JALを利用する際のお楽しみの1つとして忘れてはいけないのが、幻の焼酎とも評されるほどの人気を集める森伊蔵を活用した様々なサービスを楽しめること。
実際、JALが提供する森伊蔵関連のサービスとしては、
- 機内でのドリンクサービス(国際線と国内線)
- 機内販売(国際線のみ)
- マイルとの交換商品(一部上級会員のみ)
など多岐にわたるのはもちろん、国際線の機内販売での提供だけに注目してみても、
- 春から夏の「通常森伊蔵」:毎年3月から機内販売開始
- 秋の「極上森伊蔵」:毎年9月から機内販売開始
- 冬の「楽酔喜酒森伊蔵」:毎年1月から機内販売開始
というように、季節や搭乗のタイミング毎に異なる森伊蔵の機内販売を楽しめるなど、深みのあるサービスとして展開されていることが分かります。
目次
毎年3月からJAL国際線機内販売で提供される通常森伊蔵
そんなJAL国際線の機内販売で提供される森伊蔵の中でも最もスタンダードな存在といえば、それは毎年3月から提供が開始される通常森伊蔵なのは間違いありません。
というのも、この通常森伊蔵は、
- JAL運航便のファーストクラスとビジネスクラスの利用者のみを対象とした機内販売サービス(エコノミークラスやプレミアムエコノミーの利用者は対象外)
- 販売対象は森伊蔵720ml(アルコール度数 25度)
- 価格は3,200円。JALカード割引の10%OFF適用で2,880円
- 販売本数は通常1人につき1本までに制限
- 通常販売期間は毎年3月1日から在庫がなくなるまで
- 販売路線は一部の例外を除く中・長距離路線
という条件で販売されるのですが、「販売本数は通常1人につき1本まで」という制限に関して、実際の機内では必ずしも守られているものではなく、
- そのフライトでの通常森伊蔵搭載本数
- 購入希望者の人数
- 個々の購入希望者の購入希望本数
の組み合わせによっては、複数本の購入も可能になっているから。
特に、海外から日本に向かうフライトでは、それぞれ十数本ずつが設定されている往路分と復路分の森伊蔵について、往路での機内販売での残り在庫と復路分の新規在庫の両方が購入対象になりますから、2本以上の複数本の購入も決して難しいことではありません。
また、森伊蔵の複数本購入で有利になる条件となる、
- ファーストクラス利用
- 深夜便利用
- 海外発の日本への復路帰国便
- 有償航空券での利用
- 上級会員ステイタス保有
- 進行方向に向かってできるだけ前方左側の席を指定
- 優先搭乗を利用することで、早いタイミングに機内へ入り、購入希望を伝える
などの条件を単独、あるいは複数満たすことで、最終的な購入可能本数はさらに多くなると期待できるのも嬉しい部分です。
実際、私が経験した2019年3月初旬のフライトでは、
- ファーストクラス搭載路線では比較的遅い時間に出発する便
- ファーストクラスとビジネスクラスの上位クラスに空席が目立つ繁忙期ではないタイミング
- 日本に向かう海外発の復路便
- ファーストクラスの1Aに搭乗
- 優先搭乗後の早いタイミングで複数本購入を希望
- JMBダイヤモンドの上級会員ステイタスを保有
といった好条件を複数満たした結果なのか、10本以上の森伊蔵の購入が可能になるという幸運に恵まれたこともありましたから。
2020年3月からの森伊蔵複数本販売制限と対策
このようにして、毎年恒例のようにJALの国際線機内販売での提供が行われている通常森伊蔵ですが、2020年3月から通常森伊蔵の販売本数について新しい変化が生まれることになりました。
その変化というのは、2020年3月以降は1回のフライトで森伊蔵の在庫数に余裕があった場合でもビジネスクラス以上の利用者1人つき3本までという販売制限が加えられるというもの。
これは、JALが運航する機内で、複数本の森伊蔵購入について問い合わせた時に客室乗務員の方から案内される制限なのですが、現実としては、
- 機内販売誌「JAL SHOP」上の案内:1人1本まで
- JAL運航便機内での客室乗務員からの案内:1人3本まで
というように、2つの異なる制限が森伊蔵の機内販売での購入時に適用されるようになったということですね。
そうなる時になるのは、2020年3月開始の1人3本までの制限が実施以降、2019年までの森伊蔵購入のように、4本以上の森伊蔵購入ができるのか、それともできないのか、ということかもしれません。
これについては、3本までの制限は確かに存在するものの、あくまで緩やかなもので、絶対に許されないというレベルで徹底されているわけではなく、4本以上の複数本の購入も可能になっているというのが実際の状況です。
なぜなら、実際の機内では、これまで以上に多くの利用者への細やかな形での森伊蔵の案内や配慮が行われているものの、
- ファーストクラス利用者
- JALやワンワールドの上級会員
- 特段のお得意様
- 森伊蔵以外の機内販売商品一定金額以上の購入者
などを対象に、必ずしも3本までの購入本数の制限が実施されるわけではないから。
もちろん、3本までの制限の実施により、これまでの複数本購入時よりは、利用者間の購入本数の調整や確認、購入手続きなどの面で購入までに時間や手間を要するようになっているものの、最終的には制限の影響を感じることのない複数本の森伊蔵購入は可能というのが私自身の正直な実感です。
実際、私も森伊蔵の販売が開始された直後の2020年3月初旬に、
- 北米から成田空港に向かうファーストクラス非搭載路線
- ビジネスクラス利用
- 利用シートは機内で進行方向に向かって左側の最前列となる1A
- ワンワールドエメラルド扱いのJMBダイヤモンドとして予約
- グループ1の最優先搭乗で機内に入り、かなり早いタイミングで森伊蔵の複数本購入を担当客室乗務員の方に希望
という条件で利用したのですが、
- 最初の機内食提供終了後の機内販売開始直後に3本
- 機内販売開始後しばらく経過してから3本
- 成田空港への着陸の2時間程度前に2本
- シートベルト着用のサインが点灯する少し前に1本
というように、1回のフライトで合計9本の複数本の購入が可能でした。
ちなみに、3本までの制限が行われていない2019年までは、同じ9本の複数本販売が行われる場合でも、利用者間での最終的な調整が行われた後に、最大となる購入可能本数が提示され、購入するすべての森伊蔵についてまとめて決済が可能だったのですが、制限開始後の2020年3月からは、より細やかに調整が行われ、複数本の購入希望者用に在庫が確保でき次第、その都度提供している様子が感じられたのが違いを感じるポイントと言えるかもしれません。
また、私が利用したのと同じ北米からフライトには、友人も搭乗していたのですが、
- ビジネスクラスの1A以外を利用
- ワンワールドエメラルド扱いのJMBダイヤモンドとして予約
- 私との同伴者登録は未登録状態
- グループ1の最優先搭乗で機内に入り、私とほぼ同じかなり早いタイミングで森伊蔵の複数本購入をそれぞれ別の担当客室乗務員の方に希望
という条件では、少しずつ提供本数が確定したのは私と同様ながら、
- 最初の機内食提供終了後の機内販売開始直後に3本
- 機内販売開始後しばらく経過してから3本
というように、着陸間際の追加提供の案内はなく、最終的な購入本数は6本に留まるという差が生まれることに。
もちろん、私との3本の差は、私が利用した1Aの席と、友人が利用することになったそれ以外の席との違いと考えることもできるのも事実です。
しかし、それ以外にも、私はその時のフライトに限らず、森伊蔵以外にも数万円から十数万円ほど機内販売の商品を可能な限り購入するようにしている一方で、友人は森伊蔵だけの購入を希望していたとのことですから、個人的にはその部分で、客室乗務員の方の抱える機内販売でのノルマ達成への貢献のようなものに、購入可能本数の調整での優遇を引き出す役割を果たしてくれたのかもしれないと考えています。
ちなみに、JALの機内販売は、
- 国際線はもちろん国内線での利用でもJALカードでの決済で10%引き
- 国際線では免税扱いなどの影響でJALカードによる10%引き前の販売価格自体すら一般小売店より割安なことも多い
- 購入時のお得意様番号登録で100円の購入につき1マイル、キャンペーン時には最大3マイルも加算(クレジットカード利用分のマイルやポイントはこの他に別途加算)
- JALカード利用時には、ショッピングマイルプレミアム加入時で100円の購入につき2マイル、未加入時でも100円の購入に付き1マイル
というように、かなりのお得度を誇りますから、JALマイルをちょくちょく活用している我が家では機内でのお楽しみの1つとして、かなり積極的に利用するようにしているほど気に入っています。
新型コロナウイルスによる2020年JAL森伊蔵機内販売期間
こうして、JAL国際線での機内販売で、新たな森伊蔵購入時の制限が加えられた2020年ですが、この年は新型コロナウイルスによる影響で、JALを含め多くの航空会社で前代未聞の運航停止による運休が行われた1年となるのは避けられなくなりました。
その結果として、予想されるのは通常森伊蔵の購入時期の延長です。
というのも、毎年3月から機内販売での提供が開始される通常森伊蔵は、当初は3月から4月限定での販売として案内されるものの、実際には在庫がある限り販売期間が延長されるという性質が元々あるから。
もちろん、2018年のように6月上旬には在庫払底による販売終了の案内が行われたこともあるのですが、上の写真に写っている2016年のレシートのように、7月下旬まで販売されていたこともあるなど、販売終了時期は森伊蔵の在庫量と販売数に左右され、大きく変動するのは間違いありません。
しかも、2020年はその中でも販売量に大きな影響を与える国際線の運航が悲しくなるほど劇的に減少していますから、森伊蔵の販売時期も、延長に延長を重ねた秋から冬にかけての継続販売だけではなく、前代未聞となる来年の3月まで切れ目なく通年での販売になる可能性も捨てきれないと個人的には考えています。
そのため、JAL国際線機内販売での通常森伊蔵の購入もまた、誰もが待ち遠しい新型コロナウイルス沈静化後の利用でのお楽しみとして期待できそうですね。
ちなみに、個人的な予想として、すでにJAL側がJAL専売商品として発注・仕入れ済みの通常森伊蔵については販売期間の延長がかなり現実的と考える一方で、それ以外の、
- 秋の「極上森伊蔵」:毎年9月から機内販売開始
- 冬の「楽酔喜酒森伊蔵」:毎年1月から機内販売開始
といった特別な森伊蔵については、通常森伊蔵の販売に力を入れる目的で、販売本数や販売機会の絞り込みの実施はもちろん、そもそも販売自体が行われないリスクもあると感じています。
もしこの予想が現実のものになってしまうのであれば、季節ごとに異なる森伊蔵に出会えることを楽しみにしている私としては、なかなか残念な事態になってしまうのは間違いありません。
2020年6月までの森伊蔵早期販売終了
このように2020年冬ダイヤ以降のJAL国際線の運航規模復活と同時に、その時期までの森伊蔵の機内販売での販売期間延長を期待し、それを楽しみにしていた我が家ですが、その希望はあっさりと潰えることになります。
なぜなら、2020年6月25日に更新された、JAL国際線の機内販売カタログ、JAL SHOP 2020年7月-9月号では森伊蔵の掲載がなくなり、2020年5月-6月号までの販売が確定してしまったから。
実際に、これら2つのJAL SHOPでアルコールのラインナップを比較してみると、
2020年5月-6月号
P117
- シーバスリーガルミズナラ12年 700ml 4,400円
P118
- バランタイン21年 700ml 14,400円
- バランタイン30年 700ml 43,900円
P119
- 森伊蔵 720ml 3,200円
P120
- 本格芋焼酎 薩摩焼酎 金山蔵 紫 3,200円
- 特醸 蔵の師魂 3,200円
2020年7月-9月号
P109
- シーバスリーガルミズナラ12年 3,500円
P110
- バランタイン21年 700ml 14,400円
- バランタイン30年 700ml 43,900円
P111
- 別撰 薩州 赤兎馬 720ml 3,200円
P112
- 本格芋焼酎 鶴空 PREMIUM 3,200円
となっていて、ウイスキーについてはラインナップに変化は見られないものの、それ以外の焼酎については、森伊蔵のカタログ非掲載だけではなく、それ以外の焼酎にも銘柄の入れ替えが生じているなど、はっきりとした変化が見られます。
森伊蔵の販売終了の他にも、通常は、
- 2020年1月-2月
- 2020年3月-4月
- 2020年5月-6月
- 2020年7月-8月
- 2020年9月-10月
- 2020年11月-12月
といった形で、2ヶ月毎にカタログの更新が行われるJAL SHOPの更新頻度にも手が加えられたのも、なかなか衝撃的な出来事でした。
というのも、JAL SHOP 2020年7月-9月は、2020年7月から10月までの3ヶ月分のカタログとして更新が行われ、これまでの2ヶ月毎よりも長い更新頻度への変更が確定してしまったから。
やはり、これはカタログ更新の手間やコストの削減を実施する必要があるほど、国際線の機内販売の収益が悪化していることが大きな原因と考えるのが自然です。
さらに、2020年7月-9月のJAL SHOPを3ヶ月分として更新してしまったことで、仮にこの先、これまでの2ヶ月毎の更新に戻す場合でも、少なくともあと1回は3ヶ月毎の更新を行う必要がありますから、次号は2020年10月-12月号というように、3ヶ月分のカタログ掲載になると個人的には予想しています。
まとめ
JAL国際線利用時のお楽しみの1つとして、サービスが提供されてきた森伊蔵の機内販売ですが、毎年3月から提供が行われる通常森伊蔵については、2020年3月から新たな制限が設けられることなり、複数本購入のハードルは上昇することになりました。
それに加え、誰もが予想していなかった新型コロナウイルスによる感染拡大と、それに伴うJALを含めた航空会社の前代未聞の大規模運休によって、通常森伊蔵の販売は、大幅な販売期間の延長が予想される一方、特別な森伊蔵の提供については縮小や販売中止などのリスクが予期されるなど、例年とは全く異なる未知の一年となる2020年を過ごすことが避けられないのは間違いありません。
機内での森伊蔵の購入を含め、飛行機の利用を楽しむ側にとっては、中長期的に様々な事柄を注視し続けなくてはいけない日々が続く昨今ですが、できる最善となる形での収束を期待したいというのが正直な部分です。
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