JAL JL3009便 東京・成田-大阪・伊丹 搭乗記(成田空港発のJAL国内線を選ぶデメリットとメリット、成田空港JAL国内線サクララウンジのサービス、JL3009便の搭乗と機内サービス、想像以上にスピーディーな預入荷物返却までの時間)

首都圏に存在する空港として双璧を成す、羽田空港と成田空港。

実際、我が家でも国際線利用時に、羽田と成田の両方の空港から運航されている路線を予約する時には、

  • コスト
  • 発着時間帯
  • 空港までの移動時間
  • ラウンジ品質
  • 利用機材
  • 機内サービス
  • インボラアップグレードの勝算

など、様々な条件を元に悩むことが多いというのも正直な部分です。

しかし、これら2つの空港が同じ土俵に並ぶことができる条件としては「あくまで国際線に関して」という注釈が必須で、少なくともJALが運航する国内線に関しては、羽田空港が様々な部分で圧倒的な優位性を確保し、残念ながら成田空港が形勢を逆転できる状況にはないことだけには注意が必要なのも事実。

そう考えると、あえて成田空港発着する、

札幌 新千歳空港:

  • JL3049

名古屋 中部国際空港:

  • JL3087

大阪 伊丹空港:

  • JL3003
  • JL3009

福岡空港:

  • JL3057

といったJAL国内線を選択し、それを利用すること自体、あまり合理的ではないと感じる方もいらっしゃるはずです。

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成田空港発着のJAL国内線を選ぶデメリット

それらのJALが運航する成田空港発着の国内線は、国際線が発着するのと同じ成田空港第2ターミナルから出発し、そして到着するという運用が行われています。

ただし、そうして運航されている国内線には注意点やそれに関連するデメリットも存在していて、正直誰にでもおすすめできる種類のものではないのも事実です。

そのデメリットとしては、

  • 運航本数が少ない
  • (競争があまりなく)運賃が高め
  • (国際線の運航状況に左右され)欠航になるリスクが高め
  • ファーストクラスの設定がなく、クラスJまで
  • ラウンジがサクララウンジしかない
  • 基本的にバスでの搭乗が多い

といったものが挙げられます。

これらのデメリットはいずれも、成田空港発着のJAL国内線は基本的に

  • 新千歳空港
  • 中部国際空港
  • 伊丹空港
  • 福岡空港

といった羽田空港以外の国内線主要空港利用者に対し、成田空港発着の国際線へのスムーズな乗り継ぎを提供するために運航されていることが根本の原因となっていて、そのあまり多いとは言えない国際線への乗り継ぎ需要もまた、羽田空港と比べた時のサービス面での充実が十分ではない状況を生み出しているのは間違いないはずです。

実際、羽田空港を発着するJAL国内線を利用する場合、

  • 運航本数も多く、好きな時間の便を選べる
  • 運航本数が多く、他社との競争もあるため、運賃が比較的リーズナブル
  • 欠航リスクも相対的に低く、欠航になった場合の振替もかなり容易
  • 国内線主要空港発着路線ではファーストクラス搭載機材の投入も多い
  • サクララウンジよりもさらにサービスの充実したダイヤモンドプレミアラウンジも利用可
  • 搭乗者数が多くなりやすい国内線主要空港発着路線ではボーディングブリッジの利用が基本

というように、鮮やかなまでに成田空港発着のJAL国内線が持つデメリットを解消した上でサービスが展開されていることが分かりますね。

そのため、普段は羽田空港発着のJAL国内線を主に利用している方がふとした時に成田空港発着のJAL国内線の中でも、特に出発便を利用した時には、いかに羽田空港発の便利用時に提供されているサービスが手厚く、快適なものだったのか、再確認する機会となりえると考えるほどです。

成田空港発着のJAL国内線を選ぶメリット

では、国際線との乗り継ぎ目的以外で、成田空港発着のJAL国内線をあえて利用する価値がまったくないのかというと、実はそう考えているわけではありません。

というのも、成田空港発着のJAL国内線には、羽田空港発着のJAL国内線にはない、少し独特なメリットも存在しているからです。

そのメリットというのが、

  • 利用者が極端に多いわけではないため、直前の時期でも比較的容易に予約しやすい
  • 利用者数自体があまり多いわけではないため、機内もラウンジも空いていることが多い
  • 国際線使用機材で運航される可能性に期待できる

というように、大きく分けて3つ。

まず、1つめのメリットの「利用者が極端に多いわけではないため、直前の時期でも比較的容易に予約しやすい」は、お金で支払う有償航空券はもちろん、マイルで支払う特典航空券でも同様のことが言えるのは嬉しいと感じるポイントです。

実際、直前の時期になってからの予約を考えた時、繁忙期であっても、羽田空港発着便に比べてある程度の特典航空券の空席が期待できる成田空港発着便は、お得な移動手段を確保する上での切り札のような存在になることもあるはずですから。

また、2つめの「利用者数自体があまり多いわけではないため、機内もラウンジも空いていることが多い」というのも、機内で隣の席が空席だったり、ラウンジ内でも利用者がまばらに点在するのみといった形で、ゆったりとしたスペースを確保した上で旅行したい方はもちろん、できる限り混雑や密になる状況を避けたい場合には、重要なメリットになるのは間違いありません。

個人的にも、利用時期によっては、このメリットを最も重視した結果、同じJAL運航の国内線でも、あえて羽田空港発着便ではなく成田空港発着便を選択した最大の理由になったケースもあるほどです。

最後に、3つめのメリットの「国際線使用機材で運航される可能性に期待できる」というのは、元々成田空港発着のJAL国内線が国際線との乗り継ぎ目的で運航されていることがその大きな理由です。

というのも、国際線との乗り継ぎに便利な国内線として設定されているため、JALにとって、機材の有効活用目的で国際線仕様の機材が国内線の運航に投入される際のハードルが低く、毎回確実というわけではないものの、高頻度での国際線の機材での国内線運航を体験できる路線の1つになっています。

もし、幸運にも国内線にも関わらず、国際線仕様機材で運航される便を予約していたのであれば、その時に忘れずに注目したいのは、クラスJ。

なぜなら、国内線が国際線仕様機材で運航される時には、

  • ファーストクラス → クラスJ
  • ビジネスクラス → クラスJ
  • プレミアムエコノミー → 普通席
  • エコノミークラス → 普通席

というような席の割当が行われるから。

特に、出発当日の空港では、元々普通席で予約してあったとしても、空席が残っているのであれば、1,000円の差額を追加で支払うだけで、普通席からクラスJへの切り替え(アップグレード)が可能です。

しかも、国際線仕様機材では、普通席として割り当てられる、

  • プレミアムエコノミー
  • エコノミークラス

とは格段に快適性の異なり、国際線運航時には数倍から十数倍の差額を要する、

  • ファーストクラス
  • ビジネスクラス

といった上位座席を、席だけとは言えゆったりと快適に利用できるわけですから、同じアップグレードのためのコストでも、それで得られる満足度は通常の国内線用の機材とはあまりに大きな差と感じる方もまた多いと考えています。

JL3009便のチェックイン

そういったメリットを重視した結果、今回搭乗したのは

  • 成田空港 18:15 → 伊丹空港 19:50

というスケジュールで運航されるJL3009便。

成田空港発のJAL国内線です。

こうして搭乗することになったJL3009便ですが、初めて成田空港発のJAL国内線を利用される方が気になるのは、どこでチェックインを行うのかということかもしれません。

しかし、実はそんな心配は無用のものです。

なぜなら、成田空港第2ターミナルでの国際線の到着階となっている1階には、制限エリアに向かって右奥の方にJALの国内線チェックインを担当するカウンターが準備されていて、あえて気をつけて探してみると、到着階のあちこちに「国内線 Domestic」の表示が用意されているからです。

その案内表示に従ってどんどん進むと上の写真のように、JALの国内線チェックインカウンターが設置されたエリアが見えてくるはずです。

その道のりの途中には、国際線での到着時に自宅などへスーツケースなどの宅配サービスを取り扱ってくれる「JAL ABC」の宅配カウンターがありますから、そうしたサービスに馴染みのある方にとっては、「JAL ABCのカウンターを右手に見ながら、さらに進んだ先にJAL国内線チェックインカウンターがある」と言えば、イメージしやすいかもしれませんね。

ちなみに、成田空港第2ターミナル到着階にある「JAL ABC」と言えば、その隣にスーツケースで有名なリモワによるサービスセンターの1つ、「RIMOWA 成田エアポートサービスカウンター」が設置され、修理などの高度で便利なメンテナンスサービスが提供されていることで重宝されていました。

しかし、その便利なサービスも2021年3月31日(水)をもってサービス提供が終了しているため、成田空港からの国内線を利用する機会に、リモワスーツケースのメンテナンスも行いたいという場合などは注意が必要ですね。

こうして到着した成田空港第2ターミナルのJAL国内線チェックインカウンターですが、入り口は2つに分かれ、

  • JGCチェックインカウンター
  • クラスJ/普通席用一般カウンター

という区分になっていました。

具体的な対象者としては、

JGCチェックインカウンター:

  • JMBダイヤモンド
  • JGCプレミア
  • ワンワールドエメラルド
  • JMBサファイア
  • JGC
  • ワンワールドサファイア

クラスJ/普通席用一般カウンター:

  • JMBクリスタル
  • ワンワールドルビー
  • 上級会員ステイタスを持たない利用者

という形で分けています。

つまり、羽田空港国内線利用時のチェックインカウンターのように、

ファーストクラスチェックインカウンター

  • JMBダイヤモンド
  • JGCプレミア
  • ワンワールドエメラルド

JGCチェックインカウンター

  • JMBサファイア
  • JGC
  • ワンワールドサファイア

一般カウンター

  • 上級会員ステイタスを持たない利用者

というような形にはなってはおらず、

  • JMBダイヤモンド
  • JGCプレミア
  • ワンワールドエメラルド

といったより上位の上級会員向けにもう一段階手厚い分け方ではないということですね。

そうはいっても、前述の通り、成田空港発着のJAL国内線はそれほど極端に混雑するものではないため、全体的には空いていて、こうしたチェックインカウンター構成でも特に問題なく快適なチェックイン手続きを受けることができるはずです。

成田空港第2ターミナル国内線の保安検査と通過後の制限エリア

成田空港第2ターミナル1階にあるJAL国内線チェックインカウンターでのチェックイン手続きを終えた後は、そのカウンター近くにあるエスカレーターやエレベーターで2階に上り、国内線の制限エリアに向かうことになります。

上った先の2階には動く歩道がありますから、それを利用してまっすぐ進むと動く歩道の終点付近に、左側には国内線出発エリアの案内表示、正面には国内線到着エリアの案内表示が見えてくるはずです。

そこで国内線出発エリアの案内表示に従って左に曲がると、成田空港第2ターミナル国内線専用の保安検査場が用意されています。

その保安検査場を通過した先は、成田空港第2ターミナル国内線の制限エリアです。

制限エリア内は混雑は見られず、ゆったりとした空間が広がっているものの、そもそも利用者が少ないためか、唯一の飲食物やお土産など対象としたを売店の機能を有する「Blue Sky 国内ゲートショップ」は臨時休業中。

そのため、制限エリア内では一般的な自動販売機しか利用できないことになりますから、必要なものはあらかじめ制限エリアに入ってしまう前の一般エリアで調達しておく必要があるということですね。

JAL成田空港国内線サクララウンジのアクセスとインテリア

そんな成田空港第2ターミナル国内線の制限エリアでも、上級会員ステイタスを保有する利用者向けに、JALによるラウンジサービスが提供中。

そのラウンジは、JAL成田空港国内線サクララウンジとして運営されていて、国内線制限エリアをエスカレーターや階段、エレベーターを利用して2階から3階に移動した先に立地しています。

ラウンジのエントランスにも上級会員ステイタスを保有する利用者向けのサクララウンジということが分かるように各種ディスプレイが用意されていることが分かります。

ちなみに、入室可能な対象としては、

  • JMBダイヤモンド
  • JGCプレミア
  • ワンワールドエメラルド
  • JMBサファイア
  • JGC
  • ワンワールドサファイア
  • 上記上級会員ステイタス保有者の同行者1名

などの上級会員ステイタスを保有する利用者などを基本とするものの、

  • JAL国際線ファーストクラスから乗り継いだ利用者と同行者1名
  • JAL国際線ビジネスクラスから乗り継いだ利用者本人
  • 専用のラウンジクーポンを保有するJMBクリスタル会員本人

といった利用者もまた対象となっているのは嬉しいポイントですね。

ラウンジエントランスでの受付を終え、中に入ったラウンジはというと、落ち着いたインテリアで統一され、ゆったりとした印象を感じさせる空間が広がっています。

また、椅子やテーブルの種類はもちろん、それらの組み合わせが異なる部屋も用意され、混雑の度合いに加え、利用者自身の好みに合わせて座る場所を選べるのもゆとりを感じさせる部分です。

ただし、清掃や補充などの手間を軽減するためか、利用者数に応じて開放される利用可能なエリアはコントロールされているようで、一部のエリアには観葉植物などで通行自体が制限されている様子も見られました。

また、ラウンジ内にはラウンジの利用者専用のトイレはもちろん、シャワールームも用意され、利用者は無料で利用できるのも嬉しいですね。

さらに、大きなサイズのスーツケースなどを保管するためのクロークや上着などもかけるためのクローゼットもゆったりと用意されていました。

 

ちなみに、このJAL成田空港国内線サクララウンジで意外に感じたのが、しっかりと確保された喫煙室の存在。

非喫煙者にとっては、本当に見かける機会のなくなった灰皿がゆったりとした椅子のそれぞれに完備され、廃止や面積の自体の縮小が一般的と伝え聞く他の空港の喫煙室事情とは大きくかけ離れたゆとりが確保されていることには驚いたのも事実です

実際、喫煙室内でも開放感を得られるようにという配慮なのか、屋外が見渡せる窓が用意されているのも、今とは異なる少し古い時代のラウンジを思わせる設計思想の1つと感じました。

JAL成田空港国内線サクララウンジの飲み物とスナックのサービス

航空会社の提供するラウンジサービスを利用する時に気になることと言えば、それはどんな飲み物や食べ物のサービスが用意されているのか、ということかもしれません。

成田空港の第2ターミナルにある、JAL成田空港国内線サクララウンジでも、飲み物や食べ物のサービスは提供されています。

しかし、あくまで国内線のサクララウンジですから、元々飲み物や食べ物が充実している国際線のラウンジはもちろん、同じ国内線のラウンジでも、サクララウンジとの比較で上位に位置し、サクララウンジより少し高品質なアルコールを含めた飲み物と簡単な軽食の提供されているダイヤモンドプレミアラウンジよりも、サービスの品質としては控えめなものになっているのは要注意です。

実際、冷たい飲み物は冷蔵庫の上段と下段に分かれているのですが、上段には、

  • アサヒ スーパードライ
  • キリン 一番搾り
  • ペリエ(炭酸水、瓶タイプ)

が用意。

さらに、下段には、

  • 伊藤園 おーいお茶(緑茶、缶タイプ)
  • デルモンテマンダリンオレンジジュース(缶タイプ)

という合計5種類。

利用者自身が熱いお湯で抽出するタイプの温かい飲み物としては、

ジョージスチュアートブランドの紅茶5種:

  • クイーンズチョイス
  • ミックスフルーツ
  • イングリッシュブレックファースト
  • ロイヤルディライト
  • ヴィンテージアールグレイ

日本茶:

  • 緑茶
  • ほうじ茶

などが並んでいました。

ちなみに、ビールサーバーもその機械自体は設置されているのですが、メンテナンスの問題なのか利用できず、ビールは冷蔵庫の中の缶ビールを利用するように案内されていました。

また、食べ物としては、エコノミークラスなどの国際線の機内で食事の前に提供されるような亀田製菓製の個包装のスナックのうち、

  • さくさく塩あられ
  • こつぶあげ
  • えだまめちっぷす

の3種が準備されています。

もちろん、「Blue Sky 国内ゲートショップ」は臨時休業に伴って飲食物の購入自体が制限されている成田空港第2ターミナル国内線制限エリアで、自由に楽しめる飲み物や食べ物が用意されているというのは嬉しいことなのは間違いありません。

しかし、同じ東京の空港として扱われる羽田空港にはダイヤモンドプレミアラウンジが用意され、そこでは、

  • メゾンカイザー製のパンやJAL監修のオリジナルおにぎり、オリジナルカレーパンなどの軽食
  • サクララウンジに比べ少し高品質なビールやウイスキーなどのアルコール
  • 期間限定といいつつ提供継続中のハーゲンダッツアイスクリーム(上の写真)

なども提供されていることを思うと、個人的には成田空港発着のJAL国内線を利用する上で、少しだけ残念に感じるポイントの1つになっています。

JL3009便のバス搭乗

こうしたサービスが展開されているJAL成田空港国内線サクララウンジですが、そのエントランスにはJALが成田空港第2ターミナルから運航している合計6便の出発時刻や利用する搭乗ゲートをお知らせするための案内板が用意されています。

ただし、上の写真からも分かるように、私がJL3009便に搭乗した日には、そのJL3009便のみの運航で、その他の5便は軒並み欠航という、なかなか大変な状況。

前述の通り、JAL運航の成田空港発着の国内線は国際線の運航状況の影響を強く受けるのは避けられないとは言え、利用者の1人として寂しさを感じずにはいられませんでした。

そのJL3009便は上の写真の案内板からも分かるように、国内線制限エリアにある搭乗ゲートBからの出発となるようです。

こうして案内された搭乗ゲートBへラウンジから向かうには、

  • まず、ラウンジのある3階から2階にエスカレーターや階段、エレベーターで降りる
  • 次に、降り立った2階から搭乗ゲートBのある1階にエスカレーターや階段、エレベーターでさらに降りる

という手順を進めることになります。

降りた先の1階はバス搭乗を行うためのバスラウンジと呼ばれるエリア。

比較的たっぷりと椅子が用意され、一部には充電用のコンセントなどを備えた机と椅子も見られます。

この他には一般的な自動販売機が設置されているだけの本当にシンプルなエリアですが、後はバスで飛行機に移動し、その後の搭乗へと備えるだけですから必要十分な内容と言えるのかもしれません。

 

 

さて、JL3009便に搭乗するために肝心の搭乗ゲートBを見てみると、ゲート前の案内では定刻の18:15の出発に対し、17:50からの搭乗開始という案内が行われていました。

搭乗ゲートBのゲートを通過すると、そこにはバスが並んでいるのですが、どのバスに乗るのか迷うことはないはずです。

元々バスのドアが開いていて乗車可能なのは搭乗ゲートB最寄りの1台のみなことに加え、そのバスの車体にも各所に目的地を案内する「大阪 JAL-3009」という表示が行われているのは安心ですね。

バスのドアは17:50の搭乗開始から12分後の18:02に閉じられ、空港内の専用道路をぐんぐん進んでいくことに。

ちなみに、搭乗ゲート通過後、バスで飛行機の近くにまで移動し、そこから階段状のタラップを利用して飛行機に搭乗する、いわゆるバス搭乗の場合でも、事前改札や優先搭乗といった特定の利用者を対象とした異なる順番での搭乗は行われます。

ただし、多くのバス搭乗では、早めに搭乗ゲートを通過した優先搭乗などの対象者も、そのバスにある程度の人数の利用者が乗車するまで待つ必要があるのはもちろん、バスから降りて飛行機に向かう時もバスの乗降口に近くに立っている利用者から進むことになる以上、ボーディングブリッジを利用した通常の優先搭乗の時のような優先扱いは受けれられません。

では、バス搭乗での優先搭乗に意味がないのかというと、そうとは言い切れないというのが、私の正直な印象です。

なぜなら、優先搭乗扱いでバスに乗車した場合、よほど優先搭乗対象者が多いのでなければ、バスの座席を確保でき、意外に揺れることが多い空港内を快適に移動できるというのは忘れてはいけないメリットの1つと感じているから。

こうしてバスで移動した後は飛行機へ乗り込むことになるバス搭乗ですが、激しい雨の時や機内持ち込み手荷物が多い時は敬遠したい一方で、天気が悪くはなく、荷物もそれほど負担にならない分量の時には、とある魅力を楽しむことができます。

それはバスからタラップまでの短いあっという間の移動の間でも、想像以上に飛行機の近さや大きさ、精密さを感じながら搭乗できるから。

実際、バス搭乗の機会にこうして間近で飛行機を見てみると、JALの運航する飛行機の中では小型のジェット機に分類されるボーイング737-800でも十分大きく、そのサイズ感に圧倒される感覚を覚えるはずです。

また、バス搭乗時に飛行機が駐機される場所は、同じようにバス搭乗によって搭乗が行われる飛行機の集まるエリアとして指定されているという事情もあって、コスト削減のため、使用料の負担が意外に大きなボーディングブリッジの利用を極力避ける傾向のある格安航空会社(LCC)の飛行機が多く見られるのも、バス搭乗の醍醐味と言えるかもしれません。

実際この時も、バス搭乗に利用したバスのすぐ近くには、ANA系LCCのPeachの塗装をまとった飛行機が駐機され、その姿を間近で眺めることができたのもなかなか印象的な出来事でした。

JL3009便の離陸

今回搭乗したJL3009は国際線仕様機材として運航されているボーイング737-800。

V40と呼ばれる座席仕様で、

  • ビジネスクラス(JAL SKYLUXE SEAT):12席
  • エコノミークラス:132席

という合計144席で運航される機材になっています。

実際には国際線の中でも、

  • ロシア ウラジオストク
  • 韓国 釜山
  • 台湾 台北
  • フィリピン マニラ

など、それほど需要が多くはない短距離から中距離の路線を中心に運航されているものです。

ただ、この時のJL3009便では、利用者が20人程度で搭乗率にして約14%。

そのため、飛行機の中はガラガラという表現がぴったりのかなり空席が目立つ状態でした。

その後、利用者すべての搭乗が完了し、離陸の準備が整った飛行機のドアが閉じられる、ドアクローズが完了したのは18:09。

つまり、バスが18;02に搭乗ゲートから出発してから7分、17:50の搭乗開始からでも19分で出発の準備が整ったということになり、やはり利用者の数が極端に少ないと早く出発できるということが分かりますね。

そこからさらに、実際の飛行機の出発時間とみなされ、トーイングカーによって飛行機が後ろ向きに押されて動き出すプッシュバックが行われたのは18:12でしたから、定刻よりも早い出発ということになります。

ただし、プッシュバック後すぐに離陸するのかというとそうではなく、離陸を行う滑走路へと空港内の誘導路という専用の通路を進むことになるため、窓の外には星の海のようなたくさんの誘導灯の光と、ライトアップされた成田空港を構成する建物の姿とが遠くにゆっくりと流れていきます。

実際に離陸を開始したのは18:29。

プッシュバック開始から17分ほど経過してようやく滑走路に到着し、離陸が始まったということになりますから、それほど混雑していないはずの時期でも、広い広い巨大な成田空港では滑走路への誘導路の移動自体、しっかりと時間を要する手順ということが実感できますね。

そうして無事に離陸が完了し、飛行が安定する巡航状態になった後、ようやくシートベルトサインがオフになるのですが、それまでの時間は意外なまでに短く18:37。

つまり、離陸開始から8分後には機内サービスが開始されることになりました。

JL3009便のドリンクサービスと窓からの夜景

今回搭乗したJL3009便は、

  • 成田空港 18:15 → 伊丹空港 19:50

というスケジュールが採用され、出発から到着までの所要時間は1時間35分として設定されています。

これは成田空港と同じ東京エリアの空港として扱われている羽田空港が伊丹空港とを結ぶその路線の多くを所要時間1時間10分、一部の例外的に所要時間が長い少数派の便でも1時間25分で設定されているということを考えると、伊丹空港に対する羽田空港と成田空港の距離の差を十分に差し引いたとしても、成田空港発の便で1時間35分というスケジュールはかなりの余裕を持って設定されていることが読み取れます。

実際、そうした余裕のあるスケジュールを反映してか、JL3009便では後述するように十数分から数十分単位の早着が当たり前のように発生してしまうのですが、それでも、上空でのシートベルトサインが消灯している時間が極端に短いというわけでもありません。

その結果、シンプルなもののJL3009便でも、機内サービスとして飲み物の提供は行われています。

ちなみに、今回のJL3009便のように空席が多く、ガラガラと表現したくなるような飛行機で行われる機内サービスとして飲み物の提供ですが、飲み物を搭載したカートを伴い、客室乗務員の方々が通路移動しながら提供する一般的な方法で行われるわけではありません。

というのも、メモを手にした客室乗務員の方が機内のあちこちに点在して座っている利用者の座席に向かい、希望する飲み物の注文を受けた上で、その後、注文された飲み物の紙コップを載せたトレイを手に持って、それぞれの利用者の席まで届けるという方法での提供されることが多いから。

そのため、空いている便に搭乗した時に、上空でカートなしの状態の客室乗務員の方に思いがけず声をかけられたとしても、それは飲み物を注文を尋ねてくれている可能性も高いですから、びっくりせずに対応したいですね。

今回のJL3009便の場合、実際に飲み物を提供するために注文の受付が開始されたのは18:41。

その後、飲み物を希望する利用者に飲み物が届けられたのが18:46でした。

さらに、飲み物を飲み終えた後の紙コップの回収が行われたのは18:54ですから、空席の多さによる空間的なゆったり感と同様に、時間的にもゆったりとした印象の機内サービスが展開されていたと感じています。

こうした空間的、あるいは時間的なゆとりというのは、同じ東京エリアの空港を出発し、伊丹空港に向かう便でも、羽田空港発の便ではなかなか感じられない一方、成田空港発の便では安定して、高期待値で体感できるのも、個人的に気に入っているポイントの1つです。

また、そうしたゆとりのある便では、窓から見える景色を眺めることも容易で、それもまた楽しみの1つとなりうるはずです。

特に、成田空港-伊丹空港間という、それほど飛行距離の長くはない路線ということもあってか、高度自体もそれほど高くはないのか、雲さえ眼下に広がっていなければ、明かりが生み出す陸地の輪郭線を元に意外にはっきりと今飛んでいる場所を当てることも可能だったりします。

実際、上の写真はJL3009便に搭乗した際に、進行方向右手の窓から、名古屋の中部国際空港・セントレアはもちろん、すぐそばの知多半島やその奥に広がる名古屋を中心とした大都市圏が写っていることに気づく方もいらっしゃるはず。

さらに、JL3009便の目的地の伊丹空港は、伊丹市の市街地に包まれるように立地している空港ですから、着陸の瞬間が近づくにつれて、どんどん間近に感じられ、その1つ1つがはっきりとした輝きを見せ始める街の灯りもまた、夕方から夜の時間にかけて運航されるこの便の醍醐味と言えるかもしれません。

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JL3009便の伊丹空港への着陸とスピーディーな預入荷物の返却

こうして着実に目的地の伊丹空港を目指すJL3009便も、着陸に向けて高度を下げ始めるのですが、その少し前のタイミング、19:10に再びシートベルトサインがオンになりました。

その後、伊丹空港の滑走路に着陸したのが19:31。

その後、誘導路を進んだ飛行機が、伊丹空港のターミナルにあるボーディングブリッジと接続し、実際に飛行機のドアが開かれたのが19:36でした。

JL3009便の場合、元々のスケジュールでは19:50の到着の予定でしたから、それよりも14分も早いなかなかの早着だったということが分かります。

そうして飛行機から降り立った伊丹空港のターミナル内はというと、人も本当にまばらで閑散とした印象を感じさせるものでした。

そんなターミナルを通過して、預入荷物の返却が行われる手荷物返却場に到着したのが19:45。

その到着とほぼ同時に預入荷物の返却が開始されましたから、利用者が極端に少なく、伊丹空港自体が混み合っていない時間の到着とは言え、着陸後に飛行機のドアが開かれてから約10分後には預入荷物が手元に届けられたということに。

この短く満足度の高い返却までの必要時間には、とてもスピーディーという印象を強く感じました。

まとめ

飛行機によって東京と大阪を結ぶ路線としては一般的で間違いのない選択肢となりうる羽田-伊丹線。

それに対して同じ伊丹空港を目的地としていても、羽田空港発の便を利用する時には全く心配する必要のない種類のデメリットを持ち合わせているという点で、成田-伊丹線は、やはり少し変わった印象を感じさせる路線なのは間違いありません。

しかし、成田-伊丹線には確かにそうしたデメリットが存在している一方で、それを理解しつつ、上手に向き合えたならなら、デメリットを上回るメリットすら隠し持つ特徴的で魅力的な路線として、活用することも不可能ではないというのが私の正直な感想です。

もちろん、すべての東京エリアから大阪エリアへの移動を考えている方に対し、成田-伊丹線をおすすめできるわけではないのですが、少しでも気になるという場合には、一度思い切って利用してみると結果的に面白い選択になるという勝算も意外に高いかもしれませんよ。

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