JALが運営する国際線ラウンジの中でも、特にサービスが充実しているJALファーストクラスラウンジ。
そこでは、ビジネスクラスラウンジ相当のサクララウンジと比べて、よりコストの要する高品質なサービスが提供されています。
そうした特殊性を反映してか、JALファーストクラスラウンジが用意されているのは、
- 羽田空港
- 成田空港
- フランクフルト空港
のわずか3つの空港のみに限定。
その一方で、サクララウンジについては、
- 羽田空港
- 成田空港
- 関西空港
- 中部空港
- フランクフルト空港
- サンフランシスコ空港
- ホノルル空港
- バンコク空港
- マニラ空港
というように、合計9ヶ所もの空港に用意されていることとは対照的です。
そうしたことからもJALファーストクラスラウンジは、JALにとって本当に重要な拠点空港に限定して用意されている特別なラウンジということがはっきりと感じ取れますね。


目次
JALファーストクラスラウンジの利用条件と営業時間
JALファーストクラスラウンジはその名の通り、JALの国際線ファーストクラス利用者を対象としたラウンジです。
しかし、実際には、他の航空会社との提携関係もあり、
- JAL国際線ファーストクラス利用者
- ワンワールドに加盟する航空会社運航のファーストクラス利用者
- JALと個別に提携しているワンワールド未加盟の航空会社運航のファーストクラス利用者
- 上記利用者の同伴者1名
というように、JAL以外の様々な航空会社のファーストクラス搭乗で利用することができるようになっています。
ちなみに、このファーストクラスの搭乗というのは、100万を超える運賃をお金で支払う有償搭乗だけではなく、マイルで予約する特典航空券でも問題なくJALファーストクラスラウンジの利用の対象になるのは嬉しいポイントですね。
また、JALファーストクラスラウンジの利用が実際にファーストクラスに搭乗する時に限定されるのかと言えば、そういうわけではありません。
なぜなら、毎年一定の有償搭乗の条件をクリアすることで到達できる上級会員ステイタスのうち、ワンワールドエメラルドを保有している利用者もまた、実際にはビジネスクラスやプレミアムエコノミー、エコノミークラスといったファーストクラス以外の搭乗でも、同伴者1名を含め、出発当日の空港では問題なくJALファーストクラスラウンジを利用することが可能になっているから。
つまり、JALファーストクラスラウンジを利用するため方法としては、
- JALファーストクラスに搭乗する
- 利用対象の他社運航ファーストクラスに搭乗する
- ワンワールドエメラルドを保有した状態でワンワールドの航空会社運航便に搭乗する
- 上記JALファーストクラス利用対象者に同伴者として登録してもらう
というように大きく分けて合計4種類が用意されていることがわかりますね。
ちなみに、羽田空港、成田空港、フランクフルト空港という3つの空港に用意されたJALファーストクラスラウンジでは、
- 羽田空港:6:00~翌日2:45
- 成田空港:7:30~22:00
- フランクフルト空港:16:00~20:00(ドイツ現地時間)
というようになっていて、それぞれ空港毎に異なる営業時間の設定になっています。


最も低コストなJALファーストクラスラウンジ利用法
こうして、JALファーストクラスラウンジを利用するために4つの方法が存在しているのですが、この中で最もコストを必要としないのは、JALファーストクラスラウンジ利用対象者に同伴者として一緒に入室することなのは間違いありません。
もちろん、同伴者として一緒にJALファーストクラスラウンジに連れて行ってくれる利用対象者を確保することにある種の難しさはあるものの、高額な運賃やマイルの負担が必要なファーストクラスを予約する必要もなく、数多くの有償搭乗を積み重ねて上級会員ステイタスを保有する必要もないわけですから。
しかも、こうした同伴者としての利用は、ワンワールドに加盟する航空会社運航のファーストクラス利用者やワンワールドエメラルドを保有する利用者と一緒に同伴者としてJALファーストクラスラウンジを利用する場合、同伴者自身は一緒の便を利用しなくてはいけないという制限がないことも忘れてはいけないポイント。
つまり、あくまで同じ日に同じ空港から出発するワンワールド加盟航空会社が運航する便を利用するだけでよく、活用の幅が広いのも嬉しい特長です。
とは言え、ワンワールドに加盟していないJALと個別に提携している他の航空会社運航のファーストクラスに搭乗する利用者の同伴者として利用する場合では、全く同じ便を利用する必要があるなど、より厳しい条件が設定されていることもあるので、念のための利用する航空会社への確認を行うなど、多少警戒する必要があるのが注意点と言えるかもしれません。
また、同伴者としてのJALファーストクラスラウンジの利用の次にお手軽な方法としては、マイルを利用した特典航空券でファーストクラスを予約するという方法が挙げられます。
この場合、無料でJALファーストクラスラウンジを利用できた同伴者とは異なり、ファーストクラス分の必要マイル数の負担こそ必要なものの、利用者自身の都合に合わせて希望する旅程でJALファーストクラスを利用できるのは嬉しいメリットです。
しかも、特典航空券で予約したファーストクラスでJALファーストクラスラウンジの利用を考える場合、往復での利用は必要ではなく、JALファーストクラスラウンジの用意された空港を出発する便のみをファーストクラスで予約するといった必要マイル数を少なく済ませる方法も選択可能。
実際、JALマイルを利用したファーストクラス予約に必要なマイル数は、
ヨーロッパ(ロンドン、パリ、フランクフルト):
- 片道80,000マイル
- 往復160,000マイル
北米(ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ロサンゼルス):
- 片道70,000マイル
- 往復140,000マイル
東南アジア・オセアニア(シドニー、ホノルル、ジャカルタ、バンコク):
- 片道50,000マイル
- 往復100,000マイル
というようになっていて、片道での利用や必要マイル数の少ない路線での利用を前提にすると、それほど法外なマイルを用意する必要があるというわけではなく、現実的に貯めることが可能なマイルと感じる方も多いはずです。


羽田空港と成田空港の限定サービス、鮨 鶴亭による握り寿司サービス
こうしてビジネスクラスラウンジ相当のサクララウンジよりも格段に厳しい条件が設けられているJALファーストクラスラウンジですが、JALが拠点とする羽田空港と成田空港のJALファーストクラスでは、日本の航空会社らしいサービスがいくつも提供されています。
その中でも特に注目したいのが、「鮨 鶴亭」という握り寿司サービス。
この「鮨 鶴亭」には、専用の白木のカウンターが用意され、そこで寿司職人の方が握りたての寿司を提供してくれるというもの。
やはり専門の職人の方が注文を受けてから握ってくださる、握りたての寿司は美味しく、羽田空港や成田空港を出発する時にJALファーストクラスラウンジを訪れるのが楽しみという方も多いはずです。
また、「鮨 鶴亭」だけではなく、その周辺のエリアも落ち着いたインテリアで統一され、ゆったりと出発までの時間を握りたての寿司をつまみながら過ごせるというのもお気に入りポイント。
さらに、寿司と合わせたい厳選された日本酒などのアルコールのラインナップも、すぐ近くに用意されているのも嬉しい工夫ですね。
もちろん、日本酒以外にも、ローランペリエを筆頭としたシャンパンを含むワインなども同じ様に快適に利用できる形で完備されています。
ちなみに、この「鮨 鶴亭」は、今現在でこそ、羽田空港と成田空港の両方のJALファーストクラスラウンジでサービスが提供されていますが、2019年3月31日までは、成田空港限定の「寿司バー」(Sushi BAR)サービスとして営業が行われていました。
当時は、本館3階のJALファーストクラスラウンジでかつてバーテンダーの方が常駐していたバーカウンターを一部改造した上で、握り寿司を提供するためのカウンターとして利用する形だったのですが、2019年4月1日の成田空港4階JALファーストクラスラウンジリニューアル完了に合わせて、2019年3月31日で「寿司バー」の営業を終了。
その翌日の2019年4月1日からは「鮨 鶴亭」としての営業が開始されたという経緯があります。
「鮨 鶴亭」が成田空港で営業を開始する前の「寿司バー」は、元々バーテンダーによるバーサービス用のカウンター設備をなんとか握り寿司用に改装した関係上、随所に内装上の無理や使いにくさのようなものが感じられる作りになっていて、寿司職人の方々にとっては大変な部分も多かったと思います。
そうした状況が大きく改善されたのが「鮨 鶴亭」の営業開始という意味で、寿司職人の方々にとっても大きな変化だったのは間違いありません。
一方で、かつての羽田空港のJALファーストクラスでは、「寿司バー」による握り寿司サービスの提供はなく、ガレットやパンケーキ、ステーキ、ハンバーガーなど様々な鉄板焼料理が提供される「鉄板ダイニング」のサービスが2019年10月28日のリニューアル工事開始前まで用意されていました。
そのため、同じファーストクラスラウンジでも、握り寿司の成田空港とは全く異なる種類のサービスが羽田空港では提供され、空港ごとのはっきりと特色の違いが感じられたのも事実。
そうした状況が変化したのが、2020年3月31日の羽田空港JALファーストクラスラウンジのリニューアルオープンです。
このリニューアルのための工事が完了した新しい羽田空港JALファーストクラスラウンジでは握り寿司サービスとしての「鮨 鶴亭」の営業が開始され、成田空港と同様のサービスが楽しめるようになりました。
個人的には、成田空港でも利用されている「鮨 鶴亭」ではなく、羽田空港独自の新たな名前で営業を開始しても面白いのにと思う部分はあるものの、羽田空港と成田空港での空港間サービスの統一という意味では、正しい選択なのかもしれません。


鮨 鶴亭での握り寿司サービスが利用可能な営業時間
このように握りたての寿司を楽しめる「鮨 鶴亭」ですが、利用する上で注意しなくてはいけないことの1つが、営業時間の存在です。
なぜなら、JALファーストクラスラウンジは、
- 羽田空港:6:00~翌日2:45
- 成田空港:7:30~22:00
というように、JALがそれぞれの空港で運航する便の出発時間をしっかりカバーする形で営業時間が設定されているのですが、「鮨 鶴亭」の営業時間は、
- 羽田空港:7:00~12:00、14:30~23:30
- 成田空港:7:30~12:30、15:00~20:00
というようになっていて、「ラウンジの営業時間」=「鶴亭の営業時間」という形にはなっていないから。
つまり、JALファーストクラスラウンジを訪れるタイミングと、利用する便の出発時間によっては、せっかくの「鮨 鶴亭」での握り寿司サービスを楽しめない可能性もあるということです。
こうした営業時間によるサービスを受けられないリスクは、JALファーストクラスラウンジ利用者は無料で利用可能な、JOHN LOBB(ジョン・ロブ)による無料の靴磨きサービス(シューシャインサービス)も同様。
実際、それぞれの空港での靴磨きサービスの営業時間は、
- 羽田空港:7:00~11:30(最終受付 11:15)、14:30~23:30(最終受付 23:15)
- 成田空港:7:30~12:30(最終受付 12:15)、15:00~20:00(最終受付 19:45)
というようになっていますから、ラウンジが営業していても、常に靴磨きのサービスを提供してもらえるわけではないことに注意が必要ですね。
鮨 鶴亭での握り寿司サービスの利用方法
こうして利用することになる「鮨 鶴亭」ですが、JALファーストクラスラウンジ利用者であれば、提供されるすべてのサービスが無料で利用できる一方、初めて利用する場合など、少し戸惑う可能性もあるため、あらかじめ利用方法を確認しておくのもおすすめです。
まず、鶴亭を訪れたなら、最初にカウンター右側にある液晶モニターの近くに用意されたトレーに
- 小皿
- 割り箸
- おしぼり
を取り、小皿には適量の醤油を入れることになります。
とは言え、多くの場合、そのエリアにはラウンジスタッフの方が待機していますから、上の写真のように必要なものがすべてセットされた状態になっているのはもちろん、醤油も好みの分量だけ小皿に入れてくれますから、かなりお手軽。
トレーに必要なものを用意した後は、カウンターを左方向に職人さんの前まで進み、握り寿司の注文を行うことになります。
ここで注意したいのは、一部の例外を除き、注文できる寿司ネタの種類は3種に限定されていること。
つまり、一般的な寿司店で注文可能な多種多様な寿司ネタから好きなものを選べるわけではなく、その3種類からのみ選択する必要があるということです。
個人的には、定番の呼ばれるような寿司ネタは可能な限り網羅した状態で、好きな組み合わせで注文できるようになってほしいと思うのですが、空港にあるラウンジ内での営業という特殊な環境での在庫調整やコスト管理を考えると仕方のないことなのかもしれませんね。
ちなみに、その日に注文できる3種類のネタは、トレーなどを受け取る場所の近くの液晶モニターに表示されているため、特に戸惑うことなく確認できるようになっています。
また、毎週木曜日から翌週の水曜日までの7日間を1つのまとまりとして、週替りでメニューが変更されるのも、ラウンジを訪れるタイミング毎に目新しさを感じながら利用できるための工夫としては嬉しいですね。
実際に注文方法を行う際のルールや制限としては、
- 1回の注文では大人1人につき1皿3貫まで
- おかわりは回数の制限もなく自由に可能
- 同行者がいる場合などは常識的な人数分まで2皿以上の注文も可能
- 3貫以内で好きなネタを増やしたり、苦手なネタを減らしたりした状態での注文も可能
- 3貫全て1種類のネタのみにしたり、1種類1貫だけの注文をしたりも可能
- わさびの増減やわさび抜き、ご飯(シャリ)の増減などのアレンジ依頼も可能
といった内容になっているため、注文時に慌てずに済むという意味で、あらかじめこうした形でサービス行われていることを覚えておくのがおすすめ。
そのため、具体的な注文としては、
- 「(全部のネタ1種類ずつの)セットをお願いします」
- 「中トロを2貫、ヤリイカ1貫でお願いします」
- 「わさび少なめでお願いします」
- 「ご飯少なめでお願いします」
というような形でお好みの1皿を握ってもらうということですね。
そうして注文を終えた後は、寿司職人の方から握りたての寿司が並んで盛り付けられたお皿を受け取り、ラウンジ内の好きな席で楽しめるようになっています。
鮨 鶴亭での握り寿司サービスで提供される寿司ネタ
こうして、1日に注文可能な寿司ネタが3種類に制限されている「鮨 鶴亭」の握り寿司サービスですが、
- 1種類目:その日のメインとなる寿司ネタ
- 2種類目:その日のサブとなる寿司ネタ
- 3種類目:玉子や太巻きなど握り寿司以外のネタ
の3種類に分類され、実際に提供されるネタの種類としては、
1種類目:
- マグロ中トロ
- マグロ天身
- 天然ヒラメ
- 真鯛
2種類目:
- ヤリイカ
- 赤海老
- 北海蛸
- 煮穴子
- サーモン
- 銀鮭
- キス昆布締め
- サヨリ
- ホッケ昆布締め
- カンパチ
- マグロ赤身
3種類目:
- 玉子
- 太巻き
といった形でラインナップされ、なかなかに多種多様。
また、これらの週替りの寿司ネタ以外にも、野菜を中心とした食事を好んでいるベジタリアンの方向けの「ベジタブルロール」という特別メニューも用意されています。
このベジタリアンロールの内容としては、
- きゅうり
- 大葉
- レタス
- コーン
- パプリカ
などのフレッシュなカットされた野菜が手巻き寿司のような形でまとめられた状態で提供されるというもの。
ロールという名前ですが、海外で見られる現地に馴染んだ寿司のようにソースなどが特段追加されているというわけではありませんから、利用者の好みに合わせてわさび醤油などで楽しむことになるのは、通常の握り寿司と同様です。
鮨 鶴亭で最も人気の寿司ネタ、中トロの提供割合
こうして様々な寿司ネタが週替りで提供される「鮨 鶴亭」で最も人気の寿司ネタと言えば、それは間違いなく中トロ。
舌の上に置くだけで体温でとろけるように消えていくマグロの脂の持つ独特の甘みと旨味はなかなか魅力的で人気も高く、寿司職人の方からも中トロの日の注文は特に多いと聞くほどです。
もちろん、中トロ以外のメニューとして用意されることの多いマグロ天身も、マグロの赤身では特に高品質な部分で、赤身らしさを感じる十分な旨味ともっちりとした心地よい食感が楽しめるのが魅力の美味しい寿司ネタですが、個人的には中トロの方が嬉しいと感じてしまうのも正直な部分です。
そうなると気になるのは、「鮨 鶴亭」で中トロはどの程度の割合で提供されているのかということです。
そこで、私の手元に残る写真やメモなどの記録に、JALホームページで確認可能な「鮨 鶴亭」のメニューを加え、2019年12月31日(火)~2020年4月8日(水)までの100日間の寿司ネタをまとめてみたのが以下の結果です。
(2019年12月31日(火)~2020年4月8日(水)までの100日間を対象としたのは2020年4月以降、「鮨 鶴亭」の寿司ネタ含め、JALホームページ上でのファーストクラスラウンジで提供される料理のメニューが公表されていないため、最新の状況をたどることに難しい状況にあることが最大の理由)
12月31日(火)~1月1日(水)
- マグロ天身
- サヨリ
- 玉子
1月2日(木)~1月8日(水)
- マグロ中トロ
- ホッケ昆布締め
- 玉子
1月9日(木)~1月15日(水)
- マグロ天身
- ヤリイカ
- 玉子
1月16日(木)~1月22日(水)
- 天然ヒラメ
- サヨリ
- 太巻き
1月23日(木)~1月29日(水)
- マグロ天身
- カンパチ
- 玉子
1月30日(木)~2月5日(水)
- 天然ヒラメ
- 赤海老
- 太巻き
2月6日(木)~2月12日(水)
- マグロ天身
- カンパチ
- 玉子
2月13日(木)~2月19日(水)
- マグロ中トロ
- ホッケ昆布締め
- 玉子
2月20日(木)~2月26日(水)
- マグロ天身
- サヨリ
- 玉子
2月27日(木)~3月4日(水)
- 天然ヒラメ
- 赤海老
- 玉子
3月5日(木)~3月11日(水)
- メバチマグロ天身
- ヤリイカ
- 玉子
3月12日(木)~3月18日(水)
- 天然ヒラメ
- 北海蛸
- 太巻き
3月19日(木)~3月25日(水)
- メバチマグロ天身
- 赤海老
- 玉子
3月26日(木)~4月1日(水)
- マグロ中トロ
- 赤海老
- 玉子
4月2日(木)~4月8日(水)
- 真鯛
- マグロ赤身
- 玉子
この結果を前述の、
- 1種類目:その日のメインとなる寿司ネタ
- 2種類目:その日のサブとなる寿司ネタ
- 3種類目:玉子や太巻きなど握り寿司以外のネタ
というように分類し、100日間のそれぞれの提供回数の多い順番でまとめてみると、
1種類目
- マグロ天身:44回(44%)
- 天然ヒラメ:28回(28%)
- 中トロ:21回(21%)
- 真鯛:7回(7%)
2種類目
- 赤海老:28回(28%)
- サヨリ:16回(16%)
- ヤリイカ:14回(14%)
- ホッケ昆布締め:14回(14%)
- カンパチ:14回(14%)
- 北海蛸:7回(7%)
- マグロ赤身:7回(7%)
3種類目
- 玉子:79回(79%)
- 太巻き:21回(21%)
という数字が得られます。
つまり、中トロが提供されたのは100回に21回ということで、確率としては21%。
こうした数字からは、中トロの提供回に遭遇する可能性は、他の寿司ネタに比べてもあまり高いわけではないということが分かりますね。
また、1月毎の提供回数としては、1ヶ月に約1回強(約1週分)という割合になる以上、JALファーストクラスラウンジの「鮨 鶴亭」利用で、安定して中トロを楽しむことの難易度は高いという印象を感じます。
こうして、中トロが提供されているタイミングでちょうどよく「鮨 鶴亭」を利用することは意外に難しいということが分かったのですが、同時に気になることと言えば、前年の2019年と比べて中トロの提供回数は変化しているのかということです。
そこで、上記の2020年と比較するために、2019年での同じ時期12月30日(日)~4月8日(月)の100日間の寿司ネタをまとめてみたのが以下の結果。
(スタートの日付が2020年と2019年で異なるのは、2020年はうるう年で2月が29日まであったため)
12月30日(日)~1月2日(水)
- マグロ中トロ
- ヤリイカ
- 玉子
1月3日(木)~1月9日(水)
- 天然ヒラメ
- 赤海老
- 太巻き
1月10日(木)~1月16日(水)
- マグロ天身
- 北海蛸
- 玉子
1月17日(木)~1月23日(水)
- マグロ中トロ
- ヤリイカ
- 玉子
1月24日(木)~1月30日(水)
- マグロ天身
- 煮穴子
- 玉子
1月31日(木)~2月6日(水)
- 天然ヒラメ
- サーモン
- 太巻き
2月7日(木)~2月13日(水)
- マグロ天身
- キス昆布締め
- 玉子
2月14日(木)~2月20日(水)
- マグロ中トロ
- 北海蛸
- 玉子
2月21日(木)~2月27日(水)
- 天然ヒラメ
- サーモン
- 太巻き
2月28日(木)~3月6日(水)
- マグロ天身
- 赤海老
- 玉子
3月7日(木)~3月13日(水)
- マグロ中トロ
- ヤリイカ
- 玉子
3月14日(木)~3月20日(水)
- 天然ヒラメ
- 銀鮭
- 玉子
3月21日(木)~3月27日(水)
- マグロ天身
- 煮穴子
- 玉子
3月28日(木)~4月3日(水)
- マグロ中トロ
- キス昆布締め
- 玉子
4月4日(木)~4月8日(月)5日間
- 天然ヒラメ
- 赤海老
- 太巻き
こうして得られた2019年版の結果も、2020年版同様に100日間のそれぞれの提供回数の多い順番でまとめてみると、
1種類目
- マグロ天身:35回(35%)
- 天然ヒラメ:33回(33%)
- マグロ中トロ:32回(32%)
2種類目
- 赤海老:19回(19%)
- ヤリイカ:18回(18%)
- 北海蛸:14回(14%)
- 煮穴子:14回(14%)
- サーモン:14回(14%)
- キス昆布締め:14回(14%)
- 銀鮭:7回(7%)
3種類目
- 玉子:74回(74%)
- 太巻き:26回(26%)
といった形になります。
つまり、中トロの提供頻度について注目すると、
- 2019年:32%
- 2020年:21%
というように、なかなかはっきりと激減していることが分かりますね。
鮨 鶴亭での少し特別な寿司ネタの魅力
このように様々な寿司ネタのラインナップが提供される「鮨 鶴亭」ですが、実際に利用してみると、同じようなタイミングで注文したにも関わらず、握り寿司としての仕上がりに違いが生じることを不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。
これは、一部例外を除いて多くの寿司ネタはJALファーストクラスラウンジにある「鮨 鶴亭」内のカウンターで、柵の状態で納入された素材から切り出し、その場で寿司ネタとして仕上げるようになっているから。
そのため、同じ寿司ネタでも、柵として切り出す前の部位としての性質はもちろん、寿司ネタにする際の切り出し位置によっても、見た目や味わい、食感などははっきりと異なるようになります。
実際、上の写真では光の加減ではっきりとは分かりにくいのですが、左から順番に、
- トロの強い部分
- トロの強い部分から赤身が強い部分に少し近づいた部分
- 赤身部分
というように、同じ中トロが提供される時に楽しめる寿司ネタでも、部分毎の違いを感じられるように握っていただけた1皿なのですが、口にすると想像以上にはっきりとした違いが感じられるようになっているのは面白いですね。
また、柵から切り出して寿司ネタを用意する以上、常にきれいな仕上がりの寿司ネタが取れることばかりではないことも意外に重要なポイントです。
なぜなら、担当の寿司職人の方によっては、見栄えが悪く、通常の仕上がりとしては多少問題があるものの、美味しい部位や部分の寿司ネタがある時限定で、「(少し見てくれは悪いですが)ちょっと美味しいとこ、握りましょうか?」と提案してくださることもあるから。
そうした場合、寿司ネタの形やサイズこそ不揃いで、知らずに出されると少し驚いてしまいそうな仕上がりのこともあるのですが、食事を楽しむ上で最も肝心な旨味や風味、食感などは満足度が高くなる傾向があるため、寿司職人の方から思いもしない提案を受けた時には、仮に驚いたとしてもそのまま素直に受け入れてしまうのが本当におすすめです。
ちなみに、こうした傾向はマグロ独自の脂肪分の割合や入り方が見た目からも分かりやすい中トロが最もはっきりと実感できるものですが、それ以外の1種類目の寿司ネタとなる、
- マグロ天身
- 天然ヒラメ
- 真鯛
などでもしっかり楽しめる仕上がりになっていますから、中トロ以外の寿司ネタの時でも油断せずに楽しみたいサービスの1つと言えるかもしれません。
また、少し特別な寿司ネタとして忘れてはいけないのが、寿司ネタ切り替え直後のみ楽しめる4種類目の寿司ネタの存在もその1つ。
というのも、通常は3種類の寿司ネタが用意されている「鮨 鶴亭」でも、毎週木曜日の寿司ネタが新たに切り替わるタイミングでは、前日まで提供されていた前週分の寿司ネタが残っていて、その寿司ネタを特別に在庫がなくなるまで4種類目の寿司ネタとして提供してくれることがあるから。
実際、上の写真は、
- 訪れる前の週:マグロ天身、ヤリイカ、玉子
- 実際に訪れた週:天然ヒラメ、北海蛸、太巻き
という寿司ネタの組み合わせが提供されていた時の、寿司ネタ切り替え初日に提供されていた1皿なのですが、左から、
- 天然ヒラメ
- 北海蛸
- マグロ天身
という組み合わせになっていて、玉子や太巻きが加わっていないにも関わらず、3種類のセットが作り出されていることが分かります。
ちなみに、こうした先週の寿司ネタの残りとなる特別な寿司ネタは、数量が限られている関係で、切り替え直後の日の午前中など、本当に短い限られた時間内で在庫がなくなることも多く、切り替え直後の日の利用なら常に楽しめる種類の寿司ネタというわけではないのは要注意です。
また、数量が限られている関係で、特別な寿司ネタは1皿に付き1貫までというような制限が設けられることもあるため、もう少し追加で食べたい時は、おかわりするなどして新たな1皿上の1貫として味わう必要があるということですね。
鮨 鶴亭で活用したいアレンジ
こうした寿司ネタが大きな理由となる仕上がりの違いの他にも、寿司職人の方に注文を行う際に、ちょっとしたアレンジをお願いすることで、より一層「鮨 鶴亭」での握り寿司を楽しむチャンスを広げられるかもしれません。
そうしたアレンジとしては、
- わさびの増減やわさび抜き
- ご飯(シャリ)の増減
- タレの増量やタレ抜き
- 握り方の一部変更希望
など、一般的なものはもちろん、少し特殊なものまで本当に様々。
わさびやご飯(シャリ)の分量の増減については、特に問題は無いと思うのですが、少し気になる方がいらっしゃるとすれば、
- タレの増量やタレ抜き
- 握り方の変更
の2つのアレンジかもしれません。
まず、タレの増減やタレ抜きというのは、寿司ネタの煮穴子用に用意された専用のタレを、利用者の好みに応じて増やしたり、減らしたりはもちろん、場合によっては上の写真のように完全にタレを付けない状態で提供してもらうことを意味します。
個人的には、煮穴子に用意されるタレの甘みが苦手で、それよりも醤油だけで味わいたい時もあるため、注文時にこうしたアレンジを寿司職人の方に伝えることがあります。
さらに、煮穴子以外にも、ヤリイカなどは、甘みを中心とした美味しさたっぷりのため、あえて醤油ではなく、ラウンジ内に用意されている塩をぱらりとかけて、そのまま塩だけで食べるというのも、個人的にはとても気に入っているアレンジの1つになっています。
また、もう1つのアレンジの握り方の変更についても、それほど大げさなものではありません。
というのも、赤海老などしっぽが残され、食べる時に取り除かなくてはいけない寿司ネタを注文する時には、しっぽもあらかじめ取り除いて欲しいとリクエストすることで、上の写真のようにしっぽがない状態の赤海老の握り寿司を用意してもらえるから。
元々こうしたアレンジは、寿司に不慣れな外国人の方向けのサービスとして行われていたようなのですが、実際には日本人でも問題なく利用可能な形のサービスとして提供されています。
実際、1枚の皿で注文可能な3貫全てを赤海老で注文する際などは、あらかじめしっぽなしの赤海老を希望しておくと、上の写真のように丁寧にしっぽが取り除かれた握り寿司が用意され、手軽にパクパクとつまめるのも嬉しいポイントです。
また、他のアレンジのように、基本的にいつでも楽しめる種類のアレンジではないものの、「鮨 鶴亭」が混雑しておらず、寿司職人の方々に余裕がある時など限定で、同じ寿司ネタでも、
- 個体差による品質の違い
- 部位の違い
- 包丁の入れ方の違い
などを楽しめる形での一手間を加えた1皿を用意してもらえるというアレンジによる1皿も気に入っています。
上の写真のように、同じ北海蛸でも、見た目はもちろん、味わいや食感さえも大きく異なり、自分の好みの確認や寿司ネタの新たな一面に触れる機会にもなりますから、幸運にもそうしたチャンスに恵まれた時は、無駄にせず楽しんでみるのは本当におすすめです。


かつての羽田空港・鉄板焼と成田空港・握り寿司の両立時代の楽しみ
こうして2020年3月31日以降は羽田空港と成田空港のJALファーストクラスラウンジは両方とも、「鮨 鶴亭」による握り寿司サービスが提供されているのですが、羽田空港のリニューアル工事が開始される前日の2019年10月28日までは、
- 羽田空港:鉄板焼料理提供の「鉄板ダイニング」
- 成田空港:握り寿司提供の「寿司バー」
というように、同じファーストクラスラウンジでも、2つの全く異なるサービスがそれぞれの空港で提供されていました。
この時に「鉄板ダイニング」で提供されていた鉄板焼きは、月ごとに1ヶ月単位でメニューが更新されるサービスだったのですが、それぞれの料理はなかなか工夫が見られるのはもちろん、美味しく楽しめる仕上がりになっていたため、我が家でもお気に入りでした。
実際に提供されたメニューを見てみると、
JALオリジナルライ麦ガレット
JAL特製パンケーキ(キャラメルアイス添え、ミックスベリーソース添え、マンゴーソース添え)
上ミスジ カットステーキ
JAL特製ハンバーグ マデラ&トリュフソース
真鯛のポワレ トマトソース
スズキのポワレ ケッカソース
土佐はちきん地鶏のグリル 田野屋塩二郎氏の太陽結晶塩を添えて
JAL特製鉄板ビーフバーガー
というように、「鮨 鶴亭」の寿司ネタに勝るとも劣らない多彩なメニューが提供されていたことが分かります。
また、「鮨 鶴亭」と同じ様に、「鉄板ダイニング」でも、ちょっとしたアレンジを受け付けてもらえたため、利用者の好みに近づけた形での鉄板焼を楽しめたのも嬉しいポイントの1つでした。
そのアレンジの具体例としては、
付け合せとして用意されていた野菜やポテトを無し
付け合せに加えて、もともと用意されたソースも無しにして、塩や醤油などだけで味わう
元々複数用意された調味料やソースのうち、気に入ったものだけを用意してもらう
ソースだけを別の皿に分けて用意してもらう
など、本当に様々なアレンジを受け付けてもらえたことが分かります。
個人的には、こだわりを感じる鉄板焼メニューが展開されていたため、成田空港の握り寿司とは異なる種類の魅力を羽田空港の鉄板焼に感じていたのも事実です。
そのため、個人的には、リニューアルを経て最新となっているJALファーストクラスラウンジでは、
- 「鮨 鶴亭」の握り寿司
- 「鉄板ダイニング」の鉄板焼
の両方が楽しめたなら文句なしなのに・・・と思ってしまいます。
もちろん、現在の羽田空港と成田空港のJALファーストクラスラウンジには、利用者からの注文を受けてから作りたての料理を提供する「JAL’s Table」が用意されているのですが、内容としてはかつての「鉄板ダイニング」のメニューほど特別感や品質の高さを感じるものばかりが提供されているわけではありません。
そのため、「JAL’s Table」が完全な「鉄板ダイニング」の後継サービスとは言えないことも残念に感じているポイントの1つになっています。


まとめ
JALが運営する国際線ラウンジの最高峰として用意しているだけあって、利用条件の厳しさも、ラウンジ内で提供されるサービスの内容も、ビジネスクラスラウンジ相当のサクララウンジとは大きく異る形で用意されているJALファーストクラスラウンジ。
そうしたJALファーストクラスの中でも、JALが本拠地としている羽田空港と成田空港の両方の空港のJALファーストクラスラウンジでは、
- 羽田空港:2020年3月31日以降
- 成田空港2019年4月1日以降
のスケジュールで握り寿司サービスを提供する「鮨 鶴亭」の営業が開始され、出発前の時間を美味しく楽しく過ごすための大きな助けになってくれるようになったのは間違いありません。
もちろん、羽田空港のJALファーストクラスラウンジでは、「鮨 鶴亭」の営業開始に伴い、名物だった「鉄板ダイニング」の営業が終了するなど、多少の注意点やデメリットこそ存在するものの、全体としてはサービスの改善と考えて問題ないはずです。
また、「鮨 鶴亭」では、ちょっとしたアレンジなどの特別なサービスも用意され、可能な限り利用者の好みに寄り添うことを試みる姿勢からは、手間とコストを惜しまないファーストクラスラウンジらしさを感じるサービスを形作る要素の1つをはっきりと感じ取れるのも面白いですね。
そうした最新のJALファーストクラスラウンジに用意された「鮨 鶴亭」だからこそ、利用する機会に恵まれた時には、そこでしか楽しめないサービスをのんびり楽しんでみるのもなかなかおすすめだと思いますよ。
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