各国の様々な航空会社がアライアンスと呼ばれる航空連合を形作っている現在、1つの航空会社のマイルを貯めているからといって、その航空会社以外の特典航空券に利用できないわけではありません。
我が家が主に貯めているJALマイルでも提携航空会社特典航空券として、アメリカン航空やブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィックなど、JALが加盟するワンワールドの航空会社はもちろん、エールフランスやエミレーツ航空など、JALが独自に提携関係を構築している航空会社の特典航空券予約にも活用できます。
そんな提携航空会社特典航空券を活用したのが、2017年-2018年の年末年始ヨーロッパ周遊旅行。
この時には、ブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスでの日本-ロンドンの往復をベースに、そこから先のヨーロッパ周遊用の区間も追加し、イギリスのロンドンに拠点を置く航空会社の特典航空券をお得に楽しめました。
そんな年末年始の旅行から帰ってきた後に考えなくてはいけないのは、次の年末年始の旅行。
というのも、JALマイルを利用した国際線特典航空券は330日前からの予約受付が開始されるため、希望の旅程を確保するためには、旅行から帰ってきて余韻に浸っている頃の予約手続き開始が必須になるから。
我が家の場合、年末年始のヨーロッパ、中でもパリでの新年のカウントダウンが想像以上に魅力的なため、2018年-2019年の年末年始もヨーロッパで過ごすことは決定済みで、ブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラス特典航空券利用も有力な選択肢の1つです。
目次
ブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスのメリット
JALマイルでブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスを予約するメリットは大きく分けて、
- JALに比べて少ない必要マイル数で予約可能
- JAL運航便のファーストクラスに比べて予約しやすい
- リーズナブルにロンドン以降の乗継便の追加が可能
- ワンワールドエメラルドでも入れないラウンジ、コンコルドルームの利用可
という4つが挙げられます。
ざっくりまとめると、JALマイルを利用したブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスは、予約が容易で自由度が高く、特別なラウンジへの入室が許可されるということになりそうですね。
JALに比べて少ない必要マイル数で予約可能
JALに比べて少ない必要マイル数で予約可能というのは、同じファーストクラス利用の特典航空券でも、JAL運航のファーストクラスよりも格段に少ない必要マイル数でブリティッシュ・エアウェイズ運航のファーストクラスを予約できるというメリット。
具体的に、大人1人分の東京-ロンドン間の往復ファーストクラス特典航空券予約に必要なマイル数を比べてみると、
- JAL:160,000マイル
- ブリティッシュ・エアウェイズ:135,000マイル
となっていて、25,000マイルも少ないマイル数での予約が可能です。
もちろん、JAL運航のファーストクラスやビジネスクラスの特典航空券予約には、曜日限定特典が設定され、120,000マイルでの予約も可能ですが、年末年始のような繁忙期は最初から対象外のため、今回の旅程では活用できません。
JAL運航便のファーストクラスに比べて予約しやすい
予約する上で重要な予約難易度もJAL運航便に比べると圧倒的に容易で、年末年始のような繁忙期でも無理なく予約確保が可能。
実際、ブリティッシュ・エアウェイズでは、1日に東京-ロンドン間を羽田発着のBA0008便/0007便と成田発着のBA0006便/BA0005の合計2往復もファーストクラス運航便として用意している一方で、JALでは羽田発着のJL43便/JL44便の1往復のみ。
また、1便に搭載されているファーストクラスのシート自体もブリティッシュ・エアウェイズが東京-ロンドン間で運航しているボーイング777-300ERでは14席も用意され、たった8席しか用意されていないJALとは大きくみずをあけていることも大きく影響しているはず。
こうした予約難易度の低さは家族旅行で複数の座席を確保しなくてはいけない時には本当に助かります。
リーズナブルにロンドン以降の乗継便の追加が可能
東京-ロンドン間をブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスで往復するために必要なマイル数は135,000マイルですが、これは提携航空会社特典航空券独自のルール、総飛行距離から計算された必要マイル数。
具体的には、東京-ロンドン間の往復分の12,428マイルが総飛行距離12,001マイルから14,000マイルの区分に含まれるため、必要マイル数の135,000マイルが計算されています。
逆に考えると、14,000マイルから12,428マイルを引いた残りの1,572マイルまでなら、乗り継ぎ区間を追加して総飛行距離が増えても同じ135,000マイルで予約できるということ。
ロンドンを中心に総飛行距離で往復1,572マイル、片道786マイルという距離は、南はスペインのバルセロナ、南東はスイス全土とミラノを含めたイタリア北部。
東はオランダ、ベルギー、ドイツの全土とチェコのプラハ、オーストリアのウィーンなどのなかなかのヨーロッパ主要都市をカバーしてしまう余裕があります。
しかも、2017年11月15日に行われたJALの予約システム刷新以降は提携航空会社特典航空券利用時に、地上移動区間を総飛行距離に加えないように改善が行なわれていますから、使い勝手とお得度はかなり向上しているのもヨーロッパ周遊には嬉しいですね。
ワンワールドエメラルドでも入れないコンコルドルームの利用可
ブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスを予約するメリットとして忘れてはいけないのが、コンコルドルームへのアクセスの存在。
というのも、このコンコルドルームはブリティッシュ・エアウェイズが運航するファーストクラス利用者とその同行者1名のみに利用が制限されたファーストクラスラウンジです。
そのため、通常はワンワールドに加盟する航空会社運営のファーストクラスラウンジにフリーパスで入室できるはずのワンワールドエメラルドステイタスでも利用できない特別なラウンジとして運営されています。
このコンコルドルームはそうしたアクセスへの強力な制限が行われているだけあって、他のファーストクラスラウンジとは一味も二味も異なる魅力的なサービスが提供中。
実際、我が家でもちょうど同じ時期にヨーロッパを訪れていた友人夫妻とロンドンのヒースロー空港で待ち合わせて4人で利用したのですが、やはり素晴らしいの一言。
ただし、今回が最初のコンコルドルームの利用で、フルにサービスを楽しめたわけではなく、それが気がかりなことも、ブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスを利用したいと考えている理由の1つになっています。
ブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスのデメリット
そんなメリット盛りだくさんのブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスにもデメリットが存在しています。
具体的には、
- 機内サービスの質はJAL運航便に比べて劣る
- JAL運航便利用に比べてマイルの価値は大きく低下
- 空港税の負担が大きい
- 最寄空港が羽田と成田以外の場合、日本国内線の追加手配必要
という4つ。
メリットの時と同じようにざっくりまとめると、JAL運航便利用時に比べて、サービス面での質やお得度が低くなると言えそうですね。
機内サービスの質はJALに劣る
ファーストクラスのサービスは、航空会社が考えるサービス方針と利用者自身の好みがどの程度合致するのかはもちろん、その時に担当する客室乗務員チームとの相性にも、満足度は左右されるため、評価の難しい部分。
しかし、往路と復路で別々の客室乗務員チームに担当してもらった結果として、ファーストクラスのサービスとしてあらかじめ用意されているものにブリティッシュ・エアウェイズとJALでは大きな隔たりがあり、機内でファーストクラスとしてのサービスを楽しむ目的では圧倒的にJAL運航のファーストクラスを利用した方が満足できるはずです。
特に、機内で提供される食事は、JAL運航便で提供されるものと同等のレベルを期待すると、なかなか厳しい評価になってしまいます。
もちろん、JAL運航便でも、機内での調理を担当されるスカイシェフの方の情熱やこだわり、スキルによって、同じメニューでも提供される品質になかなかのブレ幅は生まれるものですが、それでも、機内食についてはJALの方が圧倒的に楽しめると感じるほど。
ただし、ブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスもシートや客室乗務員の方の対応品質は十分で、それぞれの出発空港に用意されたJALファーストクラスラウンジやコンコルドルームなどのラウンジで食事を楽しみ、機内でぐっすり眠って到着後に備えるという目的は十分以上に果たしてくれます。
マイルの価値は大きく低下
大人1人のファーストクラスでの往復を東京-ロンドン間135,000マイルで予約可能なブリティッシュ・エアウェイズですが、有償航空券を元にした1マイルの価値を計算してみると、JAL運航のファーストクラス予約よりも、その価値は大きく低下してしまうのは避けられません。
というのも、ブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスは東京-ロンドン間を往復130万円から販売しているのに対し、JALのファーストクラスは割引運賃なしの259万3,000円の普通運賃のみの販売。
つまり、1マイルの価値をそれぞれ計算してみると、
- ブリティッシュ・エアウェイズ:1マイル=9.62円
- JAL:1マイル=16.20円
となります。
もちろん、1マイルの価値が特典航空券のお得度の全てではないものの、ブリティッシュ・エアウェイズとJALとの間でかなりの差が生まれてしまっているのは気になりますね。
空港税の負担が大きい
ブリティッシュ・エアウェイズの特典航空券を利用する最大のデメリットは間違いなく、ロンドンのヒースロー空港を利用しなくてはいけないこと。
というのも、この空港は空港税の負担が大きいことだけではなく、ファーストクラスやビジネスクラスなどの上位クラスにはより高い負担を求める空港としても有名で、私自身、できることなら利用を回避したいと思っているほど。
実際、ブリティッシュ・エアウェイズでの東京-ロンドン間のファーストクラス往復の場合、上の画像でも確認できるように、空港税と燃油サーチャージの合計金額は54,150円。
この金額はJAL運航便のファーストクラスでも、54,750円となっていて、それほど変わりません。
一方で、同じヨーロッパ域内のフランスにJAL運航便のファーストクラスで訪れる場合は、空港税と燃油サーチャージの合計金額は36,760円。
その差額は空港を変更するだけで17,990円にもなります。
最寄空港が羽田と成田以外の場合、日本国内線の追加手配が必要
JALマイルを利用してブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスを予約する時に、意外と注意する必要があるのが、JAL運航の日本国内線区間を利用できないこと。
これは追加負担無しで国内線を追加可能なJAL国際線特典航空券とは大きく異る制限です
そのため、ブリティッシュ・エアウェイズが運航している羽田空港や成田空港が最寄り空港という方を除いて、他の空港から出発する場合は、別途国内線の手配が必要になります。
しかも、別途国内線を予約する場合、予約受付が開始される出発の2~6ヶ月前までの間は、無事に予約が確保できるのか不安な状態で過ごすことに。
特に、ブリティッシュ・エアウェイズでのファーストクラスを繁忙期に予約している場合、国内線が当初の予定通り確保できないとなかなか深刻な状況になってしまうリスクもあります。
それを回避する方法としては、ブリティッシュ・エアウェイズ運航便しか利用できないブリティッシュ・エアウェイズ提携航空会社特典航空券としてではなく、JALとブリティッシュ・エアウェイズというようにワンワールドに加盟する複数の航空会社を自由に組み合わせて利用できるワンワールド特典航空券として発券する方法も。
しかし、その場合、同じ12,001マイルから14,000マイルの総飛行距離区分でも必要マイル数は、
- 提携航空会社特典航空券:135,000マイル
- ワンワールド特典航空券:160,000マイル
というように、大幅に増加してしまうのは避けられません。
まとめ
こうした形でメリットとデメリットの両方を持ち合わせているJALマイルを利用したブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスの予約。
とは言え、我が家にとってはメリットがデメリットを大きく上回ると感じていること。
そして、実際に2017年-2018年の年末年始で利用した結果、なかなか満足度が高かったこともあって、2018年-2019年の年末年始ヨーロッパ周遊用にブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスを予約・発券を決定しました。
これが毎年の年末年始の恒例旅程になるのかどうかは今のところ判断できないものの、ヨーロッパ行きの選択肢として、我が家でも気に入り始めているのは間違いないように思います。
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