世界でも有数の観光としての盤石な地位を保ち続けるフランスの首都、パリ。
その空の玄関口として活躍するシャルル・ド・ゴール空港には、数多くの航空会社が就航し、2A~2Fまでのターミナル群を束ねる巨大なターミナル2を中心に、ターミナル1からターミナル3までの大規模な施設を擁する主要空港なのは間違いありません。
そうしたシャルル・ド・ゴール空港の数あるターミナルのうち、ターミナル2DにはEUに加盟する国を目的地としたEU域内線が中心に発着していて、JALも加盟するワンワールドに参加し、ヘルシンキでの便利な乗継が頭角を現しつつある、フィンエアーのパリ-ヘルシンキ線もこのターミナル2Dを発着している路線の1つです。
目次
SHELTAIR LOUNGEの利用条件
そんなまるで国内線のような扱いのEU域内線の発着するシャルル・ド・ゴール空港のターミナル2Dですが、実際の利用で気になることと言えば、このターミナルでもラウンジサービスが提供されているのか、ということかもしれません。
実際には、共有ラウンジとして、プライオリティパスでの利用以外にも、SHELTAIR LOUNGEが用意され、
- エアーセルビア
- チェコ航空
- エアーマルタ
- フィンエアー
- ブルガリア航空
- アゼルバイジャン航空
- モンテネグロ航空
- オーストリア航空
- エアーバルティック
- ベラヴィア航空
- クロアチア航空
- ウクライナ国際航空
- ジョージアンエアウェイズ
といった各航空会社の上級会員やビジネスクラス以上の上位クラス利用者に加え、プライオリティパスの保有者も問題なく利用可能なラウンジとして運営されています。
それにしても、いずれもEU域内に就航している航空会社とは言え、日本に就航している航空会社以外は馴染みのないものが多く、ラウンジのエントラス周辺に一覧で用意された航空会社ロゴを目にしても、どういった航空会社のものなのか判別は容易ではありませんでした。
SHELTAIR LOUNGEのアクセスと入室手続き
ちなみに、ラウンジへのアクセスは、保安検査を通過し、制限エリアに到達した後、ターミナルにあるゲートの中でもかなり奥に位置するゲート56を目指して進み、その少し先の角を右に曲がると、上の写真のような案内板が見えてくるはずです。
その案内板を通過すると、1つだけ上の階にあるラウンジに向かうためには、階段とエレベーターが用意されているのですが、エレベーターは原則お身体の不自由な方やベビーカーなどのお子様連れの方のみの利用に限られているため、それ以外のラウンジ利用者は階段を利用しなくてはいけないため、少しだけ要注意ですね。
営業時間は年中無休で午前5時30分から午後9時まで。
ラウンジのある階に到着すると目の前には受付カウンター。
ここで入室の手続きを行うことになるのですが、このラウンジではスタッフの手が足りていないのか、
- ラウンジ内の食べ物や飲み物の補充
- 食器などの片付け
- コーヒーマシンのメンテナンス
などを受付カウンターのスタッフも受け持っているようで、それぞれのスタッフがそうした作業を行っているタイミングには、受付カウンターは無人状態になっています。
その場合、スタッフを探しながら少しずつラウンジ内の奥に進み、スタッフを見つけ次第、入室の手続きを行ってもらうのがおすすめ。
ちなみに、入室時には、
- 航空会社の上級会員ステイタス保有者やビジネスクラス以上の上位クラス利用者はそうした条件が記載された搭乗券の提示するのみ
- プライオリティパスでの利用者は、プライオリティパスのカードと搭乗券の2点を一緒に提示する
というように、手続き自体はスムーズに完了するはずです。
また、上の写真では、プライオリティパス以外にもダイナースクラブカードの保有者も利用できるラウンジということが分かりますね。
SHELTAIR LOUNGEのインテリアとサービス
ラウンジ内は周囲を半透明な仕切りとその上の金網部分で区切るだけに留め、全体的な開放感を活かしたインテリアになっています。
仕切りの上の金網からは一般エリアにあるチェックインカウンターが確認できます。
また、反対側には、チェックインや保安検査の手続きを終え、制限エリア内で出発までの時間を待っている他の利用者の姿も。
周囲を開放的な仕切りに囲まれたSHELTAIR LOUNGE自体は細長い形をしたラウンジのようで、その中に様々な種類のテーブルや椅子が点在していました。
それらのテーブルや椅子で最も多く見かけるのは上の写真のような組み合わせですが、いずれも十分なスペースが確保された上で設置されているため、混雑時でもなかなか快適に過ごせるようにという工夫が感じられました。
それ以外にも、数こそそれほど多くはないものの様々な種類の椅子も用意され、好みや同行者の有無によって、それぞれの利用者ごとに使い分けている様子も。
席と席を区切るパーティション代わりの壁にはたっぷりの雑誌や新聞も用意され、多くの利用者が手にとっていました。
また、シンプルで開放感を感じる外観ながら、ラウンジ内に利用者専用のトイレも用意され、トイレの利用の度にラウンジの外に出て、一般利用者用のトイレを探す必要がないのも嬉しいポイントです。
SHELTAIR LOUNGEの食べ物のラインナップ
EU域内線が発着するシャルル・ド・ゴール空港のターミナル2Dでは、保安検査終了後には追加での出国審査もなく、そのまま飛行機に搭乗可能な、まるで国内線のような形でサービスが提供されています。
そうなると、SHELTAIR LOUNGEで提供されるサービスも日本の国内線向けのラウンジサービスと同様、飲み物やお菓子程度の用意に限られるのではと心配になるかもしれません。
その気になる結果はというと、国際線ラウンジでのサービスには間違いなく届かないものの、ちょっとした軽食は楽しめるようになっていました。
農業国としてのフランスの実力を手軽に実感できる数種類のパン。
パン類と組み合わせて楽しみたいチーズやバター。
ちなみに、小分けになったバターはプレジデントブランドの有塩タイプの発酵バターで美味しく楽しめるものでした。
ポテトチップスなどの数種類のスナック類。
SHELTAIR LOUNGEの飲み物のラインナップ
食べ物に続いてご紹介するのは、飲み物のラインナップ。
ソフトドリンクの用意された冷蔵庫の最上段にはヨーグルト。
冷蔵庫の中に用意されたソフトドリンク以外の飲み物で人気を集めていた各種コーヒーはラウンジ内のあちこちに用意されたコーヒーマシンを利用するため、混み合っているタイミングでもあまり待たずに挽きたての豆を利用した淹れたてを楽しめるのは嬉しい部分。
ソフトドリンクの冷蔵庫とは別に、ハイネケンの缶ビールがきりりと冷やされた冷蔵庫も用意され、ビールを楽しみたい需要にもしっかり応えていました。
ビール以外にも数種類のハードリカーもラインナップ済みで自由に楽しめるようになっています。
ラウンジの奥には、ナイフやフォーク、スプーンに加え、料理を盛り付けるために用意された思われる数種類の食器も準備されていましたから、我が家が訪れた午前中以外の時間帯には、もう少し充実した内容のホットミールの提供が行われているのかもしれませんね。
ラウンジの利用条件から見ると、国内線相当のビジネスクラス用ラウンジにも関わらず、実際に日本国内でJALやANAによって提供されているサクララウンジやANAラウンジの料理などの品質に比べて、想像以上に内容が充実していると感じたのも正直な部分です。
まとめ
パリのシャルル・ド・ゴール空港からのEU域内線フライト利用時というかなり限られたタイミングでのみ利用することになるSHELTAIR LOUNGE。
利用自体は航空会社の上級会員ステイタスや上位クラス利用に加え、プライオリティパスやダイナースクラブカードにまで開放されているなど、意外に利用難易度はあまり高くはないラウンジと言えるはずです。
その一方で、開放感や使い勝手を意識したインテリアに加え、フランスらしい美味しさの片鱗は十分に感じられるパンも用意されるなど、その国内線ビジネスクラスラウンジ相当の利用難易度に比べると、豪華すぎず、簡素すぎず、利用タイミングに合った十分な品質のラウンジという印象を強く感じながら、思った以上に快適な時間が過ごせるラウンジでした。
コメント
初めまして。いつも記事を参考にさせていただいております。
紹介されたラウンジを6月下旬に利用する機会がありました。
利用したのは午前中ですが、混雑が一段落ついた後のようなタイミングでした。
やはりスタッフの人手が足りてないためか、使い終わった食器類が片付けられていない状態だったり、食べ物も補充されていなかったり、
またラウンジ専用のトイレも男性用小用がいずれも故障中で個室を利用せざろうえない状況だったり、と、
スタ好き様の持たれた印象とは逆の印象を持ちました。
たまたまタイミングが悪かったという、あくまでも個人の経験ですが。。。
アゼルバイジャン航空(シェンゲン域外行き)フライトに搭乗した際の利用でした。
ラウンジ入口の向かい側にボーダーコントロールのブースがあり、
出境後のゲートD66~D69がシェンゲン域外行きのフライト専用でした。
出境後のゲート側にはラウンジは無いため、ターミナル2Dにあるラウンジは
多分ここだけだったと思われます。
あれっくす様、はじめまして。
コメントありがとうございます。
残念なラウンジ利用になってしまったようで、本当に大変でしたね。。。
特に、ラウンジ専用トイレの故障は、はっきりとした悪印象を残すものだったでしょうから、とても無念だったと思います。
すべてが上手く回っている時はそこそこな印象を感じさせるラウンジでも、何かトラブルが発生してしまった時には途端に変わり果てた姿を顕にするのが海外のラウンジと思っていましたが、コメントを拝見し、そのことをはっきりと思い出すきっかけになりました。
それだけではなく、シャルル・ド・ゴール空港のターミナルDの国際線利用時の使用感や設備内容についての詳細な情報提供もいただき、感謝しています。
写真には撮れず、記憶の中に残るだけのターミナルDの出国審査場の先の様子を伝え聞くことができ、それもまた嬉しかったです。
今回のコメント、本当にありがとうございました。
スタ好き様
お返事をありがとうございます。
少しでもお役に立つことがあったのであれば、何よりです。
共有ラウンジと判って、”期待値”を上げずに利用したので
気持ちの上でのダメージはさほど無かったです。
また、よろしくお願いいたします。
残りの夏休みのお時間、楽しんでくださいませ。
突然のお便り失礼いたします。
今までエールフランスのラウンジをいつも利用していたのですが、今回、久しぶりに航空券を購入した際、ラウンジを使えないビジネス航空券を間違って購入してしまいました。
パりからフランス国内の地方へ乗り換えがあり、しかも帰りは6時間も待ち時間があるめ、
カード会社のプライオリティパスを入手しました。
どんなラウンジか全くわからなかったので、詳しく写真入りでのご説明、ありがたく拝見しました。ただ、2019年の記事でしたので、(当たり前ですが)もし、その後何か変化があったのをご存じでしたら教えていただきたいと思い、ご連絡差し上げました。
勝手なお願いで恐縮ですが、もし何かありましたら、教えてくださいませ。
Toukoさん、こんにちは。はじめまして。
コメントをいただき、ありがとうございます。
パリでの乗り換え、しかも帰りは6時間もとなると、確かにラウンジ利用は確保しておきたいところですね。
私自身、2020年11月以降にシャルル・ド・ゴール空港での国際線と国内線間での乗り継ぎを行っておらず、Toukoさんの購入された航空券の詳細が分からないため、はっきりとしたことをご案内することはできないというのが正直な部分です。
しかし、仮に、Toukoさんが
往路:
(日本を含む)EU域外の空港 → パリ・シャルル・ド・ゴール空港 → フランス地方空港
復路:
フランス地方空港 → パリ・シャルル・ド・ゴール空港 → EU域外の空港
という旅程で利用される場合についてプライオリティパスの公式サイトで公表されている情報と合わせる形で考えてみたいと思います。
まず、2023年8月14日現在、シャルル・ド・ゴール空港でプライオリティパスが利用可能なラウンジは、
ターミナル1:
Star Alliance Lounge
・ターミナル1の出国審査後のエリアに立地
・5:30から22:00まで営業
・最大3時間まで利用可能
ターミナル2E:
YotelAir Paris Charles de Gaulle
・ターミナル2EのゲートLエリアに立地
・EU域外への出発と乗り換えでの国際線搭乗者限定
・24時間営業
・最大3時間まで利用可能
というラインナップになっており、それ以外のターミナルではラウンジサービスの提供はありません。
代わりにプライオリティパス公式サイトでは詳細が不明なショッピング優待サービスが提供されているようです。
参考リンク:
シャルル・ド・ゴール空港プライオリティパス対象全サービス
https://www.prioritypass.com/ja/lounges/france/paris-cdg
ターミナル1 Star Alliance Lounge
https://www.prioritypass.com/ja/lounges/france/paris-cdg/cdg6-star-alliance-lounge
ターミナル2E YotelAir Paris Charles de Gaulle
https://www.prioritypass.com/ja/lounges/france/paris-cdg/cdg8-yotelair-paris-charles-de-gaulle
こうした状況から分かることとしては、
1、
プライオリティパスで利用できるラウンジは2つとも出国審査後に利用するラウンジのため、往路の国内線乗り継ぎ時は利用不可の可能性が高い
2、
復路の国際線への乗り継ぎについては、出国審査後に制限エリア内での行き来が基本的には可能とされている、ターミナル1とターミナル2Eにそれぞれのラウンジが立地していることから、帰りの国際線利用前のみ利用できる可能性が高い
3、
ターミナル1にあるStar Alliance Loungeについては、プライオリティパスの公式サイトのラウンジ詳細ページに、1回EU域内から出国し、制限エリアにあるラウンジを利用後、再度EU域内へ入国することで、利用が可能なニュアンスの表現があるが、私自身は短時間での出国と入国を行うことはリスクを伴う行為と考えているので、そうしたリスクを侵す形でのラウンジ利用はおすすめできない
といったものになります。
私だったらプライオリティパスの公式情報からこう考えるというスタンスでの返信に留まってしまい、無念ではあるのですが、これらの情報が少しでもToukoさんのお役に立てたなら嬉しいです。
今回のコメント、本当にありがとうございました。