形式でした。

また、ラウンジ内は、それほど広いというわけでもなく、座席自体も豊富というわけではありません。

さらに、窓の外も、工事中の空港周辺の敷地ビューですから、ゆったりと景色を楽しむタイプのラウンジではないと言えそうですね。

とは言え、ラウンジ内には、専用のトイレも用意され、それほど混雑せず、良好な状態を保っているようでしたから、そういった部分はメリットと言えるかもしれません。

サテライトゲートにあるBAラウンジの利用は罠?

では、JAL便の利用者は、The Club at Sea以外に利用できるラウンジの選択肢がないのかというと、実はそうではありません。

なぜなら、シアトル・タコマ空港には、JALと同じワンワールドに加盟するブリティッシュエアウェイズが運営するラウンジが存在していて、The Club at Seaとほぼ同じように、

  • JMBダイヤモンド
  • JGCプレミア
  • JMBサファイア
  • JGC
  • 他社ワンワールドエメラルド
  • 他社ワンワールドサファイア
  • JALビジネスクラス利用者

といった条件を満たす利用者には、アクセスが提供されるから。

実際、上記の対象者は基本的に搭乗券の提示だけで入室が認められます。

そこで提供される料理や食べ物は、The Club at Seaを品質面で確実に上回るものが提供されています。

その結果、食事としての楽しさを感じるのは、間違いなくこちらのラウンジのはず。

しかも、ラウンジの広く大きな窓からは、これから飛び立つ飛行機が待機している駐機場や、その先の滑走路が見渡せる空港ビューが楽しめるのも、The Club at Seaにはないラウンジとしての魅力です。

ただし、シアトル・タコマ空港のブリティッシュエアウェイズラウンジは、サウスサテライトと呼ばれるターミナルにあるため、JAL用の搭乗ゲートのあるメインターミナル南側から徒歩ではたどり着けないという制限があるのは要注意。

そのため、必ず空港内を運行されている無料電車を利用してサウスサテライトターミナルに向かい、帰りも同じようにして戻ってくる必要があるということです。

しかも、メインターミナル南側とサウスサテライト間の無料電車の乗車時間に加え、前述のJAL用の搭乗ゲートまでの移動時間や手間も考える必要もあります。

そのため、JAL指定ラウンジのThe Club at Seaよりも、ブリティッシュエアウェイズのラウンジの方が魅力的に感じられ、実際の満足度も高いものの、それに必要な手間や時間までを考えると、JAL便利用者はThe Club at Seaをそのまま利用するのが総合的にはおすすめというのが正直な印象です。

A13搭乗ゲートで実施された初便限定セレモニー

シアトルから成田空港へ向かうJAL67便は定刻14時15分に出発するフライトです。

しかし、初便となる3月31日には、出発ゲートとなるA13番搭乗ゲートでは、13時10分から初便限定のセレモニーが開催され、ゲート前には華やかな会場が設けられていました。

その一画には、JALとアラスカ航空の連名で、「SEATTLE TO TOKYO? NONSTOP? RAMEN OR SUSHI?」という、シアトルの人々にとっては、日本は安くて美味しいラーメンと寿司が楽しめる場所という位置づけなの?と興味を惹かれる広告も。

開始予定時間の20分前には、

  • JAL
  • シアトル・タコマ空港運営団体
  • アメリカン航空
  • アラスカ航空

などの主要な来賓の方々も集まり始め、開始予定時刻10分前の13時には、初便限定のセレモニーが開始されました。

来賓の1人1人がお祝いの言葉とともに、どれほどJALのシアトル就航に期待し、歓迎しているのかを熱いメッセージと共に紡いでいきます。

特に、JALと同じアライアンスのアメリカン航空だけではなく、JALやアメリカン航空がそれぞれ独自に提携しているアラスカ航空もまた、JALのシアトル就航を心から歓迎していることが最も印象的な出来事と言えるかもしれません。

それぞれのスピーチが終わると、来賓全員が一列に並んでテープカット。

そこはさすが様々な事柄を警戒して保安検査に厳しいアメリカらしく、テープカット用のはさみも使用後には即座に回収&すばやく片付けられる徹底ぶりにはちょっと驚くはず。

そうしたテープカットとそれに続くフォトセッションの後には、シアトル-成田のJAL67便初便を担当する機長からのスピーチが朗らかな雰囲気の中で行われて、合計20分ほどのセレモニーは終了。

いよいよ初便の搭乗が開始されます。

実際の初便フライトの搭乗から離陸

JAL67便の初便の搭乗はA13搭乗ゲートで、予定されていた13時45分よりも5分ほど遅れた13時50分から開始。

この搭乗ゲートだけではなく、JALが利用する予定の搭乗ゲートは、いずれもその周辺のスペースが限られているため、優先搭乗用の案内を十分に行うだけの余裕がなく、JMBダイヤモンドやJGCプレミア、他社ワンワールドエメラルドなどの上級会員を対象とした最優先搭乗用の専用レーンがあらかじめ用意されていません。

そうした事情がありますから、最優先搭乗対象者だけではなく、すべての優先搭乗の利用を希望する方は搭乗ゲートの周辺で立って、それぞれの搭乗順の案内が始まるのを待つ必要があるのは少しだけ残念なポイント。

また、搭乗ゲートの近くには、往路となる成田-シアトルのJAL68便でもプレゼントされたのと同じように記念品が入った紙袋が準備され、搭乗する利用者1人1人に手渡されていきました。

ちなみに、往路の成田空港とは異なり、ここシアトル・タコマ空港では、報道陣向けの親切心からの記念品のネタバレは行われていませんでした。

搭乗する飛行機は、我が家が利用した往路のJAL68便と同じB787-8。

そのビジネスクラスで記念すべき初便のフライトを体験することになります。

もちろん、長距離線ですから、シャンパンとオレンジジュースの2択から選べるウェルカムドリンクの提供も健在です。

飛行機のすべてのドアが閉まる、ドアクローズは14時12分。

13時50分の搭乗開始から22分ほどで乗客184人すべての搭乗を完了したということですね。

飛行機がトーイングカーに押され、後ろ向きに進み始めるプッシュバックが始まったのは14時20分。

プッシュバックが始まるのとほぼ同じタイミングで見えてきたのが、JALのスタッフの方々がボーディングブリッジ脇の階段を急いで駆け下り、駐機場に集合する姿。

駐機場を離れ、後ろ向きに進む飛行機の後を追うように行進しながら進むJALのスタッフの方々の手には、「ご搭乗ありがとうございます。Thank you for flying with us.」と書かれた横断幕が広げられていました。

飛行機とトーイングカーとの接続が解かれ、最終の出発準備が完了。

50名以上ものスタッフの方々の特別なお見送りを受けて、JAL67便は誘導路に向かいます。

JALのスタッフの方々に別れを告げた後、アラスカ航空など、他の航空会社の格納庫や貨物区画の隣を通過するのですが、よく見てみると、そこで働く全く別の航空会社のスタッフの方も大きく全身で手を降って、JALの初便を見送ってくれています。

それだけ、シアトル・タコマ空港全体でJALのシアトル就航を歓迎してくれているということなのかもしれませんね。

誘導路の走行を終え、実際に滑走路から離陸したのが、14時35分。

プッシュバック開始から15分後の離陸でした。

シアトル初便のビジネスクラス機内食の内容

離陸後、シートベルトサインが消えたのが15時11分。

その10分後の15時21分には機内食の提供が開始。

和食では先付、洋食ではアミューズ・ブーシュとして、

  • トマトのムース、一口モッツァレラのジェノベーゼ風味
  • ズッキーニのマリネとスモークサーディン アンチョビクリーム

が上の写真に写っているような形で提供されました。

ちなみに、往路となる成田発のJAL68便では、初便だけの限定メニューが提供されたのですが、復路となるシアトル発のJAL67便では、上の写真のオリジナルチョコが配られただけ。

そのため、海外発の機内食は洋食が無難の原則にそのまま従って、今回の機内食は洋食をチョイス。

洋食のオードブルでアペタイザー盛り合わせとして提供されたのが、

  • プロシュートとアーティチョーク
  • 鴨ローストと枝豆フムス
  • 鮪のアグロドルチェ
  • ホワイトアスパラガスのタルトレット

の4種。

もちろん、洋食ですから、ここに温められたパン2種類も付きます。

続いて、メインディッシュは、

  • USプライムビーフテンダーロイン マデイラワインソース、マスタードアーティチョークサルサ
  • 鱸のソテーホワイトアスパラガスのカルボナーラソース

の2種類から、テンダーロインを選択。

洋食にも関わらず、とりあえず炊きたてご飯を一緒におすすめされるのが、ある種のJALのビーフステーキらしさかもしれませんね。

デザートはマスカルポーネヨーグルトムース。

それぞれの搭乗客を対象に、ゆっくりとコースが進みますから、機内食の提供が終了し、片付けが始まったのは16時50分頃。

この少し後から照明は暗くなり、機内は就寝モードになります。

もちろん、機内が暗くなっても、1回目の食事終了から到着の1時間30分前まで、自由に好きなメニューを注文できるアラカルトメニューは利用可能です。

実際、アラカルトメニューの中から、

  • ビーフステーキ ビビンバ風
  • ギリシャヨーグルト マンゴーソース

といった洋食セットを選択することにしました。

JALシアトル-成田初便の成田空港への着陸

往路となる成田-シアトルのJAL68便では9時間10分の飛行時間に対し、偏西風の関係でより長い10時間の飛行時間が予定されている関係で、ゆったりとした時間が流れている復路となるシアトル成田のJAL67便の機内でも、着陸の時は次第に近づいてきます。

シートベルトサインがオンになったのは太平洋時間23時35分(日本時間15時35分)。

その少し前の時間には、ビジネスクラスの1人1人の利用者に対して、担当した客室乗務員の方々が挨拶と搭乗のお礼を伝えるために席を訪れ、その時に後述する追加の記念品もプレゼントしてくれます。

そのまま降下を続け、成田空港に着陸したのが日本時間16時4分(太平洋時間0時4分)。

空港内の誘導路走行後、駐機場に到着し、ボーディングブリッジの接続も完了、飛行機のドアが開いたのは日本時間16時13分(太平洋時間0時13分)ですから、長時間の誘導路の移動が常態化している成田空港ではなかなかスピーディーな着陸という印象を感じます。

初便限定でもれなくプレゼントされる記念品の内容

初便といえば、搭乗客にもれなくプレゼントされる記念品の内容が気になるかもしれません。

シアトル-成田のJAL67便では、上の写真に写っているような

  • JALの赤坂社長からのメッセージカード
  • シアトル就航を記念したステッカー2枚

などの入った封筒。

この中でも、赤坂社長からのメッセージカードは、中にJALのシンボルである、赤い鶴が折り込まれていて、メッセージカードを開くと羽を大きく広げるように工夫されているのが特長で、楽しいものです。

 

そして、メインとなるのが、

  • 革製カバー付きメモ帳
  • JALのロゴが描かれたキーホルダー型の靴べら

の2種類。

実は、これら2つの記念品については、上のメモ帳の外装を並べた写真からもわかるように、外装部分の表記が、

  • 成田-シアトル線のJAL68便は日本語
  • シアトル-成田線のJAL67便は英語

という違いがあるだけで、中身自体は全く同一。

そうした外装の表記の違いは、靴べらでも全く同様でした。

 

シアトルのタコマ空港を運営する団体が、JALのシアトルへの就航を歓迎して作成した金属製のタグ。

これも、往路の成田-シアトルのJAL68便初便で到着した搭乗者1人1人に手渡されたものと全く同じものが用意されていました。

いずれにしても、これらの記念品は実際の品質や質感、使い勝手も良好で、実用的なプレゼントとして、活用できるのも嬉しいですね。

まとめ

こうして、2019年3月31日に初便の運航が無事に行われたJAL67便のシアトル-成田線。

そのフライトではセレモニーや大勢のスタッフの方々によるお見送り、記念品のプレゼントなどの初便だからこその特別なイベントがふんだんに用意されていました。

確かに、こうしたフライトに出会える機会というのはとても限られたものですが、一度経験してみると、なかなか忘れられない経験になるのは間違いありませんから、その機会を活かしてみるのもなかなか楽しくおすすめだと思いますよ

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