期せずして2020年の全世界を席巻することになってしまった新型コロナウイルス(COVID-19)。
その影響を感染拡大の初期から真っ先に受けるのはもちろん、収束に至るまでの長きに渡って大きな損害を受け続けることになってしまった航空会社では、それぞれの会社ごとに異なる対応を見せることになりました。
実際、すでに予約・発券の手続きが完了している予約のキャンセルとそれに伴う払い戻しについても、
- キャンセル可能料金での予約もキャンセル不可料金での予約も手数料無料での全額返金
- キャンセル不可料金は有効期限や返金不可の条件が付与されたバウチャー(旅行券)などの形での払い戻し
- 航空会社自体が破綻したため払い戻し自体を制限
というように様々。
ちなみに、日本在住の方が多く利用されるJALやANAは、
- キャンセル可能料金での予約もキャンセル不可料金での予約も手数料無料での全額返金
という形でのキャンセルに伴う返金が行われ、世界的に見ても払い戻しのハードルがとても低く設定されていますから、経営的には甘いと批判されるリスクもある一方、利用者にとっては安心で嬉しい航空会社と言えそうですね。
実際、日本からの海外旅行への出発が大きく制限され、以前のような自由な渡航の再開の目処がたたない現状では、海外の航空会社のようにバウチャーの形で払い戻しが行われても、そのバウチャーの残高が積み上がっていくのみで、旅行以外の用途にも自由に利用できる現金は手元から減った状態のまま。
しかも、そうした状態で航空会社の破綻発生してしまった場合、すでに提供されたバウチャーが無効になったり、価値が減少してしまったりするリスクが発生するなど、心配の原因が完全に解消できるわけではないのも残念なポイントです。
目次
2020年夏のエールフランスの有償航空券の購入とキャンセルの決定
普段はJALをメインの航空会社を利用している我が家ですが、それ以外の航空会社を全く利用しないというわけではありません。
というのも、海外の目的地を目指す場合、JALが直接運航を行っているのは世界の主要都市に限られるため、それ以外の都市には、JAL以外の航空会社の利用が必要になってしまうから。
実際、2020年夏に予定していたヨーロッパ周遊旅行では、家族複数人でのクロアチアのドブロブニクからフランスのパリに移動する旅程を組み込んでいたのですが、このドブロブニク-パリの区間はJALはもちろん、ヨーロッパの航空会社でワンワールドに所属するブリティッシュエアウェイズやイベリア航空でもカバーできない区間という事情もあり、スカイチームに加盟するエールフランスの有償航空券を利用することに決定。
エールフランスが直接運営するクロアチア向けのエールフランス公式ホームページから、キャンセルと予約変更が不可という条件のエコノミークラス・ライトを購入しました。
そうして2020年夏のヨーロッパ周遊でのドブロブニク滞在も楽しみにしていたのですが、2020年3月には日本からクロアチアやフランスも含めたヨーロッパへの渡航が現実的ではない情勢に。
情報収集しながらも色々と悩み、あれこれ考えたものの4月中旬のゴールデンウィークを前にした時期には、2020年のヨーロッパ周遊旅行は無理だと断念し、あとはどのタイミングですでに予約済みの航空券をキャンセルするのか決めるのみという状況になりました。
エールフランスのキャンセル不可有償航空券をすぐにキャンセルしなかった理由
キャンセルを決断した場合、エールフランスでの手続きが必要になるのですが、悩むことになるのは、前述の通り、どのタイミングで実際のキャンセルを行うかということです。
というのも、新型コロナウイルスの感染拡大に対する航空会社側の特別対応は、内容の充実度や利用者側から見た利便性に違いはあっても、そうした特別な対応の対象となる期間自体は順次延長され、拡大するという方向性があるから。
つまり、2020年3月の日本からヨーロッパへの渡航が難しくなった時点では、数ヶ月先の予約に対する特別な対応は提供されていないため、通常の利用者都合によるキャンセルとして扱われ、特に、今回の場合、エールフランスで購入したドブロブニク-パリ間の有償航空券は、キャンセルも予約変更も不可な代わりにリーズナブルな料金が魅力のエコノミークラス・ライトですから、特別対応の対象になっていない状況でキャンセルを行っても、わずかな空港税や燃油サーチャージの相当額が返金されるのみ。
その結果、少なくとも2020年夏のために予約した航空券が特別対応の対象になるまで、しばし待ってみるのが得策という判断に至りました。
その後、5月のゴールデンウィークを過ぎた頃にはすでに予約済みの航空券も無事に特別対応の対象となったのですが、すぐにキャンセルとそれに伴う払い戻しの手続きが可能だったのかというとそうではありません。
なぜなら、同じキャンセル不可の航空券でも、
- 運航が予定されている状態のまま特別対応でキャンセルした場合
- 欠航が確定した後に特別対応でキャンセルした場合
の2つに分けられ、それぞれが、
- 運航予定:有効期限ありのバウチャーでの払い戻しになり、現金での返金は不可
- 欠航確定:有効期限ありのバウチャーでの払い戻し後、一年間の未使用期間経過後に現金での返金可能
というように、意外に大きな違いが設けられているから。
ちなみに、運航が行われるのか、それとも欠航するのか、というエールフランス側でのスケジュール上変更やその決定は、元々予約していたフライト出発時間の48時間前までには発表されるというルールがあるため、最も良い条件での払い戻しを受けるためには、出発直前までキャンセルの手続きを行わずに待っているのがおすすめと言えそうですね。
その時に気になる、早めにキャンセルした場合と出発直前にキャンセルした場合の違いですが、直前に手続きを行った場合でもデメリットは設定されていないため、我が家の場合、可能ならという無理をしない条件の下、最大で元々予定されていたの出発時間の48時間前まで待ってみることにしました。
エールフランスのキャンセル不可有償航空券の新型コロナウイルス特別対応ルール
エールフランスの新型コロナウイルスに対する特別対応を確認する場合、
- 航空券の購入時期
- 航空券の購入元
- 航空券の予約変更やキャンセルの無料可能の可否
- 予約変更と払い戻しのどちらを希望するのか
- 予約変更後を経て今後利用を希望する時期
- 欠航発生の有無
などの条件によって、手続きの内容や方法、制限なども異なってくることには注意が必要です。
これらの中でも、
- 航空券の購入時期
- 航空券の購入元
- 航空券の予約変更やキャンセルの無料可能の可否
については、今回の我が家で行った手続きとは大小様々な条件が異なり、
航空券の購入時期:
- 2020年4月22日以降に購入した航空券は手数料なしでの予約変更は可能
- 予約変更先の旅程に差額が発生する場合には差額の調整が必要
- キャンセルには通常通り航空券ごとのルールが適用され、手数料の負担等が必要
航空券の購入元:
- エールフランスから直接購入していない場合には実際に購入した旅行代理店への連絡が必要
- 基本的には、エールフランスから直接購入したのと同じ特別対応が旅行代理店経由で提供されるものの、手続きに必要な時間が増加するリスクもあり
航空券の予約変更やキャンセルの無料可能の可否:
- 予約変更やキャンセルが無料で可能な航空券は特別対応のルールに制限されることなく、元々のルールでの予約変更やキャンセルが可能
という取り扱いが行われることになっていますから、対象となる方は少しだけ注意は必要かもしれません。
その一方で、
- 2020年4月21日以前の予約・発券
- エールフランスから直接購入
- 予約変更とキャンセルが不可
という一般的な条件を満たす航空券については、
元々の搭乗期間が、
- 8月31日まで
- 9月1日以降
予約変更後の旅程が、
- 同じ区間
- 異なる区間
予約変更後の日付が、
- 2020年11月30日まで
- 2020年12月1日以降
希望する特別対応が、
- 予約変更
- (キャンセルに伴う)払い戻し
というように、いくつかの簡単な場合分けを行うことで利用可能な特別対応を確認することができます。
具体的に、それらの条件の有償航空券について、2020年7月17日現在の欠航が決定していない状態での特別対応を見てみると、
「元々の搭乗期間が8月31日までの航空券」+「同じ区間」+「2020年11月30日まで」の「予約変更」を希望:
- 変更手数料や再発券手数料の負担なし
- 元々の航空券と予約変更後の航空券の間での差額調整が不要
- 元々の航空券の最初のフライトの出発時間前までの手続きが必要
「元々の搭乗期間が8月31日までの航空券」+「同じ区間」+「2020年12月1日以降」での「予約変更」を希望:
- 変更手数料や再発券手数料の負担なし
- 元々の航空券と予約変更後の航空券の間での差額調整が必要
- 差額調整でのお釣り分は有効期限1年のバウチャーで払い戻し
- 元々の航空券の最初のフライトの出発時間前までの手続きが必要
「元々の搭乗期間が8月31日までの航空券」+「異なる区間」+「2020年11月30日まで」の「予約変更」を希望:
- 変更手数料や再発券手数料の負担なし
- 元々の航空券と予約変更後の航空券の間での差額調整が必要
- 差額調整でのお釣り分は有効期限1年のバウチャーで払い戻し
- 元々の航空券の最初のフライトの出発時間前までの手続きが必要
「元々の搭乗期間が8月31日までの航空券」+「異なる区間」+「2020年12月1日以降」での「予約変更」を希望:
- 変更手数料や再発券手数料の負担なし
- 元々の航空券と予約変更後の航空券の間での差額調整が必要
- 差額調整でのお釣り分は有効期限1年のバウチャーで払い戻し
- 元々の航空券の最初のフライトの出発時間前までの手続きが必要
「元々の搭乗期間が9月1日以降の航空券」+「同じ区間」+「2020年9月1日以降」での「予約変更」を希望:
- 変更手数料や再発券手数料の負担なし
- 元々の航空券と予約変更後の航空券の間での差額調整が必要
- 差額調整でのお釣り分は有効期限1年のバウチャーで払い戻し
- 元々の航空券の最初のフライトの出発時間前までの手続きが必要
「元々の搭乗期間が9月1日以降の航空券」+「異なる区間」+「2020年9月1日以降」での「予約変更」を希望:
- 変更手数料や再発券手数料の負担なし
- 元々の航空券と予約変更後の航空券の間での差額調整が必要
- 差額調整でのお釣り分は有効期限1年のバウチャーで払い戻し
- 元々の航空券の最初のフライトの出発時間前までの手続きが必要
「元々の搭乗期間が8月31日までの航空券」+「払い戻し」を希望:
- 2021年12月31日までの有効期限で予約・発券手続きに利用できるバウチャーでの払い戻しが可能
- 有効期限内に予約・発券が完了しているなら、実際の搭乗は2021年1月1日以降も可能
- 利用航空会社はエールフランス航空、KLMオランダ航空、デルタ航空・ヴァージンアトランティック航空・ケニア航空の合計5社
- 新たな航空券購入時のお釣り分は同じ有効期限のバウチャーで払い戻し
- 2021年6月15日までの搭乗分の航空券を2020年10月31日までに購入した場合には、バウチャーの額面に最大15%のボーナスを追加した上での利用が可能
- 新たに購入した航空券をキャンセルした時のバウチャーの払い戻しは新たに購入した航空券の払い戻しルールに左右され、払い戻し可の場合は、元々の有効期限と同じバウチャーが払い戻し
- 元々の航空券の最初のフライトの出発時間前までの手続きが必要
「元々の搭乗期間が9月1日以降の航空券」+「払い戻し」を希望:
- 2021年12月31日までの有効期限で予約・発券手続きに利用できるバウチャーでの払い戻しが可能
- 有効期限内に予約・発券が完了しているなら、実際の搭乗は2021年1月1日以降も可能
- 利用航空会社はエールフランス航空、KLMオランダ航空、デルタ航空、ヴァージンアトランティック航空、ケニア航空の合計5社
- 新たな航空券購入時のお釣り分は同じ有効期限のバウチャーで払い戻し
- 2021年6月15日までの搭乗分の航空券を2020年10月31日までに購入した場合には、バウチャーの額面に最大15%のボーナスを追加した上での利用が可能
- 新たに購入した航空券をキャンセルした時のバウチャーの払い戻しは新たに購入した航空券の払い戻しルールに左右され、払い戻し可の場合は、元々の有効期限と同じバウチャーが払い戻し
- 元々の航空券の最初のフライトの出発時間前までの手続きが必要
というような内容になっています。
ちなみに、我が家の場合、「元々の搭乗期間が8月31日までの航空券」+「払い戻し」を希望という条件ですから、
- 2021年12月31日までの有効期限で予約・発券手続きに利用できるバウチャーでの払い戻しが可能
- 有効期限内に予約・発券が完了しているなら、実際の搭乗は2021年1月1日以降も可能
- 利用航空会社はエールフランス航空、KLMオランダ航空、デルタ航空、ヴァージンアトランティック航空、ケニア航空の合計5社
- 新たな航空券購入時のお釣り分は同じ有効期限のバウチャーで払い戻し
- 2021年6月15日までの搭乗分の航空券を2020年10月31日までに購入した場合には、バウチャーの額面に最大15%のボーナスを追加した上での利用が可能
- 新たに購入した航空券をキャンセルした時のバウチャーの払い戻しは、その新規購入した航空券の払い戻しルールに左右され、払い戻し可の場合は、元々の有効期限と同じバウチャーが払い戻し
という条件でのバウチャーによる払い戻しが受けられるということですね。
一方で、欠航の発生が確定した状態では、元々の搭乗期間に関わらず、
「同じ区間」+「2020年11月30日まで」の「予約変更」を希望:
- 変更手数料や再発券手数料の負担なし
- 元々の航空券と予約変更後の航空券の間での差額調整が不要
- 2020年10月31日までの手続きが必要(2020年7月現在)
「同じ区間」+「2020年12月1日以降」での「予約変更」を希望:
- 変更手数料や再発券手数料の負担なし
- 元々の航空券より予約変更後の航空券が高額な時には追加の支払いが必要
- 2020年10月31日までの手続きが必要(2020年7月現在)
「払い戻し」を希望:
- 手続きから1年間の有効期限のバウチャーで払い戻し
- 2021年6月15日までの搭乗分の航空券を2020年10月31日までに購入した場合には、バウチャーの額面に最大15%のボーナスを追加した上での利用が可能
- 新たに購入した航空券をキャンセルした時のバウチャーの払い戻しは、その新規購入した航空券の払い戻しルールに左右され、払い戻し可の場合は、元々の有効期限と同じバウチャーが払い戻し
- 手続きから1年間の有効期限が経過したバウチャーは未使用のバウチャー金額分の返金が可能
- ただし、返金は発券した国での成立している法律や規則の影響を受ける可能性がある
という内容の特別対応が提供。
こうしてみると、最終的な返金が受けられるの欠航が発生した後に払い戻し手続きを希望した場合のみですから、焦らずエールフランスによる運航状況やバウチャーの有効期限内での今後の利用見込みなどを元に考えながら、うまく活用することも検討したい部分ですね。
ちなみに、今回のドブロブニク-パリ間のフライトでは、
- 1時間20分の遅延を伴うスケジュールチェンジの発生
- 運航会社がエールフランス本体から子会社のHOP!(オップ)に切り替え
といった予約時の条件とは異なる変更が行われたものの、エールフランスでは、
- 5時間未満のスケジュールチェンジ
- 運航航空会社の変更
は無料キャンセル等の特別対応の対象ではないため、特段優遇が追加されることはありませんでした。
このあたりは例え1時間以内のスケジュールチェンジでも、地上交通機関への接続が困難になるなどの合理的な理由がある場合、問題なく手数料無料での全額返金による払い戻しが可能なJALとエールフランスとの違いを感じるポイントかもしれません。
英語版ホームページと日本語版ホームページの特別対応の内容の違い
こうした国際線を運航する航空会社が提供する特別対応の内容を確認する時、気をつけたいのはどの国のホームページをどの言語で利用するのかという部分です。
というのも、エールフランスのように国際線を運航し、世界中の利用者を顧客としている航空会社では、
- 渡航している国ごとのホームページの提供
- 渡航している国で一般的に利用されている言語での対応
といったサービスが行われているのですが、
- 本拠地となる国向けに用意されたホームページ
- 本拠地となる国で利用されている言語+英語の2つの言語
では、最新の情報提供が行われている一方、それ以外の国のホームページや言語では、翻訳や確認、現地へのカスタマイズなどの対応を必要とするため、最新の情報への更新に時間を要するケースもあるから。
実際、2020年7月14日にエールフランスの本拠地となるフランス向けに提供されているホームページを英語で表示してみた上の画像では、「パリ現地時間で2020年7月13日午後7時30分更新」となっていることが分かります。
一方で、全く同じタイミングに日本向けのエールフランスのホームページを日本語で表示した上の画像では、「2020年7月6日更新」となっていて、英語で記載されたフランス向けのホームページの更新から1週間も遅れていることが分かるはずです。
つまり、最新の情報を確認する上では、情報の更新が素早く行われる本拠地となる国向けに提供されているホームページの英語版を確認することが重要な選択肢になるのは間違いありません。
ただし、出発地となる予約・発券を行った国によっては、キャンセルに伴う払い戻しで返金が行われる場合など、法律や規則で制限を設けている場合もあり、それらの影響を正確に確認するためには、その出発国向けのホームページの英語などの言語での確認が必要になるのは要注意です。
具体例としては、我が家のようにクロアチアのドブロブニクからフランスのパリへ向かう片道の有償航空券の特別対応をより正確に確認する場合には、出発地のクロアチア向けのホームページの英語版で確認するのが安心ということですね。
実際、欠航の発生が確定した予約の払い戻しに関する説明では、英語版でのみ、日本語版には「ない払い戻しは航空券を購入した国の法律や規則による制限の対象となる」という内容が加えられていますから、お金やそれにまつわる契約の取り扱いに関係する事柄では警戒が必要ですね。
また、後述するように、今回のような新型コロナウイルスに対する特別対応は、日本のエールフランス予約デスクへの電話でも問題なく受け付けてもらえるのはもちろん、細かな内容についての説明も受けられますから、そちらで確認した上で実際の手続きを行うのもおすすめと言えそうです。
エールフランスのキャンセル不可有償航空券の新型コロナウイルス特別対応でのキャンセル手続き
実際にキャンセル不可の条件で予約・発券済みのエールフランス有償航空券を新型コロナウイルスに対する特別対応を利用してキャンセルする場合、
- エールフランスホームページの予約詳細などからのオンライン上の手続き
- エールフランスの予約デスクへの電話での手続き
の2つから1つを選ぶことになります。
この場合、個人的におすすめしたいのはやはり予約デスクへの電話での手続き。
というのも、エールフランスホームページなどのオンライン上で行う手続きの場合、利用者自身がキャンセルや払い戻しの条件をしっかり理解した上で、正確な切り分けが行えることが前提になっている一方、予約デスクへの電話では、担当のオペレーターの方が航空券の条件を確認してくれた上で、払い戻しの条件やバウチャーを利用する上での制限などもしっかり案内してくれるため、安心感は大きく異なるから。
また、オンライン上での手続きを行う場合、航空券の予約・発券手続きを行った国のホームページを通じて手続きを行わない限り、手続きが開始されないというトラブルが発生したこともあるため、今回のように「元々の航空券の最初のフライトの出発時間前まで」や「2020年10月31日まで」のようにしっかりと締切が設定されている手続きの場合、リアルタイムでの対応が行われる電話での手続きの方が無料な心配をする必要がないと感じる方も多いはずです。
そこで、エールフランスの予約デスクへの電話で新型コロナウイルスに対する特別対応としてのキャンセル手続きとそれに伴うバウチャーでの払い戻しを行う場合、
エールフランスコールセンター(エールフランスサービスライン)
- 東京:03-6634-4983
- 大阪:06-6341-2661
というように、2つの予約デスクが用意されています。
このうち、東京の予約デスクは、エールフランスのホームページの様々な場所で目にする機会があるためか、タイミングによっては話し中状態が長時間継続したりするなど、快適な利用が困難なケースも多いのですが、もう1つの大阪の予約デスクの方は、大きな混雑が見られず、安定して接続できるため、特別な事情がない限り、基本的には大阪の予約デスクの方への電話がおすすめです。
予約デスクに電話し、オペレーターに接続された後の手続きとしては、
- 予約番号(6桁の英数字)
- 搭乗者名(複数人一緒の予約の場合は全員分)
を伝えることから始まります。
その後、新型コロナウイルスへの特別対応を利用した予約変更ではなく、払い戻しの方を希望していることを伝えると、担当のオペレーターの方からは、元々がキャンセル不可の有償航空券のため、バウチャーでの払い戻しになることが告げられ、「057」から始まる13桁の数字のバウチャー番号を案内されるはずです。
ちなみに、このバウチャー番号で最初の3桁の「057」は、エールフランスで予約・発券された航空券であることを示し、キャンセルを行った元々の航空券にも最初の3桁に同様の番号が付与されているのですが、バウチャーと元々の航空券では全く異なる13桁が用意されることになり、元々の航空券番号をそのままバウチャー番号として利用できるわけではないのは要注意。
ちなみに、同じヨーロッパを拠点とする航空会社でも、ブリティッシュエアウェイズの場合は新型コロナウイルスに対する特別対応で提供されたバウチャーの番号が「125」から始まる元々の航空券番号と全く同一で、元々予約していた航空券の航空券番号がそのままバウチャー番号として利用できる分かりやすい形が採用されているなど、航空会社ごとに違いを感じるポイントと言えるはずです。
エールフランスのキャンセル不可有償航空券の新型コロナウイルス特別対応で発行されるバウチャーの利用条件
こうして、元々キャンセル不可だったエールフランスの有償航空券を新型コロナウイルスの特別対応でキャンセルした場合に払い戻しされるバウチャーですが、気をつけたいのは実際に利用する上での条件です。
具体的には、前述の通り、
- 2021年12月31日までの有効期限で予約・発券手続きに利用可能
- 有効期限内に予約・発券が完了しているなら、実際の搭乗は2021年1月1日以降も可能
- 利用航空会社はエールフランス航空、KLMオランダ航空、デルタ航空、ヴァージンアトランティック航空、ケニア航空の合計5社
- 新たな航空券購入時のお釣り分は同じ2021年12月31日までの有効期限のバウチャーで払い戻し
- 2021年6月15日までの搭乗分の航空券を2020年10月31日までに購入した場合には、バウチャーの額面に最大15%のボーナスを追加した上での利用が可能
- 新たに購入した航空券をキャンセルした時のバウチャーの払い戻しは新たに購入した航空券の払い戻しルールに左右され、払い戻し可の場合は、元々の有効期限と同じバウチャーが払い戻し
- 元々の航空券の最初のフライトの出発時間前までの手続きが必要
という条件が設けられています。
しかし、バウチャーを利用する場面では、それ以外にも、2020年7月現在、
- エールフランスホームページでは2枚までの複数枚バウチャーの利用も可能
- エールフランスの予約デスクでは3枚以上の複数枚バウチャーの利用も可能
- 第三者分のバウチャーの利用も搭乗者の名前や電話番号、元々の航空券の利用区間などの認証を経た上で利用可能
- バウチャーを利用した予約をエールフランス予約デスクで取り扱う場合、電話発券手数料は免除
といった特別なルールが一部用意されていますから、バウチャーを有効活用する目的はもちろん、万が一のルール変更に備える目的も合わせて、実際に払い戻し手続きを進めるタイミングやバウチャーを利用するタイミングで確認してみるのはおすすめです。
我が家でも、元々名字の異なる家族も含めた複数人での旅行を計画していたということもあって、仮に払い戻しで提供されたバウチャーが元々の予約と同じ名字と名前の利用者しか利用できない場合、全員が2021年12月31日までに、
- エールフランス
- KLMオランダ航空
- デルタ航空
- ヴァージンアトランティック航空
- ケニア航空
など航空会社での予約・発券が可能とは限らない以上、バウチャーを使い切ることができず、かなりの部分を無駄にしてしまうリスクを心配していました。
しかし、簡単な認証手続きを経ることで、名字と名前が異なる家族も含めた第三者分のバウチャーも自分の分のバウチャーと一緒に利用できることが予約デスクの担当オペレーターの方から案内されたため、安心して払い戻し手続きを進めることができたのは嬉しいポイントの1つです。
実際、我が家の場合、バウチャーの有効期限となる2021年12月31日までには、デルタ航空を利用した北米旅行で少し高額な有償航空券を購入する可能性が高く、その旅行に参加しない家族の分のバウチャーも含め、問題なくすべて一緒に全額を使い切ることができるはずですから。
まとめ
それぞれの航空会社が様々な形での新型コロナウイルスに対する特別対応を提供している中、エールフランスでは、
- 元々の航空券の予約変更やキャンセルの条件
- 購入日と元々の搭乗予定日
- 予約変更希望日
- 欠航の有無
などによって、細やかに特別対応に差を設けることで、経営への影響を軽減しようという努力がはっきりと感じられます。
特に、JALやANAの払い戻しのように、一律でスムーズな返金は行わず、エールフランスの払い戻しでは、バウチャーの発行が基本となっていて、欠航などの発生により返金が行われる場合でも、バウチャーの発行から1年間が経過した後というとても慎重な対応には、徹底した会社内部からの現金の流出の阻止という意思がはっきりと読み取れます。
そうした方針は、新型コロナウイルスの特別対応が提供されている現在でも、
- 無料でのキャンセルと払い戻しが可能なフレックス運賃(普通運賃)ではバウチャーを経ない返金による払い戻しが通常通り可能なこと
- 無料でのキャンセルと払い戻しができないリーズナブルな運賃でも、燃油サーチャージや空港税のみの返金で構わない場合には、バウチャーを経ない通常通りの返金が可能なこと
などが巧妙と感じるほどに隠され、すべての予約はバウチャーを介した払い戻ししか受け付けてもらえないという勘違いを発生させかねない案内方法にも表れていると感じています。
とはいえ、実際に提供されるバウチャーの使い勝手は、第三者分の利用についても認められているなど、想像以上に良好で我が家でも全体としての対応には満足しているのも正直な部分。
あとは、今後、少なくともバウチャーで予約・発券した航空券の利用が完了するまでの間、バウチャーの発行元となるエールフランスに経営的な危機や問題が発生することがなく、無事に時間とともに新型コロナウイルスの感染拡大が過ぎ去ってくれることを祈るのみですね。
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