新型コロナウイルス時代の海外渡航とJAL国際線ファーストクラスサービス(ホテルでの自主隔離を選んだ理由と準備、羽田空港新JALファーストクラスラウンジのサービス、カンテサンスとパージュのファーストクラス機内食、日本入国時の検疫、検疫所運行無料周回バス)

今思い返してみると、2019年の年末はもちろん、2020年の年始すら、社会的にここまで大きな影響を予想していなかった新型コロナウイルス、COVID-19。

その新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大を抑制するためには、何より今まさ現在進行形で感染者が増えている場所とそうではない場所との間で人の行き来を制限する必要がある以上、同じ国の中でも別の地域と地域、あるいは別の国と国とを航空機による路線網で結び、人々の移動を支えてきた航空会社はあまりに大きな悪影響を受けることになってしまいました。

また、そうした状況下では、一般の利用者が必要に迫られ、航空機を利用する場合でも、特に海外への渡航では、新型コロナウイルスの感染拡大が広く知らえる前までには想像もしていなかった種類の様々な制限やリスクに向き合う必要に迫られる状況になっているのは間違いありません。

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海外在住の家族に発生した異常事態

そんな海外への渡航が大きく制限されている2020年9月、我が家にとって悩ましい事態が発生してしまいました。

そのトラブルというのが、海外で暮らしている私の子供の1人が新型コロナウイルスでこそないものの、思いもしなかった簡単ではない病を患ってしまったこと。

しかも、当時は現在のように感染の拡大を受けた非常事態宣言などの強い制限こそは実施されていなかったものの、伝え聞く本人や家族、周囲の状況は芳しいものではないため、現地で様々な事柄を立て直すためには、一度日本からの家族の助けが必要なのは火を見るより明らかでした。

ただし、同じ新型コロナウイルスの感染拡大が脅威となっている状況でも、日本国内でスープの冷めない距離に住んでいる子供を訪ねて手助けするのと、そもそも渡航自体が大きく制限されている海外に住む子供を訪ねて手助けするのとでは、様々な事柄があまりに違いすぎます。

そのため、私自身どうするべきか深く悩んだのですが、十数年前に子供の家族が全員インフルエンザの予防接種を毎年しているにも関わらず、不運にも一家全員が同じ時期に感染し、それも症状が強く出てしまい、あわや一家全滅状態になりかけた時には後手に回った結果十分に手助けできず、それが今でも忘れられない私の親としての後悔の1つになっていることが最後の1押しとなり、今回は様々な不安はあるものの、後で悔やむことのないように手助けすることに決めました。

ちなみに、渡航するのは、

  • 言語面での対応力
  • 健康面や体力面
  • 渡航やその後の自主隔離に必要な期間の仕事面での調整余地

などから消去法的(?)に私1人での出発に決定。

結果的に、自宅を出発してから実際に自宅へ帰り着くまで約1ヶ月間にも渡る長い長い旅路に出発することになりました。

新型コロナウイルス時代の海外渡航最大の難点、14日間の自主隔離

新型コロナウイルスによる制限が生じている中での海外渡航を考える場合、特に注意しなくてはいけないのは、

  • 海外の目的地となる国の入国時の制限
  • 日本への帰国時の制限

の2つです。

まず、1つめの「海外の目的地となる国の入国時の制限」ですが、これは渡航する国やタイミングはもちろん、渡航者の国籍、経由地などによっても様々なものの、

  • そもそも入国自体が禁止
  • 入国は可能なものの、2週間程度の隔離が必要
  • 入国は可能で、隔離も不要

のように大きく3つに分類できます。

ちなみに、今回の渡航先はフランスのパリだったのですが、2020年9月時点では、日本からの渡航者について、特段制限されておらず、日本出国前やフランス入国前のPCR検査での陰性証明書なども不要な状況でした。

つまり、少なくともその時点では、日本人が日本を出国して、フランスに入国し、その後フランスを出国するまでは、特に問題ないということになります。

一方で、大きな問題になるのは、2つめの「日本への帰国時の制限」です。

というのも、フランスを含む海外の新型コロナウイルスの感染拡大地域から帰国し、日本に入国した場合、14日間の自主隔離期間を設けるように強く要請されているから。

この14日間の自主隔離期間というのは、日本に入国した日を0日目とし、14日目まで、自宅やホテルなど不特定多数の人と接触しない環境で、可能な限り他者との接触を避けて待機するというものです。

さらに、家族による自家用車での送迎やレンタカーの乗り捨てによる移動、あるいは検疫所が運行する空港周辺の地域を目的地とした周回バス以外の公共交通機関の利用は厳しく制限されているというおまけつき。

そんな状況ですから、当初から第一候補として利用を考えていたJALのパリ便が発着する羽田空港が最寄り空港で、都内在住の我が家の場合、自宅で自主隔離をするというのが一番素直な選択だったのは間違いありません。

しかし、我が家には、私以外に、

  • 新型コロナウイルスに感染した場合に高リスクを抱える家族
  • 感染拡大を誘発しうる小さな子ども

なども同居しているため、万が一帰国した私が感染していた場合の自主隔離先として、自宅という選択肢を積極的に選べる状況ではなかったというのが正直な部分です。

そこで、自宅と比較して、宿泊費などの追加費用発生や居住性の低下などは避けられないものの、よりシンプルな形での感染防止の継続が可能なホテルでの自主隔離を選択することにしました。

この時、悩まされることになったのが、自主隔離としての利用を受け入れてくれるホテルの予約でした。

というのも、当時は東京のホテルもGoToトラベルの対象に加えられる公算が高くなっている状況で、それまで自主隔離での利用を受け入れてくれていたホテルの中には、方針を転換し、海外から帰国した入国者の滞在は遠慮してほしいと利用者側に要望するホテルも出始めていたから。

もちろん、そのような状況でも変わることなく、自主隔離での利用者を受け入れてくれるホテルも存在するのですが、そうしたホテルはこれまで以上に希望者が殺到することになりますから、希望した日程での予約が確保できるとは限らないのも難しさを感じさせるポイントの1つです。

とはいえ、実際に私が自主隔離での利用で滞在したホテルでも、

  • 食事やアメニティ、通販購入品、差し入れなどの部屋へのお届け
  • 一定期間ごとに必須とされる部屋の清掃
  • ホテルとして行う自主隔離利用者の健康管理や自主隔離状況の確認(監視)

などの通常の利用者の滞在では必要のない手間や苦労を背負うことになっていたのは私も実感していましたから、新型コロナウイルスの感染拡大以降、収益の激減に直面しているホテル側がそうした追加の気遣いを要する利用者を敬遠したくなる気持ちも多少は理解できるというのが正直な部分かもしれません。

海外渡航後の14日間の自主隔離とGoToトラベルキャンペーン

ホテルでの自主隔離に必要な宿泊費はもちろん全額が利用者自身の負担ですから、気になるのは自主隔離の宿泊費負担を減らすことのできるGoToトラベルキャンペーンを活用できるのかということかもしれません。

これについては、都内のホテルなどへの宿泊がGoToトラベルキャンペーンの対象となるのは、

  • 2020年9月18日正午以降に予約
  • 2020年10月1日以降にチェックイン

という条件を満たした場合のみでしたから、9月下旬に日本を出国し、10月上旬に日本に帰国するという旅程で海外に渡航した私の場合、一見問題なく利用できるように思えます。

しかし、実際に10月上旬からの自主隔離でのGoToトラベルキャンペーン利用を考えた場合、

  • 急な渡航準備で忙しいタイミングの中、比較的ギリギリまでGoToトラベルキャンペーンでの東京都の扱いが確定していなかった
  • 予約受付開始の9月18日正午にすべてのGoToトラベルキャンペーン対象ホテルが判明するわけではない
  • GoToトラベルキャンペーンの対象でも自主隔離での滞在自体を断っているホテルも多い
  • 自主隔離での滞在が可能な場合でも、GoToトラベルキャンペーンの対象外となる電話での予約手続きが必須なホテルが多い

といった理由で、現実には、私の自主隔離でのホテル利用にはGoToトラベルキャンペーンは活用できませんでした。

ちなみに、後述する検疫所が運行する空港周辺の地域を目的地とした周回バスは、都内に位置する品川や蒲田だけではなく、神奈川県に属する川崎もその送迎先に加えられていますから、東京都以外に居住されている方の場合、事前に川崎にあるGoToトラベルキャンペーンの対象で自主隔離での滞在も認めてくれるホテルを確保できていたのなら、何の不安もなく、お得な自主隔離が可能だったということですね。

ただし、今現在は、無事に東京都もGoToトラベルキャンペーンの対象となった一方で、2020年11月17日以降は1回の旅行での8泊以上の長期滞在の対象外化に加え、そもそも観光以外の利用がGoToトラベルキャンペーンの対象外になるというルール変更が実施されることが決定していますから、移動や他者との接触を可能な限り避けた上での15泊を必要とするホテルにおける自主隔離で、GoToトラベルキャンペーンの活用は現実的ではないというのが正直な実感です。

新型コロナウイルス時代の海外渡航前の情報収集

新型コロナウイルスの感染が拡大している中での海外渡航を考える場合、忘れてはいけないのが、海外はもちろん、日本も含めた入国や出国について可能な限り最新の情報を収集することです。

私の場合、今回の渡航を決めたのは本当に急なことでしたから、最も気を遣った事柄の1つが、この情報収集だったのは間違いありません。

やはり、それぞれの国での感染の拡大状況が刻一刻と変化している以上、それに対する入国や出国の制限も流動的になるのは避けられず、わずか数日前に問題のなかったことでも、肝心の私の渡航時にはしっかり制限されているという可能性も考える必要があるわけですから。

実際、最悪のケースとしては、せっかく海外に向けて日本を出国したとしても、日本人への入国制限の強化でフランスに入国できず、そのまま日本に戻ることになってしまうリスクも想定しなくてはいけません。

そうなると本来の渡航目的が果たせないだけではなく、日本に帰国した後も入国者として、14日間の自主隔離はしっかり必要になってしまうわけで、無駄ばかりが無意味に積み上がることに。

それを可能な限り回避するための情報収集に活用したのが、

  • 航空券の予約発券元のJAL予約デスク
  • プラチナカードに付帯のコンシェルジュデスク
  • 厚生労働省 東京空港検疫所支所 検疫衛生課(03-6847-9312)

の3種類の窓口でした。

まず、1つめの「JAL予約デスク」は、事情を話した上で質問すると、航空券や空港に関する事柄を中心に回答してくれるため、スムーズに渡航手続きを進めながら全体像を掴む上ではかなり大きな手助けになってくれるはずです。

また、質問内容によっては、その場での回答を保留し、実際にJALの現地支店のスタッフの方に問い合わせた上で、後日、できるだけ正確な最新情報を提供しようと動いてくれることもあるのも嬉しいポイントです。

次に、2つめの「コンシェルジュデスク」は、一般の利用者がなかなか到達できないルートや種類の情報を提供してもらえる窓口として活躍してくれます。

それだけではなく、これまでに他の利用者の依頼を受け、それを解決してきた経験から提供される実体験に基づいた情報の存在も期待できるのも大きなメリットです。

特に、フランスのような英語圏ではない国では必ずしも最新情報が英語で提供されているとは限らないため、コンシェルジュデスクが頼りになると感じる方も多いはず。

ただし、担当してくれるコンシェルジュやコンシェルジュデスク業務を受託している企業によって、本来は受け付けてくれるはずの情報収集も門前払い的に断ろうとするケースもあるため、別の時間帯に電話するなどして断られたのとは異なるコンシェルジュに依頼してみたり、そもそもコンシェルジュ業務を受託している企業に期待できないと感じたのであれば、依頼先を切り替えるために、別のプラチナカードに付帯しているコンシェルジュデスクに問い合わせてみるなども選択肢としては重要です。

特に、初動の段階で違和感を感じたなら、可能な限り試行錯誤してみるのが本当におすすめだと考えています。

実際、我が家の場合、3種類のコンシェルジュデスクが利用可能なのですが、最終的に満足な情報提供はもちろん、期待以上の追加情報をもたらしてくれたのはそのうちの1つだけでしたから。

最後に、「東京空港検疫所支所 検疫衛生課」ですが、この検疫衛生課は日本に帰国した際の入国制限を実際に実施している部署ですから、現在の制限の状況や手続きの中身だけではなく、すでに決まっている簡単な今後の見込みなども分かる範囲ですが案内してくれるため、ここに問い合わせた後の安心感は凄まじいの一言。

特に、現時点での運用ではという注釈付きとはいえ、入国時に役立つちょっとしたアドバイスももらえたりしますから、渡航前にあれこれ不明な点を抱えて心配しているのであれば、一度電話で質問して見る価値は十分ありです。


新型コロナウイルス対策としてのJAL国際線ファーストクラス予約

こうして、急ピッチで進めることになった海外渡航の準備ですが、その中でも本当に良い判断をしたと今でもほっとしていることの1つが、海外への渡航のための航空券を、往復ともJAL国際線ファーストクラスで予約・発券したことでした。

というのも、フランスを含め、ヨーロッパの空港では通常時でさえ、

  • ファーストクラス
  • ファーストクラス以外(ビジネスクラス、プレミアムエコノミー、エコノミークラス)

の間ではっきりとした区別がされていて、密集を避けることが重要な新型コロナウイルス感染拡大下では、より一層その差を強調されることになっているのは想像に難くないから。

それだけではなく、情報提供を求めた窓口の複数から、可能であればその便の(最も上の)上位クラスの利用をおすすめするというアドバイスがあったのも重要な後押しになったのも事実。

ちなみに、羽田-パリ間の往復を最も上位に位置する国際線ファーストクラスを指定した上で、JAL国際線特典航空券としての予約・発券を行う場合、大人1名160,000マイル必要です。

しかし、できる限り搭乗前後のリスクや心身への負担を低減する意味でもその必要マイル数以上の価値が十分にあると考え、最終的に、特典航空券でのJAL国際線ファーストクラスの予約することにしました。

結果的にこのファーストクラスを選んだ判断は大正解だったと思います。

というのも、パリ到着時はもちろん、日本到着時にも、最初にファーストクラス利用者だけが優先的に降機の案内がなされ、ファーストクラス利用者が十分先に進んだことが確認されてから、ビジネスクラスやプレミアムエコノミー、エコノミークラスの利用者がようやく順次案内される運用が徹底されている様子をまざまざと目撃できたから。

これは、パリ到着時の入国審査や日本到着時のPCR検査を、少なくともその時に利用した便の利用者の中ではほぼ最初に受け付けてもらえることを意味します。

つまり、元々運航されている便数が少ない現在では、余程運が悪く全く同じ時間帯の到着便が存在しない限り、ほぼ待ち時間0での入国審査やPCR検査の手続き開始が期待できるというメリットがあるということですね。

また、JAL国際線ファーストクラスは最大でも8席しか用意はないため、ゆったりとした空間が確保されているのはもちろん、新型コロナウイルスの感染が拡大している現在は、ファーストクラスを利用している利用者自体が少なく、よりゆとりのある形で搭乗が可能になっているのも、機内での感染リスクを可能な限り低減する意味でも重要な好印象ポイントになるはずです。

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新型コロナウイルス時代にJALが提供する地上サービスと羽田空港第3ターミナルの姿

こうして可能な限りの準備を積み重ねた上で、半年以上の空白を経て訪れた羽田空港第3ターミナル(旧国際線ターミナル)は信じられないくらい閑散としていました。

普段は混雑する保安検査場の多くは閉鎖され、一部の運用が継続している保安検査場に集約されています。

また、羽田空港第3ターミナルでは、通常の朝は6:30からその日のJAL運航最終便の手続き終了まで営業しているはずのJALのチェックインカウンターも、その日の運航便に合わせて営業開始時間が朝6:00~8:00で変動するような状況ですから、いかに国際線の需要が強烈に落ち込んでいるのか、肌感覚として実感できる最初のきっかけになりました。

ファーストクラス利用者に加え、JMBダイヤモンドやJGCプレミア、他社のワンワールドエメラルド保有者が利用できるファーストクラスチェックインカウンターでチェックインを完了すると、手渡されたのが上の搭乗券と制限エリアの地図。

制限エリアの地図には、ゲート112近くのファーストクラスラウンジとゲート114近くのサクララウンジというように2種類のラウンジが分けて記載され、2020年3月29日のJALファーストクラスラウンジのリニューアルがしっかりと完了していることが確認できます。

ちなみに、このチェックイン時には、優先保安検査場は営業していなかったのですが、ファーストクラス利用者に加え、JMBダイヤモンドやJGCプレミア、他社のワンワールドエメラルド保有者といった上級会員は、1人1人地上係員の方に伴われてクルー優先レーンまで案内され、優先的な保安検査が受けられるサービスが提供されていました。

スムーズに保安検査や出国審査を終えて到着したのは制限エリア。

そこは普段ならきらびやかなインテリアの装飾と照明、そして免税店らしさを感じさせるかすかな香水の香りが漂う華やかな空間のはずですが、目の前に広がっていたのは、人の気配もなくシャッターが固く閉ざされた通りが続く変わり果てた免税店街。

ただただ暗く静かな店舗が墓標のように通りの左右に林立する様子を目にしながら歩いていると、国際線の需要が激減するというのは、こういう状況をもたらすものなんだと強く思い知ることしかできませんでした。

そんな新型コロナウイルス感染拡大の影響をはっきりと受けている羽田空港第3ターミナルの状況を目に焼き付けながら、グッチ店舗の隣に用意された少し奥まっている一画を目指します。

そこには、JALファーストクラスラウンジにつながるエスカレーターが見つかるはずです。

リニューアル後の羽田空港JALファーストクラスラウンジのインテリア

2020年夏に東京での開催が予定されていたオリンピックやパラリンピックによる航空需要急増への対応目的で、3月29日にリニューアルオープンした羽田空港第3ターミナルにあるJALファーストクラスラウンジ。

期せずして今回が私にとってリニューアル後最初の利用となりました。

思い返してみると、新型コロナウイルスが世に広がるまでは1ヶ月に1~2回は海外に渡航してきた我が家にとって、何事もなければリニューアルオープンからそれほど経過していないタイミングでここを訪れていたはずですから、いかに海外旅行が遠く険しいものになったのか実感します。

ちなみに、海外への渡航者自体が大幅に減少している現状では、ファーストクラスラウンジとサクララウンジを別々に営業するだけの意義は見いだせないためか、羽田空港の第3ターミナルでは、ファーストクラスラウンジのみの営業に制限され、サクララウンジは終日閉鎖中。

そのため、羽田空港第3ターミナルのファーストクラスラウンジでは、

  • JALファーストクラス搭乗者
  • 利用対象の他社運航ファーストクラス搭乗者
  • ワンワールドの航空会社運航便に搭乗するワンワールドエメラルド保有者
  • 上記JALファーストクラス利用対象者の同伴者

といった本来のファーストクラスラウンジ利用対象者に加え、

  • JALビジネスクラス搭乗者
  • JALプレミアムエコノミー搭乗者
  • JALエコノミークラスフレックス運賃搭乗者
  • 利用対象の他社運航ビジネスクラス搭乗者
  • ワンワールドの航空会社運航便に搭乗するワンワールドサファイア保有者
  • 上記JALサクララウンジ利用対象者の同伴者

といったサクララウンジ利用対象者も期間限定の特別な対応の一環としてファーストクラスラウンジの利用が可能になっています。

ただし、ラウンジ内には本来のファーストクラスラウンジ利用者限定で利用できるエリアも用意されています。

その境ではひっそりと、しかし確実に出入りに対する制限が要請されているため、元々のサクララウンジ利用者は少しだけ注意が必要かもしれません。

ラウンジ内はリニューアルを経て、全体的に落ち着いた印象のインテリアに統一されていました。

ただ、各所に新型コロナウイルス対策として追加導入されたと考えられるパーティションや座席の利用制限などが見られ、感染拡大防止時代のラウンジという印象を強く感じさせます。

それは滑走路を目の前にする窓側の席も同様で、せっかくの開放的な印象がかなり台無しになる圧迫感を感じるものの、世の中の現状を考えると仕方のない部分なのかもしれませんね。

その一方で、リニューアル前のファーストクラスラウンジの面影を感じさせる部分もいくつか存在しているのも面白いと感じさせるポイントです。

その分かりやすい例の1つがラウンジの受付を通過し、ダイニングへと向かうエントランス部分です。

かつてその最奥部分を彩っていた著名な左官職人の挾土秀平氏の手による空と飛行雲の壁画は姿を消し、印象的な赤いガラスをメインとしたディスプレイが鎮座しているものの、その隣にひっそりとトイレへの入口が用意されているというレイアウトはかつてのファーストクラスラウンジと変わるものではありません。

それはラウンジ内に用意されたビジネスエリアも同様。

デスクライトの備えられた席とプリンターがセットで用意されているのはもちろん、その周辺の席の種類も変わらず、どこか懐かしさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

ただし、一見変化がないように見えるビジネスエリアにも、リニューアル工事を経る中で確かに手は加えられていて、プリンターが設置されているデスクとは反対側の壁に用意されていたデスクエリアは廃止されなくなっているなど、大小様々な違いは確かに存在しています。

ちなみに、プリンターは小型ながらネットワーク機能がしっかりと搭載されたタイプが用意され、出発前にラウンジを訪れたタイミングで、無料で、しかも自由に印刷が可能になっています。

気になる印刷方法は、指定されたメールアドレス宛に印刷したいファイルを添付ファイルとして送信するタイプが採用。

少なくとも2020年9月時点では元々リニューアル前にファーストクラスラウンジの隣に用意されていたサクララウンジの5階部分で利用のプリンターがファーストクラスラウンジ用として移設されていたようでした。

そうしたリニューアルの方向性は、意外にも大きく姿を変えたと感じるシャワールームでも見つけることができます。

リニューアル後のシャワールームは日本の要素を感じさせる装飾が施された受付が用意され、これまでと完全に異なる新しさのようなものをしっかりと感じさせてくれます。

その一方で、その受付から左右に伸びる2つの通路に用意された合計10室のシャワールームは、受付に向かって左側が元々サクララウンジ用として利用されていたもので、対する右側が元々ファーストクラスラウンジ用として利用されていたもの。

今回のリニューアルでは、ファーストクラスラウンジのシャワールームとサクララウンジのシャワールームの間の壁を取り払い、そこにシャワールーム受付を設置することで、2つのシャワールームを大胆にもつなげてしまったということですね。

ちなみに、それぞれのシャワールームの内部設備はリニューアル前と大きく変わらず、スペースがゆったり確保されていた旧サクララウンジの左側のシャワールームには個室内にトイレが用意されている一方、スペースに制限が設けられた関係で個室内にトイレのない旧ファーストクラスラウンジの右側のシャワールームとでは、少しだけに違いが生じているということですね。

ただし、トイレの有無以外にタオルなどもファーストクラスラウンジ仕様の今治タオルが完備されていることは変わらず。

もちろん、シャンプーやコンディショナー、ボディーソープなどのバスアメニティも左右のシャワールーム間はもちろん国内線のサクララウンジのシャワールームとも全く共通のものが用意されています。

その一方で、リニューアルによってインテリアに手が加えられたとなると、心配になるのはかつての羽田空港ファーストクラスラウンジの最奥部分に位置し、ラウンジの方向性を決定する1つのシンボルのように扱われていた、「Red Suite」と呼ばれるエリアの存在かもしれません。

この「Red Suite」では、ジョンロブによる靴磨きサービスが提供されているのはもちろん、ファーストクラスラウンジ限定で通年での提供が行われているシャンパン、ローランペリエも羽田空港ではこのエリアだけに用意されているなど、特別感を感じるエリアに仕上がっていました。

その「Red Suite」ですが、リニューアルを経た現在も、その姿を大きく変えることなく、そのままの場所に存在するため、かつてのファーストクラスラウンジの姿を知っている方にとっては最も帰ってきたというような懐かしさに近い感情を感じるかもしれません。

ただし、「Red Suite」内でのローランペリエを含むアルコールの提供は休止中。

かつてはリーデルのグラスが数多く並び、華やかなディスプレイを形作っていた鏡張りの棚も空っぽになっている姿はとても寂しさを感じさせるものです。

もちろん、かつてローランペリエや厳選された日本酒などが並んでいたテーブル近くのチェアは現在でも利用可能なものの、ここを含め、ラウンジ内の隅から隅までしっかりと新型コロナウイルス対策が実施されていることが伺えますね。

加えて、かつては「Red Suite」内で提供されていたジョンロブによる靴磨きサービスも、休止中。

つまり、現在の「Red Suite」では特別なサービスが全く提供されていないため、ゆったりと確保されたスペースとこだわりのインテリアの中で搭乗までの時間を過ごすための場所としての利用がおすすめと言えそうです。

ちなみに、羽田空港のJALファーストクラスラウンジでは、

  • 鮨 鶴亭(4階)
  • JAL’s SALON(5階)

といったファーストクラスラウンジにとって重要なエリアが閉鎖され、サービスの提供だけではなく、利用者の立ち入り自体が制限されていますから、そんな中、「Red Suite」のゆとりのある空間が開放されていることはある種の幸運と言えるのかもしれません。

実際、ラウンジの受付を通過してすぐの左側の通路はしっかりと閉鎖され、その先にある鮨 鶴亭やそこからさらにエレベーターや階段でアクセス可能な5階にあるJAL’s SALONは利用できないようになっています。

 

上の写真はシャワールームにつながる通路から撮影したものですが、階段にもロープが用意され、閉鎖中というしっかり分かるようになっています。

このように、せっかくリニューアルを終えたというのにあくまで利用できるのは一部に限られているのが現在のファーストクラスラウンジの現状ですから、新型コロナウイルスの感染状況が改善し、すべての魅力を楽しめる日が本当に待ち遠しいですね。

2020年3月29日リニューアルオープン羽田空港JALファーストクラスラウンジの魅力と成田空港JALファーストクラスラウンジとの比較(大規模拡張の理由、挾土秀平氏と小坂竜氏の続投によるデザイン、鮨 鶴亭・JAL’s Table・JAL’s SALONのサービスと営業時間、成田空港との優劣)

新型コロナウイルス時代の羽田空港JALファーストクラスラウンジの提供サービス

このように様々な部分での制限を感じる羽田空港第3ターミナルのJALファーストクラスラウンジですが、こうした状況でも可能な限り、これまでと同様のサービスを提供しようとする頑張りが感じられるのも事実です。

まず、これまでは成田空港のファーストクラスラウンジ限定で提供されていたものの、リニューアル後には羽田空港のファーストクラスラウンジでも提供されるようになった職人の方々による握りたての寿司。

握り寿司サービスは、専用のカウンターを備えたエリアとしての鮨 鶴亭こそ閉鎖されているものの、注文を受けてから料理の提供が行われるJAL’s Tableの1コーナーとしてに組み込まれる形でのサービス提供が行われています。

一度の注文で3貫までながら、3種用意された寿司ネタの中から、好きなものを組み合わせて注文可能という運用に変化はないものの、なぜか特に断らない限り、寿司と味噌汁がセットとして提供されるようになっているのが面白いですね。

個人的には、寿司ネタ自体の質や握りの仕事の巧さは、かつて成田空港ファーストクラスラウンジの鮨 鶴亭で提供されていたものの方が正直私の好みに合っていて、久しぶりのJALラウンジでの寿司にも関わらず、今回の羽田空港のファーストクラスラウンジではおかわりの注文に手が伸びなかったのが、私にとっても少し驚きでした。

もちろんJAL’s Tableでは握り寿司以外の料理もいくつか提供され、好きなものを楽しめるようになっています。

以下の写真はその具体的なラインナップです。

カレーセット

  • JAL特製オリジナルビーフカレー
  • らっきょう漬け
  • 福神漬け
  • 味噌汁(合わせ味噌)

ユッケジャンスープセット

  • ユッケジャンスープ
  • 山形県産 雪若丸
  • プチロール
  • バター
  • ストロベリージャム

アメリカンモーニングプレート

  • ソーセージ
  • スクランブルエッグ
  • 皮付きウェッジポテト
  • プチロール

麻婆豆腐セット

  • 四川風麻婆豆腐
  • シュウマイ(黒豚入り)

蒸し野菜セット

  • 蒸し野菜盛り合わせ
  • グリーンゴッデス
  • ノンオイル和風ドレッシング

こうしてみると、新型コロナウイルスの感染拡大前よりは品数こそ限られているものの、様々な制限がある中では、全体的にかなり頑張っているという印象を感じました。

実際に注文してみたJAL特製オリジナルビーフカレーは、ラウンジスタッフの方による盛り付けながら、ゴロンゴロンと大きめのお肉もたっぷりで食べごたえ十分。

また、国内線では、ダイヤモンドプレミアラウンジすら新型コロナウイルス対策として廃止されてしまった布タイプのおしぼりが用意され、実際に提供されているのも、JAL最高峰ラウンジとしての意地のようなものを感じますね。

料理以外のアルコールを含めた飲み物もすべて、利用者自身が好きなように手に取るのではなく、ラウンジスタッフの方に希望する内容を伝え、用意してもらう形になっています。

ラインナップとしては、これまでの定番のローランペリエを含め、ファーストクラスラウンジらしさを感じる内容が維持され、お酒が好きな方も十分に楽しめる内容になっているはず。

また、ある種のプロモーションとしてなのか、リニューアル前から特集されてきたジョージアワインの提供が継続していたのは個人的に面白いと感じたポイントの1つです。

もちろん、定期的に銘柄の入れ替えが行われるこだわりの日本酒ラインナップやハードリカーコーナーの充実も大きく変わるものではありませんでした。

ちなみに、ビールについては、すべてのビールサーバーが準備中状態で使用できない設定とされているようで、利用者が希望する度にラウンジスタッフの方が冷蔵庫で冷やされている缶ビールを開栓し、それをグラスに注いで提供するという運用が行われていましたから、これまでのJALラウンジで提供されてきたビールが好きという方にとっては残念に感じるポイントかも知れません。

料理や飲み物以外のサービスとしては、羽田空港と成田空港のファーストクラスラウンジ限定提供されていた新刊本の無料プレゼントサービスも継続しているようで、希望者には在庫のある数種類の書籍の中から好きなものを1冊プレゼントしてくれます。

新型コロナウイルス対策として、ラウンジ内の雑誌類が完全に撤去されている状況を考えると、自分専用の書籍として1冊プレゼントされるのはなかなか嬉しいものですから、個人的には今後も継続してほしいお気に入りのサービスの1つです。

JALファーストクラスラウンジ寿司サービス、鮨 鶴亭の魅力と楽しみ方(最も低コストな利用条件、サービス内容と注文手順、寿司職人への注文でアレンジ可能な内容、寿司ネタの種類と中トロ出現確率、成田空港・寿司バー時代や羽田空港・鉄板ダイニング時代とのサービス比較)
JALファーストクラスラウンジ 新刊本無料プレゼントサービス(羽田空港と成田空港のサービス内容と利用条件、数量限定での在庫払底時期、新刊本の内容と方向性、最新2020年3月までの過去の新刊本ラインナップ、無料プレゼントの新刊本選びで気をつけたい落とし穴)

新型コロナウイルス時代のJAL国際線ファーストクラスのサービスとカンテサンスの機内食

羽田空港からフランス・パリのシャルルドゴール空港に向かうために私が利用したその日のJL45便は、羽田空港第3ターミナルのゲート112からの出発でした。

ゲート近くの窓から確認できる今回搭乗する飛行機は、もちろんJALが運用する機材の中で唯一国際線ファーストクラスが搭載されているボーイング777-300ER。

2020年9月時点では、現在ほどヨーロッパの新型コロナウイルスの感染状況が悪化していなかったことも影響したのか、ビジネス関係の利用と見られる利用者も多く、100人を超えない程度のそれほど極端に少ないとは感じない数の利用者がゲート周辺で搭乗開始を待つ様子が見られました。

そうした中、新型コロナウイルス感染拡大前と特に変わることのない形で、

  • 事前改札(お手伝いを希望される方)
  • 優先搭乗1(ファーストクラス利用者やワンワールドエメラルドなどGROUP1対象者)
  • 優先搭乗2(ビジネスクラス利用者やワンワールドサファイアなどGROUP2対象者)
  • 優先搭乗3(プレミアムエコノミー利用者やワンワールドルビーなどGROUP3対象者)
  • それ以外の利用者

というような順番での搭乗が開始されます。

実際に搭乗するとなると気になるのは機内サービスの内容ですが、新型コロナウイルスの感染拡大が心配される時期とはいえ、客室乗務員の方のマスクや手袋の装着以外に変化を感じることはなく、十分にJALの国際線ファーストクラスらしいサービスが提供されていました。

ただし、日本発のJAL国際線ファーストクラスの洋食を監修するシェフが、2020年9月からは、これまでの「SUGALABO(スガラボ)」オーナーシェフの須賀 洋介氏から、「Quintessence(カンテサンス)」オーナーシェフの岸田 周三氏への変更が行われていました。

また、監修シェフの変更に伴い、これまで前菜とメインのそれぞれで数種類の中から好きな1品の選べた洋食が、利用者による選択がない、1種類の決まったメニューのみとなるおまかせタイプでの提供に切り替わりました。

こうした洋食での新たな提供方法ですが、実はこれまでにも和食でも提供されてきた形で、選択肢そのものが無くなることによって、

  • 搭載されたものの最終的に提供されなかったメニューの製造コストや廃棄コストの削減
  • 一部のメニューへの人気の集中による、機内での利用者間の提供可能メニュー調整に必要な客室乗務員の方の手間や心労の削減

といったJAL側にとってのメリットが生じるのは間違いありません。

その一方で、利用者として気になるのは、今回の洋食での選択肢の削減が、実際にJAL国際線ファーストクラスを利用する際に改善となるのか、改悪となるのかということです。

2020年9月のJAL国際線ファーストクラスの機内で実際に提供されたカンテサンス監修のメニューが以下の写真です。

アミューズ・ブーシュ

  • 山羊乳のバヴァロア

アペタイザー 1品目

  • 雲丹のクスクス

アペタイザー 2品目

  • 北海道産北寄貝と野菜のマリネ

メインディッシュ 1品目

  • オマール海老とキノコのフリカッセ

メインディッシュ 2品目

  • 和牛フィレ マデラと赤ワインの2色ソース

デザート

  • 栗のマカロン、コーヒーのグラニテ

 

こうしてみると、これまでのSUGALABOの須賀 洋介氏による監修に比べると、コースとしてのボリューム感が充実したのはもちろん、一品一品に要した手間暇や仕事、食材としての質は向上しているように感じられました。

そのため、我が家のJAL国際線ファーストクラスの利用では、日本発の搭乗の場合、和食に比べて洋食は全体的に満足度が低かったという事情もあり、積極的に洋食を選択することはなく、基本的に和食ばかりを楽しんできたのですが、今回のカンテサンス監修メニューのような洋食が提供されるのであれば、この次も洋食を注文してみたいと感じるには十分なターニングポイント的な経験となったのも事実です。

 

また、日本発のJAL国際線ファーストクラスとなると、機内食の他に気になるのはアルコールのラインナップかもしれません。

上の写真は、JAL国際線ファーストクラスのワインリストのシャンパンのラインナップページで、左が2019年のもので、右が2020年のものなのですが、3番目に掲載されているロゼの銘柄が異なる以外は、

  • 1番目:サロン(日本発のみ)
  • 2番目:ルイ・ロデレール クリスタル(海外出発時のみ)

となっていることは共通です。

ただし、サロンの方は2019年も2020年も2007年版で変わらないのに対し、ルイ・ロデレール クリスタルの方は、2019年が2009年版、2020年が2008年版とヴィンテージが若くなっているため、新旧のワインリストの左右を逆にした間違いではないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、これは間違いではなく、ルイ・ロデレール クリスタルにとって2008年はぶどうの生育やシャンパンとしての仕込みとしても大当たりの年だったらしく、通常よりもより一層しっかりと手間隙かけて完成させたくなってしまった結果、1年後に収穫や生産が行われた2009年版よりも後に出荷されるようになったことで注目されたのがルイ・ロデレール クリスタル 2008です。

そうした経緯を思い起こすと、しっかりとその時その時で最良の一本を提供しようとするJAL側の姿勢が感じられ、なかなか好印象。

ただし、今回のJAL国際線ファーストクラスの搭乗は気楽な観光目的ではなく、新型コロナウイルス感染拡大中の高リスクな非常時の中、家族の救援という重要な目的を抱えての海外渡航ですから、往路の日本発JL45便でのパリ入国時はもちろん、復路のパリ発JL46便での日本帰国時でも、到着直後からの頭のフル回転を妨げる可能性のあるアルコール摂取の自粛は不可避でした。

そのため、サロンやルイ・ロデレール クリスタル 2008といった魅力的なシャンパンを楽しむ機会に後ろ髪を引かれ、少しだけ残念に思いつつも、通称「ブルーティー」と呼ばれるロイヤルブルーティー”クイーン オブ ブルー”を中心としたノンアルコールの飲み物だけを楽しんだJAL国際線ファーストクラス利用として、私にとって本当に忘れられない経験になりました。

サービスの内容自体は新型コロナウイルス感染拡大前と大きく変わらないJAL国際線ファーストクラスの機内で過ごす時間も終わりが近づき、目的地のフランス・パリ、シャルルドゴール空港に着陸しました。

到着後は機内に乗り込んできたフランスの検疫官や客室乗務員の方の指示に従い、かなり厳密な形でファーストクラスの利用者からの降機が開始されます。

肝心の降機後はというと、入国審査や検疫でも感染防止に気を遣っていると感じる以外はこれまでと変わらず、最大限の警戒レベルでフランスの地に降り立った私としては本当に一安心。

とはいえ、フランス国内での活動がかなり緩和されていた2020年9月時点とフランス全土で再び厳しいロックダウンが実施されている2020年11月現在では、日本人の入国に対するフランスとしての対応も大きく異なることは想像に難くありませんから、最新の情報の確認は当時よりも間違いなく重要になっているはずです。

JALファーストクラス用フラッグシップシャンパン、サロンの魅力(サロンが貴重な理由、10年以上に渡るJALとサロン社の信頼関係、各ビンテージとJALでの先行提供開始時期、2種類のサロン飲み比べ、2020年提供開始予定のサロン2008の見通し)
JAL ファーストクラスラウンジ ローランペリエ(サービス内容と魅力、羽田空港 Red Suiteでの提供方法、成田空港 本館4階&サテライトの使い分け、グランシエクルやロゼは特別な時期に限定提供される特別なローランペリエ)

パリ シャルルドゴール空港の状況とエールフランスラウンジのサービス

こうして到着したパリでは、様々な苦労や試行錯誤こそ要したものの、家族の救援という最も重要な当初の目的は無事に達成し、往路のパリ到着時からの臨戦態勢を1度も解くことなく、気を張った状態のまま、日本への帰国の日をむかえることになりました。

羽田行きのJL46便が出発するシャルルドゴール空港に向かう前には、念の為、チェックインカウンターが極端に混雑していたり、何らかのトラブルでチェックインの手続きがスムーズに進まないなどのリスクに備えて、出発の24時間前にJALホームページからオンラインチェックイン(Webチェックイン)を試みたのですが、2020年10月当時の新型コロナウイルスの感染が拡大している状況でも、特に問題なく手続きが完了。

利用者自身で印刷可能なホームプリント搭乗券やスマートフォンで取り扱うことのできるモバイル搭乗券もスムーズに発券できました。

特に、今回の海外渡航の場合、日本に到着した時のPCR検査を含めた検疫やその後の14日間のホテルでの自主隔離には、帰国時の荷物は邪魔にしかならないことが事前に分かっていましたから、預け入れ荷物もなく、最低限の機内持ち込み手荷物のみに自主的に制限済み。

そのため、出発時のシャルルドゴール空港では、チェックインカウンターに立ち寄ることなく、そのまま保安検査場や出国審査場に向かい、フランスからの出国や制限エリアへの到達が可能でした。

ただ、チェックインカウンターが特に混雑していなかったこともあり、ホームプリント搭乗券をより出国時のトラブルリスクの少ない通常の搭乗券に切り替えてもらったのですが、その際も特にこれまでのパリからの出発とは大きく異なることはなく、問題なくフランスを出国し、日本に帰ることはできそうで安心したのを覚えています。

保安検査や出国審査を無事に通過し、到着したシャルルドゴール空港の制限エリアでは、多くの免税店が通常通り営業中で、ただただ暗い印象を感じるしかなかった羽田空港との違いには驚かされるばかりでした。

もちろん、人通りや実際に免税品を購入している利用者数は、普段のシャルルドゴール空港からは考えられないほど少ないものの、それでも空港らしい華やかさが感じられたのは間違いありません。

JL46便の搭乗開始までの時間を過ごす場所として案内されるのが、JALと様々なサービスでの提携関係を結んでいるエールフランスが運営するエールフランスラウンジ。

このエールフランスラウンジは、ビジネスクラスラウンジ相当のラウンジとして運営されていて、JL46便の利用者にとっては、

  • ファーストクラス搭乗者
  • ワンワールドエメラルド保有者
  • ビジネスクラス搭乗者
  • プレミアムエコノミー搭乗者
  • エコノミークラスフレックス運賃搭乗者
  • ワンワールドサファイア保有者
  • 上記ラウンジ利用対象者の同伴者1名

が利用対象となっています。

その一方で、ファーストクラス利用者やワンワールドエメラルド保有者に対して、別途ファーストクラスラウンジ相当のサービスが提供されているわけではないのは少しだけ残念ですが、JALが拠点としているわけではない海外の空港ということを考えると仕方のない部分と言えるはずです。

JAL国際線ファーストクラスの搭乗券と一緒に念のためJALのステイタスカードを手渡して入室したエールフランスラウンジ内は様々な部分で新型コロナウイルスの感染対策が行われているという点で、羽田空港のJALファーストクラスラウンジと大きく変わるものではありませんでした。

ラウンジ内に用意された料理はガラスケースに収められ、利用者自身が自由に手に取るのではなく、その都度ラウンジスタッフの方に希望を伝え、取り分けてもらう形になっています。

ラインナップとしては私が確認した範囲内では冷蔵保存が可能なコールドミールのみ。

それらの料理を注文する時も、利用者側での密集を避けるために、利用者間の間隔を確保できるように所定の位置で待つように求められているので、最初に利用する時には少しだけ要注意かもしれません。

ちなみに、アルコールを含めた飲み物に加え、各種スナック類は利用者自身が自由に手に取ることができるようになっていて、羽田空港のJALファーストクラスラウンジとの違いを感じさせるポイントの1つでした。

このシャルルドゴール空港のエールフランスラウンジと言えば、一度でも訪れたことのある方にとって気になるのがJAL国際線ファーストクラス利用者向けに用意されていた専用スペースの存在かもしれません。

以前は、JAL国際線ファーストクラスの利用者限定エリアということを示す案内とロープで、利用が制限されたエリアとして運用されていたのですが、2020年10月時点では、そうした運用は行われておらず、ラウンジ利用者なら誰でも利用できるエリアになっていました。

確かに残念ですが、現在のように国際線利用者が激減している中ではJALの国際線ファーストクラスの利用者自体もかなり少ないでしょうからこうした変化も仕方なしですね。

その一方で、エールフランスの上級会員のカテゴリーの中でも上位に位置する、「エールフランス フライング・ブルー アルティメット(AIRFRANCE FLYINGBLUE ULTIMATE)」のみが利用できるエリアがラウンジの一画に用意され、ラウンジ内が混雑した時でもゆったりとしたスペースが確保できるように工夫されていました。

密集することが要注意ポイントの1つとなる新型コロナウイルスが猛威を振るっている時期だからこそ、こうしたエールフランス側の上級会員を大切にするスタンスを嬉しく感じる方は多いかもしれませんね。

また、エールフランスラウンジ内では、新型コロナウイルス感染拡大前と同様に、無料で利用可能なシャワーサービスも提供されていて、約12時間の長時間のフライト前に汗を流してすっきりしたり、着替えなどの身支度も可能になっています。

シャワー内にはトイレやベンチも完備。

タオル類は未開封のビニール袋に封入された状態で準備されていました。

アメニティはシャンプーやボディーソープといったバスアメニティを除き、シャワールーム内の洗面台にまとめて用意。

内容としては

  • 歯ブラシ
  • 歯磨き粉
  • デオドラントシート
  • シャワーキャップ
  • 髭剃り
  • くし

と一般的なものです。

その他に、シャワーブースには別途据え置きタイプのボトルがバスアメニティとして備え付けられています。

そのバスアメニティはシャンプーとボディーソープで、ブランドはクラランス(CLARINS)で統一されているものの、シャンプーの後に別途利用するコンディショナーは用意されていません。

個人的には、シャルルドゴール空港のエールフランスラウンジのシャワーサービスと言うと、かつて専用のポーチに入った状態で提供されていたロクシタンのアメニティキットがお気に入りだっただけに、現在のような形のサービスは少し寂しさを感じるのも正直な部分です。

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新型コロナウイルス時代の海外発JAL国際線ファーストクラスのサービス

少し早めに混雑し始めたエールフランスラウンジを後にし、パリ発羽田行きのJL46便が出発するゲートに向かいます。

この日のJL46便はパリのシャルルドゴール空港ターミナル2EのゲートK41からの出発。

ゲート前には、利用者間の混雑を回避するための専用の案内がしっかり用意され、新型コロナウイルス時代の国際線の出発ゲートということが再確認できます。

もちろんゲート近くの窓から確認できる今回搭乗する飛行機も、日本発の往路と同様にボーイング777-300ER。

パリ発の復路となるJL46便では、羽田発の往路のJL45便よりも多いと感じる利用者が搭乗開始前のゲートに集まる中、お手伝いを必要とされる方を対象とした事前改札に続き、ファーストクラス利用者だけを対象とした優先搭乗が開始されました。

JALが行う通常の優先搭乗では、ファーストクラス利用者とJMBダイヤモンドなどのワンワールドエメラルドの上級会員ステイタス保有者が一緒に搭乗を開始するのですが、クラス間の区別を重視するヨーロッパらしく、パリ発の場合、ファーストクラス利用者が最優先されるというのが面白いですね。

機内に入り、客室乗務員の方からの挨拶とともに手渡されるのが、日本到着後の検疫手続きで必要になる書類の数々。

質問表(表面)

質問表(裏面)

入国される方へ検疫所よりお知らせ(待機場所やその場所までの移動方法の申告)

新型コロナウイルスが特に流行している地域一覧

厚生労働省からのお願い(表面。LINEアプリを活用した健康確認の案内)

厚生労働省からのお願い(裏面。LINEアプリを活用できない場合の健康確認の案内)

LINEアプリ等を活用した健康確認 個人情報の取り扱いに関する説明書 兼 同意書

東京国際空港(羽田空港)にご到着の皆さまへ 検疫所からのお知らせとお願い

よくあるお問い合わせ事項

これらの書類すべてにしっかりと目を通しながら必要事項を記入していくことになります。

しかも、何らかの記入ミスがあった場合、到着後に受けることになるPCR検査の受付やその後の入国手続きがスムーズに進まず、他の利用者に追い越される形でどんどん遅れてしまう可能性があるため、しっかりと緊張感を持って確認しながらの記入が本当におすすめなのは間違いありません。

とは言え、パリのシャルルドゴール空港を出発してから東京の羽田空港への到着までは約12時間ほどの空の旅が必要ですから、時間的な余裕はたっぷりある以上、それほど焦らずに書類の作成が可能なのは安心できるポイントの1つです。

そうした日本入国に必要な書類の配布という普段とは異なる部分は確かに存在するものの、往路の日本発同様、それ以外の部分では、JAL国際線ファーストクラスのサービスに大きな変化はなく、快適なサービスが展開されていきます。

今回の大切な楽しみの1つとなる機内食ですが、往路の日本発で提供されたカンテサンス監修の洋食がとても満足だったことと、海外発の洋食はハズレが少ないというこれまでの経験から、復路のパリ発でも洋食を選択。

ちなみに、パリ発を含む海外発の洋食も、日本発の洋食と同様、利用者による選択がない、1種類の決まったメニューのみとなるおまかせタイプでの提供になっているのも、なんとなく好感を感じるポイントの1つです。

さて、今回のJL46便の洋食はパリのレストラン「レストラン・パージュ」オーナーシェフの手塚 竜司氏監修によるものだったのですが、提供されたものとして以下の写真のような料理が用意されていました。

アミューズ・ブーシュ

  • ココナッツ風味の鶏肉/キヌアと柑橘サラダ

アペタイザー 1品目

  • ソローニュ産キャビア/海と大地のロワイヤル

 

アペタイザー 2品目

  • 鴨胸肉のスモーク/季節のキノコのサラダ

メインディッシュ 1品目

  • イカ墨のパスタ、ビスクソース/2種のイカのグリエ

メインディッシュ 2品目

  • サレール牛フィレ肉のグリエ/黒トリュフ/ポルトソース/カリフラワーのロティ

デザート

  • パッションフルーツタルト

同じ洋食として提供される機内食ながら、「レストラン・パージュ」の手塚 竜司氏監修の料理はいずれも日本発のカンテサンスとは異なる切り口で構成され、全く別の味わいを楽しめるのは面白いですね。

個人的に、これらの機内食で提供されたメニューの中では、

  • カンテサンス:オマール海老とキノコのフリカッセ
  • レストラン・パージュ:イカ墨のパスタ、ビスクソース/2種のイカのグリエ

という、共にメインディッシュの1品目が最も記憶に残るほど美味しく、また食べたいなと思う魅力的な仕上がりでした。

また、パリ発JL46便ファーストクラスの和食と洋食で提供されるデザートは、「レストラン・パージュ」のシェフパティシエールを務められる、早戸 由紀氏が監修しているのですが、実は同じJL46便ビジネスクラスのデザートもこの早戸 由紀氏が同様に監修していて、ファーストクラスの「パッションフルーツタルト」とは異なる、上の写真の「冷製フルーツグラタン」が提供中です。

そのため、ビジネスクラスでの提供を経た後の在庫状況によっては、ファーストクラス利用者向けのアラカルトとしても開放されるため、運が良ければパリ発のJAL国際線ファーストクラス搭乗で、早戸 由紀氏監修による全く異なる2種類のデザートが楽しめるということですね。

ファーストクラスらしさを感じるゆったりとした食事を楽しんだ後は、日本到着時の検疫などの手続きに必要な書類の記入と確認を行い、あとはパリ滞在中に大きく消耗した体力の回復と体調の万全化を狙って睡眠を取ることに。

幸い、この時のJL46便のファーストクラスは利用者が少なく、私が指定していた1Aの席の隣の1Dも空席でしたから、元々の1Aの席を椅子の状態のまま利用するリビングエリア、隣の1Dの席を常にベッドメイキングした状態の寝室エリアとして利用することを客室乗務員の方からの提案してもらえたのでとても快適でした。

ちなみに、こうした形での1人で2席分が利用可能になるサービスの提供は、基本的にすべてのファーストクラス利用者の隣の席が空席となる場合に限られるようですから、そうした条件を満たさない時は少しだけ注意が必要です。

羽田空港着陸の約2時間前に、アラカルトメニューの中から和食を選択し、到着後の検疫などの手続きに備えた最後のエネルギー補給。

この時の和食のメニューは、

台の物

  • 鮭の味噌焼き
  • 玉子焼き
  • 明太子

小鉢

  • ほうれん草のお浸し

ご飯

味噌汁

という派手さはなく、かなりスタンダードなものでしたが、しっかりと身体が目を覚まして、新型コロナウイルス感染拡大下での検疫という、来たるべき壮絶な時間のための集中力を高める上では、ぴったりと感じるほっとする味わいのものばかりでした。

ちなみに、日本発の往路JL45便でも、パリ到着前の最後の食事には、アラカルトから同じ和食として「フミコの和食」を選択し、

台の物

  • 焼きしめ鯖
  • 松茸の卵焼き
  • 春菊
  • 菊花

お椀

  • 吸い物(麩、わかめ、柚子皮)

ご飯

大根、柴漬け

といったメニューを口にしたはずなのですが、復路に比べて味わいや食感などの記憶が残っていないのは、それだけフランス入国を前に私自身緊張していたということの証拠かもしれませんね。

特に、日本発のアラカルトメニューでも、目的地到着前の2回目の食事として利用されることの多い、「フミコの和食」や「フミコの洋食」を監修している狐野 扶実子(この ふみこ)氏の玉子料理は個人的に以前から注目していて、今回のJL45便の和食で提供されていた台の物の1品「松茸の卵焼き」はしっかり味わいたかっただけに、それが叶わなかったことは今回の海外渡航で特に残念に感じるポイントになってしまいました。

羽田空港到着後の検疫

こうして、羽田空港到着後の検疫に備え、体調の面でも、体力の面でも、さらには気力の面でも、パリからの帰国時としては可能な限り万全な状態を作り出すことができたJL46便でのJAL国際線ファーストクラス搭乗も終わりが近づき、飛行機は無事に羽田空港に着陸。

羽田空港第3ターミナルのゲート112に到着しました。

そこからはパリ到着時と同様に、ファーストクラス利用者から降機が開始され、PCR検査を含めた検疫手続きを行うために、空港のターミナル内を進むことになります。

その際、ボーディングブリッジを通り過ぎた場所で待機しているJALの係員の方に先導される形になるのですが、注意しなくてはいけないのが、検疫の手続きが行われている場所です。

というのも、上の「検疫の手順」の紙が示すように、2020年10月時点での検疫の手続きの行われる場所は全て、羽田空港第3ターミナルの中でも端の方に位置する、ゲート141からゲート146を利用していて、そこはパリ線を含めたJALの主要路線運航便が発着するJALファーストクラスラウンジ最寄りのゲート112やゲート113、あるいはゲート114から遠く離れているから。

その移動距離は片道で1000mほどにもなります。

しかも、通常の到着時にはこれら遠くのゲートからゲート112のお隣、ゲート111近くに立地する入国審査場までの移動で問題なく利用できる動く歩道も、入国審査場とは逆方向に進むことになる検疫会場への移動では利用不可。

そもそも空港ターミナルは、利用する人間のサイズではなく、発着する飛行機のサイズに合わせて巨大な建物を作る設計思想になっていると評されますが、飛行機から降機したままの機内持ち込み手荷物を手にした状態でこれだけの距離を全て徒歩で歩くとなると、そうした設計思想が正しいことを身を以て味わうことになりますから、心の底から納得するしかありません。

こうしたなかなか過酷な移動を検疫の手続き前後で必要になると日本出国前の問い合わせ時点で分かっていたことが、今回のパリからの帰国で私が荷物を最小限の少ない状態に制限していた最大の理由です。

ちなみに、パリのシャルルドゴール空港のチェックインカウンターで、預け入れ荷物として預けた荷物は、検疫を終えた入国後に受け取ることになりますから、機内持ち込み手荷物はあくまで貴重品などに限定することで可能な限りコンパクトで持ち運びやすい状態を維持しつつ、それ以外のものは思い切って預け入れ荷物としてまとめて預けてしまうというのも、荷物を少ない状態にできなかった時の次善の選択肢としては検討する価値があるはず。

ただし、無事に検疫を終え、入国した後にようやく到達できる預け入れ荷物受け取り場所は、少なくとも2020年10月時点では普段の預入荷物の返却では必ず存在する利用者自身での監視の目がなく、紛失や盗難のリスクは高くなっているはずですから、できることなら荷物自体を減らす方向での努力がおすすめだと感じています。

実際に私もそうした方向での取り組みを行い、結果的に良い選択をしたと満足しているわけですから。

ちなみに、航空需要の大幅な減少に伴い、運航便自体も少ない現在、余程のピークの時間帯以外、同じタイミングで異なる便が到着することはそれほど多くはないとされていますから、同じ便の利用者間で検疫手続きの受付やPCR検査の実施順が決まっていきます。

そうなると、早いタイミングで優先的に飛行機を降機することになるファーストクラスやビジネスクラスの利用者がいち早く検疫を開始し、基本的に早く検疫を通過することになりますから、ここでもこうした時期だからこそ可能な限り上位クラスでの予約が大切と感じる機会になるはずです。

無事に検疫を通過すると、次は機械による自動での入国審査や税関審査が待っているのですが、これらの手続きは新型コロナウイルス感染拡大の前後で大きく変貌してしまった検疫の手続きに比べると、あまりに以前と変わらず、拍子抜けするような逆に安心するような不思議な気持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。

日本入国後の検疫所運行の周回バス利用と自主隔離

検疫を通過し、入国審査や税関審査も無事に終えると、いよいよ羽田空港第3ターミナルの一般エリアに到着し、ようやく日本への帰国が完了します。

ただし、海外から日本に入国した海外渡航者は、到着した日を0日目とした14日間の自主隔離が強く要請され、羽田空港からも、国内線を含む飛行機や電車、バス、タクシーといった公共交通機関の利用が制限されているため、入国した後も完全に普段どおりというわけにはいきません。

そのため、空港からの移動は家族や友人、知人などによる乗用車での移動が推奨されています。

ただし、利用者や接触者の特定が可能なレンタカーやハイヤーの利用は制限されていないため、空港の近くに送迎を頼める相手がいない場合なども打つ手が無いわけではありません。

また、羽田空港の近隣となる、

  • 品川
  • 蒲田
  • 川崎

といったエリアを対象に、検疫所が運行するバスが無料での送迎を行っていますから、それらのエリアに在住の方はもちろん、それ以外にもそれらのエリアでホテルを予約し、そこでの自主隔離を行う方も羽田空港からの移動が十分可能になっています。

ちなみに、私の場合は前述の通り、自宅での自主隔離では同居している家族への感染リスクが看過できないものになると考えた結果、日本を出発する前からホテルでの自主隔離を予定し、すでに予約もしていましたから、日本入国後は検疫所運行の周回バスで自主隔離先のホテルまで送迎してもらうことにしました。

指定の自主隔離場所まで検疫所の周回バスでの送迎を希望する場合、羽田空港第3ターミナル2階(到着階)の到着ロビーの一画に用意された専用の待合エリアで、周回バスの出発を知らせる係員の方からの集合の呼び出しを待つことになります。

周回バスの運行は1時間に1本程度とされ、同じバスに乗車するそれぞれの利用者の目的地によっては、複数のエリアを順番に周回することになるようです。

周回バスの出発を告げる呼び出しを耳にし、係の方の周辺に集まると、係の方の先導に従ってエントランスプラザと呼ばれる1階に移動し、そこからさらに、ターミナルに隣接する駐車場まで案内されます。

そこは周回バス運行用に用意された観光バスなどがびっしりと駐車されていて、普段はあまり見かけない種類の光景が広がっていました。

先導する係の方には、その中の1台をこれから乗車するバスとして案内され、検疫通過時に検疫担当の方から手渡される書類を提示するように求められます。

この時乗車するのは、一般的な観光バスということもあって、大きなスーツケースなどは車内に持ち込むことはできませんから、車両の下部に位置するトランクルームに収納してもらうことになります。

大きな荷物のトランクルームへの収納とそのバスの利用を予定していた利用者全ての乗車が完了すると、周回バスは羽田空港に近い順に、それぞれの利用者が希望した駅やホテルまで数十メートルほど最寄りの通りなどまで送り届けてくれます。

1つ1つの目的地に到着すると、バスの運転手の方が場所をアナウンスしてくれますから、無事に帰国できた安心感から、うっかりバスの中でうたた寝し、寝過ごしたりしないように注意が必要かもしれません。

バスを降りる時には、トランクルームに預けた荷物の有無が聞かれますから、預けた旨を伝えると、運転手の方がバスを降りてトランクルームから取り出してくれるので、バスを降車後にそれを受け取り、そのまま自主隔離場所へと向かうことになります。

ちなみに、この周回バスは検疫所が無料で運行をしてくれているものですから、海外から日本に到着し、検疫の手続きを終了した利用者は運賃を負担することもなく、無料で利用できるため、公共交通機関の利用を制限されている海外からの帰国者にとっては本当にありがたいサービスとして運営されているのは間違いありません。

さて、こうして自主隔離先のホテルに到着し、ホテル側から様々な注意事項などの確認後、チェックインの手続きを終えると、そこから15泊にも及ぶ自主隔離が開始されることに。

私が自主隔離で気をつけたこととしては、

  • 起床時間や就寝時間、食事の時間など、できるだけ規則正しい生活をすること
  • ラジオ体操や各種自重運動など、可能な限り運動不足状態を軽減すること
  • できるだけバランスの良い食事を継続すること
  • 水分はしっかり摂取すること
  • 意識して日光を浴びること
  • 家族や友人、同僚などと電話やビデオ通話を利用したコミュニケーションを何らかの形で毎日取ること
  • 自主隔離中のテレワーク環境を可能な限り快適にすること(デュアルディスプレイ、クッション、高速で安定したインターネット環境など)
  • 洗濯が容易な速乾性の高い素材の衣服を揃えること

といったことが挙げられます。

もちろん、検疫所が求める自主隔離としては、必要最低限の買い物などを目的とした公共交通機関を利用しない外出は可能とされていますが、今回の私の海外渡航では、日本よりも新型コロナウイルスの感染リスクが格段に高いフランスのパリに滞在し、しかも、ウイルス自体の変異によって、日本で感染拡大を引き起こしている新型コロナウイルスよりも症状が劇的になってしまう可能性も除去できないヨーロッパの新型コロナウイルスに私が感染しているリスクもありました。

そのため、少し神経質と思われるかもしれませんが、可能な限り厳格な自主隔離を行うことにしました。

実際、万が一私がパリで新型コロナウイルスに感染していた場合、せっかく自主隔離での滞在を受け入れてくれたホテルのスタッフの方々にも、外出のために部屋の外に出る度に少なからず感染のリスクを増大させてしまうわけですから。

また、自主隔離期間中はホテルの自室でのテレワークを行うことになったのですが、私が職場以外で利用するノートパソコンとしては画面が12インチ程度のコンパクトなモバイル重視のものを利用していたこともあって、15インチのモバイルディスプレイをあらかじめ自宅から自主隔離先のホテルに送付するように準備していたのですが、モバイルディスプレイでデュアルディスプレイ環境というのは、できるだけ快適なテレワーク環境を構築するという意味で、良好なネットワーク環境以上に重要な要素だったと言えるかもしれません。

特に、普段から大きなサイズのディスプレイやデュアルディスプレイ以上でのPC環境を利用している方は効率やモチベーションに想像以上に大きな影響を与える重要なポイントになる可能性がありますから。

 

こうして始まったホテルでの生活も15泊目を数え、無事に自主隔離が終了。

ようやく自宅への帰宅が可能になった時、私が日本を出発してから子供のためにパリで過ごした日々を合わせて、約1ヶ月もの時間が経過していました。

この自宅を離れた約1ヶ月間もの期間というのは、今振り返ってみてもとても長く厳しい時間として記憶に刻まれたというのが正直な部分です。

やはり、その中でも14日間ものホテルでの自主隔離は、肉体的にも精神的にもなかなか大きな負担を強いるものになったのは間違いありません。

もちろん、今後も、今回の海外渡航決定の発端となったような子供など家族に思わぬ大きなトラブルが発生してしまった時には、迷わず同じ決定を下すとは思うものの、そのすべてが終わった心身に残される負担にまで思いを馳せると、準備の時点では未知の部分が多いこともあって、ある種の勢いだけで動くことのできた今回以上に本当に意を決してという行動になるはずです。

まとめ

実際の海外渡航から1ヶ月以上が経過したことで、新型コロナウイルス感染拡大下というすべてが流動的な状況では、渡航先の現状を案内する情報としては古さを感じさせるものになってしまったのは疑いようのない事実です。

しかし、これらの情報の全てがそのままの形で活用することはできないとしても、今後必要に迫られて海外に渡航する際の情報収集や準備のベースの1つとして、わずかでも活かせる可能性はあると考えたのが、この記事を作成した大きなきっかけでした。

また、新型コロナウイルスの感染拡大に立ち向かいながら、利用者に快適なサービスを提供しようとするJALを中心とした今なお国際線を運航する航空会社の頑張りを記録しておきたかったというのも正直な部分です。

特に、2020年3月29日にせっかくリニューアルが完了したものの、未だにかつて想定していたような多くの利用者を迎え入れることのできていない、羽田空港第3ターミナルJALファーストクラスラウンジは本当に素晴らしいラウンジに仕上がっています。

そのため、ラウンジで過ごす時間の間ずっと、このラウンジがたくさんの海外旅行を楽しむ方々に当たり前のように利用される時が早く来てほしいと願わずにはいられないほどでしたから。

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