2020年版 JAL機内販売 森伊蔵購入争奪戦に立ち向かうための具体的な戦略(機内販売条件と発表時期、複数本購入の具体的な方法、2020年3月開始の新規制限と対策、インボラでの購入条件達成、持ち帰りテクニック、極上森伊蔵&楽酔喜酒森伊蔵との比較)

数ある航空会社の中でも、JALを利用するメリットとして忘れてはいけないことの1つが、幻の焼酎とも評されるほどの人気を集める、森伊蔵を活用したサービスを楽しめるというもの。

これはJALが森伊蔵の製造元となる森伊蔵酒造との信頼関係を長きに渡る年月の間、築き上げているからこそ実現していることで、

  • 機内でのドリンクサービス(国際線と国内線)
  • 機内販売(国際線のみ)
  • マイルとの交換商品(一部上級会員のみ)

など、様々な形で特長的なサービスが提供されています。

機内販売の他にも、国際線と国内線のファーストクラスで提供されるアルコールの1つとしても、特別な存在感を保ち続けています。

JAL森伊蔵機内販売での利用キャビンクラスと上級会員ステイタスの条件と制限(森伊蔵のオールシーズン&フルラインナップ提供、極上森伊蔵と楽酔喜酒森伊蔵の機内販売条件比較、キャビンクラスと上級会員ステイタスの制限、50万マイル相当の別格の価値を持つ18年貯蔵原酒森伊蔵)
JAL 森伊蔵 機内販売ルールと複数本購入の方法

目次

JAL国際線森伊蔵機内販売の基本的な内容と正式発表の時期

そうした形で行われるJALによる森伊蔵のサービスですが、最も気になる存在と言えば、国際線の機内販売で提供される森伊蔵かもしれません。

この機内販売で提供される森伊蔵は、

  • JAL運航便のファーストクラスとビジネスクラスの利用者のみを対象とした機内販売サービス(エコノミークラスやプレミアムエコノミーの利用者は対象外)
  • 販売対象は森伊蔵720ml(アルコール度数 25度)
  • 価格は3,200円。JALカード割引の10%OFF適用で2,880円
  • 販売本数は通常1人につき1本までに制限
  • 通常販売期間は毎年3月1日から在庫がなくなるまで
  • 販売路線は一部の例外を除く中・長距離路線

という条件で毎年恒例のサービスとしての提供が継続され、春のJAL国際線搭乗の風物詩のように感じていらっしゃるはず。

特に、この機内販売での森伊蔵の提供では、本来定価での購入が大変困難な森伊蔵を、利用クラスと販売期間が限定された状態とは言え、定価よりもさらにお得なJALカード割引適用済みの金額で購入できるという部分はとても魅力的です。

もちろん、こうして毎年恒例のイベントとなっている森伊蔵の機内販売ですが、あくまで期間限定のキャンペーンとして実施されているため、実際の発表が行われるまでは、本当に今年も販売されるのか分からずドキドキしてしまうのも事実。

そうした事情もあって、我が家でも毎年2月25日前後に正式な発表として更新されるJALの機内販売誌、JAL SHOPの3月-4月号の内容を確認すること自体も、ドキドキワクワクで楽しみなイベントの1つになっています。

ちなみに、2020年も2月25日のJAL SHOP 3月-4月号の更新によって、3月1日からの森伊蔵の機内販売の実施が正式に発表されました。

2020年3月-4月の森伊蔵販売条件

気になる2020年の森伊蔵の機内販売での提供条件は、

  • JAL運航便のファーストクラスとビジネスクラスの利用者のみ対象
  • アルコール度数 25度の森伊蔵720ml
  • 価格は3,200円。JALカード割引の10%OFF適用で2,880円
  • 販売本数は通常1人につき1本までに制限
  • 3月1日から販売開始
  • 販売路線は欧州線、北米線、ハワイ線、東南アジア線、インド線、オセアニア線の中・長距離路線

といった形で基本的には例年通りのものになりました。

具体的な販売路線は、

欧州線:

  • ロンドン
  • パリ
  • フランクフルト
  • モスクワ
  • ヘルシンキ

北米線:

  • ニューヨーク
  • シカゴ
  • ボストン
  • ロサンゼルス
  • サンディエゴ
  • サンフランシスコ
  • ダラス
  • シアトル(2019年3月~)

ハワイ線:

  • ホノルル
  • コナ

東南アジア線

  • バンコク
  • ハノイ
  • ホーチミンシティ
  • シンガポール
  • ジャカルタ
  • クアラルンプール

インド線:

  • デリー
  • ベンガルール(2020年3月~)

オセアニア線:

  • シドニー
  • メルボルン

といった形になり、2020年に新たに新規路線就航でJAL国際線就航地のラインナップに加わる、インドのベンガルール(バンガロール)も森伊蔵が機内販売で購入される路線に追加されることになりました。

油断できないのは販売路線の条件変更リスクも除外できない2020年5月以降

このような形での機内販売が決定した2020年の森伊蔵の販売ですが、油断できないのが5月以降の販売条件です。

というのも、3月と4月は前述のような豊富なラインナップを誇る中距離線以上の路線での販売が行われたとしても、実際の販売状況とそれを受けた森伊蔵自体の在庫状況によって、5月以降の販売が、

  • 国際線ファーストクラス搭載機材運行路線のみでの販売
  • 東南アジアではジャカルタなど、競合他社との厳しい競争にさらされる路線のみの販売

といった形で、販売路線が大きく制限されたものへと、条件の変更が行われるリスクがあるから。

これについては、事前に予測することは困難で、2020年4月25日前後に正式な発表として更新されるJALの機内販売誌、JAL SHOPの5月-6月号の内容を確認するしかありません。

そのため、2020年の国際線機内販売での森伊蔵購入を楽しみたい場合には、確実性重視で2020年4月までの予約を確保しておいたり、それ以降の時期に高確率での購入を期待するのであれば、JAL国際線ファーストクラスが運航される、

  • ロンドン
  • パリ
  • ニューヨーク
  • シカゴ
  • ロサンゼルス
  • サンフランシスコ

といった国際的な主要都市の予約が安心といえるかもしれませんね。

森伊蔵の機内販売は何月まで行われるのか

このような販売路線と同様に頭を悩ませることになるのが、いつまで森伊蔵の機内販売が継続して行われるのかということです。

なぜなら、あくまで機内販売での森伊蔵の提供は、在庫がなくなり次第終了するという条件の元で行われているため、販売終了の時期によっては、せっかく森伊蔵の機内販売の対象路線でファーストクラスやビジネスクラスの予約を確保していたとしても、購入する前に販売自体が終了し、結果的に購入できないという状況になってしまうリスクがあるから。

ただ、これについても、5月以降の販売路線変更同様、その年ごとに結果は大きく異なり、実際にその時その時で対象路線を利用してみないと分からないというのが、私の正直な実感です。

上の写真は、2016年7月下旬の時期に、パリ-羽田線の国際線ファーストクラスを利用した時の森伊蔵の購入レシートですから、この年は少なくとも7月の、しかも下旬まで森伊蔵の機内販売が行われていたことが分かります。

その一方で、2018年6月下旬に森伊蔵の販売対象路線のビジネスクラスを利用した時には、はっきりと在庫払底による販売終了と案内された以上、状況によっては6月下旬まですら、森伊蔵の在庫は残らないということも十分考えられます。

ちなみに、これまでの経験から得た個人的な目安としては、

  • 3月から5月:余程のことがない限り問題なく購入可能
  • 6月初旬から中旬:在庫払底で購入できないリスクを少しだけ考える必要あり
  • 6月下旬:購入できない可能性が高いと覚悟
  • 7月以降:可能性としてほぼ厳しく、購入できたならそれだけでラッキー

というようなスタンスを取りつつ、森伊蔵の機内販売の対象となるような路線での予約を作成するようにしています。

ただし、2020年は新型コロナウイルスの発生やそれに伴う影響により、JAL運航便に対して、前代未聞の運航取りやめが実施されており、森伊蔵の機内販売での提供数が大幅に減少していることは間違いありません。

その結果、新型コロナウイルスによる影響が沈静化するまでは売り切れによる販売終了は行われず、森伊蔵の販売期間自体も前代未聞の長期間になるかもしれないと個人的には予想しています。

ファーストクラスへの優遇とビジネスクラスでの森伊蔵争奪戦とその対策

こうして行われることになる森伊蔵の機内販売では、

  • 森伊蔵の搭載本数は1便8~10本程度
  • ファーストクラス利用者は注文の段階で最優先での購入確定が可能
  • ビジネスクラスのみで運航される便の場合は基本的に早い者勝ち
  • ファーストクラス利用者や上級会員、特定のお得意様の場合、これまでの機内販売での嗜好などを踏まえ、注文がない段階での事前確保といった優遇あり

といった公表されていないルールが存在しています。

そのため、ファーストクラス利用時には安心して購入が可能になる一方、ビジネスクラス利用時は少しだけ注意が必要です。

なぜなら、搭載されている森伊蔵の本数以上の購入希望者が現れた場合、森伊蔵を巡る争奪戦が勃発してしまうことで、せっかく販売対象期間のビジネスクラスでの搭乗という購入条件を満たしているにも関わらず、その搭乗後の機内でのちょっとした対策を行わなかったために、売り切れによる購入不可という残念な結果になってしまうリスクがあるから。

その対策として特に効果的なものとしておすすめしたいのが、

  • 進行方向に向かってできるだけ前方左側の席を指定する(座席番号1Aなど)
  • 優先搭乗を利用し、できるだけ早く機内に入り着席する

という2つ。

これら2つの対策を利用することで、搭乗開始直後の早いタイミングで自分の席に到着できるため、担当の客室乗務員の方とも早いタイミングでのあいさつを交わせるのはもちろん、その段階でリクエストとして森伊蔵の購入希望を伝えることが可能になります。

さらに、前方左側の席は、客室乗務員の中でも上位にあたる方が担当されることが多い以上、森伊蔵争奪戦が不可避になった時に良い結果を期待する上でも、大きなアドバンテージになるため、とてもおすすめ。

もちろん、確約がサービスとして提供されているファーストクラスとは異なり、ビジネスクラスの利用では、この段階での確約はもらえないことも多いのですが、それでも早めにリクエストを完了したということが安心感につながるのは間違いありません。

森伊蔵の複数本購入と注意点

このような形で機内販売が行われる森伊蔵ですが、その販売ルールは厳格ではなく、その中でも、

  • 販売本数は通常1人につき1本までに制限

については、必ず守られるものではありません。

そのため、購入希望者が森伊蔵の搭載本数よりも少ないなどの理由で、実際には1人で2本以上の複数本の購入が可能になるケースも意外に多く存在しています。

そういった場合、2本以上の複数本の購入は、ファーストクラス利用者や上級会員、特段のお得意様の中でも、早くに希望を出した方などの優遇され、機内食の提供終了後から順次行われる機内での調整作業の完了後に最終的な購入可能本数の案内が行われることになります。

こうした部分でもビジネスクラス利用者に対し、ファーストクラス利用者が徹底して優遇されていることが分かりますね。

ちなみに、こうして行われる最終的な購入可能本数の案内は、調整作業の難航により、着陸を前にしたシートベルトサインの点灯の数十分前までずれ込むことも比較的頻繁に見かける出来事ですから、じっと落ち着いて吉報を待ってみるのがおすすめです。

ただ、着陸が近づいているにも関わらず、あまりに音沙汰がなく、実際に販売してもらえるのか不安を感じた時などは、近くを通りかかった客室乗務員の方などに、現在の見込みを知りたいとして、やんわりと簡単に問い合わせてみることも検討する価値があるはず。

森伊蔵は復路の帰国時購入を重視する2つの理由

こうしてJAL国際線の機内で販売が行われる森伊蔵ですが、我が家がそうした森伊蔵の機内販売を利用する時には、基本的に帰国時の復路でのみ購入するようにしています。

こうした選択を好んでいるのは、

  • 日本発の往路で購入してしまった結果、ずっしりと重さを感じる森伊蔵を持ち歩きながら全旅行期間を過ごす悲劇は最大限避けたい
  • 目的地の国によっては日本を含む海外から免税での持ち込みが可能なアルコールに制限が設けられている

ということが、大きな2つの理由です。

実際、海外から持ち込めるアルコールの制限の厳しさや種類は国ごとに多岐にわたるのはもちろん、何らかの変更が行われた場合の完全な把握も困難。

しかも、国によっては、制限を超えたアルコールについて、関税を支払うだけで入国できる場合もあれば、問答無用で没収や廃棄の対象になったり、さらには罰金の支払いや身柄の拘束を含む処罰につながりかねないリスクがあるのも事実。

そうしたリスクに対するうっかりミスを利用者個人では完全に防げないことも、我が家が積極的に日本を出発する往路での森伊蔵の購入を行わない最大の理由と言えるかもしれません。

ビジネスクラスでの争奪戦回避や複数本購入に有利な路線の見分け方

このような注意点も存在するJAL国際線機内販売での森伊蔵の購入ですが、ビジネスクラス利用時の争奪戦の回避対策や高期待値での複数本の購入の実現に対し、有利な路線と不利な路線が意外にはっきりと分かれて存在しています。

具体的に有利な路線の条件としては、

  • 機内販売利用者自体が少ない傾向にある深夜便
  • 海外の目的地に到着後、せっかく購入した森伊蔵が荷物になるのが避けられない日本発の便
  • ファーストクラス利用者にとっては優先的な在庫確保の優遇が提供されるファーストクラスが存在する便
  • ビジネスクラス利用者にとっては在庫確保の優遇が行われるファーストクラス利用者が少ない、あるいはファーストクラス自体が存在しない便
  • ビジネスクラス利用者にとっては森伊蔵の購入が可能なビジネスクラス利用者の利用者自体が少ない便

といったものが中心となります。

もちろん、旅行の時期や目的地、利用クラスによっては、常にこうした有利な条件をすべて満たせるとは限らないものの、予約時の工夫で、こうしたポイントのいくつかだけでも満たせるように挑戦してみるというのも、高い期待値で機内販売での森伊蔵購入を楽しむ上では大切なことだと思います。

インボラアップグレードと出発当日の空港でのアップグレードでの森伊蔵購入

森伊蔵の購入条件としても重要なビジネスクラス以上での搭乗ですが、元々森伊蔵の購入対象外となっているはずのエコノミークラスを予約している場合でも、実際の搭乗時にはビジネスクラス利用者として、問題なく森伊蔵の購入が可能になることがあります。

それがインボラアップグレードや出発当日の空港でのマイルを利用したアップグレードによってビジネスクラスに搭乗するケースです。

この場合、もともとの予約が森伊蔵の購入対象外のエコノミークラスだったとしても、実際の機内では通常通りビジネスクラス利用者として扱われますから、機内販売での森伊蔵の購入も全く問題なく受け付けてもらえます。

そのため、JAL国際線の機内販売で森伊蔵が提供される時期には、インボラアップグレードの発生が期待できるエコノミークラスが満席の便をあえて予約してみたり、あるいは出発当日の空港でのマイルを利用したアップグレードなどを積極的に活用してみたりといったことは、想像以上に大きなメリットをもたらしてくれる可能性が高くなるため、思い切って挑戦したい事柄の1つと言えるはずです。

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複数本の森伊蔵購入を希望した時の最終的な購入可能本数

このように、JAL国際線での森伊蔵の機内販売を楽しむために必要な、

  • 3月1日から売り切れ前のタイミングの搭乗
  • ビジネスクラス以上の搭乗

という2つの条件を満たせた搭乗時、気になることと言えば、実際には何本の森伊蔵が購入できるのかということかもしれません。

ただ、これについては、

  • 利用するキャビン(ファーストクラス/ビジネスクラス)
  • 購入希望者数
  • 担当される客室乗務員の複数本販売の方針
  • 日本出発時点の森伊蔵の搭載本数
  • 復路の場合、往路での販売数とその残り本数

などの利用者自身ではどうしようもできない種類の条件に左右されるため、残念ながら本当に運次第としか言えないもの。

つまり、事前に予想することは困難を極める以上、実際の搭乗後、担当する客室乗務員の方に最終的な購入可能本数を伝えてもらうまで分からないというのが正直な部分です。

実際、

  • ファーストクラス利用
  • 深夜便利用
  • 有償航空券での利用
  • 上級会員ステイタス保有
  • 進行方向に向かってできるだけ前方左側の席を指定
  • 優先搭乗利用で早いタイミングで機内に入り、購入希望を伝える

など、森伊蔵の複数本購入で有利になる条件を複数満たしている場合でも、そもそも同じ便の中で購入希望者が多いなどの理由から、1本のみの購入に限られることもあります。

この場合は、複数購入の希望が叶わず、例え1本だけの購入になったとしても、売り切れにならずに無事購入できたという意味で、十分に運が良かったと考えるべきかもしれません。

一方で、日本に向かう海外発の復路便への搭乗では、日本発の往路便での森伊蔵購入希望者が極端に少なかったなどの理由から在庫が潤沢に残っているなどの理由で、上の写真のように10本を超える、13本もの森伊蔵の複数本の購入も十分現実的な結果となりえます。

この時の購入条件としては、

  • ファーストクラス搭載路線では比較的遅い時間に出発する便
  • ファーストクラスとビジネスクラスの上位クラスに空席が目立つ繁忙期ではないタイミング
  • 日本に向かう海外発の復路便
  • ファーストクラスの1Aに搭乗
  • 優先搭乗後の早いタイミングで複数本購入を希望
  • JMBダイヤモンドの上級会員ステイタスを保有

といった条件が良い結果を導いてくれたようで、機内での最終調整後に、最大13本までの森伊蔵の複数本購入が許可されました。

実際、これまでの森伊蔵購入の経験から、個人的には、様々な理由から予約難易度が低く、それに伴って搭乗率が高く推移している中距離線のビジネスクラスは、森伊蔵の争奪戦が苛烈を極めることが多いため、1本の確保すら難しく、複数本の購入は期待できないと感じています。

その一方で、ヨーロッパや北米を発着する長距離線のファーストクラスやビジネスクラスでは、森伊蔵自体が注目されていないのか、複数本の購入にも余裕があり、前述のような10本を超える販売数といったサプライズに出会える期待値も高いというのが正直な実感と言えるかもしれません。

2020年3月からの森伊蔵複数本販売制限と対策

このように毎年、JALの国際線機内販売での提供が行われている森伊蔵ですが、2020年3月から通常森伊蔵の販売本数について変化が生まれることになりました。

その変化というのは、2020年3月以降は1回のフライトで森伊蔵の在庫数に余裕があった場合でもビジネスクラス以上の利用者1人つき3本までという販売制限が加えられるというもの。

これは、JALが運航する機内で、複数本の森伊蔵購入について問い合わせた時に客室乗務員の方から案内される制限ですから、

  • 機内販売誌「JAL SHOP」上の案内:1人1本まで
  • JAL運航便機内での客室乗務員からの案内:1人3本まで

というように、実質的に2つの異なる制限が用意されるようになったということが分かります。

では、こうした1人3本までの制限が設けられた後も、2019年までの森伊蔵購入のように、4本以上の森伊蔵購入が全くできないのかというと、実はそうではありません。

なぜなら、

  • ファーストクラス利用者
  • JALやワンワールドの上級会員
  • 特段のお得意様
  • 森伊蔵以外の機内販売商品一定金額以上の購入者

などを対象に、必ずしも3本までの購入本数の制限が実施されるわけではないから。

実際、私も森伊蔵の販売が開始された直後の2020年3月上旬に、

  • 北米から成田空港に向かうファーストクラス非搭載路線
  • ビジネスクラスの1A利用
  • ワンワールドエメラルド扱いのJMBダイヤモンドとして予約
  • グループ1の最優先搭乗で機内に入り、かなり早いタイミングで森伊蔵の複数本購入を担当客室乗務員の方に希望

という条件で利用した時には、

  • 最初の機内食提供終了後の機内販売開始直後に3本
  • 機内販売開始後しばらく経過してから3本
  • 成田空港への着陸の2時間程度前に2本
  • シートベルト着用のサインが点灯する少し前に1本

というように、1回のフライトで合計9本の複数本の購入が可能だったから。

ただし、2019年までは、同じ9本の販売が行われる場合でも、利用者間での最終的な調整が行われた後に、まとめて購入可能本数が提示され、一度に決済が可能だったのですが、2020年3月からはより細やかに調整が行われ、複数本の購入希望者用に在庫が確保でき次第提供している様子が感じられます。

また、私が利用したのと同じ北米から成田空港に向かうファーストクラス非搭載路線に、友人も搭乗していたのですが、

  • ビジネスクラスの1A以外を利用
  • ワンワールドエメラルド扱いのJMBダイヤモンドとして予約
  • 私との同伴者登録は未登録状態
  • グループ1の最優先搭乗で機内に入り、私とほぼ同じかなり早いタイミングで森伊蔵の複数本購入を別の担当客室乗務員の方に希望

という条件では、小分けに提供本数が確定したのは私と同様ながら、着陸間際の追加提供の案内はなく、最終的な購入本数は6本に留まりました。

もちろん、私との3本の差は1Aの席とそれ以外の席との差と考えることもできるのも事実です。

しかし、それ以外にも、私はその時のフライトに限らず森伊蔵以外にも数万円から十数万円ほど機内販売の商品を購入するようにしている一方で、友人は森伊蔵だけの購入を希望していたとのことですから、個人的にはその部分での貢献のようなものに、購入可能本数の調整での優遇が提供されたのかもしれないと感じています。

ちなみに、JALの機内販売は、

  • 国際線でも国内線でもJALカードでの決済で10%引き
  • 国際線では免税扱いなどの影響で10%引き前の販売価格自体が一般小売店より割安なことも多い
  • 購入時のお得意様番号登録で100円の購入につき1マイル、キャンペーン時は最大3マイル加算(クレジットカード利用分のマイルやポイントは別途)
  • JALカード利用時には、ショッピングマイルプレミアム加入時で100円の購入につき2マイル、未加入時でも100円の購入に付き1マイル

というように、かなりのお得度を誇りますから、JALマイルをちょくちょく活用している我が家でも極力利用するようにしているほどです。

JAL SHOP 2020年7月-9月号での森伊蔵販売終了

このように、2020年3月から新たな制限が加えられた森伊蔵の機内販売ですが、2020年は夏ダイヤを中心に新型コロナウイルスの感染拡大により国際線を中心に壊滅的なまでの減便や運休が発生することになった一年になりました。

そうした国際線の運航本数自体が大幅に減少している状況では、本来予定していた本数の森伊蔵を機内販売で取り扱うことは不可能ですから、個人的には毎年3月から在庫がなくなる夏までの販売期間を大幅に延長するのではないかと予想していたのも事実です。

しかし、その予想は大きく裏切られることになります。

というのも、JALの機内販売で取り扱う商品を紹介する機内販売カタログ、JAL SHOP上では、森伊蔵の掲載は2020年5月-6月号までとなり、その次号となる2020年7月-9月号のJAL SHOPからは姿を消してしまったから。

実際、2020年5月-6月のJAL SHOPと2020年7月-9月号のJAL SHOPのアルコールラインナップを比べてみると、

2020年5月-6月号

P117

  • シーバスリーガルミズナラ12年 700ml アルコール度数40度(スコットランド産)4,400円

P118

  • バランタイン21年 700ml(アルコール度数40度 スコットランド産)14,400円
  • バランタイン30年 700ml(アルコール度数40度 スコットランド産)43,900円

P119

  • 森伊蔵 720ml(アルコール度数25度 日本産)3,200円

P120

  • 本格芋焼酎 薩摩焼酎 金山蔵 紫(アルコール度数32度 日本産)3,200円
  • 特醸 蔵の師魂(アルコール度数32度 日本産)3,200円

 

2020年7月-9月号

P109

  • シーバスリーガルミズナラ12年 700ml アルコール度数40度(スコットランド産)3,500円

P110

  • バランタイン21年 700ml(アルコール度数40度 スコットランド産)14,400円
  • バランタイン30年 700ml(アルコール度数40度 スコットランド産)43,900円

P111

  • 別撰 薩州 赤兎馬 720ml(アルコール度数32度 日本産)3,200円

P112

  • 本格芋焼酎 鶴空 PREMIUM 720ml(アルコール度数35度 日本産)3,200円

となっていて、シーバスリーガルやバランタインといったウイスキーのラインナップこそ変更はないものの、焼酎のラインナップについては、森伊蔵が姿を消したのと同時に、それ以外の銘柄にも変更が加えられていることが分かりますね。

また、通常は

  • 1月-2月号
  • 3月-4月号
  • 5月-6月号
  • 7月-8月号
  • 9月-10月号
  • 11月-12月号

というように、2ヶ月毎にカタログ更新となっていたJAL SHOPですが、2020年7月-9号号からは異例となる3ヶ月分の収録となりました。

これは、コロナウイルスの感染拡大とそれが発端となった各種渡航制限により国際線の利用者が減少し、それに伴い機内販売の収益も低下した結果、カタログの更新を行うための手間やコストを削減する必要に迫られたと考えるのが自然です。

また、2020年7月からの機内販売カタログとして、JAL SHOPを2020年7月-9月号というように3ヶ月毎でまとめてしまった以上、通常の2ヶ月毎のカタログ更新に戻す前には、少なくとももう一度は3ヶ月毎のカタログ更新が必要ですから、2020年10月以降のJAL SHOPも、2020年10月-12月号というように、3ヶ月分の掲載になると予想しています。

ちなみに、前述のJAL SHOP 2020年5月-6月号とJAL SHOP 2020年7月-9月号のアルコールラインナップの中で、シーバスリーガルミズナラ12年の値段をよく見てみると、

  • 5月-6月号:4,400円
  • 7月-9月号:3,500円

というように、カタログの更新に伴い、900円(約20%分)も値下がりしていることが分かります。

実はアルコール以外に、コスメなどでもこのような形での新旧のカタログ間で同じ商品が継続して掲載される時には、値段の変動が生じることがあるのですが、利用者側にとって、今後値上がりするのか、それとも値下がりするのか、あるいは売り切れてしまったりしてカタログから姿を消してしまうのか、予想できるものではありませんから、いつ購入するべきなのかの判断はなかなか難しいというのが正直な部分。

ただ、JAL国際線での機内販売には、

  • 国内の直営店や百貨店などで割引無しで販売されていたり、割引幅の小さい商品でも、意外に大きく割引された状態で販売されていることもある
  • 日本国内での購入では通常は必要な消費税の負担無しで購入できる
  • JALカードで支払うと請求時に10%引きの追加割引が適用される

などのメリットがありますから、基本的には欲しいと思った商品は欲しいと思った時に購入し、その購入が完了した後には、購入した商品の値下げされた価格が掲載されているかもしれない新しいカタログの中身をうっかり目にすることがないように、できるだけ避けるようにするというのが、心のダメージコントロール(?)の面では安心かもしれませんね。

JAL 森伊蔵機内販売 2020年3月からの新規制限と複数本購入対策(JALが提供する3種の森伊蔵、3月販売開始の通常森伊蔵と複数本購入、2020年3月開始の本数制限、通常森伊蔵の販売期間と新型コロナウイルスによる販売期間延長予想)

JAL SHOP 2020年10月-12月号での森伊蔵販売再開と極上森伊蔵販売の行方

このように、2020年のJAL国際線機内販売での森伊蔵は、

  • 3月から6月まで:提供あり
  • 7月から9月まで:提供なし

というようになり、国際線の運航が大きく減少し、森伊蔵の販売本数も激減していると予想されている状況ということを考えると、想像以上に短い提供期間となってしまいました。

そんな状況に変化が生じることになったのが2020年9月25日。

この日発表のJAL国際線機内販売カタログ、JAL SHOP10月-12月号で、森伊蔵の機内販売復活が発表されたから。

気になる提供条件は、

  • JAL運航便のファーストクラスとビジネスクラスの利用者のみ対象
  • アルコール度数 25度の森伊蔵720ml
  • 価格は3,200円。JALカード割引の10%OFF適用で2,880円
  • 販売本数は通常1人につき1本までに制限
  • 3月1日から販売開始
  • 販売路線は欧州線、北米線、ハワイ線、東南アジア線、インド線、オセアニア線の中・長距離路線

となっていて、販売が休止する前の2020年3月から6月までの条件と変更はありません。

こうして、2020年JAL国際線機内販売での森伊蔵は、

  • 3月~6月:提供あり
  • 7月~9月:提供なし
  • 10月~12月:提供あり

というように、例年に比べてかなり変則的なものになったのは間違いありません。

また、運休や減便の影響で、JALが運航する国際線の路線ラインナップは大きく変更され、

欧州線

  • ロンドン:減便
  • パリ:減便
  • フランクフルト:減便
  • モスクワ:運休
  • ヘルシンキ:減便

北米線

  • ニューヨーク:減便
  • シカゴ:減便
  • ボストン:減便
  • ロサンゼルス:減便
  • サンディエゴ:運休
  • サンフランシスコ:減便
  • ダラス:減便
  • シアトル:運休
  • バンクーバー:減便

ハワイ線

  • ホノルル:減便
  • コナ:運休

東南アジア線

  • バンコク:減便
  • ハノイ:減便
  • ホーチミンシティ:減便
  • シンガポール:減便
  • ジャカルタ:減便
  • クアラルンプール:減便

インド線

  • デリー:運休
  • ベンガルール:運休

オセアニア線

  • シドニー:減便
  • メルボルン:運休

というように、通常通り利用できる状況ではないのはもちろん、目的地となる国の入出国管理も流動的で、依然厳しい状況にあることには注意が必要です。

JAL SHOP 2021年1月-3月号での森伊蔵販売継続とJMBダイヤモンド&JGCプレミア向け事前予約サービス開始

そうした状況の中、2020年12月25日に2021年1月からのJAL国際線機内販売のサービス内容を知ることのできる「JAL SHOP 2021年1月~3月」が発表されることになりました。

その「JAL SHOP 2021年1月~3月」では、新たに、

  • 2020年10月~12月に引き続き、2021年1月~3月も森伊蔵の提供は継続
  • JMBダイヤモンドとJGCプレミアを対象に、機内販売での森伊蔵の事前予約サービスを解禁

といったことが判明しました。

これらの内容の中で、特に気になるのは、JMBダイヤモンドとJGCプレミアを対象とした森伊蔵の事前予約サービスを解禁です。

というのも、JAL国際線の機内販売での森伊蔵の提供では、後述するように、

  • 春から夏の「通常森伊蔵」:毎年3月から機内販売開始
  • 秋の「極上森伊蔵」:毎年9月から機内販売開始
  • 冬の「楽酔喜酒森伊蔵」:毎年1月から機内販売開始

といった形で季節ごとに異なる3種類の森伊蔵が用意されてきたのですが、その中で、唯一「楽酔喜酒森伊蔵」だけは、機内販売での事前予約サービスの利用を前提に購入可能とされていた一方で、それ以外の「通常森伊蔵」や「極上森伊蔵」の購入については、あくまで搭乗当日の機内での在庫状況に左右されるのは避けられないという違いがあったから。

それが、2021年1月からはJMBダイヤモンドとJGCプレミアの上級会員限定とは言え、「通常森伊蔵」でも事前予約サービスの対象となり、機内での購入争奪戦から解放されるわけですから、嬉しいと感じる方もいらっしゃるはず。

ちなみに、2021年1月から開始される森伊蔵の事前予約サービスの内容は、

  • JMBダイヤモンドとJGCプレミアを対象としたサービス(他社ワンワールドエメラルドは対象外)
  • 利用には搭乗72時間までに専用の窓口への電話申込みが必要
  • 北米線、ヨーロッパ線、オセアニア線が対象(森伊蔵販売路線でも東南アジア線は事前予約サービス対象外)
  • 1回のファーストクラスやビジネスクラス搭乗で1人につき1本まで予約可能
  • 事前予約サービスの対象の森伊蔵には本数制限あり

といった形になっています。

そのため、事前予約サービスが可能になったからといって、

  • 通常の販売路線以外で購入可能になる
  • エコノミークラスやプレミアムエコノミーで購入可能になる
  • 2本以上の複数本の購入が可能になる

ということはなく、あくまでこれまでの機内販売をサポートする内容に留められているのは少しだけ注意が必要ですね。

しかも、2020年10月から再び通常森伊蔵の再登板が決定し、それが2021年3月まで延長されたことで、

  • 毎年9月から提供される秋の「極上森伊蔵」
  • 毎年1月から提供される冬の「楽酔喜酒森伊蔵」

といった特別な森伊蔵の提供がなくなってしまうことが「JAL SHOP 2021年1月~3月」の発表で確定してしまいました。

我が家でも、「極上森伊蔵」と「楽酔喜酒森伊蔵」は通常の森伊蔵にはない魅力を持つ特別な1本として、毎年購入を楽しみにしていただけに、ラインナップから消えてしまった事自体、とても残念に感じているのも正直な部分です。

2020年10月からの森伊蔵複数本販売制限

こうして、JAL機内販売での森伊蔵の提供は、

  • JAL SHOP 2020年1月~2月:販売なし
  • JAL SHOP 2020年3月~4月:販売あり
  • JAL SHOP 2020年5月~6月:販売あり
  • JAL SHOP 2020年7月~9月:販売なし
  • JAL SHOP 2020年10月~12月:販売あり
  • JAL SHOP 2021年1月~3月:販売あり

というように、かつてないほど変則的な形での販売が行われることになりました。

この中でも気になるのは、通常その年の販売開始が3月から行われるはずの森伊蔵が、秋から冬にかけて販売されることになった2020年10月から12月の期間の状況かもしれません。

これについては、偶然にも私自身が家庭の事情により、2020年9月に日本を出発し、翌月の10月に日本へと帰国するという旅程でJAL国際線ファーストクラスを利用し、その中で10月の帰国時については実際に機内で森伊蔵を購入することができました。

この時の結果はというと、

  • パリ シャルル・ド・ゴール空港から羽田空港に向かうファーストクラス搭載便
  • ファーストクラスの1A利用
  • ワンワールドエメラルド扱いのJMBダイヤモンドとして予約
  • グループ1の最優先搭乗を利用

という条件で利用した限り、上のレシートが示すように、1本の購入となり、2本以上の複数本の購入はできませんでした。

では、同じJALによる2020年の森伊蔵の販売でも、10月から12月までの販売は、それまでの3月から6月の販売よりも、格段に複数本の購入が厳しくなったのかというと、実はそうではありません。

というのも、私がパリから羽田空港までのJAL国際線ファーストクラスを利用した時点では、パリを含むフランスでの新型コロナウイルスの感染拡大が深刻なものではなく、ビジネスを目的とした渡航でビジネスクラスが混雑していて、機内販売での森伊蔵購入を希望する利用者が極端に多かったという事情もあったから。

そのため、私がやんわり、ファーストクラスで私のサービスを担当してくださったチーフの客室乗務員の尋ねた限りでは、

  • ファーストクラス利用者なら少なくとも1本の購入は確定
  • 通常の在庫に余裕がある場合に限り、(2020年3月から6月までと同様に)3本程度までの複数本の購入が可能
  • 今回の便では、ビジネスクラスでその多くが販売され、ファーストクラス利用者でも複数本の購入が不可

といった案内を受けることができました。

つまり、2020年10月から12月までのJALの森伊蔵の機内販売も、基本的には、3月から6月までと同じ条件で行われているようでしたから、

  • ファーストクラス利用者
  • JALやワンワールドの上級会員
  • 特段のお得意様
  • 森伊蔵以外の機内販売商品一定金額以上の購入者

などの条件を満たした状態で、極端に森伊蔵の在庫が残っているのであれば、3本を超える森伊蔵の複数本の購入もそれほど非現実的なものだとは思えないというのが、私本人の正直な実感です。

新型コロナウイルス時代の海外渡航とJAL国際線ファーストクラスサービス(ホテルでの自主隔離を選んだ理由と準備、羽田空港新JALファーストクラスラウンジのサービス、カンテサンスとパージュのファーストクラス機内食、日本入国時の検疫、検疫所運行無料周回バス)

免税範囲の3本を超える森伊蔵複数本購入後の日本入国時税関対応

こうして無事複数本の森伊蔵を購入した時、気になることと言えば、日本入国時の税関での対応かもしれません。

というのも、アルコールの免税範囲としては、大人1人あたり、

  • 酒類:760mlまでのものを3本

として制限され、それを上回る分量や本数のアルコールの日本国内への持ち込みには、原則、関税の納付による金額面での負担が必要になるから。

では、JALの国際線機内販売で大人1人あたり4本以上の森伊蔵の購入後に日本へと入国する場合、4本目以降の森伊蔵に対する関税の負担が必要なのかというと、実はそうとは限りません。

なぜなら、JALの国内線機内販売で提供される森伊蔵はいずれも、すでに日本国内での課税の行われた課税済みの商品として扱われ、日本入国時の税関の通過では、追加での関税負担が必要ないとされているから。

実際、税関通過時に複数本の森伊蔵を所持しているものの、いずれもJALの国際線機内販売で購入したものと申告すると、特に免税範囲を越えた際の手続きを行う必要もなく、もちろん、関税を支払う必要もなく、そのまま通過できます。

また、担当の客室乗務員の方によっては、複数本の森伊蔵を購入した際、日本入国時の税関で森伊蔵について質問された時には、「機内販売購入時のレシートを提示した上で課税済みの商品として販売された森伊蔵であることを説明して欲しい」とアドバイスをしてくれることもありますから、無用のトラブルを避けるためにも、念のため、複数本の森伊蔵を購入した時のレシートをすぐに提示できるように用意しておくのがおすすめです。

森伊蔵の複数本購入後に便利なJAL ABCの空港宅配と専用ダンボール箱販売サービス

こうして複数本の購入が実現した森伊蔵ですが、少しだけ注意が必要なのが持ち帰る時かもしれません。

なぜなら、森伊蔵自体がガラスの瓶に入った液体ということもあって、1本でもなかなかの重量のある商品なのはもちろん、それが複数本となると、重さだけではなく荷物としてのかさばり具合も問題になるから。

そうした移動の難易度を上昇させてしまう重さや体積への対策として活用したいサービスとしておすすめしたいのが、

  • 羽田空港
  • 成田空港
  • 関西空港

といった日本国内の主要な国際空港で提供されている、JAL ABCによる空港宅配サービス。

というのも、このJAL ABCによる空港宅配サービスでは、様々なクレジットカードと提携して、無料サービスや割引料金での宅配サービスを提供しているのはもちろん、

  • 森伊蔵などの瓶に入ったアルコールの液体物運搬にも正式に対応済みのダンボール箱の有料販売
  • 購入したダンボール箱を利用した厳重な梱包を行った上での発送手続きの代行

といったJAL国際線の機内販売で複数本の森伊蔵を購入した利用者にとって、とても嬉しいサービスが提供されているから。

ちなみに、液体物の運搬に対応した専用のダンボール箱の値段は、

  • 1箱で化粧箱に入った状態の森伊蔵が8本まで梱包可能なダンボール箱
  • 1箱で化粧箱に入った状態の森伊蔵が4本まで梱包可能なダンボール箱

の2種類が用意され、それぞれの2019年10月以降の税込み金額は、

  • 8本まで:1,440円
  • 4本まで:1,000円

となっています。

確かにダンボール箱の値段とだけ見ると、大きいサイズも小さいサイズも1,000円をあっさり超える金額設定になり、安価なものとは言えないと感じる方も多いかもしれません。

しかし、この専用のダンボール箱を購入した際に無料付帯した状態で提供される梱包サービスは、とても丁寧で手間のかけられた高品質なものですから、輸送中の安心感を購入するという意味合いでも十分に価値のあるサービスというのが私個人の正直な実感です。

ちなみに、日本の主要空港の1つ、中部空港(セントレア)にもJAL ABCが存在し、空港宅配サービスも提供されているのですが、我が家が実際に利用したり問い合わせをした限りでは、有料のダンボール箱の販売は行われていないため、

  • ホノルル線
  • バンコク線(2020年3月29日から運休)

といった中部空港を発着する国際線の機内販売で複数の森伊蔵を購入する場合には、少しだけ持ち帰る際の準備の部分に注意が必要かもしれません。

季節ごとに異なる味わいを楽しめるJAL機内販売の極上森伊蔵と楽酔喜酒森伊蔵

毎年3月1日から在庫が払底するまでの春から夏にかけた時期限定で、ファーストクラスとビジネスクラスのJAL国際線での機内販売が行われる森伊蔵ですが、実はそれ以外の時期にも異なる酒類の森伊蔵が提供されています。

具体的には、

  • 春から夏の「通常森伊蔵」:毎年3月から機内販売開始
  • 秋の「極上森伊蔵」:毎年9月から機内販売開始
  • 冬の「楽酔喜酒森伊蔵」:毎年1月から機内販売開始

というように3種類の森伊蔵がラインナップされ、季節ごとに異なる味わいが楽しめるようになっています。

そんなJALの機内販売で提供される森伊蔵の中で、最も我が家で気に入っているのは間違いなく、秋に販売される「極上森伊蔵」です。

この極上森伊蔵は通常の森伊蔵よりもさらに長い3年以上の熟成期間を設けることで、明らかに異なる次元の美味しさを誇る一本に仕上がっています。

そうした希少性を反映された結果なのか、JAL国際線ファーストクラス用アルコールとしても、特に大切なフラグシップ路線として設定されているニューヨーク線とロンドン線の2路線のみで提供され、それ以外のファーストクラスでは通常森伊蔵が提供されている状況とは、はっきりとした区別が行われています。

気になる機内販売での購入条件ですが、この極上森伊蔵の2019年秋の販売では、

  • JAL運航のファーストクラス利用者限定の機内販売サービス
  • 有償航空券に加え、マイルによる特典航空券でのファーストクラス利用でも購入可能
  • 容量は720mlでアルコール度数は25度
  • 販売価格は5,600円。JALカード割引の10%OFF適用で5,040円
  • 販売本数は原則利用者1人につき1本
  • 販売期間は9月1日搭乗分から在庫がなくなるまで
  • 販売路線はロンドン、パリ、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴの国際線ファーストクラス運航路線のみ

といったルールが設定された上で販売されました。

ちなみに、2018年の極上森伊蔵の機内販売では、同様に9月1日からの秋の販売が行われたものの、

  • 国際線ファーストクラス利用
  • JMBダイヤモンドとJGCプレミアの上級会員ステイタス保有者による事前予約

という2つの条件を満たした上での搭乗という厳しい条件が設定されていましたから、2019年は購入のハードルが大きく低下し、販売開始から3週間も経過していない9月の中頃という比較的早い時期には、すでに売り切れになってしまったことでも話題を集めました。

続いて、JALが機内販売で提供する森伊蔵の中で、最も高額なものといえば、楽酔喜酒森伊蔵(らくすいきしゅもりいぞう)。

この楽酔喜酒森伊蔵は、極上森伊蔵の熟成期間の3年をあっさり上回る10年もの期間を要した古酒で、毎年一般に販売されているいずれの森伊蔵ともすでに別物と言っても良いほどの深い味わいを持った一品に仕上がっています。

そうした希少性を反映した結果、販売価格も他の追随を許さない最高金額となる3万円台の販売価格はもちろん、薩摩切子をデザインに取り入れた器や高い質感を感じさせるケースに至るまですべてが他の森伊蔵と一線を画していると実感できるほど。

そんな楽酔喜酒森伊蔵は、

  • JMBダイヤモンドとJGCプレミア限定の機内販売サービス
  • JAL以外のワンワールドエメラルドは利用不可
  • 搭乗の72時間前までに専用デスクへの電話での事前予約と在庫確保が必要
  • 在庫確保後のキャンセルは機内での購入直前までペナルティなしで可能
  • 有償航空券に加え、特典航空券利用でも購入可能
  • 在庫の確保さえできれば、エコノミークラス利用時にも購入可能
  • 容量は600mlでアルコール度数は25度
  • 販売価格は36,200円。JALカード割引の10%OFF適用で32,580円
  • 販売本数は会員1人1搭乗につき1本
  • JMBダイヤモンドとJGCプレミア保有以外の同伴者による購入は不可
  • 往復で合計2本など、搭乗を繰り返すことでの複数本購入は可能
  • 販売期間は12月15日搭乗分から在庫がなくなるまで
  • 販売路線はロンドン、パリ、フランクフルト、ヘルシンキ、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ボストン、シカゴ、サンディエゴ、ダラス、ジャカルタ、シドニー、メルボルンなどの事前予約サービス対象の中・長距離路線の都市

といった条件で販売されています。

この楽酔喜酒森伊蔵は、JMBダイヤモンドとJGCプレミアの上級会員ステイタス保有者限定という条件のみで販売されるため、ファーストクラスはもちろん、ビジネスクラスに搭乗することなくエコノミークラスの利用時すら購入可能という意味で、販売価格こそ群を抜いて高額なものの、購入難易度自体はなかなか低く抑えられているという印象を感じています。

また、条件さえ満たせるのであれば、往路で1本、復路で1本というように、1回の往復で合計2本の楽酔喜酒森伊蔵を購入できるのも気に入っている部分です。

これら3種類のJAL国際線の機内販売で提供される森伊蔵について、それぞれの購入条件などをまとめてみたのが下の表です。

通常森伊蔵極上森伊蔵(2018年版)極上森伊蔵(2019年版)楽酔喜酒森伊蔵
販売時期春から夏
販売価格(定価)3,200円5,600円5,600円36,200円
事前予約不可必須不可必須
1フライトでの複数本購入可能不可可能?不可
ファーストクラスでの購入可能JAL上級会員資格必要可能JAL上級会員資格必要
ビジネスクラスでの購入可能不可不可JAL上級会員資格必要
プレミアムエコノミーでの購入不可不可不可JAL上級会員資格必要
エコノミークラスでの購入不可不可不可JAL上級会員資格必要

こうしてみると、大きな枠組みとしての販売条件に変更はあまりないものの、利用者の利便性などに配慮する形での改善は随時加えられていることが分かりますね。

通常森伊蔵、極上森伊蔵、楽酔喜酒森伊蔵の美味しさと機内販売提供の森伊蔵でおすすめの1本

このように、同じJALの国際線機内販売でも、時期によって、

  • 通常森伊蔵
  • 極上森伊蔵
  • 楽酔喜酒森伊蔵

という異なる3種類の森伊蔵が提供されていると、気になるのは、美味しさの面でどのような違いがあるのか、ということかもしれません。

そこで、これら3種類の森伊蔵について、私が地上で飲み比べを行った時には、

通常森伊蔵:

  • 3種の中で基本となる森伊蔵
  • すっきりした味わいと深み、芋焼酎らしからぬくせのなさが魅力

極上森伊蔵:

  • 通常森伊蔵の芋の香りが、よりなめらかにすぅーっと鼻に抜けるような、さらに洗練されたものへと変貌し、一般的な芋焼酎を苦手とする方でもよほどの事情がない限り、香りの面を中心としたくせが気にならない
  • すっきりとした飲みやすさをはっきりと表現しながら、味わいは深みと広がりの両方を併せ持ちつ
  • うまみが美味しさとして自然と口の中に広がり、通常森伊蔵よりも1段も2段も上位の存在として実感できる仕上がり。

楽酔喜酒森伊蔵:

  • 極上森伊蔵よりもさらに洗練された仕上がりになり、クセが気になることは皆無
  • 風味としては芋とは別の控えめで上品ながら、しっかりとした軸を持つ良い香りが感じられ、この香りを感じ始めたあたりから、「これは本当に芋焼酎?」という不思議な疑問を持ち始める
  • すっきりとした飲みやすさは変わらず、恐ろしいことにするすると飲めてしまうものの、極上森伊蔵とは別路線とも感じるうまみが口の中に広がり、同じ芋焼酎というカテゴリーに加えて良いのか迷う
  • 口にする毎に頭の中にハテナマークを生み出す混乱状態に陥りながらも、やはり極上森伊蔵よりも様々な面での高次元の調和を見せつけ、「これはどこか不思議な飲み物だけど間違いなく美味しい」と判断せざるを得ない一本

という全く異なる印象や感想に至ることになりました。

そのため、純粋な美味しさに対する順位としては、販売価格に対して順当に、

  1. 楽酔喜酒森伊蔵
  2. 極上森伊蔵
  3. 通常森伊蔵

という形になってしまいます。

とは言え、この中では最高額の楽酔喜酒森伊蔵は、極上森伊蔵の美味しさをそのまま高品質な方向に伸ばした完全で純粋な上位製品というわけではなく、その方向性もすべてがそのまま重なるものではないこと。

さらには、楽酔喜酒森伊蔵と極上森伊蔵では、JALの機内販売で購入可能な定価でさえ、6倍以上の違いがあることを考えると、個人的には極上森伊蔵が最も美味しさと価格のバランスが優れていると感じているため、機内で購入できた時に最も嬉しい森伊蔵として気に入っています。

一方で、極上森伊蔵と通常森伊蔵との価格差も、その味わいの差を考えると、まだまだ十分リーズナブルと感じるレベルですから、通常森伊蔵も購入できるのなら購入しておく価値は十分あると実感しています。

逆に、楽酔喜酒森伊蔵は、森伊蔵酒造の持つ、芋焼酎の進歩に対する最先端の技術と情熱の粋を集めて作り出した1本として、一度経験として口にしてみたりするのがおすすめなのはもちろん、そうしたあまりに特別過ぎる特長を持ち合わせる代替品が思いつかない種類の製品ですから、とても重要な場面での贈り物としての活躍も十分期待できるはずです。

実際、我が家でも、2017年-2018年の冬に2本購入した楽酔喜酒森伊蔵のうちの1本は、我が家の記念日の中でも特に重要なタイミングに開けて味わいつつ、もう1本は大変お世話になった方への贈り物に利用したのですが、とても喜ばれました。

定価約50万円&抽選販売であまりに別格な頂点に立つ、18年貯蔵原酒森伊蔵

そうしたJAL国際線の機内販売で提供される、3種類の森伊蔵ですが、その中で最も高額な楽酔喜酒森伊蔵が、森伊蔵酒造が世に送り出す森伊蔵ラインナップの中で頂点に位置するのかというと、残念ながらそれは間違いです。

なぜなら、森伊蔵には、楽酔喜酒森伊蔵をあっさり上回る、18年貯蔵原酒森伊蔵というより上位の森伊蔵が存在しているから。

この18年貯蔵原酒森伊蔵は、10年の熟成期間を要する楽酔喜酒森伊蔵をさらに上回る18年という熟成期間を経て2018年9月に世に出た製品で、定価も破格と言える税込み464,400円。

しかも、こうした高額の定価設定にも関わらず、希望者全員への販売は叶わず、抽選による販売という制限が設けられた上での提供となりました。

森伊蔵酒造との良好で長年に渡る関係性を誇るJALでも、さすがにこの18年貯蔵原酒森伊蔵を、国際線の機内販売用商品として用意することはできなかったようで、

  • 先着5本限り
  • JMBサファイア以上の上級会員ステイタス保有者限定
  • 1本50万マイルとの引き換え

というあまりに異色過ぎる驚きの条件での提供を決定。

これは、定価が464,400円の商品を50万マイルで購入することになる以上、1マイルの価値は1円を下回るため、一見、あまりお得なマイルの活用ではないと感じてしまうかもしれません。

しかし、18年貯蔵原酒森伊蔵を通常購入する場合、464,400円の金額を用意するだけではなく、そもそも全国の購入希望者との抽選による争奪戦に打ち勝つ必要があるわけですから、それがマイルとの交換では、申し込み手続きを頑張りさえすれば、先着で入手できることに魅力を感じる方が多かったのか、見事250万マイル分の5本全てが完売するに至ったのですが、正直、私にとってもなかなか衝撃的な出来事でした。

まとめ

JAL国際線の機内販売で毎年恒例の行事のように行われる森伊蔵の提供。

確かに、実際に利用するとなると、いくつかの注意点も存在し、それに対応するための準備や対策、戦略も必要になるものの、基本的には利用者にとって嬉しさを感じさせてくれる、楽しい企画なのは間違いありません。

また、JALの国際線機内販売では、例年3月に販売が開始される森伊蔵の他にも、極上森伊蔵や楽酔喜酒森伊蔵といった、より高品質で魅力的な森伊蔵の提供も行われているため、あらかじめそれに合わせた旅程を作成しておくことで、お得にそれらの森伊蔵を味わうチャンスにも恵まれますから、それぞれの購入条件を確認した上で挑戦してみるというのもなかなか面白く、おすすめだと思いますよ。

コメント

  1. おが より:

    ご無沙汰しております。
    コロナ禍で、JAL便は国内線オンリーで、マイル消化を少しずつ進めるこのごろです。

    さて、JALのCLASS EXPLORER会員サイトから案内があった、通常の森伊蔵(1人一本限り、6000マイル)を軽い気持ちで申し込みました。すると、締め切り後マイルが引き落とされました。どうやら当たったようです。発送は今年12月までのどこかで(笑)気長に待ちたいと思います。

    • スタ好き より:

      おがさん、こんばんは。
      お久しぶりです。

      森伊蔵のご当選、おめでとうございます。
      現在のように気軽に海外に出ることが叶わず、JALの中長距離線の機内販売での購入も難しい状況ではなかなか面白い企画ですよね。

      実は我が家でも、JMBサファイア以上で申込可能な「とっておきの逸品 Executive Collection」の方から、同じく1件あたり6,000マイルで家族分4件を申込んでみました。
      いずれもパートナーステイタス2名を含むJMBダイヤモンドとしての申込だったのですが、7月12日付で全員のマイル口座から6,000マイルずつの引き落としが行われていましたから、こちらもどうやら当選したと考えて良さそう。

      また、元々の機内販売での定価は3,200円で、JALカードを利用するとさらにお得に購入可能とはいえ、意外に気を使う&コストを要する瓶の発送での梱包手数料と送料も含むと考えると、6,000マイルという対価への割高感も多少は減らせるかなというのが今の正直な感想だったりします。

      そんなわけで我が家でも最長12月の発送まで気長~に待ちたいと思います。

      最後に、個人的にはすでに招待こそ来ていたものの提供されるとされたサービス内容的にJALのCLASS EXPLORERの入会はなんとなく警戒し、これまで避けていたのですがおがさんがすでに参加されていて、活用もされているとなると、申込んでみてもいいのかもしれないと思えたのも今回いただけたコメントでの私の大きな変化の1つと言えるかもしれません。

      今回のコメントも本当にありがとうございました。