穏やかに、それでいてはっきりと春の訪れを感じさせてくれる桜の開花。
そんな桜だからこそ、誰しも自分にとってのお気に入りの桜の名所があるはずです。
実際、私も、自宅のすぐ近くだけではなく、職場に向かう通勤経路、あるいは少し足を伸ばすことになったとしてもその桜を眺めるために訪れたい場所など、様々な桜がいくつも記憶の中にあります。
目次
私が最も気に入っている桜の名所は弘前公園
桜の名所の中でも、私にとって最も気に入っている場所、それは間違いなく青森県弘前市にある弘前公園の桜。
全国的な桜の名所としてはもちろん、桜の開花時期というごく限られた期間内に数百万人規模の来場者を集める弘前さくらまつりが開催されていることでも知られています。
その弘前さくらまつりの魅力はやはり、青森県の名産品のりんごの剪定技術を活用した成果として育て上げられ、こんもりと丸みを帯びたボリューム感のある桜の花々。
そして、弘前公園内に今なお残る弘前城の周囲に張り巡らされた堀の水面に映る桜の姿が、
- 早朝
- 日中
- 夕方
- 夜
のそれぞれの時間帯によって大きく変化していく様子もまた、わざわざこの場所を桜の開花時期に訪れるだけの価値があると実感させてくれる美しい魅力の1つです。
弘前さくらまつりを楽しむために重要な徒歩圏内のホテル
そういった魅力を持つ弘前さくらまつりだからこそ、せっかく桜が開花している時期に弘前を訪れるのであれば、弘前公園への気軽なアクセスが可能で、様々な時間帯の桜の姿が楽しめる場所に宿泊するのはとても重要なことです。
さらに、弘前さくらまつりの期間中は市内の道路も大規模な混雑で凄まじい渋滞を見せることもあるため、これもまた徒歩でアクセスできるメリットが感じられる理由の1つかも知れません。
そんな弘前公園への徒歩でのアクセスが容易なホテルの1つが、弘前パークホテル。
弘前市の中心部を大きく南北に貫き、弘前公園までまっすぐ伸びる土手町通りという通りに面し、弘前さくらまつり観光の有力な選択肢の1つとされるホテルです。
弘前パークホテルの朝食ビュッフェの魅力
そうした特長のある弘前パークホテルでは、弘前を訪れる観光客にとって嬉しい評判のサービスが用意されています。
それが津軽の朝の食卓をテーマに提供されている朝食サービス。
この朝食は、7時から9時30分までホテル13階のレストランで提供されているのですが、ホテル宿泊者以外も大人1人1,300円の料金負担で利用可能なため、弘前を中心とした津軽地方の文化を伝統的な郷土料理を含む朝食を通して手軽に体験できる機会としても、とても面白い魅力的なサービスです。
しかも、高い階層の建物がそれほど多くはない弘前市内では十分高層にあたるホテル13階にあるレストランでは3方向に広く確保された窓が用意され、
- 津軽富士の愛称で親しまれる岩木山
- 桜の名所と知られる弘前公園の遠景
- 弘前市を盆地のように覆う白神山地や八甲田山といった山々
など、そこからの景色を眺めながら朝食を楽しめるのも忘れてはいけない嬉しいポイント。
ホテル13階の朝食レストラン「ステラ」のインテリアと景色
ホテルの13階にあるレストラン「ステラ」の入口には入ってすぐに受付があり、そこに常駐しているレストランスタッフの方に、朝食券を手渡して入店します。
その受付近くにはローカルで親しまれているものに全国紙も加えた新聞ラインナップも用意され、無料で自由に利用できるようになっていました。
ちなみに、宿泊者以外の利用者も、朝食サービスの利用にはこの朝食券が必要ですから、必ずホテル3階にあるフロントデスクで料金を支払い、上の写真の朝食券を受け取る必要があるのは要注意ですね。
実際、レストラン内は比較的ゆったりと確保された席と、それを取り囲むように窓が設けられています。
その窓の先には弘前の市街地と弘前公園、さらにその先にそびえる岩木山の姿が簡単に確認できました。
しかも、窓は前述のようにレストランの入口方向を除く3方向に確保されていますから、座る席の位置によって、岩木山や弘前公園以外にも白神山地や八甲田山など、全く別の方向にある景色を遠く見渡しながら楽しめるのも嬉しいですね。
また、レストラン内には、どのような時に活躍するのか不明な白くカラーリングされたグランドピアノと共に、赤ちゃんや子供用のチェアもすぐに利用できるように用意済み。
弘前パークホテルの朝食サービスの楽しみ
弘前パークホテルの朝食はビュッフェ形式で、
- ホットミール
- コールドミール
- ドリンク
といったラインナップから好きなものを自由に楽しめるようになっています。
その中でも注目したいのは、やはりホットミールとコールドミールのそれぞれに散りばめられるように用意された津軽地方の伝統的な郷土料理の存在。
それらを何気なく用意された朝食ラインナップの中から見つける楽しみがあります。
弘前パークホテルの朝食ビュッフェのホットミールラインナップ
まず、ホットミールコーナーの中でも最も一等地となる場所に用意されているのが、
- けの汁
- 野菜炒め
- イカの大根煮
- ホタテのみそ卵とじ
- おかゆ
の5種類。
これらの中で特に私が注目したのは、けの汁。
このけの汁は、大量の野菜と山菜を味噌や昆布などで味付けした津軽地方の郷土料理なのですが、丁寧にきざまれた多種多様な素材からにじみ出る素朴ながら滋味溢れる味わいがとても美味しく感じられ、これがホテルの朝食で楽しめることに驚いたほどでした。
また、青森の名産品の1つ、ホタテを贅沢に利用した、ホタテのみそ卵とじも一見派手さはないものの、潮の香りを感じさせる風味とそれが溶け込み閉じられた玉子の旨味はなかなかお見事。
それ以外のホットミールとしては、
- 目玉焼き
- ベーコン
- ポークウインナー
- ミートボール
といったスタンダードで親しみやすいラインナップも用意されているため、郷土料理以外の選択肢も楽しみたい時には嬉しいと感じるポイントかもしれません。
また、これまた郷土料理からは離れるのですが、ホテルのレストランの朝食らしく、カレーやグラタンなどの洋食メニューも。
特に、カレーの方は柔らかく煮込んだビーフがたっぷりと入り、コクもたっぷりな仕上がり。
ただし、風味的にもカレーと言うよりは古き良き洋食屋さんのハヤシライスに近い印象を感じるかもしれません。
汁物として津軽のみそ汁も用意され、カジュアルな郷土料理として楽しめました。
その味付けとしてはダシの旨味が強く感じられるもので、少し離れた場所に用意された刻みネギを少したっぷり加えると、より手軽に美味しく楽しめるかもしれません。
日本の朝ごはんで重要なポジションを占める炊きたてご飯は、青森の地元米、つがるロマンを利用したもの。
しかも、一般の業務用炊飯器で炊いたものの他に、専用の土鍋で炊いたものも別途用意するほどのちからの入れ方。
青森のブランド米としては、2015年に発売されたという青天の霹靂が主流と小耳に挟んだことがあるため、お米の品種としてはつがるロマンは最新のものではないとは思われるものの、こだわりを持って育てられ、しっかりと丁寧に土鍋で炊かれた艷やかな炊きたてご飯は侮りがたしと強く実感しました。
弘前パークホテルの朝食ビュッフェのコールドミールラインナップ
一方で、インパクトの面では、メインとしても活躍できるホットミールに一歩劣るように感じるコールドミール。
しかし、そうした印象とは裏腹に、郷土料理を探して味わう楽しむには十分なラインナップになっています。
上の写真はコールドミールの中では一等地となる場所に並べられた、
- 大根のにしん漬
- 十和田長芋
- 鮭(焼き魚)
- あんかけ玉子
- あんずのしそ巻
- 赤かぶのこぬか漬
- 高菜漬
- ますこ醤油漬け
といったラインナップ。
この中では、
- 十和田長芋
- あんずのしそ巻
- 赤かぶのこぬか漬
の3つが特に美味しく、いずれも津軽地方の郷土料理の一端を担うものですから、少しずつ試してみるのがおすすめ。
ちなみに、ますこ醤油漬けも津軽地方だけではなく、北海道や東北地方を中心とした筋子文化を体験できる貴重な機会と言えるのですが、珍味としても扱われることもある筋子の中でも風味と味の良い高品質なものをレストランの朝食で提供することはコスト的にも難しいのか、ここで提供されているものは多少のクセが感じられるため、そうしたクセが苦手な方は少しだけ要注意かもしれません。
その他にも少し変わった種類のコールドミールは用意され、
- 津軽漬
- イカの塩辛
- 切り干し大根
- 大間漬 わさび風味
といった品々も並んでいます。
ちなみに、切り干し大根以外はいずれも単品で楽しむよりは、ご飯のお供として活躍してくれるものばかりですから、あつあつの土鍋ごはんと一緒に気軽に楽しんでみるのがなかなかおすすめです。
また、和食の朝ごはんには外せないという方もいらっしゃる納豆も、ここでは地元産のこだわりを感じさせる猿賀納豆の福福という製品もその隣にある大角天と大根煮物と並べられて用意されていました。
特に、この納豆は、豆自体に素朴ながらしっかりとした旨味が感じられ、たれとしての醤油や辛子の味付けにそれほど頼ることなく味わえるため、なかなか面白く興味を惹かれた一品でした。
コールドミールのサラダコーナーにはタワー状態でディスプレイされた、
- ポテトサラダ
- 卯の花サラダ
- 牛蒡サラダ
の調理済みのサラダ3種。
それとは別に、
- 胡麻ドレッシング
- フレンチドレッシング
- 青じそドレッシング
などのスタンダードなドレッシングで楽しむ生野菜サラダも用意。
その他には、パイナップルやオレンジなどのフルーツがヨーグルトやコーンフレークと並ぶデザートコーナーを利用することで、旅先でも食物繊維をしっかり補給したい方の希望もある程度叶えられるはずです。
ちなみに、フルーツと言えば、レストラン内には、上の写真のような自由に1個まるごとのりんごを楽しめる特設コーナーも用意され、りんごの名産地の青森県らしい趣向と感じました。
もちろん、ホテルの朝食ですから、
- クロワッサン
- くるみパン
- 胚芽ロール
といった一般的なパンのラインナップも用意。
これらのパンを食べる時には、そのすぐ隣に用意されたバターやジャムを手に取ることになると思うですが、ここであえて注目したいのは、少し離れた場所にある自家製りんごバターの存在です。
これは、りんごの爽やかな風味とバターのリッチな味わいの美味しくも、食べやすさとカロリーのバランス的には罪悪感すら感じさせる一品。
食べ過ぎや塗り過ぎには要注意なものの、本場のりんごとたっぷりのバターが生み出すコンビネーションの魅力は本物ですから、一度お試しで手にとってみるだけの価値はあるはずです。
弘前パークホテルの朝食ビュッフェのドリンクラインナップ
こうして提供されるビュッフェメニューと一緒に自由に楽しめるドリンクメニューとしては、
- りんご酢
- トマトジュース
- 野菜ジュース
- グレープフルーツジュース
- りんごジュース
- オレンジジュース
- 牛乳
- 水
などがレストランに入ってすぐのエリアに並べられています。
これらの中では、本場らしい美味しさを感じる100%のりんごジュースに加え、りんご酢がすっきりとした無理なく飲める味わいと仕上がりでついついおかわりしてしまったほど。
1個まるごとのりんごやりんごバターと同様に、青森県を訪れたのなら、りんご関係はとりあえず要チェックですね。
また、同じようにレストラン内には、その利用の都度豆を挽いてコーヒー類を提供するマシンとお湯で淹れるタイプの煎茶や紅茶などのお茶類も用意され、多くの方が食事中はもちろん、食後のひとときを楽しむ際のお供にも活用していました。
ちなみに、コーヒーマシンの近くには、テイクアウト用の紙コップも専用のフタとセットで用意済み。
これは他の様々なホテルでもスタンダードなサービスとして提供されているものですが、レストラン内で楽しむ以外に、外に持ち出して楽しむことも可能になりますから、観光で弘前を訪れている利用者にとっては嬉しい配慮です。
まとめ
桜の名所として知られる弘前公園で開催される弘前さくらまつりの観光にも十分徒歩圏で便利な弘前パークホテル。
そうした立地面のメリットだけではなく、そこで提供されている朝食サービスは津軽地方の伝統的な郷土料理へのこだわりが随所に感じられるもので、観光で訪れている利用者にとってなかなか嬉しいサービスです。
もちろん、ますこ醤油漬けなどの一部のコスト面が重要な素材の品質や作りたての卵料理が提供されるエッグステーションが用意されていないなどのサービス面で、大人1名1,300円という料金の限界のようなものが感じられるかもしれません。
しかし、津軽地方の朝食というテーマを通して、そこで育まれてきた伝統料理のエッセンスのような魅力を気軽でカジュアルなものとして楽しめることに満足感を感じる方もいらっしゃるはずですから、弘前さくらまつりを訪れた際には、弘前パークホテルの朝食で津軽地方の郷土料理を気軽に試してみるもなかなか面白いと思いますよ。
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