赤ちゃんや幼児など、子供連れで旅行する時の意外に嬉しい強い味方と言えば、幼児運賃や小児運賃による割引。
JALの国際線でも
- 幼児用運賃:生後8日以降2歳未満
- 小児運賃:2歳以上12歳未満
という区分でそうした割引が設定されています。
目次
幼児運賃と小児運賃の利用制限
幼児運賃とはいうのは、同伴する大人1人に対して2歳未満の幼児1人までが利用できる運賃。
幼児のための座席は確保されず、同伴する大人の膝の上に座って搭乗することになります。
そのため、大人1人が2歳未満の幼児に同伴する場合には、この幼児運賃の条件を越えてしまいますから、幼児1人分だけは小児運賃の利用が必要になったり、出産予定日まで28日以内の妊娠中の方が同伴する場合には、元々幼児1人までしか同伴できないなど、細かな制限が設定されているのは要注意。
一方の小児運賃は、小児一人ひとりに座席が用意されるため、一般的に大人の同伴者の人数に関してそうした条件はありません。
逆に、大人の同伴者の数になどによって幼児運賃で利用できない幼児がチャイルドシートを利用する時などの受け皿としても活躍しています。
幼児運賃のベビーバシネットと小児運賃のチャイルドシート
幼児運賃の利用では、離着陸時に同伴する大人の膝の上に座っていることが必要ですが、飛行している間、そうしていなくてはいけないわけではありません。
なぜなら、座席の前の壁に装着するタイプの、ベビーバシネットと呼ばれる赤ちゃん用ベッドが無料で提供され、離着陸時以外には利用できるからです。
また、2歳未満の幼児でも、大人の同伴者の人数による制限や利用者からの希望によって、座席が用意される小児運賃を利用している場合、チャイルドシートが利用することになります。
また、このチャイルドシートを利用しているからと言って、ベビーバシネットとの併用が制限されるわけではなく、両方利用することも可能。
つまり、食事などの起きている時にはチャイルドシート、眠りそうになった時にはベビーバシネットというような併用もできますね。
ただし、ベビーバシネットの利用は体重10.5kgまでの、2才未満の赤ちゃん、チャイルドシートは体重が2.3~18kg、身長が102cm以下の3歳未満のお子様が対象ですから、これらの制限だけには注意が必要です。
JAL国際線の幼児・小児向けの特別なサービス
長時間の移動になりやすい国際線では幼児や小児向けに様々な手厚いサービスが提供されています。
具体的には、
- ベビーバシネット:赤ちゃん用ベッド。要事前予約。
- チャイルドシート:座席を確保した3歳未満の幼児や小児用。要事前予約。
- 紙おむつ:花王「メリーズパンツ」のM&Lサイズ。要事前予約。
- パウダーミルク:数に限りあるものの、機内で提供可能。
- 離乳食・幼児食:離乳食(~8ヵ月) と幼児食(9ヵ月~2歳)の2種類用意。要事前予約。
- チャイルドミール:2歳以上12歳未満を対象にした特別食。要事前予約。
- おもちゃ:子供向けにオリジナルグッズをプレゼント。
- 貸し出し用絵本:数に限りあるものの、機内で貸出可能。
- ベビーカー:搭乗口まで利用可能。また、空港によっては数に限りがあるものの、ベビーカーの貸出も可能。
といったもので、工夫が感じられる便利なサービスが用意されています。
JAL国際線 幼児運賃の計算方法
幼児運賃や小児運賃を利用する時に一番気になるのが運賃や料金の計算方法かもしれません。
確かに、JALの「お子さまの国際線ご利用についてのご案内」のページには、幼児運賃は「大人運賃の10%」、小児運賃は「大人運賃の75%」という案内はあるものの、元になる大人運賃はどの大人運賃なのか、とてもわかりにくくなっています。
まず、幼児運賃の場合は、
- エコノミークラス:「Standard B」
- プレミアムエコノミー:「Standard W」
- ビジネスクラス:「Semi-Flex J」
という運賃の10%という条件です。
これは、同伴する大人が特典航空券でも有償航空券でも、変わりません。
ただ、最大の問題は、これらの「Standard B」、「Standard W」、「Semi-Flex J」が、それぞれのクラスでかなり普通運賃に近い料金設定のものだということ。
例えば、仮に北米行の場合、大人1人の往復で、
- 「Standard B」:340,000円~412,000円
- 「Standard W」:370,000円~442,000円
- 「Semi-Flex J」:622,000円~942,000円
というなかなか高額なものになっていまいます。
そのため、大人運賃の10%で済むはずの幼児運賃でも、元々の運賃が高額なものが採用されているため、意外に高く感じられますね。
また、同伴する大人が特典航空券を利用するため、往路がビジネスクラス、復路がプレミアムエコノミーというように、往復でクラスが異なる場合には、それぞれのクラスの運賃を足して2で割ることで、幼児運賃が計算されるルールです。
JAL国際線 小児運賃の計算方法
一方の小児運賃では、「大人運賃の75%」という条件。
そのため、幼児運賃のように「Standard B」、「Standard W」、「Semi-Flex J」から「大人運賃の75%」で計算すると、大人が利用する一般的な割引運賃よりも高くなってしまうと心配する方も多いはず。
しかし、その心配は無用。
なぜなら小児運賃では、大人同様、Saverなどの割引運賃なども含めたほぼすべての大人向け運賃が選択可能で、その選んだ大人用の運賃の75%という条件で利用できるからです。
また、幼児運賃と同様に、同伴する大人が特典航空券を利用するなど、往復でクラスが異なる場合には、実際に利用する便やクラスなどを元にそれぞれの運賃を足して2で割る特別運賃が小児運賃として計算され、基本的に提供されるルールになっています。
幼児運賃と小児運賃の予約変更・キャンセル・手数料
「Standard B」、「Standard W」、「Semi-Flex J」を計算の元にする幼児運賃と割引運賃も含めたほぼすべての大人向け運賃を計算の元にする小児運賃で最も大きな違いと言えば、予約変更やキャンセル、その際の手数料などの条件です。
まず、幼児運賃については、同伴する大人が予約の変更が理由になっている限り、予約変更やキャンセルも手数料無料で対応してもらえます。
これは幼児運賃の予約が元々「Standard B」、「Standard W」、「Semi-Flex J」といった高い運賃を元にしていることと、あくまで幼児単独では利用できず、大人の同伴者の予約に紐付ける形で予約しているからこその取り扱いと言えそうです。
一方の、小児運賃については、ほぼすべての大人向けの運賃が利用できるため、予約変更やキャンセル、それらの手数料についても、実際に予約した運賃のルールに左右されます。
つまり、割引率の小さな普通運賃に近い運賃を元に小児運賃を予約した場合には予約変更やキャンセルが優遇されるのですが、割引率の大きな運賃を元に小児運賃を予約した場合には、予約変更自体が認められず、一度キャンセルを行って予約手続きをやり直すしかないケースも。
もちろん、こうした割引率の高い航空券のキャンセルの場合には、払い戻し手数料などは必要で、航空券購入費用全額は返金されません。
そのため、幼児用運賃は予約変更やキャンセルを恐れずに気軽に手続きが行える一方で、小児運賃については、大人が利用する通常の航空券予約のように、購入金額と発券後制限を比べて、どの運賃を元にするのか、しっかり考える必要がありますね。
逆に、小児の利用では大人と同じマイル数が必要なものの、予約変更やキャンセルの条件が大幅に緩やかな特典航空券を利用するのも有力な選択肢になるかもしれません。
大人が特典航空券と有償航空券の利用時の幼児運賃と小児運賃
今現在は、同伴する大人が特典航空券を利用していても、有償航空券を利用していても、幼児は有償のものしか利用できません。
一方で、小児については、小児運賃の利用はもちろん、大人と同じマイル数を支払っての特典航空券予約も可能です。
とは言え、こうした状況は2017年11月15日まで。
2017年11月16日以降は、幼児についても、大人の必要マイル数の10%で利用できる幼児用の特典航空券の提供が開始されます。
ただし、幼児用の特典航空券は同伴する大人も特典航空券を利用する場合のみ利用可能という点で、小児用の特典航空券の利用条件とは違いがあるのは要注意ですね。
幼児運賃と小児運賃のマイル加算、FOP加算、生涯マイル
座席を確保しない幼児運賃と座席を確保する幼児運賃の大きな違いといえば、マイルや生涯マイル数の加算。
というのも、幼児運賃では大人向けの有償航空券と同じようにお金で支払うとしても、座席を利用していないため、マイルが加算されず、それにともなって加算されるはずの、フライオンポイント(FOP)や生涯マイル数も加算されないからです。
逆に、幼児運賃が利用できる2歳未満の幼児の利用でも、利用者側の希望で座席を確保し、チャイルドシートを装着した上で利用する小児運賃を利用した場合、これはマイルやFOP、生涯マイルの加算対象になります。
もちろん、2歳以上の小児がそのまま小児運賃を利用した場合は、全く問題なくマイルやFOP、生涯マイルの加算対象です。
まとめ
実際に利用することがない限り、意外に理解するチャンスがない幼児運賃や小児運賃。
しかし、サポート体制の充実はもちろん、運賃としてのお得度や納得感もしっかりと考えられたものになっていて、お子様連れでの飛行機での旅行を強力にサポートしようとする姿勢が感じられるのは間違いありません。
確かに、いくつかの要注意ポイントはあるものの、それほど難しさを感じさせるものではありませんから、ある程度の旅程が固まった段階でJAL国際線予約に問い合わせながら確認してみるのもおすすめだと思いますよ。
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