JALの国際線を利用する時に、選択肢の1つとして加えるだけで、お得な活用の幅が広がるサービスの1つが海外発券。
この海外発券は海外を出発し、目的地に向かった後、最終的に海外の出発地に到着するという旅程の航空券を予約・発券すること。
そのため、日本国内に在住している場合、基本的に何らかの手段で一度海外に出発し、そこから海外発券の旅程を始めなくてはいけないというデメリットがあるのも事実です。
しかし、そうしたデメリットが存在しているとしても、海外発券の航空券を利用することで、お金を支払って発券する有償の国際線航空券でも、マイルで予約する国際線特典航空券でも、国内を出発し、そのまま国内に戻る一般的な国内発券の国際線航空券にはない特長を活用する機会に繋げられるのは大きなメリット。
ちなみに、海外発券の国際線航空券は、出発地となる海外まで別途移動手段を用意する必要はあるものの、日本在住者でも問題なく予約と発券、さらには利用まで可能な航空券として設定されています。
目次
海外発券を活用するメリット
そんな海外発券を利用するメリットとしては、
- 有償航空券が全体的にお得な価格で購入できる可能性が高い
- 日本が繁忙期を迎える時期でもお得な価格で購入できる可能性が高い
- キャンセルや予約変更の条件が日本の国内発券より緩やかでお得なことも多い
- 出発地と目的地の組み合わせや予約タイミングによっては、燃油サーチャージが日本の国内発券よりお得になることも多い
- 海外発の乗り継ぎ旅程でのみ利用できる特典航空券の空席枠が利用できることもある
といったものが挙げられます。
1~3については、JAL自体が繁忙期に利用が集中する日本在住者だけではなく、物価も連休の設定も異なる海外在住者の積極的な利用を目的にしているのか、日本国内で予約・発券を行うよりも全体的にお得で利便性が高い航空券が海外発券では利用可能。
また、予約変更やキャンセルでも1回の手数料が数千円程度のみで済むなど、国内発券に比べてゆるい条件が設定されていることも多く、より手軽にそうしたサービスを利用できるのは気軽さの面でも好印象です。
さらに、4と5については、タイミングやその時の運にも左右されるものの、うまく活用できた時の恩恵はとても大きいもの。
例え海外発券の国際線航空券を利用する目的で一度日本から海外に移動する必要があるとしても、それ以上のお得度が得られることも多いため、我が家で海外発券を積極的に利用する理由の1つになっています。
特に、北米やヨーロッパなどのJAL国際線ファーストクラスが運航されている都市まで、特典航空券でのファーストクラス予約を希望する場合など、東京を出発地として設定した時には空席カレンダー含め空席がないと表示されても、海外発で東京での乗り継ぎを含める時に限ってなぜか空席が表示されるという少し不思議な現象もまずまずの頻度で時々見られますから。
もちろん、そうしたケースでは、海外発券を行うのと同時に、本命旅行の前の下ごしらえ的にその海外の出発地に向かうための移動の追加も必要になるのですが、お得度や利便性の高い旅程で確保できることを考えるとそのためのコスト負担は全く惜しいとは思えないほどです。
JALホームページで海外発券を行うデメリット
そういったメリットを持つ海外発券ですが、JALホームページで予約・発券手続きを行う場合、大きな2つのデメリットが存在しています。
それは、
- 有償航空券で予約から発券まで猶予がない
- 有償も特典もすべての旅程が選択できるとは限らない
という2つ。
まず、予約から発券まで猶予がないというのは、日本国内発券では予約だけで手続きを終え、発券は猶予として与えられた1週間後の予約期限までに行えば良い一方、海外発券ではそういった猶予は一切与えられず、予約と発券は同時に行わなくてはいけないというもの。
これは、とりあえず予約を確保し、発券を行うべきか、それともキャンセルするべきかを国内発券では考える余裕があるにも関わらず、海外発券ではそれが存在しないことにつながります。
また、すべての旅程が選択できるとは限らないというのは、2017年11月に刷新されたJALの予約システムが未だ持つ制限によって、有償航空券でも特典航空券でも、その時に利用可能なすべての旅程と空席がJALホームページ上の検索結果に表示されるとは限らず、結果的により良い条件の旅程の予約が制限されるリスクがあるというもの。
このトラブルは乗り継ぎを含む旅程を中心に発生するものですが、同じ目的地に向かう路線数や運航便の数が多い時には、直行便の旅程でも起こりうるというのが厄介なポイント。
そのため、これらのデメリットについては、JALホームページを利用する限り、油断はできません。
ちなみに、有償航空券では、JALホームページ上でも、「自由旅程(複数都市)」という検索機能を利用することで、ほぼすべての選択できる旅程の表示自体は可能ですが、
- リアルタイムで空席や運賃、予約クラスを参照しながら旅程作成ができない
- 常にキャビンクラス内の最安予約クラスしか選択できない
- 原因不明のエラーが発生し、手続きを完了できない
といった制限や時には理不尽な苦難と呼べるものすら乗り越える必要があるため、基本的にはJALホームページでの手続きにこだわって、そこで頑張るというのはおすすめできないと感じています。
予約デスクへの電話で予約・発券を行うメリットとデメリット
そんなJALホームページ上でのデメリットに対する切り札が予約デスクへの電話で予約と発券の手続きを完了するというもの。
これによって
- 有償航空券で予約から発券まで猶予がない
- 有償も特典もすべての旅程が選択できるとは限らない
というJALホームページの利用時に頭を悩ませることになるデメリットも、
- 国内発券と同様に1週間の予約期限が猶予として設定され利用可能に
- 本来予約可能なすべての旅程について、空席がある限り予約と発券の手続きが可能に
という形ですっきり解消されます。
さらに、有償航空券の「自由旅程(複数都市)」機能での
- 空席や運賃、予約クラスを比較・参照しながら旅程作成ができない
- 常にキャビンクラス内の最安予約クラスしか選択できない
- 原因不明のエラーが発生し、手続きを完了できない
といったトラブルも電話でお互いに確認しながら手続きを進める限り、全く心配する必要はなし。
ただし、予約デスクへの電話で予約と発券の手続きを行う場合に忘れてはいけないデメリットが発券手数料(航空券取扱手数料)の存在。
というのも、JALホームページ上で予約・発券の手続きを完了する場合、国内発券でも、海外発券でも、手数料は無料で利用できるのですが、予約デスクに電話で予約と発券の手続きを行ってもらう場合、
有償航空券:
- 新規発券と予約変更ともに5,400円
特典航空券:
- (2018年12月18日まで)新規発券と予約変更ともに2,160円
- (2018年12月19日から)新規発券と予約変更ともに5,400円
という追加負担を求められることになってしまうのは要注意。
電話での新規発券手数料免除とJAL旅行券
JALホームページのデメリットやトラブルをまとめて解決してくれる存在の予約デスクへの電話での手続き。
その最大のデメリットと言える発券手数料(航空券取扱手数料)ですが、実は新規発券を行う時のみ、JAL旅行券を支払い金額の一部または全部に利用することで免除してもらうことが可能です。
ただし、
- 1冊の航空券につき1枚以上のJAL旅行券が必要(具体例としては、2人分なら2枚のJAL旅行券が必要。また1人分でも航空券が2冊ならこちらも2枚のJAL旅行券が必要)
- 1週間後の予約期限までにJAL旅行券そのものの郵送による予約デスクへの到着が必要
- JAL旅行券で発券手数料が免除できるのは新規発券のみで予約変更では免除不可
という制限が設けられているのは要注意。
海外発券を見据えたサービスセレクションで活躍するJALクーポン
海外発券に関するルールの中で、ダイヤモンド会員やJGCプレミア会員といった上級会員を中心に大きな影響を与えるものが、海外発券の手続きでは、予約デスクへの電話での手続きはもちろん、JALホームページ上での手続きでも、eJALポイントが利用できないという制限。
個人的には、海外発券でもJALホームページ上で手続きを行うという点に違いはなく、国内発券同様、eJALポイントを利用可能になってほしいというのが正直な感想です。
特に、サービスセレクションでe JALポイントコースを選んだ場合、毎月3月末にはダイヤモンド会員には60,000円分、JGCプレミア会員には30,000円分のeJALポイントが付与されるのですが、海外発券では活躍の機会はなく、国内発券などでの利用機会を待つ必要があります。
ちなみに、同じサービスセレクションのコースの中でも、JALクーポンコースを選んだ時にもらえる、ダイヤモンド会員50,000円分、JGCプレミア会員には26,000円分のJALクーポンの場合、予約デスクへの電話による海外発券でも活用可能。
しかも、JALクーポンだけでの利用では追加で必要になる発券手数料(航空券取扱手数料)も、JALクーポンとJAL旅行券を両方一緒に利用することで、免除してもらえるのも嬉しいポイントですね。
もちろん、純粋にeJALポイントを希望した時より金額は少なくなりますが、ダイヤモンド会員もJGCプレミア会員も共に3枚分の譲渡可能なサクララウンジのクーポンが提供されることを考えると十分お得。
しかも、ダイヤモンド会員の50,000円分に対し、JGCプレミアは26,000円分ですから、相対的にはe JALポイントコースの時よりもJGCプレミアの方が有利になっていると考えることもできそうですね。
まとめ
様々な思惑もあってのことなのか、日本国内の発券に比べお得で便利な海外発券の国際線航空券。
もちろん、海外にある出発地までのアクセスや電話での発券手数料、さらにはJAL旅行券の活躍とそれでも免除できない予約変更時の手数料など、様々なデメリットも存在するのですが、それ以上に便利で貴重なメリットも多く存在しているのも事実。
意外に簡単に使い始めることも可能ですから、これまでに利用したことがないという方は、お試し感覚での旅程を作る感じで検索だけでも実際に手を動かしてみるのも面白いと思いますよ。
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