様々な航空会社が提供していることで、ルールやお得度に大きな違いが生まれることの避けられないマイルサービス。
その中で唯一共通している特長と言えるのが、マイルの使い道としては特典航空券としての利用がお得ということかもしれません。
そうした事情もあって、マイルを使い道として、
- 航空券購入時の割引
- 免税品購入時の割引
- ホテル宿泊時の割引
- ショッピング利用時の割引
など、本当に様々なものが用意されていたとしても、我が家同様、第一希望は特典航空券での利用という方が多いはずです。
特典航空券の特徴とその誤解
そんなマイルを利用して予約・発券を行う特典航空券の特徴としてよく知られている常識のようなものと言えば、
- 無料で航空券と購入できてお得
- キャンセルや予約変更などの自由度が高い
- 繁忙期・人気路線・上位クラスは予約が困難
といったものが挙げられます。
実際、特典航空券を利用する場合、本来必要な航空券の運賃負担が不要ですから、間違いなく旅行に必要なコストは大きく抑えられます。
また、キャンセルや予約変更の自由度は有償航空券とは比べ物にならないほど高く、キャンセルや予約変更がリスクとして除外できない時には、あらかじめ特典航空券を利用するメリットは大きなものになります。
さらに、そうしたお得度や自由度を誇る特典航空券だからこそ、有償航空券に比べ競争率は高く、しかも用意されている空席すべてが特典航空券として利用できるとは限らず、繁忙期や人気路線、あるいは国際線のファーストクラスやビジネスクラスといった上位クラスの予約確保には困難を極めることの原因となっています。
しかし、これらの特典航空券の特徴が常に必ずしも正しいというわけではありません。
逆に、誤解されてしまっていることが原因で、実際の手続きを行うタイミングで驚いてしまったり、本来は活用できたはずのチャンスを逃してしまうこともあるはずです。
本当は必ず無料ではない特典航空券
特典航空券は無料で利用できる・・・という特長は正しくもあり、間違いでもあります。
なぜなら、実際、我が家がメインで貯めているJALマイルについて見てみると、
- 国内線特典航空券:マイル負担だけで予約・発券が可能
- 国際線特典航空券:マイルの他に燃油サーチャージや空港税の追加負担で予約・発券が可能
というように、同じ特典航空券でも、国内線と国際線ではっきりと分かれてしまっているからです。
個人的には、国内線特典航空券では本来有償航空券予約・発券時に必要な空港税などは免除されているわけですから、国際線特典航空券でも同様に免除してほしいというのが正直な部分ですが、国際線でのみ負担が強いられる燃油サーチャージ同様、国際線特典航空券では追加負担無しでの利用は不可能になっています。
そのため、完全にマイルの負担だけで利用可能だった国内線特典航空券と同じように国際線での特典航空券利用を考えた方が、初めて国際線特典航空券を予約・発券する時になって、その追加費用の存在や大きさに驚くこともあるはずです。
ちなみに、この追加費用のうち、燃油サーチャージについては、
- ジェット燃料の原料となる原油価格が極端に安価なものに変動する
- 国策として利用者への燃油サーチャージの請求を禁じている国から出発する
- 会社として利用者への燃油サーチャージの請求を行っていない提携航空会社を利用する
などの方法で支払いを免除される場合もあります。
しかし、空港でのセキュリティや空港サービス、その他必要な費用がまとめて請求される空港税については、基本的にそういった免除が行われることはなく、それが国際線特典航空券を完全にマイルだけの負担で無料利用できない最大の理由です。
特に、空港によっては、出発時に極端に高額な空港税が請求されたり、ビジネスクラス以上の上位クラスの利用ではそういったキャビンクラスを利用するなら耐えられるだろうという考えなのか、懲罰的な空港税負担が強いられることもあるので要注意。
不幸にも、予約時にそういったケースに遭遇した場合には、多少の空港間の地上移動や旅程の変更が必要になっても、別の空港からの出発を検討してみるのも価値ある選択肢になります。
現実には自由度が低い特典航空券
特典航空券の魅力の1つとして知られる予約変更やキャンセルでの自由度の高さも、実はそれほど高いものではないということには注意が必要です。
特に、人気のある旅程の特典航空券ではそうした傾向ははっきりと表れてしまうことに。
それは特典航空券として予約可能な席は限られている以上、人気のある席の特典航空券は満席になりやすいことが最大の原因です。
その結果、繁忙期や人気路線、あるいは国際線のファーストクラスやビジネスクラスといった上位クラスといった貴重な旅程で特典航空券の予約を確保した場合、あとになってから
- 時間帯
- 日付
- 路線
などの本当にちょっとした予約変更を希望したとしても、元々の予約に近い条件では空席がなくなっていて、予約変更自体を断念する必要に迫られてしまいます。
その結果、泣く泣く予約自体をキャンセルすることになるのですが、その場合にも1つの予約番号を持つ特典航空券1冊のキャンセル1回につき、JALでは3,100円のキャンセル手数料が必要で無料での取扱ではありません。
その結果、一緒にキャンセルする家族などの数が多かったり、キャンセルする予約の数が多かったりすると、思わぬキャンセル手数料によるコスト負担に驚くことも。
さらに、キャンセルを行う時に失われるものは、手数料として支払うお金だけではありません。
なぜなら、キャンセル手続きを行うと特典航空券と交換するために支払っていたマイルはすべて返却されるのですが、ここにうっかり見過ごしてしまう落とし穴があるから。
その落とし穴というのが、キャンセルを行った時点で有効期限が切れているマイルの存在で、これらのマイルに関しては、せっかく手数料を支払ってキャンセル手続きを行ったとしても返却されず、そのまま失効して、無駄になってしまいます。
その結果、キャンセル後に返却されたマイルをそのまま利用して別の特典航空券を予約しようと思っても、失効マイル分が不足し、予約できないというトラブルに発展してしまうことも。
そのため、キャンセルの手続きを行う前には、必ず有効期限切れで失効するマイルがないかの確認は想像以上に重要です。
このように、自由度の高い特典航空券と言っても、人気のある旅程を希望するほど予約変更は難しく、実質的に予約変更自体が不可ということも意外に多くあります。
また、泣く泣くキャンセルする場合でも、キャンセル手数料の負担で無料での手続きができないことに加え、有効期限切れマイルの失効という思いもしなかったダメージを受ける心配があります。
運さえ良ければ予約難易度が低いこともある特典航空券
有償航空券に比べ、提供される空席数に限りのある特典航空券では、繁忙期や人気路線、あるいは国際線のファーストクラスやビジネスクラスといった上位クラスといった貴重な旅程での予約を確保したい場合、実質的に予約受付開始直後の予約手続きが必須な状況です。
具体的には、国内線特典航空券の場合は搭乗日の2ヶ月前、国際線特典航空券の場合は搭乗日の330日前から予約の受付が開始され、人気のある時期の予約が開始されるタイミングでは、あまりに予約希望者が殺到することで争奪戦としか表現できないような壮絶な状況になることも。
そのため、これらの予約受付開始直後のタイミングでの希望する旅程の予約確保ができなかったり、そもそも争奪戦への参加を逃してしまったりした場合、予約の確保は困難になるということはよく知られています。
しかし、これも常に正しいわけではなく、この一種の誤解のために、せっかく人気のある貴重旅程の予約を確保するチャンスを逃してしまうリスクも忘れるべきではありません。
なぜなら、出発の直前期にはそれまで有償の航空券としてのみしか提供されていなかった空席も、特典航空券向けに開放されることがあり、そのタイミングであれば、人気のある旅程にも関わらず、予約確保できるチャンスは広がるから。
そうした状況を確認するためにおすすめしたいのが、現時点から見て数日から2週間程度先までの空席状況の検索。
希望している日程を前にした予行練習のような気持ちで実際に空席を探してみると、国際線でのファーストクラスやビジネスクラスにも意外に多くの空席が見つかり、驚く方も多いはず。
もちろん、直前期だからといって、必ずしも希望する目的地や日程、キャビンクラスに特典航空券用の空席が提供されるようになるとは限りません。
しかも、せっかく直前期に希望する条件の空席が見つけることができたとしても、それ以外のホテルなどの予約や確保が直前となるために利便性やコスト面での妥協が必要になってしまうなどのデメリットも考える必要があるのも要注意ですね。
まとめ
マイルの使い道としての魅力がたっぷりの特典航空券。
その特典航空券を実際に利用する中で出会うことになるいくつかの誤解には、思いもしなかった不便や追加費用を強いるものがある一方、掘り出し物のお宝予約を見つけるためのヒントが隠されていることもあります。
そういったメリットとデメリットの両方を持ち合わせている特典航空券ですが、しっかりと活用できた時の魅力は間違いなく存在していますから、試行錯誤しながら向き合ってみるのも面白いと思いますし、なかなかおすすめだと思いますよ。
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