2017年11月16日以降に実施される、JALのシステム刷新ではかなりダイナミックな変化が予定されています。
そのため、良くなる部分も用意されている一方で、これまでできて当然だったことがあっさり制限されるなど、改善と改悪の両方が同時進行で強力に推し進められているという印象です。
新しい追加サービス、幼児用のJAL国際線特典航空券
そんな中、完全な改善として手放しで喜べる新しい追加サービスの1つが幼児用のJAL国際線特典航空券。
これは、同伴する大人の国際線特典航空券と同じクラス利用する時に限って、座席を利用しない2歳未満の幼児用の国際線特典航空券を通常必要マイル数の10%で予約・発券できるというサービスです。
ちなみに、これまでは幼児に同伴する大人が有償の航空券を利用していても、マイルを使った特典航空券を利用していても、幼児には有償の幼児運賃しか用意されていませんでした。
それが、11月16日以降は有償の幼児運賃とマイルを使った幼児用特典航空券の2つから、好きな方を選べる点で、間違いなく改善といえます。
幼児運賃と幼児用特典航空券の共通点
この2つの幼児運賃と幼児用特典航空券には
- 電話での発券手数料無料
- 払い戻し手数料無料
- 予約変更手数料無料
- 座席枠の設定なし
といった意外に多くの共通点があります。
これは、幼児運賃も幼児用特典航空券も、幼児単独では利用できない同伴者である大人と一緒に旅行することが前提の航空券になっていることや、ベビーバシネット(赤ちゃん用ベッド)を利用することはできても、元々専用の席は用意されず、同伴する大人の膝の上で過ごすことが前提になっていることが大きな理由です。
そのため、実際に今現在発券できる幼児運賃でも、幼児用のEチケット自体は用意されるものの、幼児用に専用の予約番号は発行されず、あくまで同伴する大人の予約に追加する形で予約と発券が行なわれています。
幼児運賃と幼児用特典航空券の違い
逆に幼児運賃と幼児用特典航空券の違いと言えば、
- 同伴する大人の航空券の種類での制限
- 必要コスト
の2つ。
まず、同伴する大人の航空券の種類での制限というのは、同伴する大人が有償航空券を利用する場合は、有償の幼児運賃しか利用できないのですが、同伴する大人がマイルを使った特典航空券を利用する場合は、有償の幼児運賃に加えて、新たに追加される幼児用特典航空券も利用できます。
また、必要コストについても、有償の幼児用運賃は、
- エコノミークラス:「Standard B」
- プレミアムエコノミー:「Standard W」
- ビジネスクラス:「Semi-Flex J」
という種類の大人用有償運賃の10%という条件が適用される一方で、幼児用特典航空券は通常時の大人用特典航空券の必要マイル数の10%という条件が適用されるため、ここにはっきりとした違いがあります。
幼児運賃と幼児用特典航空券のお得度対決
そうなると気になるのが、幼児運賃と幼児用特典航空券のどちらがお得なのかということ。
そこで、子供連れでも安心な海外として人気の高いハワイを対象に、
- エコノミークラス
- プレミアムエコノミー
- ビジネスクラス
のそれぞれのクラスの最も安価な運賃と最も割高な運賃を元に比べてみることにしました。
その結果は、
エコノミークラス(Standard B、幼児用特典必要マイル数=4,000マイル)
- 最安幼児運賃:19,000円 1マイルの価値:4.75円
- 最高幼児運賃:34,000円 1マイルの価値:8.5円
プレミアムエコノミー(Standard W、幼児用特典必要マイル数=6,000マイル)
- 最安幼児運賃:25,000円 1マイルの価値:4.1円
- 最高幼児運賃:40,000円 1マイルの価値:約6.7円
ビジネスクラス(Semi-Flex J、幼児用特典必要マイル数=8,000マイル)
- 最安幼児運賃:42,000円 1マイルの価値:5.25円
- 最高幼児運賃:68,000円 1マイルの価値:8.5円
というものでした。
この結果で驚くのは、閑散期などの最も安価な運賃で利用できる時期でさえ、いずれのクラスでも1マイルの価値は4円を下回らないことです。
逆に、繁忙期のエコノミークラスとビジネスクラスでは、1マイル=8.5円もの高価値をあっさり叩き出すなど、幼児用特典航空券はなかなかあなどれない存在になっています。
この高いお得度は幼児用特典航空券自体が大人用の特典航空券確保済みの時にしか利用できない制限があることに対するご褒美のような位置づけかもしれませんね。
まとめ
幼児用運賃や幼児用特典航空券と聞くと、お子さんが小さな時しか利用できず、あまり関係のないことのように感じてしまうかもしれません。
しかし、その短い期間限定とは言え、新幹線やバスなどの地上交通に比べて圧倒的に子供連れへの配慮が行き届いた飛行機での旅行へお得に出かけられるツールとして十分活躍してくれます。
また、幼児用特典航空券も通常のマイルを使った特典航空券と同様、2親等以内なら自由に予約と発券が可能ですから、孫に対するおじいちゃんやおばあちゃんの存在感・貢献度をアピールするチャンスとしても活用できるはず。
特に、大人が特典航空券を利用する時のみ利用可能な幼児用特典航空券は、信じられないくらい高い自由度にも関わらず、なかなか魅力的なお得度を誇りますから、積極的に使っていくのもおすすめだと思いますよ。
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