JGCやJMBダイヤモンドなどのJAL上級会員資格を活用して通常有料のブリティッシュエアウェイズ事前座席指定料金を無料にする方法

格安な運賃を強力な武器として勢力を拡大し続ける格安航空会社(LCC)。

そうしたLCCとの厳しい競争を迫られている海外では、フルサービスキャリアと呼ばれる大手航空会社を利用する時でも、様々な部分で利益を確保しようというスタンスが様々な部分で目に付き、JALやANAなどの国内の大手航空会社との違いをはっきりと感じさせられます。

我が家がヨーロッパ周遊で活用するワンワールド加盟の大手航空会社、ブリティッシュエアウェイズもそんな航空会社の1つです。

想像以上に厳しい事前座席指定の制限

特に、LCCが得意とする近距離線や中距離線では、そうした余裕が無いと感じさせる状況は顕著で、近距離線では同じ大手航空会社として日本国内をカバーするJALやANAでは無料の預入荷物が有料化されているのはもちろん、座席指定までも無料での利用は大きく制限されています。

実際、上の画像はブリティッシュエアウェイズが販売し、運航するロンドンからの近距離線の予約クラスごとの運賃ですが、

  • ベーシック運賃(エコノミークラス)
  • プラス運賃(エコノミークラス)
  • ビジネスクラス運賃

というように分かれていて、

  • ベーシック運賃:無料事前座席指定不可。座席はチェックイン時の自動割当。
  • プラス運賃:48時間前から無料で事前座席指定可能。それ以前は有料。
  • ビジネスクラス運賃:24時間前から無料で事前座席可能。それ以前は有料。

という条件が設定。

もちろん、お身体が不自由などの理由で手助けを必要とされる方や2歳未満のお子様連れの方に加え、ファーストクラスでの予約などの一部の例外はあるものの、基本的にブリティッシュエアウェイズの事前座席指定は有料が基本と考えたほうが良さそうですね。

ファーストクラスからの/へのビジネスクラス乗り継ぎでも有料の事前座席指定手数料

実際、我が家でも東京-ロンドン-パリ-ロンドン-東京というロンドン経由パリ行きのシンプルな往復をブリティッシュエアウェイズの国際線ファーストクラスとして予約したことがあったのですが、この時も有料が基本となっている事前座席指定の手痛い洗礼を受けることになりました。

というのも、東京-ロンドンとロンドン-東京の国際線ファーストクラス区間は問題なく無料での事前座席指定が可能だったものの、元々ファーストクラスとしての運航が存在しないロンドン-パリ、パリ-ロンドンについてはビジネスクラスの利用となるのですが、そのビジネスクラスはいずれも無料での事前座席指定は不可。

事前座席指定を希望する場合、ファーストクラスからの乗り継ぎビジネスクラスでも、ファーストクラスへのビジネスクラス乗り継ぎでも、問答無用で必ず手数料が請求される状況には、普段はJALをメインに利用し、当然のように無料の事前座席指定の恩恵を受けている私としてはちょっとしたカルチャーショックでした。

JGCなどのJAL上級会員資格の活用で無料になるブリティッシュエアウェイズ事前座席指定手数料

そんなビジネスクラスでの予約にすらしっかりと手数料負担を強いるブリティッシュエアウェイズの事前座席指定ですが、ブリティッシュエアウェイズはもちろん、ブリティッシュエアウェイズの提携するワンワールド加盟航空会社の上級会員資格を保有している利用者に対しては、かなりの優遇を与えています。

具体的には、

ワンワールドエメラルド:予約時から無料での事前座席指定が可能

  • 会員本人を含む同一の予約内のすべての利用者
  • 会員本人と同一のフライトで同一のキャビンクラスを利用する、別の予約の利用者

ワンワールドサファイア:予約時から無料での事前座席指定が可能

  • 会員本人を含む同一の予約内のすべての利用者

ワンワールドルビー:出発の7日前から事前座席指定可能

  • 会員本人を含む同一の予約内のすべての利用者

といったなかなか充実の内容。

実際、JMBダイヤモンドやJGCやプレミアといったワンワールドエメラルド保有者に加え、JGCやJMBサファイアといったワンワールドサファイア保有者は、予約が完了した段階で無料での事前座席指定が可能になりますから、通常は有料の事前座席指定の手数料を特に意識することはありません。

また、ワンワールドルビーのステイタスが与えられるJMBクリスタルも、通常24時間前からの無料事前座席指定が7日前までというように大幅に優遇されていることが分かります。

ワンワールドエメラルドだけのブリティッシュエアウェイズでの事前座席指定特典

このように、一般の利用者に比べると、事前座席指定に対して大きな優遇が与えられている上級会員ですが、ワンワールドエメラルドのステイタスが付与されているJMBダイヤモンドやJGCプレミアでは、さらに追加の特典が提供されています。

それが、会員本人と同一のフライトで同一のキャビンクラスを利用する、別の予約の利用者も無料で事前座席指定を利用できるというもの。

これは、JGCやJMBサファイアなどのワンワールドサファイアでは利用できない特典で、JMBダイヤモンドやJGCプレミアといったワンワールドエメラルドからようやく提供されるものです。

この特典のおかげで、仮に別々のものとして予約・発券を行った同行者の予約についても、上級会員資格保有者と一緒の予約として購入したかのように、無料での事前座席指定が可能になります。

実際、この事前座席指定料金は利用する区間やキャビンクラスによって異なるものの、

  • エコノミークラス:£7/€8/$11 ~ £50/€60/$75(約1,200円から約8,500円)
  • プレミアムエコノミー:£18/€22/$27 ~ £50/€60/$75(約3,000円から約8,500円)
  • ビジネスクラス:£20/€24/$30 ~ £55/€66/$83(約3,400円から約9,300円)

というように、確実に負担感を感じる金額ですから、同行者と隣り合わせた近くの席などを無料で指定できるようになるというのは、意外に大きなメリットを感じるという方も多いはず。

誰のクレジットカードを利用するかで大きく変わる手続き難易度

こうしてJMBダイヤモンドやJGCプレミアなどのワンワールドエメラルドのステイタスを保有している利用者と一緒の便で一緒のキャビンクラスで旅行する同行者は無料での事前座席指定を活用することができるのですが、その特典を活用するためには、予約や事前座席指定の手続きを進める上で、ちょっとした注意点が存在しています。

それは、同行者の予約に対するステイタス保有者の認証。

まず、ワンワールドエメラルドのステイタスによる無料での事前座席指定を同行者の予約に対して行うためには、ブリティッシュエアウェイズの日本語対応予約デスク(03-3298-5238)に電話し、ワンワールドエメラルドのステイタス保有者が同行者の正式な委任を受けて手続きを行っていることを認証してもらわなくてはいけません。

この認証手続きは、これまでそれほど問題になるものではなかったのですが、2018年にブリティッシュエアウェイズが直面した情報漏えい事件の後、極端に厳格なものになっているのは要注意。

具体的には、

  • 同行者の予約を同行者自身のクレジットカードで決済している場合
  • 同行者の予約をステイタス保有者のクレジットカードで決済している場合

の2つで、認証手続きの厳しさが大きく異なり、後者の方が圧倒的に楽でスムーズなものになります。

そのため、出発や到着の場所や時間の違いはもちろん、何らかの事情で同行者と別々の予約としての予約手続きが必要な場合は、ワンワールドエメラルドのステイタスによる無料の事前座席指定の手続きの簡略化のために、あらかじめ事情を伝えた上で、ステイタス保有者のクレジットカード利用による予約手続きがおすすめです。

希望の席をそのまま無料で事前座席指定するためのテクニック

こうして同行者の予約に対し、無料での事前座席指定が行われるわけですが、ちょっとしたがっかりポイントが存在しています。

それは、利用者側でシートマップの番号などを指定して、好きな席を選ぶというようなことはできないというもの。

なぜなら、ブリティッシュエアウェイズの日本語対応の予約デスクへの電話では、同行者としての認証と登録、さらには無料での事前座席指定の利用をイギリスにあるブリティッシュエアウェイズ本社にリクエストの申請をするだけだから。

そのため、必ずしも希望通りの席になるとは限らないのは要注意。

そうした事情がありますから、12時間から24時間程度で反映される同行者の座席はどこに指定されているのかをチェックする時には、少しドキドキするかもしれません。

とは言え、事前座席指定のリクエストが行われた時点で、

  • ステイタス保有者の隣の席
  • 隣の席がない時にはステイタス保有者の前後の席
  • 隣も前後の席も指定できない時は、通路を挟んだ席

というような優先順位を元に、できるだけ近くの席同士でステイタス保有者と同行者を指定するように最善を尽くすようにシステムが作られているようですから、それほど大きな心配は無用です。

実際、これまで我が家で何度か利用してきた時も、問題ないと感じる席ばかりが同行者用として選択されてきました。

一方で、無料で自由に席を選べるステイタス保有者側が、上の画像のようにあえて真ん中の席を残すことで、「選択するのならここしかない!」という配置での指定をあらかじめ行い、逆に同行者の事前座席指定の結果を積極的にコントロールしてみるというのもおすすめです。

まとめ

一部の例外を除き、エコノミークラスに比べて明らかに高額な運賃を必要とするビジネスクラスすら、事前座席指定の利用には手数料の負担が強いられるブリティッシュエアウェイズ。

ただし、JGCやJMBサファイア、JGCプレミア、JMBダイヤモンドといったJALの上級会員資格を保有している場合、そうした手数料は無料となり、負担する必要はないという優遇が受けられるのは嬉しいポイントです。

また、実際の利用には多少の注意点や制限が存在するものの、ワンワールドエメラルドが付与されているJMBダイヤモンドやJGCプレミアといった上級会員資格を保有している方には、さらに、別の予約の同行者まで無料での事前座席指定が可能になるという特典まで用意されています。

これらの特典は、LCCとの過酷な競争にさらされた結果、日本国内の飛行機での移動に比べてリーズナブルな運賃を提供するブリティッシュエアウェイズでこそ、その恩恵がはっきりと感じられるものですから、活用できる時にはそのチャンスを活かしてみるのも本当におすすめだと思いますよ。

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