空港での出発前の時間をゆったりと過ごす時に活躍してくれるラウンジ。
日本を代表する航空会社の一角を担うJALでも、2020年の東京オリンピック開催に向けて、サービス品質の向上を目的としたラウンジのリニューアルを実施中で、国際線の拠点空港となる羽田空港と成田空港、そのいずれでも大規模な工事が行われています。
目次
羽田空港国際線ラウンジ改修工事
同じJALラウンジでも、2018年11月からラウンジリニューアルに向けた工事が開始されていた成田空港に対し、羽田空港では2019年7月から10月末まで第1期工事として、114番ゲート近くのラウンジエリア5階にあるサクララウンジ スカイビューが閉鎖され、工事が行われることになりました。
もちろん、羽田空港国際線ターミナルには、112番ゲート付近にも本館のJALのラウンジとして、ファーストクラスラウンジとサクララウンジという2つのラウンジが設置され、第1期工事中もラウンジが全く利用できないというわけではありません。
しかし、114番ゲート付近のラウンジは、そこからさらに先のエリアにあるために遠いことでも知られる141番ゲートから148番ゲートの最寄りラウンジとしても機能していたという事情もあり、完全になくなってしまうと、それらのゲートから出発する利用者の利便性は大きく制限されてしまうのは避けられないというデメリットも。
その対策としてJALが繰り出してきたのが、工事のため閉鎖されるサクララウンジ スカイビューと同じ114番ゲート付近のラウンジエリア4階に位置していたカードラウンジ、SKY LOUNGE ANNEXを代替ラウンジとして、そこでのサービスを提供するというなかなか思い切った解決策でした。
サクララウンジの代替ラウンジとしてのSKY LOUNGE ANNEXのインテリア
実際にSKY LOUNGE ANNEXを訪れてみると、サクララウンジの代替ラウンジとしてのサービス提供が行われているため、エントランスにはJALやJALが加盟するワンワールドに関する案内が用意されているなど、はっきりとJALのラウンジとして認識できるようになっています。
もちろん、入室の手続きもJALのラウンジに準じる形で行われ、利用資格を備えた会員番号などと紐づけされた搭乗券を所持している場合、それを受付のカウンターのスタッフの方に提示するだけで入室が可能になります。
営業時間は
- 6:00~12:30
- 21:00~01:30
となっていて、お昼すぎから夜までの間は、ラウンジとしての営業を一時的に休止しているのが要注意ポイント。
その点、112番ゲート付近の本館ラウンジが、
- 6:00~翌日2:00
までというように切れ目なく営業し続けていることと違いを感じますね。
さて、SKY LOUNGE ANNEX内部のインテリアの方向性は、JALのサクララウンジとは異なるものの、開放感やゆったり感も上々。
2つの向きに用意された窓の1つからは、ゲートに駐機し出発準備を進める飛行機が目の前に楽しめるなど、ラウンジからの景色も良好です。
ただし、工事で閉鎖中のサクララウンジ スカイビューは代替ラウンジとして用意されたこのSKY LOUNGE ANNEXよりも1階分高い5階に位置していたため、厳密な比較をすると、眺望の良さや見通しの良さ、さらにそれで得られる開放感では、やや残念に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
また、ゲート方向以外の窓からは、一部緑化も施されているもののむき出し状態のターミナル屋上部分の構造体が確認できる残念ポイントも。
とは言え、座席数や座席間のスペース、さらには座席とテーブルの使い勝手などは良好ですから、個人的には十分な品質のラウンジとして快適な時間を過ごせると感じています。
加えて、サクララウンジでも提供されている新聞や雑誌類。
紛失防止のための鍵をかけることはできないものの、スーツケースなどの大型の荷物を保管しておくための荷物置き場なども準備され、可能な限りサクララウンジに近い使用感のラウンジを提供しようという頑張りや努力が感じられました。
サクララウンジの代替ラウンジとしてのSKY LOUNGE ANNEXの料理と飲み物ラインナップ
元々がカードラウンジと聞くと、気になるのは料理や飲み物のラインナップがカードラウンジらしい寂しいものになってしまうのではないかということかもしれません。
それについては心配は無用で、通常通り営業を続けている本館を含めた通常のサクララウンジと同様に、様々な料理や飲み物が代替ラウンジとしてのサービス提供のために持ち込まれていました。
ホットミールを中心としたメインとなる料理は島のように配置されたテーブルにゆとりを持って用意されていました。
ラインナップとしてはサクララウンジで見かけるのと全く同じもので、代替ラウンジのSKY LOUNGE ANNEXを選んだからといって、特にがっかりする心配がないのは嬉しい部分。
この料理のラインナップで面白いと感じたのは、JALのラウンジ料理の中でも特に人気が高いとされる、JAL特製オリジナルビーフカレーと炊きたてご飯の保温された炊飯器がそれぞれ対角線の2ヶ所に用意され、混雑時でもスムーズに取り分けられるように工夫されていたことでした。
島のようなテーブルに配置されたメインの料理以外には、少し離れたカウンターに面する部分に用意されたサラダやラップサンドなどのコールドミール。
赤と白のワインに加え、スパークリングワイン。
JALのオリジナル芋焼酎、鶴空を含めたハードリカーもその周辺に用意され、自由に楽しめるようになっていました。
それ以外のビールやソフトドリンクなどの飲み物は反対側の壁に面したコーナーに。
特に、ビールはサクララウンジで利用されていた専用サーバーから提供される形式で、
- アサヒ スーパードライ
- キリン 一番搾り
の2種類が用意。
それ以外には、サクララウンジではお馴染みの使用した食器類をセルフサービスで片付ける際に利用されるカートも健在で、ラウンジ自体の外観は完全に別のカードラウンジながら、その中身はしっかりとサクララウンジなんだと再確認できるポイントの1つになりました。
サクララウンジの代替ラウンジとしてのSKY LOUNGE ANNEXのシャワーサービス
国際線の搭乗前のラウンジ利用となると、快適なフライトの準備として意外に重要になるのはシャワーサービスの存在。
実際、サクララウンジ同様、その代替ラウンジとして利用可能なSKY LOUNGE ANNEXでも、シャワーの利用は可能になっています。
利用方法としては、ラウンジエントランスの受付カウンターで、搭乗券と引き換えにシャワールームの鍵を貸してもらうというもの。
もちろん、サクララウンジと同様に無料で利用可能です。
シャワールームはラウンジの一番奥に位置する廊下の先。
その途中にはシャワーの利用可能な時間が案内されていて、このラウンジでの午前と午後の営業時間となる
- 6:00~12:30
- 21:00~01:30
からそれぞれ30分だけ短い、
- 6:00~12:00
- 21:00~01:00
がシャワーサービスの利用可能時間になっていました。
シャワールームのドアにはラウンジの受付カウンターで手渡された鍵と対応する番号が記載されているため、それを元に利用するシャワールームを見つけ出します。
シャワールームの中は、トイレや洗面を備えたエリアとシャワーを利用するためのエリアの2つに分かれているオーソドックスなタイプ。
占有面積としてはとても広いというわけではないものの、快適に着替えたり、シャワーを利用する上では十分。
シャワールーム内に備え付けられたアメニティとしては、
- ミニタオル
- フェイスタオル
- バスタオル
- バスマット
といったタオルセットに加え、2本のハンガーと椅子。
それに加えて、
- ハブラシセット
- 紙コップ
- クシ
- ひげそり
- 綿棒2本
- シャワーキャップ
- ティッシュペーパー
など、サクララウンジのシャワールームで提供されるのと全く同じアメニティの数々が用意されていました。
肝心のシャワーはハンドシャワーのみで、頭上からお湯を落とすレインシャワーの設置はなし。
バスアメニティとしては、
- シャンプー
- コンディショナー
- ボディーソープ
など、これまたサクララウンジのシャワールームで見かけるものと同じパッケージの製品が用意されていました。
こういったシャワールームのサービス内容からも、このラウンジはサクララウンジのサービスを元に運営されていることが実感できますね。
キャセイパシフィックラウンジとの使い分け
サクララウンジの代替ラウンジとしてのSKY LOUNGE ANNEXでは、一時的な営業休止が行われることで、営業時間が
- 6:00~12:30
- 21:00~01:30
というようになると、気になるのはSKY LOUNGE ANNEXが営業していない時間のラウンジ利用かもしれません。
その対策として活用したいのが、同じ114番ゲート付近のラウンジエリア6階のお隣さんラウンジとも言える、キャセイパシフィックラウンジの存在です。
というのも、このキャセイパシフィックラウンジは、
- JAL運航プレミアムエコノミー利用者
- JAL運航エコノミークラスフレックス運賃利用者
などの一部の例外を除く、
- 国際線ファーストクラス利用者
- ワンワールドエメラルド相当の上級会員
- ビジネスクラス利用者
- ワンワールドサファイア相当の上級会員
といった元々のサクララウンジ利用対象者は問題なく利用できるラウンジとして運営されているから。
実際、この羽田空港にあるキャセイパシフィックラウンジの営業時間自体も、
- 7:30~17:00
というようになっていて、夕方以降の17:00~21:00mの時間帯での弱さが残るものの、時間帯毎の運航便の関係で、その影響は想像よりも大きいものではないはずです。
また、ラウンジ内で提供されるサービスも、
- ビジネスクラスラウンジ以上ファーストクラスラウンジ未満の高品質なインテリア
- 作りたての麺類やフレンチトーストなどのホットミールが注文可能なヌードルバー
- ハーゲンダッツアイスクリームやあんみつなどの意外に充実したデザートラインナップ
- ノンアルコールを含めた各種カクテルの楽しめるバーサービス
など、サクララウンジで提供されてきたサービスをベースとしているSKY LOUNGE ANNEXとは全く異なる個性を感じるものになっているのも嬉しいポイントと言えますね。
まとめ
改装中のサクララウンジの代替ラウンジとしてのサービスが提供されることで、元々カードラウンジだったSKY LOUNGE ANNEXがこれまでとは全く異なるラウンジとして生まれ変わった状態で営業が行われているのはとても珍しいことなのは間違いありません。
サクララウンジで提供されているサービスの本質のようなものを確認できる意味でも、改装工事が完了するまでの限られた期間だけに出会える少し珍しい、いつもと少し違うサクララウンジをSKY LOUNGE ANNEXで経験してみるのもなかなか面白いと思いますよ。
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