JAL運航便の台風理由の欠航や遅延での対応とその対策(搭乗手続きの見合わせと中止、5つの重要情報、有償航空券と特典航空券のトラブル対応の違い、キャンセル待ちでの上級会員優遇、Webチェックインで確保するラウンジ&制限エリアへのアクセス)

観光での1つのピークシーズンを迎える夏から秋の時期は、旅行を楽しむ上で魅力的な季節ながら、どうしても悩まされることになるのが台風という強敵に遭遇してしまうリスク。

もちろん、台風リスクのある時期とはいえ、さすがにその台風が毎日ひっきりなしに襲来し、悪影響を与え続けているわけではないものの、不幸にも台風の日本列島上陸と旅行のタイミングがぴったり合ってしまった時には、なかなか大変なことになってしまう可能性はかなり高くなります。

実際、我が家でも2018年7月28日の昼過ぎから29日早朝までの間に羽田空港に接近し、その猛威を振るった台風12号には、ちょうどその接近のタイミングに出発する羽田0時40分発バンコク行きのJL33便を予約していたという事情もあって、なかなか悩まされることになりました。

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台風に最初の違和感を感じさせたWebチェックイントラブル

我が家が羽田空港から出発する時間帯に台風12号が関東地方に接近することは理解していたものの、台風による悪影響でトラブルに遭遇することになるとは正直予想していませんでした。

なぜなら、元々数日前には関東地方での上陸が危ぶまれていたものの、直近の予報では西に大きく逸れた関西地方での上陸を予想する声が大勢を占める様になっていたから。

そのため、数十分から最大でも数時間程度の遅延は発生することがあったとしても、欠航が発生するような状況では全くないと私自身は判断していました。

そんな中、違和感を感じるきっかけとなったのがWebチェックインでのエラー発生。

具体的には、出発まですでに24時間以内となったタイミングにも関わらず、JALホームページからWebチェックインの操作を行ってみたものの「ただいまご利用いただけません」という原因不明のエラーが発生し、手続きを進めることができませんでした。

違和感を危機感に変えた搭乗手続き中止を知らせる運航状況確認

これはおかしいと思って確認したのが、同じくJALホームページ上の「発着案内」。

この機能では元々予定されている定刻や利用する予定のゲート番号はもちろん、現時点での遅延や欠航に関する情報も確認することが可能です。

その発着案内を見て驚いたのは、2018年7月29日出発のJL33便が「台風の影響によりご搭乗手続きを一時見合わせております」という注釈がしっかりと記載されていたから。

チェックインカウンターを訪れることなく制限エリアに進むことのできるWebチェックインも紛れもない搭乗手続きの1つですから、台風への対応の一環として、Webチェックインも中止されているのは間違いありません。

ちなみに、万が一欠航になってしまった時、一度出国した利用者の1人1人を手間の要する「出国中止」手続きを経て、再入国させる責任が航空会社側に生じてしまうため、搭乗手続きが中止はそうした手間を最小限に抑える目的で行われます。

つまり、こうした搭乗手続き中止が行われている時点でJALとしても台風による欠航が発生する可能性をしっかりと考えているということです。

この時点で、我が家で予約しているJL33便ではバンコクに出発できないかもしれないという危機感がはっきりと感じられるようになりました。

ただし、利用するのが深夜便ということで、Webチェックインが可能になった24時間前の時間帯に、国内にある電話対応可能なJALの予約デスクはなし。

そのため、できるだけ早くに羽田空港を訪れ、チェックインカウンターで対応をお願いする方針を選びました。

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チェックインカウンターで積極的に収集したい5つの重要情報

我が家では、基本的に台風が原因で遅延や欠航などのトラブルが予想される時には、出発当日のできるだけ早いタイミングに出発空港のチェックインカウンターを訪れるようにしています。

逆に、通常時と同じようなタイミングで空港を訪れるというのは、台風の悪影響を受けることが予想される一種の非常時の選択としては要注意。

なぜなら、もし仮に台風の影響を受けない時間帯の便に空席があった場合、早くに空港に到着し、チェックインカウンターで前便への前倒し降る変えの手続きを完了できたのなら、台風から逃げるように影響を受ける前のタイミングで旅行を開始することも可能になるから。

そうした目的もあって早くに到着したチェックインカウンターでは、

  • 気象条件を元にしたJALによる運航可否の判断実施予定時間
  • 条件付き運航や遅延、欠航が本格化する予定時刻
  • 他社も含めた運航便の遅延や欠航予定
  • 振替難易度や空席状況を元にした現実的な振替先の選択肢
  • 担当スタッフの経験に基づいた印象や予想

といった重要情報を意識して集めるのがおすすめ。

もちろん、チェックインカウンターのスタッフからも様々な情報や選択肢が提示されるはずですが、それ以外の情報も集め、統合した上で、利用者側から希望する選択肢の提示が可能になるのであれば、それは結果的により良いトラブル対策につながる可能性が高くなります。

気象条件を元にしたJALによる運航可否の判断実施予定時間

まず、予約している便に台風の影響が予想され、通常のチェックインが受け付けてもらえない状況にあるのなら、最初に確認したいのがどのタイミングで遅延や欠航などの運航の可否を含めた判断が行われるのかということ。

一般的に通常は出発の6時間ほど前に一度大まかな判断が行われるのですが、状況によっては、2~3時間ごとなど、その判断がより小刻みに行われるケースも存在しています。

そのため、これからどれだけ先のどのタイミングで、どのような判断が行われる予定なのかということは、あらかじめチェックインカウンターのスタッフに質問しておくのは重要なことです。

利用者側としても新たに提示された情報を元に判断を行うタイミングをあらかじめ予想できることにつながるわけですから。

条件付き運航や遅延、欠航が本格化する予定時刻

また、トラブルの原因が台風であれば、あらかじめ確認しておきたい情報の1つが、遅延や欠航が本格化すると予想される予定時刻。

というのも、台風は多少の誤差は除去できないとしても、その大まかな針路や移動速度が予想できる以上、明らかに影響がない時間帯と明らかに影響を受けてしまう時間帯というのはある程度予想可能だからです。

具体的には、2018年7月28日から29日の羽田空港への台風接近の場合、少なくとも17時以降、もしかすると15時以降には条件付き運航や遅延、欠航の続出が早朝の段階から予想され、JALとしては明らかにそれを前提に動いていました。

そうした状況だったわけですから、利用者側としてはそうした状況を早い段階で知ることができたなら、少なくとも17時よりも前、できることなら15時よりも前に出発する便を利用することで、台風の影響を回避することも選択肢として立ち上がってきたはず。

逆に、そうしたJAL側の動きの前提条件が利用者側にはっきりと見えていない場合、正確に台風の影響を受けずに済む振替便を選ぶことができないリスクがあるなど、思わぬ不利益を被る状況に自ら進んでしまう可能性もあるほど重要な情報です。

他社も含めた運航便の遅延や欠航予定

JALがこれから利用する予約便の運航について、状況を見定めるために判断を保留しているタイミングでも、判断材料として活用できるものが存在しています。

それが、他社も含めた運航便の遅延や欠航の予定。

具体的には、何時までに空港を出発する便については台風の影響がなく、何時以降に出発する便には台風の影響が見込まれるのかということを、JALはもちろん、それ以外の航空会社についても確認してみるというもの。

実際、2018年7月28日の午前中の段階では、一部に早々と欠航を決めた航空会社も存在するという情報が届けられ、我が家でも警戒感を高める材料となったのは間違いありません。

もちろん、航空会社ごとに運航を予定している便の出発時間帯や天候を判断する部門のさじ加減、保有している機材の性質なども異なるため、欠航する航空会社が存在する=危機的状況というシンプルな図式にはならないのも事実。

しかし、仮に共通の様々な国際的な規制の影響を同様に受ける航空会社の一部が欠航という重い判断を下したのであれば、JALでも同様の結果になる可能性は十分考えられました。

振替難易度や空席状況を元にした現実的な振替先の選択肢

台風が原因の遅延や欠航が予想されている状況では、どのような振替先が選択肢として存在しているのかを確認することは間違いなく重要です。

特に、JAL運航便からJAL運航便への振替ならまだしも、JAL運航便から他社運航便への振替は、旅程スケジュール上の重要な事情やJAL側の失態があったなどの特段な事情がない限り、受け付けてもらう上でのハードルが格段に高くなるといった見えない振替難易度のようなものにも注意する必要があります。

また、予約便から他の便への振替を希望する時に避けられない問題となるのは空席状況。

なぜなら、同じ便を利用する予定で同じようにトラブルに巻き込まれた他の利用者も数百人単位で存在している以上、知らず知らずのうちに始まってしまっていた早いもの勝ちの争奪戦に負けてしまった結果、振替を希望する先の便に空席がないのであれば、キャンセル待ちへの申込みが必要になり、その時点で振替便を確定するための手続きは受け付けてもらえません。

つまり、台風の影響で飛ぶのか、それとも欠航するのかどうかも分からない予約便運航の最終的な判断に加え、キャンセル待ちの結果待ちという確定するまで待つしか無い心配で不確かな事柄がさらに1つ増えただけだったということにもなりかねません。

そうした事情がある以上、遅延や欠航などのトラブルに巻き込まれることが察知できた時点で、できる限り素早くチェックインカウンターなどでの情報収集と手続きを開始し、振替便を確保することはとりあえずの精神的なゆとりを確保するためにも、やはり大切ですね。

担当スタッフの経験に基づいた印象や予想

台風による遅延や欠航などの判断待ちが避けられない、先の見えないトラブルに巻き込まれた時、頼りにしている存在の1つが、チェックインカウンターの担当スタッフの印象や予想。

特に、ある程度の経験を重ねたスタッフが担当してくれた場合、結果的にかなり正確な予想を提示してもらえることも多いため、振替便選択はもちろん、そのまま予約便を待つのかを判断する上でも貴重な判断材料として機能してくれることも。

ただし、経験を重ねた担当者ほど、確定していない事柄に対する確約できない無責任な発言はしっかりと避けようとするため、簡単には希望する情報が得られないかもしれません。

そうした場合には、

  • あくまで印象や感触、予想を聞きたいだけの質問ということ
  • 確約は求めておらず、結果的に予想が外れてもスタッフ側に全く不利益はないこと

などをやんわりと伝えるのがおすすめ。

利用者側の助けになりたいと考えるスタッフほど、チェックインカウンター担当者として得られる現状で情報に加え、これまでに得た経験を総動員する形で、貴重な見解を提示してくれるはずです。

我が家の場合も、こうした形で提供されるチェックインカウンタースタッフのアドバイスに素直に従って良かったと感謝した経験は1度や2度ではありません。

ちなみに、今回担当してくれたベテランと思われるスタッフによると、もちろん確約はできないものの、おそらく最終的には元々予約している台風の影響を受けることなく7月29日0時40分羽田発のJL33便は無事に飛ぶという予想。

ただし、早いタイミングで旅程を確定させる目的で、7月28日11時20分羽田発のJL31便への振替がおすすめという案内があり、結果的にはこうした提案はすべて大当たり。

良い方向に繋がりました。

振替手続きでの特典航空券と上級会員資格のメリット

台風などが原因のトラブルの場合、状況に応じてJAL側でも予約変更ができない有償航空券であっても、柔軟な対応を行ってもらえることが大半です。

それは国際線でも国内線でも同様。

ただし、特に国際線予約の場合、元々予約変更の自由度が高い特典航空券に比べると、有償航空券では振替が認められるタイミングが遅かったり、対応を行うまでにいくつかの制限や煩雑な手続きが設けられているなどの違いはあります。

実際、今回のバンコク行きは我が家は特典利用の羽田発、同行する親類夫妻は有償利用の成田発という組み合わせでの航空券発券だったのですが、終始スムーズな対応だった特典利用の我が家に対し、有償利用だった親類夫妻はなかなか振替の交渉が難航したようで、数十分間もの間、チェックインカウンター周辺で待つことを余儀なくされた模様でした。

このあたりは、通常のルール内でも出発当日の空港で特典航空券としても利用可能な空席がある場合に、予約変更が可能な特典航空券の持つ自由度が非常時にもより高い効果を発揮しているのかもしれませんね。

また、こうした形でトラブルが発生した場合には、その悪影響を受ける対象者は同じ便の飛行機を利用するはずだった利用者全員ですから、台風の影響を受けずに済む前便への振替はなかなか困難なものになります。

今回の場合も、我が家が振替をおすすめされたJL31便もエコノミークラスは元々夏休みの時期で混雑していたことと、我が家よりも早くに振替の手続きを完了したとされる利用者がすでに流れ込んでいたことによって、満席状況だったようで、チェックインカウンターに到着した当初はキャンセル待ちとしての案内が行われたほど。

しかし、JMB ダイヤモンド会員としての優先が行われた結果なのか、手続きを開始してから数分後にはスムーズに座席が確定し、搭乗券の発券も完了。

座席についても最大限快適に過ごせるようにという配慮が感じられ好印象でした。

こうして搭乗手続き見合わせ中の29日0時40分羽田発のJL33便から28日11時20分羽田発のJL31便への振替が完了し、無事、制限エリアに移動できることになりました。

台風接近などトラブル対策としてのWebチェックイン活用方法

今回の経験で最も危ないと感じた事態は、台風の影響を受けない早い時間帯の便への振替を希望して、早めに空港を訪れたものの、肝心の振替ができないケースでした。

というのも、その場合、運航が確定した便の搭乗券が発券されない以上、ラウンジはもちろん、豊富でゆったりとした椅子などが用意された制限エリアに入ることができず、台風の影響が色濃くなるに従って次第に混み合う一般エリアの出発ロビーなどで、元々予約していた便の運航状況の確定を待つ必要があるから。

実際、我が家の場合も、28日11時20分羽田発のJL31便への振替が失敗した場合、29日0時40分羽田発のJL33便の運航状況が確定するまでの10時間近くの間、一般エリアで待つか、とんぼ返りを覚悟で一度帰宅するのかの2択を迫られることに。

なんとなくラウンジで待てるかなと考えていた私にとってはこれが意外に感じた盲点であり、落とし穴でした。

そんな時に頼りになるのがWebチェックインの存在。

なぜなら、予約便出発の24時間前というタイミングで開始され、ホームプリント搭乗券やモバイル搭乗券など、空港のチェックインカウンターでの手続きを介さずに搭乗券を発券する手段として活用できるのが最大の理由。

今回の台風の場合も、我が家が予約していたJL33便は台風の影響を強く受ける時間帯の出発ということで、28日のかなり早い時間帯には搭乗手続きが中断されていたものの、それでもWebチェックインが全く受け付けられていなかったわけではありません。

つまり、こうした非常時でも、とりあえず一般エリアよりは格段に快適に過ごせる制限エリア内で、状況が確定するまでの時間を待つことができるようになります。

ただし、こうしたWebチェックインの受付状況もかなり流動的で、状況の変化によっては、ほんの数分前まで可能だったものがいつの間にか受付不可になっていることも考えなくてはいけません。

実際、今回の台風でも、「29日0時40分羽田発のJL33便」のWebチェックインが見合わせになった数時間後には、JL33便よりも多少は台風の影響が少ないとされていた「28日18時20分成田発のJL707便」のWebチェックインも中断されてしまいました。

こうした実例から考えると、もちろん、預入荷物がないなどの条件を満たした上、台風が近づいていて、その影響が心配される時には、快適な場所に腰を据えてじっくり落ち着いて対応するためにも、とりあえずWebチェックインを行い、制限エリアへのアクセスを確保しておくのも選択肢の1つとして考える価値はあるはず。

まとめ

飛行機が出発する時間帯に空港に接近した場合、遅延や欠航などの発生によって、楽しみにしていた旅行に大きな爪痕を残してしまう台風。

もちろん、台風が多く発生する時期といっても、常に日本列島に襲来しているわけではありませんから、その時期の旅行でも全く悪影響を受けることなく楽しめることも多く、本当に運の善し悪しだけが左右するとトラブルなのは間違いありません。

ただ、不幸にも旅行と台風接近のタイミングがぴったり合ったとしても、様々な対策を早めに行うことで、その影響を最小限に抑えることも可能になるのが、ある程度は予定針路と到達時刻が予想できる台風の特徴です。

そのためにも、台風が原因のトラブルに巻き込まれた時には、どのようなことに注目し、そしてどのような形で対応を行っていくのか、あらかじめ考えをまとめておくのはとてもおすすめだと思いますよ。

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