2018年12月のJAL国際線特典航空券PLUS導入までに激変するJAL特典航空券予約スケジュールの変更と改悪のまとめ(335日前からの予約スケジュール、キャンセル待ち&予約変更消滅の意味、当日発券もこっそり廃止で改悪、不安な直前期開放発券の今後)

貯めたマイルを特典航空券の予約として活用する場合、最も警戒を要するのは間違いなく改悪というルール変更の存在。

なぜなら、改悪によって特典航空券の予約に必要マイルが大きく増加されることはもちろん、特典航空券としての利用可能な特長すら変更されるなど、最も重要なはずの前提条件すら大きく変わってしまうこともあるから。

特に、2018年はJALマイルの活用に大小様々な影響を与える、

  • 国際線特典航空券のJALホームページからの予約期限と予約変更期限の延長(2018年6月22日に実施済み)
  • JAL国内線特典航空券の予約期限と予約変更期限の延長(2018年10月4日より)
  • JMB提携航空会社特典航空券とワンワールド特典航空券の必要マイル数増加(2018年11月20日より)
  • 国際線特典航空券の航空券取扱手数料の2,160円から5,400円への値上げ(2018年12月19日より)
  • JAL国際線特典航空券PLUS導入による必要マイル数変動性への移行(2018年12月より)
  • JAL国際線特典航空券でのキャンセル待ちと予約変更の廃止(2018年12月より)

といった一部に改悪も含む、特典航空券の大きなルール変更が目白押しというなかなか恐ろしい一年です。

JAL国際線特典航空券PLUS導入はJALが生まれ変わると表現するくらいの特典航空券の大変動(2018年12月実施の改悪内容、予約変更とキャンセル待ちが消滅する意味、JAL国際線特典航空券PLUSのお得度と使い分け、改悪実施前&実施後にできる対策)
JAL国際線特典航空券の予約変更廃止の改悪がもたらす悪影響(特典航空券から予約変更が失われる意味、新規予約期限実質延長テクニックの喪失、不可避な新リスクとその対策、発券手数料値上げの影響、JALが狙っている特典航空券の将来像)

変更前と変更後の特典航空券予約スケジュール

こうした変更の中で私が特に気になっているものと言えば、

  • JAL特典航空券の予約期限と予約変更期限の変更
  • JAL国際線特典航空券のキャンセル待ちと予約変更の廃止

という2点。

というのも、これらは特典航空券の予約スケジュールとそれに対応した戦略に大きな影響を与えるため、ルール変更前のこれまでの常識が通用しなくなる根本的な原因になるからです。

具体的に、一連の変更が開始される前の2018年6月21日までは、

335日前:

  • JAL国際線特典航空券でJMBダイヤモンド メタル会員対象の先行予約受付開始

330日前:

  • 通常のJAL国際線特典航空券予約受付開始
  • JAL国際線特典航空券の国内線区間の予約受付開始
  • JAL国際線特典航空券のキャンセル待ち受付開始(→廃止)
  • JMB提携航空会社特典航空券とワンワールド特典航空券の予約受付開始

90日前:

  • JAL国際線特典航空券で8日間までキャンセル待ちが確保できる最終日(→廃止)

89日前:

  • JAL国際線特典航空券のキャンセル待ち有効期限が最大でも7日間に制限開始(→廃止)

2ヶ月+2週間前:

  • JAL国内線特典航空のJMBダイヤモンド会員とJGCプレミア会員対象先行予約受付開始

2ヶ月前:

  • 通常のJAL国内線特典航空予約受付開始

15日前:

  • JAL国際線特典航空券のキャンセル待ち有効期限が7日間確保できる最終日(→廃止)

8日前:

  • JAL国際線特典航空券でのキャンセル待ち受付最終日(→廃止)

4日前:

  • JAL国際線特典航空券のJALホームページで新規予約と予約変更ができる最終日(→出発の48時間前まで延長)
  • JMB提携航空会社特典航空券のJALホームページで新規予約ができる最終日(→出発の48時間前まで延長)
  • JAL国内線特典航空券の電話とJALホームページで新規予約と予約変更ができる最終日(→出発の1日前まで延長)

2日前:

  • JMB提携航空会社特典航空券とワンワールド特典航空券の電話での新規予約と電話での予約変更ができる最終日(→新規予約は出発の24時間前まで延長。予約変更は出発時刻前まで延長)

1日前:

  • JAL国際線特典航空券の電話での新規予約できる最終日(→出発の24時間前に変更)

出発時刻:

  • JAL国際線特典航空券の電話での予約変更受付期限(→廃止)

というように、国際線と国内線の違いはあったとしても、

  • 予約受付開始日
  • キャンセル待ち期限
  • 予約受付終了日
  • 予約変更受付終了日

というような少し複雑な区切りで分けられていました。

そうした状況だったものが、すべての変更が完了する2018年12月には、

335日前:

  • JAL国際線特典航空券でJMBダイヤモンド メタル会員対象の先行予約受付開始

330日前:

  • 通常のJAL国際線特典航空券の予約受付開始
  • JAL国際線特典航空券の国内線区間の予約受付開始
  • JMB提携航空会社特典航空券とワンワールド特典航空券の予約受付開始

2ヶ月+2週間前:

  • JAL国内線特典航空のJMBダイヤモンド会員とJGCプレミア会員対象先行予約受付開始

2ヶ月前:

  • 通常のJAL国内線特典航空予約受付開始

48時間前:

  • JAL国際線特典航空券のJALホームページで新規予約ができる期限
  • JMB提携航空会社特典航空券のJALホームページで新規予約と予約変更ができる期限

1日前:

  • JAL国内線特典航空券のJALホームページと電話で、新規予約と予約変更ができる最終日(電話での手続きは窓口営業時間終了の22時まで)

24時間前:

  • JAL国際線特典航空券の電話で新規予約ができる期限
  • JMB提携航空会社特典航空券の電話で新規予約ができる期限
  • ワンワールド特典航空券の電話で新規予約ができる期限

出発時刻:

  • JMB提携航空会社特典航空券の電話での予約変更受付期限
  • ワンワールド特典航空券の予約の電話での予約変更受付期限

といった、かなりシンプルな形に変更されます。

キャンセル待ちが廃止されることの意味と空席枠増加期待

こうしてやや複雑だった変更前のスケジュールとかなりシンプルになった変更後のスケジュールを比べてみると、

  • 意外に多くの分量を占めていたJAL国際線特典航空券のキャンセル待ちに関する記述がごっそり消滅
  • JAL国際線特典航空券のみ、予約変更に関する記述が消滅
  • 国際線特典航空券の種類ごとにバラバラだった期限の多くが統一
  • 国際線も国内線も新規予約受付期限や予約変更期限が延長

といった形での変更が行われていることが分かります。

この中でも間違いなく特典航空券の利用に大きな変更をもたらすのはキャンセル待ちがこれまで当然のように提供されてきたサービスから消滅してしまうこと。

このキャンセル待ちについては、希望する日程に空席が生じたのかどうかを何度もチェックする必要がなくなるため、便利に活用していた方も多いはず。

また、上級会員資格を保有している方にとっては、キャンセル待ちでの優遇も重要な上級会員向けの特典として提供されているものですから、今回のキャンセル待ちというサービス自体が消滅してしまうこと自体、上級会員特典に対する改悪と考えることもできそうです。

実際、キャンセル待ちの表示になっている旅程でも、上級会員がキャンセル待ちの申し込み手続きを行った場合、即座~数時間というごく短時間でキャンセル待ちでの空席が確保されたというメールが届けられることも見られるなど、一部では上級会員優遇を目的とした座席コントロール方法としても活用されていました。

今回のキャンセル待ちの廃止では、そうした隠された特典がなくなってしまう以上、改悪と考えるのが自然です。

しかし、キャンセル待ちの廃止が純粋に改悪なのかというと、その判断はなかなか難しいと感じています。

なぜなら、片道のみ空席が残っていて、もう片方が空席なしという往復でのキャンセル待ちを申し込む場合、最終的に特典航空券として発券されるのかどうか分からない空席がキャンセル待ち期限まで不確定な形で確保され続けてしまう状況を招くリスクがあるからです。

実際、JAL側もこうした形で特典航空券の空席枠の流動性が低下し、最後まで発券に至らずに最終的にせっかくの枠が無駄になってしまう状況を解消する目的なのか、

  • 発券前のキャンセル待ちの有効期限を出発の89日前以降は最大でも7日間までに大幅制限(2015年10月実施)
  • キャンセル待ちの申込み可能区間数を最大4便から2便に半減する形で制限(2016年11月実施)
  • 発券後のキャンセル待ち申込み不可(2016年11月実施)

というような形でキャンセル待ちでできることを着実に制限してきました。

そして、満を持して2018年12月に実施される変更が、キャンセル待ち自体の廃止。

この変更によって、キャンセル待ちによって発券されないまま確保されている空席は完全になくなり、予約可能な期間全体で、本当に存在している空席のすべてが予約可能な在庫として表に出てくることになります。

もちろん、これまでのキャンセル待ちに関する変更でも、発券されないまま確保されている空席は格段に減少したはずですが、今回の変更ではより徹底していて、それが完全にゼロとなるのが最大の特長ですね。

その結果、JAL側での空席枠の調整などの何らかの操作が行われない限り、特典航空券としての空席枠が増え、予約したい時にそのまますぐに予約手続きが行えるチャンスが広がるはず。

これは、基本的にJAL国際線特典航空券PLUSの導入で目指している、「特典航空券を利用できるチャンスの拡大」と同じ方向性です。

JAL国際線特典航空券からの予約変更機能消滅を改悪と判断する理由と対策

こうして、特典航空券の空席枠増加に伴って予約難易度低下が見込まれるキャンセル待ちの廃止とは少し事情が異なると感じるのが予約変更の廃止。

予約変更という機能自体が消滅することで、変更を前提としない旅程での予約と発券が多く行われるようになるため、出発直前期などに予約変更が原因で最終的に無駄になってしまう空席枠が減少するという効果も多少は期待できるかもしれません。

しかし、これまで航空券の有効期限内なら無料だったものが、予約変更を希望する度に、3,100円の払い戻し手数料を支払った上で、再度予約する必要があるという時点で、あまりに変更の幅とその影響が大きく、流石に改悪と判断する以外にないと感じています。

一方で、同じJALマイルを利用して予約と発券を行う国際線特典航空券でも、JMB提携航空会社特典航空券とワンワールド特典航空券では、予約変更がこれまで通り利用可能。

もちろん、JMB提携航空会社特典航空券でもワンワールド特典航空券でも予約変更の手続きを電話で行う場合には、5,400円の発券手数料(航空券取扱手数料)の負担は必要なものの、JALホームページで特典航空券を扱えるJMB提携航空会社については、手数料負担なしでの扱いも可能となっています。

そのため、スケジュール的に予約変更の可能性がある旅程については、改悪が実施された結果実質的に3,100円の予約変更での手数料負担が増えたJAL国際線特典航空券や元々予約変更の度に手数料の支払いが必要なワンワールド特典航空券を利用するのではなく、JALホームページで特典航空券の手続きが可能なJMB提携航空会社を選ぶのが無難でおすすめと言えそうですね。

予約変更廃止で実質的なJAL国際線特典航空券の当日発券も廃止

キャンセル待ちや予約変更の廃止ほどのインパクトはないものの、選択肢を狭めるという意味では改悪と言えるのが、予約変更と一緒に消滅した実質的なJAL国際線特典航空券の当日発券。

具体的にこれまでは、

  1. 出発当日の希望する旅程に特典航空券の空席枠を見つける。
  2. 電話での予約が可能な1日以上先の同じ区間の旅程をとりあえず予約し、発券まで進む。(出発が4日以上先の旅程を予約することでJALホームページも利用可能になり、結果、手数料も無料。何らかの事情で出発まで3日以内で予約の場合、電話でのみ手続き可能になり、発券手数料2,160円の支払いが必要)
  3. 予約と発券を完了した先の日程の予約を出発当日の便に電話で予約変更の手続きを行う。(当日の予約変更はJALホームページでの手続き不可のため、電話での手続きで発券手数料2,160円の負担が必要)

という流れで、実質的に2,160円~4,320円の発券手数料の負担で、本来は制限されているはずのJAL国際線特典航空券の当日発券が可能でした。

しかし、JAL国際線特典航空券の予約変更廃止で出発当日への変更も廃止。

もちろん、JAL国際線特典航空券の新規予約の受付期限がJALホームページでは48時間前、電話では24時間前まで延長されているため、改悪の影響は比較的抑えられていると考えることも可能かもしれません。

とは言え、出発当日だからこその利用できる特典航空券としての空席枠も確かに存在していましたから、そういったメリットを一律で全く活用できなくなるのは少しだけ残念に感じてしまう改悪ポイントの1つです。

キャンセル待ち期限や出発直前期の大規模空席開放は期待薄になる可能性も

また、変更のすべてが実施される2018年12月以降の特典航空券の発券で気がかりなのは、

  • 大量のキャンセル待ちの強制的な取り消しが行われる出発の81日前前後
  • 出発の1週間から10日前の直前期

など、これまでJAL国際線特典航空券としての大規模な空席開放が実施され、予約のチャンスだったタイミングがどのように変化すのかということ。

というのも、キャンセル待ちや予約変更の廃止はもちろん、それらと同時に導入されるJAL国際線特典航空券PLUSもまた、強力な特典航空券の空席最適化ツールとしての性質を共通して持ち合わせているから。

つまり、一挙に開放されることによる特典航空券向けの空席が大量発生する状況は極力作り出さずに、予約受付期間全体を通して、JAL側から見た有償航空券としての利益や特典航空券としてのマイル回収率をコツコツと最大限高める方向に向かってしまうことを我が家では心配しています。

やはりそれは、最終的に利用者側にとってのお得で嬉しい予約チャンスが失われる事態につながるはず。

まとめ

確かに、2018年12月までに実施されるJALマイルを利用した特典航空券のルール変更の中にはキャンセル待ちの廃止のように一見改悪と受け取れるものながら、実は改善になる可能性も秘めた判断の難しい変更も存在しています。

しかし、その一方で、予約変更の廃止のように、どう考えても性急&やりすぎな改悪と感じてしまうものまで含まれている以上、これらの変更実施以降に、特典航空券活用戦略が大きな影響を受けてしまうことはもうすでに避けられません。

もちろん、変更が良い結果に結びついてくれるのが一番ですが、マイルとそれを利用した特典航空券でのルール変更は、改善点をあっさり上回る改悪点が猛威を振るう、まさに改悪の歴史と言っても言い過ぎではないほど、そのお得度の低下が積み重ねられてきました。

そうした経緯から考えると、2018年12月までに実施される変更でも、実際の運用でお得度の低下が生じていないかどうかの警戒は必須と言えるはず。

特に、特典航空券の空席枠はJAL側のさじ加減ひとつで決められるものですから、JAL国際線特典航空券PLUS導入以降、これまでと同様の必要マイル数で予約可能な空席が著しく減少し、実質的には、JAL国際線特典航空券PLUSによる割高マイルでの予約が不可欠になるなどの改悪が行われていないか、私としても可能な限り注視していくつもりです。

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