2010年の再国際化を受けて、今や国内線だけではなく、国際線でも首都圏での主要な空港としての地位を揺るぎないものにしている羽田空港。
そんな現状でも、これまで国際線の運航を一手に担ってきた成田空港の存在感はそれほど大きく薄れておらず、目的地によっては、羽田空港との使い分けや乗り継ぎなどによる連携を避けて通ることはできない重要な空港ということに変わりはありません。
目次
羽田空港と成田空港間の地上移動のアクセス方法
羽田空港と成田空港の連携として最も一般的なのは、やはり乗り継ぎによる利用です。
特に、国内線の中でも一部の主要幹線を除き、多くの地方路線は羽田空港での発着のみで、成田空港での国際線発着を含む航空券を利用する場合、羽田空港と成田空港間での地上移動が必要になるから。
もちろん、この他にも、海外を出発後、日本を経由し、別の海外の目的地に向かう旅程で、成田空港に到着した後で、羽田空港に移動し、そのまま羽田空港から国際線を利用するというケースもあるとは思うものの、日本を拠点とした利用者には一般的なものではないはずです。
そんな羽田空港と成田空港間の地上移動のアクセス方法として、乗り換えがなく、お手軽なものといえば、電車とリムジンバスが主要な選択肢。
これら2つを比べてみると、
電車(エアポート快特/アクセス特急):
- 運賃は大人片道きっぷ利用1,800円/IC利用1,787円
- 所要時間は約1時間30分~2時間
- 運行頻度は最短で40分に1本程度
- 乗車前や降車後は地下深くの空港駅と空港フロア間の移動が必要
- 通常の通勤電車のロングシートなどを利用。
- 混雑で着席できないこともあり。
- 車内にトイレなし
リムジンバス:
- 運賃は大人片道3,100円
- 所要時間は約1時間15分
- 運行頻度は最短で10分に1本程度
- 乗車は到着階、降車は出発階と空港フロアへのアクセスに高い利便性
- 高速バス仕様の2人がけのシートを利用
- 自由席ながら席数限定のため、混雑時でも必ず自分の座席が確保可能
- 車内にトイレあり
というように、意外に大きな違いが見つけられます。
こうして見ると、リムジンバスは電車に比べ、運賃が1.7倍以上高額になっているものの、様々な利便性が付加価値として追加されていることが分かります。
とはいえ、所要時間自体は最短同士を比べても15分ほどの違いということと、運賃が1.7倍も違うとなると、高額なリムジンバスの利便性には魅力を感じつつも、よりリーズナブルな電車の方を選びたいと考える方もいらっしゃるはず。
リピート利用者にはお得すぎるリムジンバス プレミアム回数券
そんなリムジンバスですが、羽田空港と成田空港間はもちろん、その他の東京都内とそれぞれの空港を結ぶリムジンバス路線を繰り返し利用する場合、信じられないくらいお得な利用が可能になる方法が存在しています。
それが、リムジンバスプレミアム回数券。
このプレミアム回数券は、
- 11枚綴り12,000円で販売(1枚あたり約1,090円)
- 東京都内と羽田空港間はプレミアム回数券1枚利用(1,090円相当)
- 羽田空港含む東京都内と成田空港間はプレミアム回数券2枚を利用(2,180円相当)
- 有効期限は購入から1年間
- 購入は羽田空港や成田空港、主要バスターミナルなどのチケットカウンター
- 切り離し無効のため、複数のグループでの別々の場所での分割利用は不可
という条件で利用できるお得なチケットです。
気になる羽田空港と成田空港間に注目しても、元々3,100円必要な正規運賃から、2,180円に割引されるわけですから、その割引率は約30%。
電車利用と比べても、その差は380円まで縮まっていますから、リムジンバスの利用だけで得られる様々なメリットを考えると、運賃負担の面でも十分比較対象になるはずです。
クレジットカードや電子マネーでのプレミアム回数券の購入方法
こうした高いお得度を誇るリムジンバスのプレミアム回数券ですが、購入時にクレジットカードや交通系のICカード、電子マネーでの支払いを行いたいと考えた時には、少しだけ注意が必要です。
というのも、このプレミアム回数券自体は様々なチケットカウンターで取扱いがあり、購入が可能なものの、クレジットカード電子マネーの利用は、リムジンバスを運行する東京交通株式会社直営のチケットカウンターに限られるから。
実際、直営のチケットカウンターのある成田空港では、クレジットカードや交通系のICカード、電子マネーによるプレミアム回数券の購入は問題なく可能ですが、直営のチケットカウンターがなく、他社に販売を委託している羽田空港では、クレジットカードはもちろん、交通系のICカード、電子マネーの利用は不可とされ、現金のみでの取扱いになってしまいます。
ちなみに、成田空港を始め、リムジンバスのチケットカウンターでのプレミアム回数券の購入はJALカードの利用でマイルが2倍加算される特約店サービスの対象ですから、そのままJALカードでの決済の方が、JALカードからチャージしたWAONなどでの支払いよりもお得です。
プレミアム回数券の利用方法
プレミアム回数券を利用して羽田空港と成田空港間を移動する場合、少しだけ注意しなくてはいけないのは、リムジンバスへの乗車前に、乗車券との引き換えが必要ということです。
というのも、プレミアム回数券と実際の乗車に利用する乗車券は別物で、プレミアム回数券はあくまで乗車券との引換券に過ぎないから。
そのため、それぞれの空港のリムジンバスのチケットカウンターを訪れて、これから乗車する希望の便を指定した上で、大人1名片道につき2枚の必要な枚数のプレミアム回数券を手渡し、上の写真に写っているような乗車券を受け取らなくてはいけません。
ちなみに、前述の通り、11枚綴りとなっているプレミアム回数券はいずれも利用者側での切り離しは無効になってしますから、事前に切り離したりすることなく、チケットカウンターのスタッフに冊子状態にまとめられたプレミアム回数券をそのまま渡す必要があります。
また、この時、乗車券と同じサイズの紙に印刷されたお客様控えも手渡されるものの、このお客様控えではもちろん乗車できませんから、乗車券と間違えてしまわないように注意が必要ですね。
まとめ
必要時間はもちろん、移動自体のコストも意外に気になる羽田空港と成田空港間の地上移動。
確かに様々な制限や多少の不便はあるものの、十分に便利な電車を利用した移動でのリーズナブルな運賃は魅力に感じる方も多いかもしれません。
しかし、運賃的にも信じられないくらいの割引率が提供されているプレミアム回数券の存在は、1年間の有効期限の間に、羽田空港と成田空港の間の移動はもちろん、それ以外のリムジンバス運行路線も含め、複数回利用するようなリピート利用者にとって、確かな魅力を感じさせるものになるはず。
また、プレミアム回数券の切り離し無効の制限で、別々の場所での同時利用はできないものの、回数券自体が記名式ではありませんから、一回で使いきれなかった分を家族や友人、知人の間などで譲渡したりシェアしたりといったことは問題なく可能なのも嬉しいポイントです。
リムジンバスというと、便利な一方で割高という印象があるかもしれませんが、プレミアム回数券を活用する限り、意外にお得で十分満足なサービスとして愛用したいと思うようになるかもしれませんよ。
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