海外を個人旅行で訪れる時に気をつけなくてはいけない事柄の1つと言えば、訪れる国々の治安やそれに伴う安全性。
特に、それらの治安や安全性は、様々な状況に応じてリアルタイムで変化する種類のものですから、関係するニュースを見聞きするのはもちろん、さらに気になる場合には現地に大使館などの機能を有する日本の外務省などが公式に発表する情報を積極的に集めるというのも我が家では重要なことだと考えています。
目次
できることならキャンセルしたくない大切な韓国旅行の前の下見
そんな我が家に旅行先の治安や安全性を心配しなくてはいけない事態が発生したのはつい最近のこと。
というのも、2019年8月の初旬に、我が家がアテンドする形で、海外旅行が初めてだったり、数十年ぶりという親族を伴って、日本から最も近い外国の1つ、韓国のソウルを訪れる個人旅行を1年近く前から計画していたから。
もちろん、最近の日本と韓国の様々な情勢を考えると、日本人を対象とした治安の悪化なども心配もある以上、リスクを完全に除外するのであれば、旅行自体をキャンセルしてしまうことが最適解なのも理解しています。
特に、我が家の家族以外が参加する、万が一にも重大なトラブルが発生してはいけない海外での個人旅行ということで、リスクを取り除くためのキャンセルはなおさら重要です。
しかし、一緒に旅行することを計画していた親族は、いずれも1年近く前からソウルへの親族での海外旅行を楽しみにしていて、こういった現状ではキャンセルは仕方ないと受け入れつつも、とても残念に感じていることははっきりとしていました。
そこで我が家にとっても異例のこととは言え、今回の8月の旅行をとても重要視していることもあって、海外旅行の下見の実施を決定。
具体的には、私と私の家族の2人だけで、8月の旅行本番で訪れる目的地を少し駆け足とは言え、実際にたどってみることにしました。
注:
以下に記す今回の下見で得た実感はあくまで我が家がソウルを訪れた2019年7月中旬のタイミングの状況を反映したものです
そのため、仮にこの情報をソウルを含めた韓国旅行出発可否の参考にする場合には、治安や安全性はリアルタイムに変貌する性質を持つ以上、より保守的で慎重な判断と自己責任での最終的な決定を要することをご理解頂いた上での活用をお願いします。
日本-韓国間の移動の治安と安全性
8月の旅行本番で利用するのは、JALの運航する羽田-ソウル便。
もちろん、下見の次点で利用するのも同じ便名のフライトを選ぶのですが、往復ともに搭乗率は上々。
正直、両国の国民による渡航中止に伴うキャンセルや予約変更で、かなり空席が目立つ状況になっていることも想定していたのですが、満席とは言わないまでも8割から9割の座席がしっかり埋まっている状況には正直驚きました。
もし、あまりに搭乗率が低い状態で推移してしまうと、機材の縮小だけではなく、運航便自体の運休や路線廃止も考えられますから、良好な搭乗率が維持できることはとても重要ですね。
もちろん、気になる機内も日本人が多く、客室乗務員の方々も日本をベースとする日本人の方が中心ですから、様々な部分で不安を感じることもないはずです。
韓国での日本人への入国審査と出国審査の厳しさ
伝統的に個人旅行者への入国審査が厳しいとされる韓国ですが、最近は格安航空会社(LCC)による日本人観光客の増加の影響もあってか、
- パスポート
- 記入済みの入国申告書
- 出国便が記されたEチケット
の3点セットをあらかじめ用意した上、入国審査のブースで担当係官に提示し、専用の機械での、
- 顔写真の撮影(帽子やサングラス、マスクは取り外す)
- 指紋の登録
の2つの手続きが完了できたなら、スムーズに韓国への入国が認められることが大半です。
そんな入国時の状況は、日本と韓国との間で様々な問題が発生している今現在も特に変わることはありませんでした。
実際、普段はあまり考えられない係官からの追加質問が行われたり、さらには別室での厳しい取り調べが加えられるといった様子も見られません。
それは出国時も同様で、
- パスポート
- これから利用する搭乗券
の2つを出国審査のブースで担当係官に提示するのみとお手軽です。
特に、韓国の一部の主要空港では、入国時と出国時のパスポートへのスタンプ押印は省略されていますから、本当にあっという間に感じる方も多いはず。
韓国・ソウルの主要国際空港内の治安と安全性
無事に入国した後、最初に足を踏み出す韓国となる国際空港の治安や安全性も気になるポイントかも知れません。
今回の8月の旅行では往復ともにソウル市街地に近い金浦空港を利用する予定のため、下見段階でもその金浦空港を重点的にチェックしました。
空港の治安や安全性については、仮に日本のパスポートを手に持っていたり、何人かで日本語で会話していたとしても、特に、韓国人の方々から注目を集めたり、その結果として何らかの不利益を受けるといった様子は見られず、安心できる場所の1つと感じました。
もちろん、韓国人の方によっては、日本人の旅行者ということが分かった時点で、静かに距離を取ったりするといった様々な心情から由来すると思われる行動が見られることもあり、それはそれでなんとも言えない悲しさや寂しさを多少感じるのも事実ですが、今の国家間の状況では個人旅行が無理なく可能な治安や安全が保たれているならそれで十分と考えるべきですね。
ちなみに、そうした状況は保安検査が始まっていないような早朝の時間帯も変わることなく、安心して朝早くに韓国を出発するフライトも利用できると感じました。
また、何らかの理由で振替などのトラブルが発生した時に備えて、ソウル市郊外にある仁川空港も念のために簡単にチェックしたのですが、こちらも金浦空港同様、治安や安全性に対する不安を感じることはありませんでした。
地下鉄、タクシー、リムジンバスでの移動時の治安と安全性
日本からソウルにある主要な国際空港に到着した時に利用する交通手段としては、
- 地下鉄
- タクシー
- リムジンバス
などの利用が一般的で、ホテルなどの目的地の立地や同行者の人数によって使い分けることになります。
それは逆に日本に帰国するためにソウル市内から空港に向かう時も同様。
そこで、今回の我が家の下見では、
- 地下鉄
- タクシー
- リムジンバス
の3つすべてを利用し、空港とホテル間、あるいはホテルと主要観光地間を移動してみることにしました。
まず地下鉄は、タクシーやリムジンバスに比べて、旅行者以外の一般利用者の乗車も多く、他の利用者との距離が近い上、混雑時には車内も雰囲気もやや殺伐とした印象を感じさせる以上、少し注意が必要な交通機関という印象を持ちました。
加えて、何かトラブルが発生した時にもすぐに利用可能な逃げ場がない密閉された空間というのも、リスクを感じさせるポイントです。
そのため、日本人ということがはっきりと分かるパスポートを他の利用者に認識される形で持ち歩いたり、周囲の韓国人の方が気になりかねない声の大きさの日本語を話すといった行動は控えたいと感じる雰囲気がそこにはありました。
そうした地下鉄の状況に比べると、旅行者の利用が多く、他の利用者との距離感もしっかり確保されているタクシーやリムジンバスは安心な交通機関と感じました。
ただし、タクシーを利用する場合は、一部の良心的ではないドライバーによる遠回りなどによる割高運賃の請求などのリスクもありますから、
- 空港やホテル、免税店などのある程度信頼できる場所から一定のレベルに達したタクシーに乗車する
- タクシー乗車後も車内に掲示されているドライバーの登録証などをメモや写真で控える
- 乗車中はスマートフォンなどのマップアプリとGPSを組み合わせて遠回りされてないかチェックする
などの自衛手段が大切なのは、今の時期のソウル観光に限った事柄ではないはず。
一方で、リムジンバスでの移動は良い意味で安定していますから、元々安価な地下鉄や複数人で割り算した時のタクシーの運賃よりも割高になってしまうことが気にならず、ホテルや駅など最寄りの目的地へのアクセスに便利という条件を満たすのであれば積極的に利用した交通機関と言えそうです。
外資系ホテルや免税店の治安や安全性
8月に訪れる本番の旅行では、外資系ホテルのコンラッドソウルに宿泊し、滞在中には免税店を訪れることも予定しています。
そのいずれも外国人も一般的な利用対象者とした施設ですから、日本人が訪れた場合でも大きなリスクを感じずに済むのは間違いありません。
実際、コンラッドソウルでは、
- チェックインの手続きを行うフロントデスク
- ソウル滞在中の様々な手配や調べ物を担当してくれるコンシェルジュデスク
- 荷物の預かりや運搬などを担ってくれるベルデスク
- エグゼクティブラウンジ滞在中にサービス対応を担当するラウンジスタッフ
- プールやフィットネスセンターの担当スタッフ
など、様々なスタッフは、例え対面している宿泊客が日本人と知ったとしても、何事もなく自然に対応してくれるため、今の時期に韓国のソウルにいることを最も意識せずに過ごせた場所の1つになりました。
そうした状況は、ソウル市内などにいくつか点在する免税店でもほぼ同様です。
カスタマーデスクはもちろん、売り場などでも、最初は英語でやり取りしていたとしても、日本語も含まれているメモを提示されたり、購入のためにパスポートを提示したりするなどしたタイミングで、利用者が日本人と分かると、「日本の方ですか?」と確認された上で、とても流暢な日本語で丁寧な対応してもらえるなど、不安を感じずに快適に過ごせるのは嬉しいポイント。
加えて、免税店が運行している無料シャトルバスも、特に日本人だからといって、不便や不安を感じることがないという点で安心でした。
主要観光地での街歩きの治安や安全性
ソウル観光の楽しみといえば、市内のあちこちに点在する特長的な街を好きに街歩きすることかもしれません。
元々8月の旅行本番では、
- 明洞(ミョンドン)
- 南山(ナムサン)
- 弘大(ホンデ)
- 梨泰院(イテウォン)
- ソウル駅
などのいずれかのエリアとその周辺を散策する予定でした。
しかし、現在の状況を考慮して、仮にキャンセルせずに本番旅行に出発したとしても、これらの地域の中でも特に日本人に優しい(日本人をターゲットとしている)エリアとして有名な明洞とその近くの南山に絞って楽しむこと前提にしているため、下見の段階でもその2つのエリアを実際に歩いてみることにしました。
その結果はというと、日本人の姿も多く、それぞれがグループでのんびりと街歩きを楽しんでいる様子が見られるというもの。
また、これらの地域では日本人に対してフレンドリーな印象を感じさせることに加え、屋外を街歩きする限り、日本人同士が日本語で会話をしたとしても、周囲の音に紛れてしまうため、通常の会話が思いもしないトラブルを招く心配もないと感じました。
そういった意味では、少なくとも安心感を感じながら街歩きを楽しむことも可能な観光での目的地という印象を持っています。
そうした印象は街歩きや観光の合間に、韓国料理を手軽に楽しめるフードコートなどにあるお店などでも大きく変わることはありませんでした。
まとめ
こうした意外に日本人のソウル観光に対してのリスクは大きいものと言えないという下見の結果を踏まえ、出発することになった8月の本番旅行。
我が家としては、下見が完全に無意味なものにならず、ほっと一安心というのが正直な部分です。
もちろん、よほど追加で突発的な事態が発生し、治安や安全性の懸念が生まれない限りという条件は追加されているものの、下見なしではそのまま親族が約1年前から楽しみにしていた旅行が台無しになってしまうこと自体不可避だっただけに、そうした結末が回避されたこと自体は素直に喜びたいと思っています。
コメント