空港での出発までの待ち時間を快適に過ごすために活用したい空港ラウンジ。
ラウンジと言ってもその運営主体は様々で、航空会社やクレジットカード会社、さらにはラウンジ運営を主要業務に位置づける企業まで多岐にわたります。
そんな多様なラウンジのそれぞれと提携関係を結び、世界中の主要空港を広範囲に網羅することを目的に提供されているのが、プライオリティパスと呼ばれる、空港ラウンジアクセス付与サービス。
このプライオリティパスを利用することで、世界各国の主要空港を訪れた時にも、搭乗開始までの時間をラウンジで過ごすことも可能になります。
目次
ラウンジ利用の代わりに提供されるレストランでの利用料金割引サービス
ラウンジへのアクセス付与が基本のプライオリティパスですが、最近サービスの充実を見せているのが、ラウンジアクセスの代わりに空港内のレストランでの割引提供。
具体的には、プライオリティパスが指定したレストラン内で、プライオリティパス利用者に対し、レストランごとに設定された一定の限度額までの割引を行うというもの。
そのため、限度額を越えなければ完全に無料。
限度額を越えてしまっても、割引分を超過した分の金額を支払うだけで良いため、お得なレストラン利用になるのは間違いありません。
そうしたレストランでの利用料金割引サービスは主に海外で提供されてきたのですが、2018年2月になって、日本でも提供が開始されました。
その舞台は大阪の関西空港にあるお好み焼き専門店「ぼてぢゅう」。
プライオリティパスでのぼてぢゅうのアクセス&利用条件
ぼてぢゅうは関西空港の第1ターミナル3階のレストランやショップが入居する「レストラン・ショップフロア」に店を構えています。
上の写真ではフロア中央のエスカレーター近くにある④の店舗がそれ。
このぼてぢゅうのある3階は、保安検査を受けた後にしか訪れられない制限エリアではないため、4階からの国際線の出発前はもちろん、2階からの国内線出発前にも利用可能。
実際、これから国内線に搭乗するために発券した搭乗券でも問題なく利用できるという大盤振る舞いぶりです。
今のところ、出発便でも到着便でも区別なく受け付けてもらえるようです。
ちなみに、営業時間は7時から22時まで。
また、お好み焼き専門店と名乗っているものの、関西名物を中心としながら様々な種類の料理が提供されているのはもちろん、アルコールやソフトドリンクなどの飲み物、デザートに嬉しいスイーツまで、バラエティ豊かなラインナップから好きなように楽しめるのは嬉しいですね。
プライオリティパスでのぼてぢゅう利用方法
ぼてぢゅうに入店してすぐの場所にはお会計を兼ねた受付があるのですが、そこにもプライオリティパスが利用可能な店舗と目立つように案内が行なわれていました。
受付では利用者の人数を質問され、その後、空いてる席に案内されます。
ただし、その案内される席は空港内の店舗だけあって、周囲スペース的にあまりゆとりがないもの。
そのため、スーツケースなどの大きな荷物は、受付近くの荷物置き場に置くようにお願いされるのですが、常にぼてぢゅうのスタッフの方による監視の目が行き届いているわけではないため、盗難や紛失には少しだけ注意が必要かもしれません。
席に着くと、コップに入った水と共にメニューが手渡されます。
ただし、ぼてぢゅうの営業時間は7時から22時までですが、営業開始の7時から10時までは一部メニューに利用が制限されたモーニングメニューの提供になってしまうのは少しだけ要注意。
入店からこのメニューが手渡される時までにプライオリティパスを利用する旨を伝えると、注文を行う前のタイミングで、簡単な搭乗券の確認とプライオリティパスのカードスキャンが行なわれ、利用者にはレシート上の利用控えが手渡されます。
この時の注意点として、複数人での利用の場合、それぞれがプライオリティパスを保有しているにも関わらず、ゲストとしての利用として扱われ、追加料金の負担が必要になる可能性もありますから、この時に受取る控えの「Total Lounge Users」の数字がきちんと1人分を表す「1」になっていることを確認するのが意外に大切。
メニューの外税表示と20分以上の調理時間に要注意
こうして手渡されたメニューから好きな料理を注文するのですが、注文の際に気をつけなくてはいけないのが、
- メニューの外税表示
- 20分以上の調理時間
の2つ。
まず、メニューに掲載されている料金は全て外税での表示になっているため、3,400円という金額分をそのままフル活用しようとしてしまう消費税の8%分で3,400円を越えてしまい、追加での支払いが発生してしまいます。
ちなみに、ぼてぢゅうでは、消費税の他にサービス料などは請求されませんから、メニューに掲載されている外税表示で3,140円までなら、プライオリティパスでの無料利用が可能になるという計算です。
また、お好み焼きやたこ焼き、焼きそばなどを中心としたメニューでは、注文後20分以上の待ち時間が必要になってしまうのも快適な利用を妨げる大きな原因になってしまい、要注意。
しかも、混雑状況によってはさらに待ち続ける必要がありますから、これらの待ち時間の必要なメニューは席についてから最初のうちにある程度まとめての注文が本当におすすめです。
ぼてぢゅう関西空港店の全メニューと料金一覧
そんな状況ですから、ぼてぢゅうに来店する前にどんなメニューが用意され、それぞれのメニューはどんな値段で楽しめるのかをあらかじめ知っておくことは、お得にプライオリティパスでの3,400円分の割引を活用する大きな助けになるはず。
そこで、2018年2月現在のぼてぢゅう関西空港店の全メニューとその料金をまとめてみることにしました。
その結果が以下のリストになります。
スペシャル
- ミートスペシャル玉 1,480円
- ミートスペシャル焼きそば 1480円
関西名物
- 大阪デラックス月見焼き(国産牛・十勝豚・海老・いか・月見焼) 1,680円
- 大阪デラックスモダン(国産牛・十勝豚・海老・いか) 1,680円
- 大阪デラックス月見焼きそば(国産牛・十勝豚・海老・いか・月見焼) 1,680円
- 大阪デラックスオムそば(国産牛・十勝豚・海老・いか) 1,680円
新鮮野菜と肴
- ぼてぢゅうパリパリサラダ 880円(スモール580円)
- 厚切りベーコンポテトサラダ 480円
- ぼてぢゅうコンビネーションサラダ 880円(スモール580円)
- あかし玉子焼き(6個) 580円
- ぼっかけ煮込み 580円
- 水なす一本漬け 480円
- キムチ 380円
- どて煮 580円
- 黒枝豆 380円
- 焼豚の盛合せ 680円
揚げ物
- 伝説の鳥からあげ 580円(シェアサイズ1,080円)
- 串カツ盛合せ(牛肉・豚ヒレ・ささみ大葉・えび・いか) 5個980円/10個1,850円
- 牛もつからあげ 580円
- カニクリームコロッケ 280円
- ポテトフライ 380円(シェアサイズ660円)
大阪プレミアムたこ焼き
- たこ焼き ハーフ&ハーフ(オリジナル&ねぎマヨソース) 6個入り600円(シェアサイズ1,100円)
- オリジナル たこ焼き 6個入り600円
- ねぎマヨソース たこ焼き 6個入り600円
鉄板焼
- 昔ながらの大阪とんぺい焼き 680円
- キムチとんぺい焼 780円
- ちーずとんぺい焼 780円
- 鉄板焼き鳥 680円
- お持ちとポテトの明太チーズ焼 780円
- 鉄板餃子 580円
- 鉄板小籠包 580円
- 国産牛中落ちカルビのカットステーキ 1,280円
- 牛ハラミ鉄板焼 1,380円
- 国産牛とトマトの鉄板すき焼 1,480円
- 牛すじ鉄板月見焼き 780円
- 国産牛リブロースのステーキ 塩昆布添え 3,480円
- ガーリックシュリンプ 780円
元祖お好み焼き
- 大阪デラックス月見焼(国産牛・十勝豚・海老・いか・月見焼) 1,680円
- 究極の豚玉(特製煮豚・豚ミンチ) 1,280円
- 餅チーズ玉(十勝豚・餅・ゴーダチーズ・大葉) 1,280円
- ミックス玉(十勝豚・海老・いか) 1,380円
- シーフードミックス玉(海老・いか・たこ) 1,380円
- 元祖豚玉(十勝豚) 980円
- いか玉(いか) 980円
発祥モダン焼
- 大阪デラックスモダン(国産牛・十勝豚・海老・いか) 1,680円
- ミックスモダン焼(十勝豚・海老・いか) 1,380円
- 豚とチーズのモダン焼(十勝豚・ゴーダチーズ) 1,180円
- 元祖モダン焼(十勝豚) 980円
- シーフードミックスモダン焼(海老・いか・たこ) 1,380円
秘伝70年焼そば
- 大阪デラックス月見焼そば(国産牛・十勝豚・海老・いか・月見焼) 1,680円
- 豚焼そば(十勝豚) 980円
- 究極のビーフ焼そば(国産牛中落ちカルビ・月見焼) 1,480円
- いか焼そば(いか) 980円
- 細もやし焼そば(十勝豚・もやし) 1,180円
- ミックス焼そば(十勝豚・海老・いか) 1,380円
- シーフードミックス塩焼そば(海老・いか・たこ) 1,380円
トッピング(お好み焼き、モダン焼、焼そばで共通)
- 月見焼 120円
- 十勝豚 250円
- たこ 250円
- 牛すじ煮込み 280円
- ゴーダチーズ 200円
- いか 250円
- おもち 200円
- 国産牛 400円
- 国産青ねぎ 150円
- 海老 250円
- キムチ 180円
関西名物ねぎ焼
- ねぎ焼(国産牛すじ煮込み・十勝豚) 1,380円
- ねぎ焼モダン(国産牛すじ煮込み) 1,480円
オムそば
- 大阪デラックスオムそば(国産牛・十勝豚・海老・いか) 1,680円
- 豚とチーズのオムそば(十勝豚・ゴーダチーズ) 1,180円
- 豚オムそば(十勝豚) 980円
ご飯もの
- ごはん 150円
- 味噌汁 120円
- ごはんセット(白米+味噌汁+漬物) 250円
- ベーコンエッグガーリックライス 880円
- ぼっかけ牛バラそばめし 1,080円
デザート
- 利休抹茶アイスクリーム 480円
- わらび餅 480円
- 牛乳アイス 480円
大阪ドリンク
- ミックスフルーツジュース 490円
- 冷やしあめ 390円
ソフトドリンク
- コーヒー 390円
- 炭焼アイスティー(無糖) 390円
- アイスカフェオレ 390円
- アイスティー(無糖) 390円
- ウーロン茶 390円
- カルピス 390円
- 100%オレンジジュース 390円
- コカ・コーラ 390円
- コカ・コーラゼロ 390円
- ジンジャーエール 390円
ビール
- スーパードライ・エクストラ コールド 590円
- スーパードライ 生 小490円、中590円、大790円
- スーパードライ 中ビン590円
- ドライゼロ 490円
ハイボール
- ブラックニッカ ひげのハイボール 490円
- ジンジャーハイボール 590円
梅酒
- 濃醇梅酒 590円
- あらごし梅酒 690円
サワー
- ウーロンハイ 490円
- カルピスサワー 490円
- 冷やしあめサワー 490円
- ライムサワー 490円
- マンゴーサワー 490円
- りんごサワー 490円
- 生搾りレモンサワー 590円
- 生搾りグレープフルーツサワー 590円
焼酎
- かのか(麦焼酎、鹿児島、アルコール度数25度) グラス490円
- 兼八(麦焼酎、大分、アルコール度数25度) グラス690円
- 金黒(芋焼酎、鹿児島、アルコール度数25度) グラス490円
- 富乃宝山(芋焼酎、鹿児島、アルコール度数25度) グラス590円
日本酒
- 樽酒 590円
- 香り冷酒 590円
主要な国際空港にある店舗らしく、空港価格を感じさせる少し割高なメニューも見られるのですが、3,400円の割引を前提にするなら、あまり気にならないはず。
また、ラインナップ的にも、各種焼き物やおつまみ、飲み物、シメのデザートに至るまで、色々な楽しみ方が考えられる内容になっているのも嬉しいですね。
最高金額の3,480円のリブロースステーキとたこ焼きを注文(追加負担必要)
そんな中、私が注文することにしたのが、国産牛リブロースのステーキ 塩昆布添えとオリジナルたこ焼の2種類。
それぞれ税抜きで3,480円と600円、税込みでは3,758円と648円で、合計金額は4,406円ですから、3,400円の割引上限を超過し、1,000円ちょっとの追加負担が必要になります。
ただ、追加負担が必要になった時の支払い方法に少しだけ興味があったことと、3,400円以内で何品も頼むよりも、全メニュー中で最高金額のリブロースステーキをちょっとの追加負担だけでさっとおつまみ感覚で楽しんでみたいと感じたのがこうした選択を選んだ理由。
気になる味はというと、脂の旨味を楽しむのが目的のリブロースのステーキとしては十分な品質だとは思うのですが、やや少し塩味が強く感じられたのが唯一気になりました。
実際、私と同じメニューを注文する時から、あえて薄味でのリクエストをした家族は大満足だったようですから、次にリブロースのステーキを注文する機会があった時には、私も塩味を抑えた調理をお願いするつもりです。
一方のオリジナルたこ焼きは、ぼてぢゅうのたこ焼きの味わいを試してみたくて注文してみたおまけとしての注文。
こちらも焼き立てあつあつのものが提供され、関西で提供されるたこ焼きとしてはスタンダードな味わいと美味しさのものでなかなか楽しめました。
長い待ち時間は要注意で、たこ焼きは注文から約30分後に到着
気になる注文から料理到着までの待ち時間ですが、まずまずの客席の埋まっている状態で、ステーキ到着まで18分、たこ焼き到着まで31分という結果でした。
しかも、混雑時にはこの待ち時間がさらに増えてしまう可能性も十分考えられます。
せっかくの関西での食事だからこそ、お好み焼きやたこ焼きなどを注文したい気持ちも分かるのですが、実際に利用する時には十分な待ち時間が残っているかの確認がとても重要なのは間違いなさそうですね。
プライオリティパス利用時の支払方法
注文した料理がすべて届けられると、支払時に利用する伝票もテーブルに置かれます。
そこには、プライオリティパス利用者ということを表すと思われる「パス」という文字と、これまたカードをスキャンして、無事有効だったことを示すと思われる「OK」という文字が大きく書き込まれていました。
この伝票に記載されている税込みの金額が3,400円以下の場合、もちろん追加の支払いはなく、お会計も担当している受付に伝票を手渡し、確認してもらうだけで、支払手続きは完了。
一方、私のように割引上限の3,400円を越えて注文を行った場合は、現金に加え、クレジットカードや電子マネーなど、様々な方法を利用して、差額を支払う必要があります。
実際、差額を支払った後に受け取ったレシートを見てみると、プライオリティパスを運営しているコリンソンパスによる3,400円の割引と差額の支払いに利用したクレジットカードの1,006円が併記されていました。
プライオリティパスの3,400円割引とKIX-ITMカードでの10%割引の併用
関西空港と伊丹空港では、同じ大阪にある空港ということで、KIX-ITMカードという様々な特典が受けられる会員カードを無料で提供しているのですが、このぼてぢゅうもカードの提示で10%引きの料金割引が受けられる店舗として関西空港のホームページなどで紹介されています。
では、3,400円分のプライオリティパスの割引と10%分のKIX-ITMカードの割引を併用できるのか?
その答えは、どちらか一方しか利用できず、併用は不可という残念な結果でした。
もし、こうした割引の併用が実現していたなら、最大3,740円分の割引利用が楽しめたはずですが、プライオリティパス分の3,400円の割引でもフルに使い切れないことさえあるような好条件ですからしかたないですね。
まとめ
ラウンジサービスを提供するプライオリティパスが少しずつ拡大を続けているレストランでの割引サービス。
実際に利用してみると、自由にあれこれ考えながらメニューから好きな料理を選ぶのはとても楽しく、満足度が高いサービスだと感じました。
もちろん、レストランですからラウンジのように乗継までの長い待ち時間の間、ずっと滞在するというような利用はできないものの、短時間の空港滞在ではレストラン利用、少し長めの空港滞在ではラウンジ利用というように、積極的に使い分けができるのも嬉しいメリット。
あるいは、レストランを利用してから、搭乗開始時間までくつろぐ目的でラウンジに移動するという少し贅沢な使い方も選択肢として活用できるはずです。
そうした楽しいサービスに触れる貴重なチャンスになるはずですから、プライオリティパスを保有していて、関西空港を利用する時には、ぼてぢゅうを訪れてみるのが本当におすすめですよ。
コメント