JALを含め、多くの航空会社で提供されているマイレージサービス。
飛行機の搭乗はもちろん、その他様々な提携他社とのつながりの中で形成されたサービスを活用することで、マイルと呼ばれるポイントを貯めることが可能になっています。
そうして貯めたマイルもまた、
- 各種交換商品
- 電子マネー
- クレジットカード年会費
- 提携他社で提供のサービス券やポイント
- 各種チャリティー企画への寄付
など様々な使いみちが用意されているのですが、お得な選択肢の1つに国際線のファーストクラスやビジネスクラスと言った1マイルの価値が抜群に高まる活用方法が現実的な存在として設定され、さらに利用した時のワクワク感も最も大きいという特長を持つ特典航空券の存在は忘れることができないはずです。
目次
増え続けるはずのJALマイルが減算されるJALカード利用分のキャンセル
そうして様々なサービスとの交換のためにコツコツと貯め、一定数に到達した後で利用するという使い方を行うマイルでは、そもそも必要なマイル数を貯めない限り、希望する使い方ができない以上、使用する時を除いて基本的にマイルは増え続けるばかりで、そのマイル残高が0を下回ることはありません。
しかし、何らかの特別な事情で、一度積算されたマイルが取り消された場合などは別。
具体的には、JALカードなどのクレジットカードの利用で直接JALマイルが貯まるサービスを利用する場合に、クレジットカード利用分のキャンセルとそれに伴う返金が発生してしまうと、その利用分としてあらかじめ積算されていたJALマイルは減算されてしまいます。
実際、新型コロナウイルスが猛威をふるった2020年の我が家では、多くの国際線を中心とした予約・発券済みの航空券にキャンセルが発生し、それに伴うマイルの減算に遭遇することになりました。
JALマイルの残高がマイナスになってしまった理由
そんなJALカードで購入した航空券のキャンセル手続きを多く行った2020年の春、思いがけず私のJALマイルの残高がマイナスになってしまいました。
もちろん、その直接的なきっかけとなったのはJALカードで購入していた航空券のキャンセルに伴う積算済みJALマイルの減算だったのですが、大元の理由としては、やはり直前に特典航空券を少しまとめて予約・発券していたことが残高のマイナスになってしまうことにつながったのは間違いありません。
というのも、2020年4月1日から、JALマイルを利用した提携航空会社特典航空券の発券時のルールが大きく改善された結果、とても使いやすいものになり、大量のマイル消費を必要とする提携航空会社特典航空券の予約・発券を何冊かまとめて行っていたから。
もちろん、同じJALマイルを利用する国際線特典航空券でも、JAL国際線特典航空券では制限されている手数料無料での予約変更が、
- JMB提携航空会社特典航空券
- ワンワールド特典航空券
といった提携航空会社特典航空券では、以前と変わることなく利用可能というのも、新型コロナウイルスによる出入国制限が様々な国で行われ、先が見通せない状況では大きなメリットになったのも正直な部分です。
ただ、マイル残高がマイナスになった際のリスクとしては、
- すでに発券した特典航空券の強制的なキャンセル
- マイナスになったマイル分の現金などの支払いによる補填の必要
- インボラアップグレードなどの特別対応の対象外設定
- 今後の特典交換での制限
- マイル口座の閉鎖やそれに伴う上級会員ステイタスの剥奪
なども可能性としては色々考えられる以上、JALカードでの航空券キャンセルが原因で減算される予定とあらかじめ認識していたJALマイル約7,000マイル分を下回るほど、マイル残高がほとんど空っぽになるまでマイルを使うつもりは全くなし。
つまり、マイル残高が0を通り越してまさかのマイナスにまでなってしまうとは完全に想定外の出来事でした。
そうした想定外の事態が発生してしまった最大の理由は、家族間のJALマイル共有を可能にする「JALカード家族プログラム」の存在。
というのも、JALカード家族プログラムに加入している家族間では特典航空券を含めた様々なサービスとの交換時に、有効期限の古いマイルから自動的に利用されるというルールがあるのですが、マイルの有効期限が撤廃される特典が与えられている、JMBダイヤモンドやJGCプレミアといった上級会員だけでグループを構成している場合、マイル利用の手続きを行う会員本人のマイルを優先的に利用するという運用が行われているから。
このことは、私も私の家族もJMBダイヤモンドとして1つのグループを作っている状況の中、共有したマイルを利用して5月に同じ必要マイル数のワンワールド特典航空券6冊分の予約・発券した時のマイルの使用履歴を確認してみるとわかりやすいかもしれません。
実際、私の残高にあるマイルだけでまかなうことのできた5冊目まではスムーズに手続きが進んだものの、私の残高にあるマイルだけでは不足してしまう6冊目については、家族間でのマイル共有を意味する「FAM POOL FROM」の表記で必要なマイルが私の家族の残高から私の残高に移動するという処理が行われた後、マイルの引き落としが行われています。
つまり、6冊目のワンワールド特典航空券の発券に必要なマイル数が引き落とされた時点で、私と私の家族のJALカード家族プログラムの共有マイル数としてはそれなりに十分なマイルが残されていたものの、私自身のマイル残高はまさに0になっていたということですね。
その状態でJALカードのキャンセル分のマイル減算が行われたわけですから、マイル残高がマイナスになってしまうことは避けられませんでした。
ちなみに、JALマイルの残高がマイナスになってしまうと、JALホームページ上の個人のマイル詳細画面では、
現在、払い戻し等の理由により有効マイルがマイナスとなっております。
ご不明な点がございましたら、JMB日本地区会員事務局までご連絡下さい。
というようなエラーメッセージが表示されるようになり、異常事態に陥っていることが実感できるようになります。
通常は上の画像のように、
JMBダイヤモンドの対象期間中は、積算されたマイルの有効期限はございません。
というJMBダイヤモンド向けのメッセージが表示されているわけですから、残高がマイナスになってしまった以上、有効期限なんてもうすでに全く関係ないとは言え、初めて見るとその変化はなかなか衝撃的ですね。
JALマイルがマイナスになった時のペナルティー
こうして思いがけない形でJALマイルの残高がマイナスになってしまったのですが、気になるのは、どのようなペナルティーがJAL側から与えられるのかということでした。
もちろん、新型コロナウイルスが原因の航空券キャンセルがとどめを刺してしまう形で発生したJALマイル残高のマイナスとは言え、直前に特典航空券を発券せずに十分なマイル残高が確保されていたのならそもそも発生しなかったトラブルです。
特に、JALカードのキャンセルに伴う返金を受けるのと同時に、本来は返却しなくてはいけないマイルを使い込んでしまった状況になっているのも不安な気持ちを増大させます。
そこで、最初に調べたのは、JALホームページ上のQ&A(国内線・国際線・JALマイレージバンクに関するQ&A http://faq.jal.co.jp/app/)。
そこには数多くの様々な質問と回答が用意されていたのですが、マイル残高がマイナスになるというのはなかなか珍しい状況なのか、わずかでも参考になるヒントのようなものすら見つけることができませんでした。
そうなると、頼りになるのは、残高がマイナスになったことを示すエラーメッセージ中にもあった、
ご不明な点がございましたら、JMB日本地区会員事務局までご連絡下さい。
という案内のみ。
それに従い、マイルに関する質問を受け付けてくれる「JMBダイヤモンド・サファイア事務局」に意を決して電話をしてみることにしました。
ちなみに、今回のような質問を担当する電話デスクとしては、ステイタス保有の有無や保有しているステイタスなどの種類によって、
- JGC Five Starデスク(JALホームページ上で非公表)
- JMBダイヤモンド サファイア事務局(JALホームページ上で非公表)
- JALグローバルクラブ事務局(0120-747-300/03-5460-6888)
- JALマイレージバンク日本地区会員事務局(0570-025-039/03-5460-3939)
といった複数の窓口が用意されているのですが、そこでの対応は基本的に同一で、担当オペレーターに接続され、対応してもらえるまでの待ち時間に違いが生じるだけとなっています。
気になるマイル残高がマイナスになったことに対するペナルティーですが、JAL側としては特段設定していないため、心配する必要はなしという回答でした。
唯一、マイナスになった会員の口座にマイルが積算される度に、最優先で補填調整が行われるため、マイナス分が完全に解消されるまではマイルの特典交換が不可となるのが制限らしい制限と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
マイル残高がマイナスになった時の最大唯一のリスクは確保済み特典航空券の喪失
そのように、JAL側での特別な制限が行われていないため、
- すでに発券した特典航空券の強制的なキャンセル
- マイナスになったマイル分の現金などの支払いによる補填の必要
- インボラアップグレードなどの特別対応の対象外設定
- 今後の特典交換での制限
- マイル口座の閉鎖やそれに伴う上級会員ステイタスの剥奪
といったペナルティーを心配する必要がないJALマイル残高のマイナスですが、そのまま放置してもよいのかというと、実はそうではありません。
なぜなら、JALマイル残高のマイナスを解消しない場合、特典航空券についての大きなリスクを背負い込むことになってしまうから。
そのリスクというのは、すでに発券まで完了し、確保済みの特典航空券を失うリスクです。
というのも、確かにJAL側としては、すでに確保している特典航空券をキャンセルすることはないのですが、そのキャンセルを行うのが利用者本人だった場合は話が別です。
具体的には、
- すでに発券済みで予約変更ができないJAL国際線特典航空券を対象とした、別の日程や目的地、キャビンクラスなどを予約変更するために行う、今後の新規予約を前提としたキャンセル
- すでに発券済みで日時や同一路線内の別の便などへの変更は可能なものの、それ以外の変更ができない提携航空会社特典航空券を対象とした、今後の新規予約を前提としたキャンセル
といったケースでは、キャンセルを行ったとしても、すでに特典航空券の発券のために引き落とされていたマイルがそのまますべて返却されるのではなく、マイナス分を穴埋めするためのマイルが最初に差し引かれた上で返却されることになります。
つまり、マイル残高がマイナスの状態でキャンセルを行った結果、新たに別の予約を取り直すために必要なマイル数を下回ってしまい、本来の目的を果たせなくなってしまう可能性もある以上、手続き前の確認がとても重要になるはずです。
これは、有効期限切れギリギリのマイルを利用して、なんとか予約・発券を完了した特典航空券をキャンセルする場合も、実質的に手元に戻ってくるマイル数が減ってしまうという意味で、似たようなリスクと言えるかもしれません。
ちなみに、残高がマイナスになっている状態での特典航空券でも、知らず知らずのうちに有効期限切れとなっているマイルを含む特典航空券でも、予約デスクに電話し、予約変更目的でのキャンセル後の新規予約を考えていることを担当のオペレーターに伝えると、こうした部分のチェックは基本的に行ってくれるため安心です。
また、特典航空券キャンセルの手数料はJALホームページ上でも予約デスクへの電話でも、1冊につき3,100円で違いはありませんから、こうした部分での安心感を得るためにも、少し積極的に活用してみるのもおすすめです。
まとめ
通常の状況でJALマイルを貯め続けている限り、あまり遭遇することはないはずのマイル残高がマイナスになるという異常事態。
いくつかの偶然が重なり、実際に遭遇してしまうと、驚いてしまう方も多いはずです。
また、本来はJAL側に返さなくてはいけないマイルを、一時的にでも言え使い込んでしまっている状況ということで、様々なペナルティーが心配になるものの、実際にはJAL側で特段の制限を行うわけではなく、とりあえず安心できる要素の1つかもしれません。
とは言え、マイル残高がマイナスになっている間は、新たなマイルから各種特典への交換手続きが不可となるのはもちろん、すでに発券が完了し確保済みの特典航空券も喪失のリスクにさらされる状況なのは間違いありませんから、そのまま放置することなく、可能な限り早い時期にマイナスを解消するというのがおすすめだと個人的には感じています。
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