韓国第二の都市釜山(プサン)。
北にある首都ソウルに比べると南に遠く離れた場所柄もあって、日本における東京と大阪の関係のように、都市に息づく文化やそこに住む人々の性格も大きく異なると評される都市の1つです。
そんな釜山の空の玄関口として整備されているのが金海空港(PUS)ですが、JALでも規模と路線の両方の縮小が際立つ韓国線ながら、成田空港とを結ぶ路線を1日2往復で維持されています。
目次
JAL指定ラウンジは大韓航空運営のKALラウンジ
そんな釜山空港でビジネスクラス利用者やラウンジアクセスが提供される上級会員が利用することになるのは、JAL直営のサクララウンジではなく、大韓航空が運営するKALラウンジ。
そもそもワンワールドに加盟するJALがライバルであるはずのスカイチームに加盟する大韓航空のラウンジへのアクセスを提供するという一見不思議な状況ですが、日本-韓国間を結ぶ路線に限ってはお互いに数々のコードシェア便を積極的に運航している関係で、こうした協力関係が維持されているのかもしれませんね。
ラウンジの立地としては、保安検査や出国審査を通過して訪れる出発階からエスカレーターなどで1階分だけ上がったラウンジエリアにあります。
営業時間は午前5時40分から午後10時まで。
ラウンジエリアだけあって、すぐお隣にはスターアライアンスに加盟するアシアナ航空のラウンジも用意されていました。
KALラウンジお隣のアシアナラウンジのプライオリティパス入室拒否条件
ただし、このアシアナ航空の運営するアシアナラウンジは、プライオリティパスでの利用も可能なラウンジとして案内されているものの、実際には2018年1月1日からアシアナ航空の運航便に搭乗するプライオリティパス利用者以外は入室が拒否される運用に変わっています。
そのため、例えば、プライオリティパスを保有しているとしても、一緒に提示した搭乗券がJALのものであれば、アシアナラウンジを利用できないのは要注意ですね。
一方で、同じラウンジエリアにあるKALラウンジもプライオリティパスでの利用が可能ですが、こちらは大韓航空運航便を利用という条件は設けられていません。
そのため、仮にJAL運航のビジネスクラスを利用したり、ラウンジアクセスが提供されるJALの上級会員資格を保有していないなくても、プライオリティパスと搭乗券を提示するだけで、利用できる運用が行なわれていました。
釜山空港KALラウンジの設備
ラウンジエントランスに入ってすぐの受付で航空券などを提示して、ラウンジ内に足を踏み入れると、規則正しく数多くの椅子が並んでいる光景。
その様子はどこか無機質。
ラウンジ内に専用のトイレが併設されていることは評価できるものの、外光の取り入れはもちろん、これから搭乗する飛行機の姿を楽しめる窓が全くないことと合わせて、幾分の古さと窮屈感のようなものを感じるラウンジに仕上がっていました。
釜山空港のKALラウンジの食べ物と飲み物のサービス内容
ラウンジの奥には、軽食や飲み物がまとめて用意された一画。
合計3台の冷蔵庫と2ヶ所のカウンター、さらにカップラーメン専用の棚が並べられています。
ただ、食べ物はあくまで軽食の範囲を超えず、メインとなるのは3種類のサンドイッチと韓国ではお馴染みのカップラーメン。
それにちょっとしたパンやお菓子類のみ。
調理されたものがあつあつのできたてに近い形で提供されるという意味でのホットミールは皆無でした。
飲み物については、ビンや缶に入ったフルーツや野菜、お茶、コーヒーなどのソフトドリンク。
炭酸飲料と同じ冷蔵庫には2種類の缶ビールも用意。
その隣のカウンターにある5種類のハードリカーと合わせてアルコールラインナップを形作っていました。
スカイハブラウンジの前に霞むKALラウンジのメリット
韓国第二の都市の空港が有する国際線ラウンジとしては、どこか機能的な寂しさを感じる釜山空港のKALラウンジですが、確かに出発までの時間を過ごす用途には不足はないものの、もしプライオリティパスを保有しているのであれば、利用をおすすめできないというのが正直な部分です。
なぜなら、釜山空港にはプライオリティパスが利用できるラウンジとしてKALラウンジよりもサービス面で優れたスカイハブラウンジ(SKYHUB LOUNGE)も用意されているから。
このスカイハブラウンジは9番搭乗ゲートの隣に立地していて、ゲートのある出発階から1階上のラウンジエリアにあるKALラウンジやアシアナラウンジよりも格段に搭乗ゲートへのアクセスが便利なラウンジとして運営されています。
もちろん、搭乗ゲートの隣ということは、ラウンジの窓からこれから搭乗する飛行機を含めた開放的な空港ビューを楽しめるのも、KALラウンジにはないメリット。
しかも、ラウンジ内の厨房にはシェフが常駐しており、あつあつの韓国料理を含むホットミールが8種類ほど常時提供されているのも嬉しいですね。
そうしたKALラウンジにはない魅力を持ち合わせているスカイハブラウンジですから、プライオリティパスを保有しているなら、仮にJAL側から指定ラウンジとしてKALラウンジへのアクセスが提供されたとしても、それを活用せずにスカイハブラウンジの方を利用するのが本当におすすめです。
釜山空港 スカイハブラウンジの持つ2つの弱点
そんなスカイハブラウンジラウンジにも弱点と呼べる欠点が2つ存在しています。
その1つが、午前6時30分から午後9時30分までの営業時間。
特に営業開始時間は、早朝便を利用する場合に関係する空港の保安検査や出国審査が開始される5時40分という時間に対して多少の待ち時間が必要になるものです。
この点、午前5時40分に営業を開始するKALラウンジは保安検査や出国審査が始まったのと同時にオープンしていますから、スカイハブラウンジのように営業開始を待つことはありえません。
また、スカイハブラウンジ内には専用のトイレの用意はないことも欠点の1つ。
その結果、トイレを利用するためには一度ラウンジの外に出て、出発階にある共用トイレまで歩く必要があるため、ラウンジに求める要素として、利用しやすい快適なトイレを重視している方には気になるデメリットになる可能性も。
そういった意味では、利用者の重視する事柄によって、これらの欠点が元々存在しないKALラウンジとスカイハブラウンジとの棲み分けのようなものは可能かもしれませんね。
まとめ
釜山空港でJALの指定ラウンジとしてアクセスが提供されている大韓航空運営のKALラウンジは、空港の所在する都市の重要度から考えると、もう少しサービス面での頑張りが欲しいと感じるラウンジでした。
その点、KALラウンジでもう少し頑張ってほしいと感じる部分をしっかりとカバーしているプライオリティパスでのアクセスが可能なスカイハブラウンジを利用したくなるのも正直な部分。
これはスカイハブラウンジの営業開始時間やラウンジ内にトイレの用意がないというデメリットを差し引いたとしても、その結果は変わるものではありません。
ただ、航空会社の運営するラウンジだからこそ、今のKALラウンジとスカイハブラウンジの両方を足して2で割ったような全部入りのラウンジへのアップグレード改装がKALラウンジで行なわれたらいいのに、というのが私の正直な感想です。
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