入国出国で遭遇して本当に困ってしまったパスポートトラブル3選(入国審査官による入国スタンプ押し忘れ、同日複数回の入国と出国、遅延・欠航での出国中止)

日本のパスポートを利用している限り、あまり意識する機会のないことの1つに、入国審査や出国審査の厳密性があります。

というのも、日本のパスポートというのは国際的にも信用度が高いため、多くの国で入国のためのビザが免除されているのはもちろん、入国審査や出国審査自体もかなり緩やかに設定され、スムーズにそれらの審査を通過できるという特長を持っているからです。

そのため、海外の空港での入国審査や出国審査でトラブルになるということは、頻度的にあまり多くはありません。

記憶に残る&本当に困った3つのパスポートトラブル

そんな日本のパスポートの恩恵を十分実感しながら海外渡航を楽しんでいる私にも、記憶に残る本当に困ってしまったパスポートトラブルがあります。

それが、

  • 入国審査官による入国スタンプの押し忘れ
  • 同日複数回の入国と出国
  • 遅延・欠航での出国中止(NOT DEPARTED)

という3つ。

幸い、これまでパスポートを紛失したり、盗難されたりすることはないものの、これら3つのトラブルに遭遇した時には本当に焦ってしまったのを今でも強烈に覚えています。

入国審査官による入国スタンプの押し忘れ

パスポートに関するトラブルで最も驚いてしまったものと言えば、それはやはり入国時に審査を担当する入国審査官による、入国スタンプの押し忘れ。

その時の入国では入国審査官にパスポートを手渡し、ICチップを読み込んだ上で顔写真との照合が行なわれた入国審査場を通過したのですが、思い返してみると、入国スタンプを押した時に独特の「ガチャン」という響く音が聞こえてきませんでした。

その意味や危険性に気がつくことになるのは出国する時の出国審査。

なぜなら、出国審査を担当する審査官が私のパスポートの隅から隅まで入国時のスタンプを探すものの見つけられず、

  • (空路、陸路、海路など)どうやって入国したのか?
  • なぜ入国スタンプがないのか?

ということを質問してきたからです。

ちなみに、このトラブルに遭遇した時には、私と私の家族の2人での海外個人旅行だったのですが、同じ入国審査官の列に並んだ私も家族も入国スタンプがありませんでしたから、信じられないことに、きっと担当した入国審査官は重要な仕事の一部のはずのパスポートへのスタンプを忘れている人だったのかもしれません。

正直、この時には不審な入国記録を持つ人物として家族共々別室送りになってしまい、その後開放されたとしても、入国の度に厳重なチェックを受ける要注意人物として生きていくしかない・・・と本気で心配したほどでした。

しかし、現実には、あらかじめ印刷しまとめていた保管していたEチケットや搭乗券を出国審査官に提示することで、なんとか通過完了。

その後もスムーズな入出国ができていますから、どうやら要注意人物としての登録は避けられたようでした。

逆に、もうすでに利用済みの区間のEチケットや搭乗券だからといって処分していたのなら、不審な入国ではないと証明する手段はなくなる以上、どんな不利益を被っていたのか想像もできません。

ただ、Eチケットや搭乗券で入国を確認できた後は、出国審査官としても、意外にスムーズに入国スタンプなしでの通過を認めてくれたことからも、「ああ、またか」というように、意外に多くの入国スタンプの押し忘れが発生していることを認識しているのかもしれませんね。

とは言え、このトラブルに遭遇してからは、これまで以上に旅行中に使用したすべてのEチケットと搭乗券を保管しておき、万が一のこれまでの行程を説明しなくてはいけない事態に備えるようになりました。

同日複数回の入国と出国

入国審査と出国審査では、頻繁な入国と出国の履歴を持つ渡航者は、その理由を尋ねる必要がある要注意人物として警戒の対象になることは覚悟しなくてはいけません。

もちろん、頻繁な入国と出国とみなされる頻度はそれぞれの国で異なるものの、仮に1日の間に複数回の入国と出国を繰り返す場合は間違いなく、それが乗り継ぎなどの正当な理由がある場合を除いて、なにか普通ではないと渡航として警戒されて当然。

私の場合、ドイツのフランクフルト空港にあるワールドショップという免税店でルフトハンザリモワを購入した時に同日中に複数回入国と出国を繰り返すことになるトラブルに遭遇しました。

というのも、お店側が作成した免税書類に致命的な記載ミスがあり、それが発覚したのがせっかく出国した制限エリア。

そのため、一度制限エリアからワールドショップのある一般エリアに戻って、ミスを訂正した後、再度出国する必要が生まれたから。

つまり、1時間程度の短い時間に

  • ドイツ出国のスタンプ(記載ミスに気づく前の出国)
  • ドイツ入国のスタンプ(一般エリアに戻るための再入国)
  • ドイツ出国のスタンプ(ドイツを改めて出国するための再出国)

という3種類の同じ日付のスタンプがパスポートに押されてしまうということです。

しかも、再入国と再出国の際には、それまでにパスポートに押された当日分の出国スタンプや入国スタンプが実際に審査官の目に映るわけですから、さすがの信頼性の高い日本パスポート保有者でもあからさまに警戒されます。

そのため、丁寧に再入国と再出国が必要な理由を、警戒度の高い状態の審査官に説明することになるのですが、ある程度の英語力はもちろん、度胸や精神的なタフさがなければ全くおすすめできないレベルのトラブルなのは間違いありません。

実際、英語での説明に失敗すると、別室送りになるのはもちろん、最悪飛行機の搭乗時刻に間に合わないことも含め、どんな不利益を被ることになるのか想像もできませんから。

ただし、仮に入国と出国が同日だとしても、空港の設備や航空会社の預入荷物の取扱い上、どうしても乗り継ぎに入国と出国が必要な場合には問題なく通過可能ですから、一般的な渡航では複数回の入国と出国について、全く心配する必要はありません。

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遅延・欠航での出国中止(NOT DEPARTED)

手続きとしては難しさや不安はないものの、旅程に与えるダメージという意味では深刻なのが、出国中止(NOT DEPARTED)。

これは搭乗する予定だったフライトが大幅な遅延や欠航することによって発生するトラブルで、一度出国して到着した制限エリアから再度入国して一般エリアに戻り、出国自体を取りやめるというものです。

そのため、当初の予定は絶望的なまでに崩れ去るため、後のことを考えた時の心理的なダメージはかなり大きなものになってしまいます。

ただし、出国中止の手続き自体は航空会社に完全に一任され、利用者としてはパスポートと搭乗券を航空会社のスタッフに手渡した後は、手続きの進捗を待って、スタッフの後をついていくだけと簡単&シンプル。

もちろん、通常とは異なる形での入国になるため、入国や税関などでの質問はいつもより厳しさを帯びる可能性もありますが、そうした事態に陥っている理由は航空会社からの説明で明確になっていますから、特に問題はないはずです。

出国中止(NOT DEPARTED)のスタンプを押されるくらいの遅延・欠航に遭遇して羽田空港の制限エリアから引き返してみた(出国中止手続き、申請書類作成、航空会社のスタッフによるアテンド、制限エリアからの引き返し、いつもと違う入国審査と税関)

まとめ

パスポートが最も活躍する機会と言える入国審査や出国審査。

これの審査は国境を管理すると同時に守るという重要な意義をも持つもので、信頼性の高い日本のパスポートを利用していると意識することはあまりないものの、非常に厳密なものです。

そういった性質を持つ入国審査や出国審査でのトラブルは重要な不利益を被る原因にもなりかねない以上、慎重に対応する必要があるのは間違いありません。

もちろん、そうしたトラブルにはそもそも遭遇しないことが最も重要ですが、万が一不幸にも遭遇してしまった時には、冷静に落ち着いて担当者と相談したり、あらかじめ用意・保管していた資料などを提示するのが肝要だと私自身も肝に銘じています。

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