イタリア北部にある都市、ミラノ。
イタリアのファッションをリードする存在なのはもちろん、工業や商業でも突出したものを持ち、首都ローマに次ぐイタリア第2の都市としての地位を維持し続けています。
また、芸術分野では、レオナルド・ダ・ビンチの作品で唯一の世界遺産に登録されている、最後の晩餐が今なお現存する重要な目的地として世界各地から多くの観光客を惹きつけている場所の1つとしてもあまりに有名。
そんなミラノの滞在先として我が家のお気に入りはヒルトンミラノ。
ミラノの玄関口の1つとして高い利便性を誇るミラノ中央駅から徒歩数分という立地でミラノ初心者にも自信をもっておすすめできるホテルです。
目次
ヒルトンミラノへのアクセス
ミラノの玄関口の1つ、ミラノ中央駅が歩いて数分の場所にあるのがヒルトンミラノ。
このミラノ中央駅は、イタリアの他の都市からの高速鉄道が発着するのはもちろん、ミラノにある主要な国際空港のマルペンサ空港と中央駅を結ぶマルペンサ・エクスプレス、マルペンサ空港やリナーテ空港、ベルガモ空港などミラノの周辺空港へのアクセスを提供する各種バス、さらにはミラノ観光には欠かせないメトロ駅まであるなど、まさに交通面で至れり尽くせりの駅です。
その駅の建物を背にして駅前広場を通り過ぎ、広い道路までたどり着いたら、その道路は横断せずに、とにかく右方向に歩き続けます。
その後、200m弱も歩くと、右手にヒルトンミラノの建物が確認できるはず。
エントランス メインロビー インテリア
エントランスは回転ドアをメインにしたオーソドックスなもの。
メインロビー内部のインテリアは温かみのある色合いをベースに、ファッションとデザインの街、ミラノらしく、各部にアート的な要素も組み込まれていました。
フロントデスクはチェックインなどの手続きが可能な場所が3箇所ほど用意されていることに加え、フロントスタッフの方のテキパキとした仕事ぶりで、全体的な流れはとてもスムーズ。
エレベーターはこの規模のホテルとしては十分な余裕がある4基が利用可能で、いずれの時間帯もあまり待つことなく利用できたのは好印象です。
このヒルトンミラノのあるミラノには、ヨーロッパを旅行の度に必ず訪れているお気に入りの都市という関係で、1年間に数回は訪れているのですが、クリスマスなどのホリデーシーズンにはお菓子の家とクリスマスをテーマにした可愛らしい立派なディスプレイが展開されるなど、ホテル自体に全体的にゆったりとしたゆとりのようなものを感じています。
ホテル内の廊下などは、特に広かったり、天井が高いというわけではないヒルトンらしいものながら、メンテナンスや清掃は丁寧に行き届いていて、好感が持てました。
ジュニアスイート(Junior Suite)
アサインされたのはジュニアスイート。
ソファーやテーブルなども完備したゆったりとしたリビングスペースも用意。
キングサイズのベッドの上にはふんわりとしたバスローブが準備済み。
さらに、そのベッドの周囲には広いスペースも確保され、スーツケースなどの荷物の整理にも便利。
このジュニアスイートには、上の写真のようにインテリアが違うだけで、同じカテゴリーの部屋がいくつか用意されているのですが、そのいずれも広々とした印象は変わらず、とても快適です。
ウェットエリアに関しては、ヒルトンブランドのホテルとしてはスタンダードなもの。
バスアメニティはお馴染みのピーター・トーマス・ロス。
また、スイートと言っても、ジュニアスイートですから、浴槽のみでシャワーブースが別途分かれているわけではありませんでした。
ウェルカムギフトは地元のチョコレートを中心としたスイーツ盛り合わせと、手書きタイプの手紙。
特に、この手紙は支配人やフロントチーム責任者など書き手はその時によって変わるものの、しっかりと宿泊者のことを考えた上での内容がメッセージとして添えられています。
印刷されたカードに責任者によるサインだけで済ますウェルカムカードも多い中、こうした一手間かかったものからは、間違いなく歓迎されている実感が得られるため、想像以上に嬉しなってしまいますね。
エグゼクティブラウンジ 営業時間と基本サービス
エグゼクティブラウンジのあるのは8階のエレベーターを降りてすぐの場所。
入り口のドアのタッチ端末にカードキーをタッチするとドアのロックが解除されるので、そのまま入室します。
ラウンジ内にはコンシェルジュを兼ねたデスクも用意されているものの、担当スタッフの方が常駐しているわけではないようで、基本的にはチェックインやチェックアウトなどはフロントデスクでの手続きが必要な模様。
また、ラウンジデスクの近くにはトイレも用意され、ゆったりとラウンジでの時間を過ごす時にも便利。
ヒルトンミラノのエグゼクティブラウンジの営業時間は6時から22時まで。
また特別なサービスとしては、
- 朝食:7時から10時30分まで
- アフタヌーンティー:15時から17時ごろまで
- カクテルタイム:18時から20時まで
が提供されています。
ラウンジ内は十分広くゆったりとしたスペースが確保され、混雑する時間帯でも席がなくなるということはないようでした。
テーブル席を基本としながらも、ソファー席も用意され、グループでの利用にはとても快適なようで、高確率で埋まっている人気席。
また、このラウンジの特長の1つが屋外にあるテラス席の存在。
落下防止用の網などはあるものの、壮麗な建築美で有名なミラノ中央駅を含め、ヒルトンミラノ周辺の景色を楽しみながら、ラウンジでの時間を過ごせるお気に入りの場所の1つです。
特別なサービスが提供されている時間帯以外は基本サービスとして簡単なスナックやフルーツ、ソフトドリンクなどの飲み物も用意。
コーヒー文化にこだわりのあるイタリアらしく、おいしいコーヒーも提供され、いつでも自由に楽しめました。
我が家ではテイクアウト用のカップをもらって、それに好きなコーヒーを淹れた後は街歩きに持ち出すのもお気に入り。
エグゼクティブラウンジ カクテルタイム
18時から20時までのカクテルタイムには、イタリアらしい料理に加え、ワインやビールなどのアルコールも提供される最もラウンジが賑わう時間帯。
ホットミールは炭水化物系のパスタやライス類に加えて、揚げ物などが中心で、油断するとお腹がいっぱいになってしまいそうなラインナップ。
しかも、料理が追加される時には、また別の味付けのものや、全く別の料理に切り替わるなど、なんだか食に対する一生懸命さを感じるカクテルタイムの料理内容です。
アルコールもプロセッコ(イタリア名産のスパークリングワイン)を中心に赤・白のワイン、ビールなど、種類こそ少ないものの、キラリと光る品質のものが用意され、十分楽しめる内容になっています。
基本サービス時にソフトドリンクだけだった冷蔵庫には、ビールはもちろん、このカクテルタイムの時間帯だけ提供される種類の飲み物がいくつか追加されていました。
コールドミールも、旅行中の食物繊維補給には嬉しいサラダ、さらには味付けの絶妙な冷製リゾット、各種チーズ、エビを使った1口サイズのおつまみ料理など豊富。
そのいずれも料理としての質もしっかりとしたもので、ここまで来ると簡単な食事としては十分楽しめてしまいそうですね。
メインレストラン 朝食
1階にあるメインレストランの入口ではスタッフの方による部屋番号のチェックが行なわれていて、チェックイン時に朝食用のクーポンやバウチャーが手渡されるタイプの朝食サービスではありません。
気になる朝食の提供時間は
- 月曜から金曜日:午前6時30分から午前10時30分まで
- 土曜日と日曜日:午前7時から午前11時まで
となっていて、ヨーロッパのヒルトンブランドのホテルとしては一般的なサービスレベル。
レストラン内部は十分なスペースが確保され、全体的にゆったりとした印象。
一部にヒルトン会員専用のスペースが用意されているようですが、混雑しているタイミング以外では特に制限はないようです。
席同様、料理の配置もゆとりがあり、混雑時でも効率的に料理を取ることができるように工夫が感じられます。
カクテルタイムの料理でも感じたことですが、このヒルトンミラノは食に対して一生懸命なホテルなようで、メインレストランでの朝食もヒルトンブランドのホテルとしては充実している印象を感じます。
まず、ホットミールもスクランブルエッグやベーコンなど一般的なものが揃っているのはもちろん、上の写真のソーセージのようにイタリアや地元ミラノの食を感じさせるものを織り込んできます。
それはレストラン最奥部のパンコーナーも同じ。
使っている小麦粉の良さを感じる香りが楽しめる焼き立てパンの隣には、なぜかイタリアで愛されているチョコレートメーカー、Eraclea製のチョコレートシェイクが用意されています。
朝からチョコレートシェイクと聞くと意外な組み合わせにドキッとしますが、コーヒーのような深みを感じさせるチョコレートシェイクで、大人が口にしても十分楽しめる味付け。
ちなみに、チョコレートシェイクは夏限定らしく、冬の時期にはこれまたEraclea製のおいしいホットチョコレートが提供され、人気を集めていました。
その他にも、ミラノ周辺の地域特産のハムなどがローカルサラミコーナーとして特集されるなど、コールドミールコーナーも見どころを十分感じるもの。
フルーツコーナーもカットフルーツを中心に、まずまず良質なものが提供され、朝食でフルーツを重視する方にも嬉しいポイント。
サラダコーナーも同様で、特段充実しているとはいえないものの、食物繊維補給目的には十分な内容で、近くに用意されたバルサミコ酢やオリーブオイル、岩塩で自作したドレッシングと合わせてしっかり楽しめました。
ヒルトンミラノの朝食で最も気に入っているのはオレンジをまるごと絞ってジュースにする生搾りジューサー。
特に、このホテルでは、利用するオレンジの品質にもこだわっているのか、絞られたジュースもかなりのおいしさを感じるものです。
搾りたてのおいしいオレンジジュースを飲んで始まる一日というのは想像以上に快適なもので、普段はあまり朝食を食べないという方でも、このオレンジジュースだけを楽しむ目的で1階にあるメインレストランを訪れてみると、食欲が湧いてきて意外に他の食べ物も食べてみたくなるかもしれません。
オムレツや目玉焼きなどのシェフによる作りたての卵料理が楽しめるエッグステーションも完備。
上の写真の完成したオムレツの見栄えはあまり良いものではないものの・・・、卵の自然なコクがしっかり感じられるおいしい一品が楽しめました。
エグゼクティブラウンジ 朝食
ラウンジで7時から10時30分まで提供される朝食は、1階レストランのラインナップをコンパクトにしたもの。
もちろん、ホットミールも用意されているものの、1階のレストランであったエッグステーションの提供もなく、地域色を感じる工夫の余地も見いだせません。
パン類についても、必要な種類は確保されているものの、1階のレストランに比べると半分ほど。
さらに、メインレストランではなぜかパンコーナーの隣りにあったチョコレートシェイクやホットチョコレートも、もちろんラウンジでは提供されず。
コールドミールや飲み物でもそうした傾向は変わらず。
ローカルサラミコーナーや絞りたてのオレンジジュースの魅力を味わいたいのなら、やはり1階のメインレストランを訪れるしかありません。
もちろん、朝食の時間帯のラウンジは利用者自体が限られているためか、とても静かで落ち着いた環境で食事を楽しめるのは間違いありません。
しかし、1階のメインレストランでも営業開始直後に利用する場合はラウンジ同様に静かなもの。
特に、ヒルトンミラノのように食に対する一生懸命さを感じるホテルでは、メインレストランとラウンジのそれぞれで提供されるサービスに意外に大きな差が生じてしまいます。
そうしたせっかくの頑張りを見逃さないためにも、ヒルトンミラノでは、朝食にメインレストランを訪れてみるのは本当におすすめです。
まとめ
ミラノ中央駅徒歩圏という恵まれた立地だけではなく、大小様々な部分で快適な滞在を提供するための惜しみない工夫や努力、配慮が感じられるホテル、ヒルトンミラノ。
もちろん、そのサービスはより上位のホテルで提供されているものには及ばないものの、ヒルトンブランドのホテルという制限やくくりの中で、できるだけのことを頑張ろうという姿勢が感じられ、それがこのホテルを気に入っている最も大きな理由の1つかもしれません。
ミラノを初めて訪れる方はもちろん、ミラノの街を積極的&効率的に移動する方にも、ヒルトンミラノはおすすめしたいホテルです。
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