北欧諸国の玄関口としてだけではなく、ヨーロッパの各地への乗り継ぎ地点としての存在感を高めつつある、フィンランドの首都、ヘルシンキ。
実際、そのヘルシンキを拠点とするフィンエアーと同じワンワールドに加盟するJALを利用してヨーロッパを訪れる場合にも、そうした影響は存在しています。
具体的には、JAL便でヘルシンキに発着し、そこから先はフィンエアーでヨーロッパの各都市に向かう旅程が提示されたり、あるいはコードシェアとしてJAL便名が与えられたフィンエアー運航便をそもそも日本発着で利用するというケースも決して珍しいものではありません。
そんな時に訪れることになるヘルシンキのヴァンター国際空港(Helsinki Vantaa)には合計4つのプライオリティパスで利用できるラウンジが用意されています。
目次
シェンゲンエリア内とシェンゲンエリア外で分かれる4つのプライオリティパスラウンジ
ヘルシンキ空港でプライオリティパスで利用できるラウンジを活用する場合、注意しなくてはいけないのが、どのラウンジが利用できるのかということ。
というのも、ヘルシンキ空港はとてもコンパクトな空港としてデザインされ、ヨーロッパ域内を中心とした国内線の発着するシェンゲンエリアのあるターミナルとヨーロッパ域外を中心とした国際線の発着する非シェンゲンエリアのあるターミナルが隣接しているから。
そのため、ヘルシンキ空港でチェックイン後に保安検査を受けた後やヨーロッパ域内の国内線でヘルシンキに到着した後には、シェンゲンエリアのあるターミナルに到着するものの、もしそのまま国際線でヘルシンキを出発するという場合には、そのままシェンゲンエリアと非シェンゲンエリアを隔てる場所に設置された出国審査場を通過するだけで、非シェンゲンエリアのあるターミナルに到着することが可能になっているほどです。
そうした事情がありますから、
- シェンゲンエリアから出発する国内線利用:シェンゲンエリアのラウンジの利用可能
- 非シェンゲンエリアから出発する国際線利用:シェンゲンエリアと非シェンゲンエリアの両方のラウンジが利用可能
という違いが存在していることになります。
ちなみに、それぞれのエリアにあるラウンジの内訳は、
シェンゲンエリア:
- ASPIRE LOUNGE
- FLY INN RESTAURANT(レストラン形式のラウンジ)
非シェンゲンエリア:
- ALMOST@HOME(フィンエアーやブリティッシュ・エアウェイズなどの航空会社提携ラウンジ)
- PLAZA PREMIUM LOUNGE(2019年5月10日からサービス提供開始の新しいラウンジ)
となっていますから、
- シェンゲンエリアからの国内線利用:最大2つ
- 非シェンゲンエリアからの国際線利用:最大4つ
のラウンジから自由に好きなものを選んで利用できるということですね。
Almost@home Loungeのアクセスと営業時間
そんなヘルシンキ空港で利用できるプライオリティパスラウンジの中から実際に利用したのは、ALMOST@HOME。
非シェンゲンエリアのゲート32の近くにあるラウンジです。
営業時間は年中無休で5時30分から23時30分まで。
ちなみにラウンジの近くにはHelsinki Duty Freeという様々な商品を扱っている広い面積を誇る免税店や税金還付用のカウンターなども立地していて、ラウンジの案内板と合わせて、それらを目印の1つにしてみるのもおすすめかもしれません。
ラウンジの場所を示す案内に従って税金還付用のカウンターの奥に進むと上の写真のような受付カウンター。
ここに常駐している受付スタッフに搭乗券とプライオリティパスを提示するだけで入室手続きは完了するのは他のプライオリティパス対応ラウンジと同様です。
Almost@home Loungeのインテリアとサービス
ラウンジ内のインテリアはALMOST@HOMEというラウンジの名前からも分かるように、自宅で過ごしている時のような寛ぎをコンセプトとしているようで、カジュアルながら落ち着きを感じるもので統一されていてなかなか好印象。
提供されている料理としては、コールドミールが中心ながらホットミールもしっかり用意。
鶏肉のたっぷり入ったカレー味のパスタなどが並んでいて、いずれも高い人気を集めていました。
コールドミールとしては、新鮮な生野菜が嬉しいサラダコーナー。
ちょっとお酒と一緒につまみたい時には活躍するナッツ類が並ぶコーナー。
甘いものがほしい時には活躍するスイーツやスナック、フルーツなども用意され、ゆったりとラウンジ内での時間を過ごすには十分な内容です。
飲み物としては、一般的なソフトドリンクはもちろん、スパークリングワインや白ワインなども一緒にテーブルと一体になった開放型の冷蔵庫で冷やされています。
スパークリングワインと白ワインがあるわけですから、もちろん赤ワインもその近くに完備。
加えて、ビールはスイーツやスナックが用意された壁側のエリアに自由に楽しめるサーバータイプの形で用意され、想像以上に多くの方が楽しんでいました。
ちなみに、これ以外にもアルコールは用意されているものの、それらはあくまでプレミアムセレクションとして、追加での料金負担が必要なラインナップとして扱われています。
料金表も用意されていて、ご当地アルコールと言える北欧やロシアの銘柄を手軽に楽しめることを考えると、まずまず良心的な価格設定と感じました。
また、ラウンジ内にはトラベルショップとして、旅行用品やちょっとしたお土産を購入できる売店コーナーも用意され、ラウンジの方針として、希望者には少しお得な追加負担を支払ってもらうことで、プラスαのサービスを積極的に提供しようというような面白さを感じますね。
PLAZA PREMIUM LOUNGEオープン後のラウンジ利用
2019年5月10日以降は、それまで非シェンゲンエリアのプライオリティパスラウンジでのラウンジ需要を一手に引き受けてきたALMOST@HOMEに加えて、PLAZA PREMIUM LOUNGEも利用可能になりました。
そうなると気になるのは、どのように使い分けするべきなのかということ。
基本的には、どちらも非シェンゲンエリアにあるということは共通しているのはもちろん、ヘルシンキ空港自体コンパクトな空港ということもあって、ゲート32最寄りのALMOST@HOMEに対して、ゲート34最寄りのPLAZA PREMIUM LOUNGEというように、出発時に使用するゲートにあまり左右されることなく好きな方のラウンジを利用できるはずです。
また、営業時間も年中無休で5時30分から23時30分までのALMOST@HOMEに対して、5時から24時までのPLAZA PREMIUM LOUNGEというように、実際の利用上では大きな違いを感じるものではありません。
ただし、個人的には、ALMOST@HOMEを含め、免税店や税金還付カウンターのあるエリアの周辺の通路は全体的に広くはなく、到着便と出発便が集中してしまった時には、しばし身動きがとれないほど混雑が気になるのも事実。
そう考えると、可能なのであれば、そうしたエリアが混雑していないタイミングに通過してしまい、そのままより多くのゲートに近いPLAZA PREMIUM LOUNGEを利用するという選択の方が快適で得策かもしれませんね。
まとめ
乗り継ぎでの利便性に注目したデザインが特長的なのはもちろん、それを活かす形で実際の運用が行われているフィンランドのヘルシンキ空港。
日本を代表する航空会社の1つであるJALとの強力な連携を構築しているフィンエアーの拠点空港ということで、利用する機会があるという方も意外に多いかもしれません。
そんな時に利用することになるヘルシンキ空港のプライオリティパスラウンジは、シェンゲンエリアを発着するヨーロッパ域内を中心とした国内線と非シェンゲンエリアを発着するヨーロッパ域外を中心とした国際線で、利用できるラウンジに違いは生じるものの、意外に仕組み自体は一度理解できると迷いにくいはずです。
特に、まるで自宅などで寛ぐような過ごしやすさを感じるALMOST@HOMEはもちろん、2019年5月10日から利用が可能になったPLAZA PREMIUM LOUNGEも新たな選択肢として加わったことで、プライオリティパスの活用の幅は確実に広がりました。
せっかくヘルシンキ空港を訪れるチャンスに恵まれたのであれば、こうしたラウンジを訪れて、その中でもお気に入りを探してみるというのもなかなか楽しく、旅の楽しみとしてもおすすめだと思いますよ。
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