数あるJALの運航するフライトの中でも圧倒的なまでの魅力を持ち合わせているのが国際線ファーストクラス。
そこはJALの理想とするサービスを実践する最前線ですから、自然体で快適なフライトが約束されるだけではなく、強烈なまで記憶に残る素晴らしい思い出が生まれることすらあります。
そうしたフライトに再び出会いたい思っていることが我が家でJAL国際線ファーストクラスをリピート利用している最大の理由かもしれません。
目次
JAL国際線ファーストクラスをより楽しむために必要なリクエスト
ただし、ビジネスクラスを含めた他のクラスではありえないほど贅沢に、そして豊富に用意された数々の料理や食材、アルコール、食器類はもちろん、ファーストクラスを担当する客室乗務員の方々だからこそ提供できる、手厚く配慮の行き届いたサービスの中には、利用者側がリクエストなどのアクションを起こすことで初めて活用できるものも確かに存在しています。
実際、JAL国際線ファーストクラスで我が家で実際に利用しているリクエストは、
- ワインリストに掲載されていないアルコールの確認
- 1回目の食事のアレンジ
- 資生堂ブランドのスキンケアアメニティのアレンジ
- パジャマとベッドメイキングのアレンジ
- アラカルトの注文方法
- ファーストクラス優先降機のお願い
- 誕生日&記念日旅行の情報共有
- 搭乗後の森伊蔵の(複数本)購入申し込み
というように大きく分けて8つ。
もちろん、これらのリクエストの中には、客室乗務員の方から機内でのサービス提供中に、提案されるものも含まれているのですが、より具体的で細やかなリクエストを行うためには、あらかじめその提供内容を理解しておくのは大切なのは間違いありません。
ワインリストに掲載されていないアルコールの確認
我が家で最も楽しみにしているリクエストと言えば、客室乗務員の方が1回目の食事の前にアルコールなど飲み物の希望を聞きに来てくれた時に質問する、ワインリストに掲載されていないアルコールの確認です。
なぜなら、JAL国際線ファーストクラスでは、少量しか搭載されていないために、印刷物として準備されたワインリストには掲載されていないものの、利用者の希望によっては提供している裏メニューとでも呼ぶべきアルコールが用意されていることもあるから。
もちろん、ワインリストに掲載されているものと同じラインナップのものしか搭載されていないことも多いのですが、もし掲載されていないものがあったなら、それは貴重な飲み比べのチャンス。
というのも、過去にはサロンが2002年から2004年のものに切り替わるタイミングでの搭乗では、裏メニューとして2002年のサロンが搭載された結果、2002年と2004年の両方の年のサロンを同じ機内で同時に味わう飲み比べが可能になったことすらありました。
また、そこまでの幸運ではなくても、提供されるアルコールラインナップが大きく刷新された後などは、新しいラインナップを基本としつつも、一部刷新前のラインナップが裏メニューとして追加された状態で楽しめることはそれほど珍しいものではありません。
そのため、我が家ではJAL国際線ファーストクラスで飲み物を注文を聞かれた時に、念のため、ワインリストには掲載されていないアルコールの有無を確認してもらうようにしています。
1回目の食事のアレンジ
ファーストクラスとビジネスクラスの大きな違いと言えば、食事に関する自由度。
実際、JALホームページ上で各クラスごとの食事サービスの紹介を比べてみても、ビジネスクラスでは「お食事は離陸後約1時間を目安にご提供致します。」と案内されているのに対し、ファーストクラスではそういった案内はなし。
つまり、ファーストクラス利用者は好きなタイミングで好きなように食事を楽しめるということです。
もちろん、アラカルトを除き一斉での食事の提供開始が基本のビジネスクラスでも、食事提供時に眠っていたなどの事情で、後から提供してもらうことも可能です。
しかし、それはあくまで通常のビジネスクラスのサービスからは少し外れたサービスなのは要注意。
一方のファーストクラスでは、1回目の食事を始めるタイミングはもちろん、提供する順番やメニューの入れ替えや追加に至るまで、とても高い自由度の中で楽しめるようになっていて、とても大きな魅力を感じるメリットです。
我が家の場合は、
- 1回目の食事メニューに和食を選びながら、メインディッシュだけは洋食に切り替え
- 1回目の食事メニューに洋食を選びながら、メインディッシュの時に炊きたてご飯を追加
- メインディッシュの2種類を注文(リクエストベースでの事前予約がおすすめ)
- お腹がいっぱいになりそうなメニュー最後のデザートだけはスキップ&冷蔵庫で保存してもらい、後になってからの提供を予約
- 1回目の食事提供開始時間前から眠ることを優先し、その後の起きたタイミングで食事の提供を開始
- 起床後に楽しみたい料理やアルコールは就寝前にリクエストベースでの取り置きをお願いしておく
といった形でアレンジしてもらうことがあります。
また、1回目の食事に限らないものの、ファーストクラスでは座席前方にあるオットマンを座席として扱うことで、同行者と可動式のテーブルを挟んで向かい合って1つの席での一緒の食事を楽しむことすら可能。
これはファーストクラスの余裕のあるシートスペースだからこそ可能なことですから、いくらビジネスクラスのシートがフルフラットに対応するなど、ファーストクラスに近づいているとは言え、シートの持つ機能的なゆとりという点では、越えられない壁というものは間違いなく未だ存在したままということが分かります。
資生堂ブランドのスキンケアアメニティのアレンジ
JAL国際線ファーストクラスを利用すると無料で提供されるアメニティ。
2017年3月27日まではロエベ、28日以降はポルシェデザインのものをベースにしつつ、資生堂ブランドの男性用と女性用に分かれたスキンケア用品が追加される形でアメニティが構成されています。
実は、この男女で分かれているスキンケア用品については、男性だからと言って男性用のアメニティを受け取る必要はなく、客室乗務員の方にお願いするだけで、女性用のアメニティに交換してもらうことも可能。
もちろん、その逆も問題なし。
特に、男性用に比べ、女性用の方が同じ資生堂ブランドの中でも全体的に高品質で高価格な製品が提供されていますから、男性がファーストクラスを利用する場合も、男性用のアメニティをそのまま受け取るのではなく、あえて女性用に交換してもらい、家族へのちょっとしたお土産代わりにしてしまうのも、なかなか楽しいファーストクラスの活用方法かもしれません。
パジャマとベッドメイキングのアレンジ
ファーストクラス独自の嬉しいサービスがパジャマ(リラクシングウェア)の無料提供。
これはファーストクラスの利用者1人1人に持ち帰りも可能な専用のパジャマを提供し、それに着替えることで、よりくつろいでもらうというもの。
ビジネスクラスの場合は、パジャマの無料提供ではなく、カーディガンの貸出ですから、ファーストクラスとビジネスクラスの間のコスト面での壁を感じるサービスの1つかもしれません。
ちなみに、このパジャマのサイズはS、M、Lというように複数用意されているのですが、客室乗務員の方が利用者に合わせて適切なサイズのものを用意してくれるため、基本的に利用者側で選ぶ必要はなく、用意されたパジャマに着替えるだけとなかなかお手軽です。
一方で、利用者側が選ぶ必要があるのが、シートをベッドに切り替えた時に利用されるエアウィーヴ製のマットレスの向き。
なぜなら、このマットレスには、硬めの面と柔らかめの面が裏表のセットになっていて、そのどちらを利用するのか、客室乗務員の方にベッドメイキングをお願いすると、必ず質問されるから。
ちなみに、そのどちらを選ぶかの基準ですが、日頃から一般的な布団や高反発タイプのマットレスを利用している方は硬めの面、一方で低反発タイプのマットレスなどを利用している方は柔らかめの面をリクエストするのが私としては違和感を感じずに熟睡できておすすめです。
アラカルトの少し変わった注文方法
ファーストクラスでは1回目の食事の開始以降自由に楽しめるアラカルト。
少し具体的に、最も内容が充実しているJALのフラグシップ路線、東京(羽田・成田)-ニューヨーク(JFK)間のアラカルトメニューを見てみると、
- 大分県産 料亭若栄屋 殿様鯛茶漬け
- 国産黒毛和牛の時雨煮
- 串盛り合わせ(和牛サーロイン串/アスパラベーコン串/鶏もも串)
- ベジ ヤムウンセンサラダ
- 宮崎のカレーの名門 味のガンジス『 宮崎和牛カレー』
- 春野菜のミネストローネ
- JAL特製『 Japanese Soba Noodles蔦』 醤油ラーメン
- 山菜うどん
- 生ハムとチーズのサンド
- 三元豚のカツサンド
- 各種チーズの盛り合わせ
- 季節のフルーツ盛り合わせ
- プチデザートのトレイ
- ショコラ ジャンポールエヴァン “フルール”
- フミコの和食(台の物/お椀/ご飯/香の物)
- フミコの洋食(メインディッシュ/メゾンカイザー特製ブレッド/デザート)
といったラインナップで、スイーツやおつまみ、軽食といった手軽に楽しめるものはもちろん、目的地に到着する前の食事でメインとして活躍できそうな一品も用意されています。
これらをそのまま注文してもアラカルトらしい楽しさは十分満喫できるのですが、あえてこんなふうに楽しみたいというように、希望する方向性だけを提示して後は客室乗務員の方のアレンジにおまかせしてしまうというのも、ファーストクラスのサービスを提供するチームの底力を感じることができる方法かもしれません。
実際、1回目の食事やそこでの箸の進み方、さらにはそれまでの機内での過ごし方で、利用者の好みを読み取ろうとしてくれた結果なのか、元々アラカルトとして用意されているメニューはもちろん、それ以外の1回目の食事用に用意されていたメニュー、あるいはファーストクラスでは提供されていない、ビジネスクラスだけで提供されているメニューなども取り寄せた上で、その時その時での最善を尽くしてくれることが大半。
また、同じような内容でアラカルトをリクエストしても、利用するフライトごとのファーストクラスを担当してくれるチームの方針やスカイシェフを担当する客室乗務員の方の個性によって、こちらが想像している以上の全く異なる結果を提示してくれることも楽しく、それも好印象です。
ファーストクラス優先降機のお願い
JMB ダイヤモンドやJGC プレミア、ワンワールドエメラルドなどの上級会員と一緒に最優先搭乗の対象になっているファーストクラス利用者ですが、飛行機が空港に到着し、空港に降り立つ時にも優先扱いが受けられます。
それが優先降機サービス。
これは、シートベルトサインが点灯し、巡航高度からの降下が開始した時には着陸中の安全確認のために開け放たれているファーストクラスとビジネスクラスを隔てているカーテンも、無事に着陸が成功し、シートベルトサインが消える時までには、客室乗務員の方の手によって、上空でサービスが提供されている時と同じように再び固く閉ざされるというもの。
そのカーテンはすべてのファーストクラス利用者が飛行機を離れる準備を終えて降機を完了するまで開けられることなく、ファーストクラス利用者の降機が完了する前にビジネスクラス利用者がファーストクラス用のエリアに入ってくることを強力に阻んでくれます。
この優先降機ですが、8席用意されているファーストクラスの座席の空席率が高い時、あるいはそのフライトを担当する責任者の方針やチーム完成度、人員的な余裕の有無によっては、必ずしも行なわれるわけではありません。
その場合、後方のビジネスクラスから急いで降りようと前方の出口に向かおうとする他の利用者の流れに巻き込まれてしまうリスクがあるのは要注意。
その対策としては、フライト中、担当してくれる客室乗務員の方に「このフライトでは空港に着陸後、(一度ビジネスクラスとの間のカーテンを閉めて降機時の余裕を確保する)優先降機を行う予定ですか?」といった形で質問を行うのがおすすめ。
こうすることで、間接的なリクエストとして捉えてもらえるのか、どんなチームに担当してもらったとしても、ほぼ問題なく着陸後の優先降機を提供してもらえるはずです。
誕生日&記念日旅行の情報共有
いつでも利用できるわけではないのですが、記念日旅行の情報共有も、ファーストクラスを楽しむためのリクエストとしてはとても重要です。
具体的に、我が家で日本を出国して帰国するまでの旅行中に誕生日や結婚記念日などの特別な記念日がある時には、それをチェックインカウンターのグランドスタッフの方や搭乗した機内で最初の挨拶に出向いてくれた客室乗務員の方に、
「今回の旅行は○月☓日の□◆記念日を記念した旅行で、その旅行の中でこのファーストクラスを利用するのを楽しみにしていました。」
というように伝えるようにしています。
この場合、機内サービスを直接担当してくれる客室乗務員の方はもちろん、ファーストクラスを担当するチーム全体が、特別な記念旅行にふさわしい、より記憶に残る特別で少し非日常なフライトを提供しようと、一生懸命になってくれていることが伝わってくるほど。
もちろん、担当してくれるチームによっては、丁寧なラッピングに包まれた思わず笑顔がこぼれるちょっとした贈り物や心のこもった手書きのメッセージカードなどがプレゼントされたりすることもあり、それはとても嬉しいものです。
しかし、ファーストクラスという1人1人の利用者に向き合えるだけの余裕もある程度用意されたクラスだからこそ、普段の生活で関わるはずもなければ、それまで会ったこともないような利用者に対し、客室乗務員の方々が、一生懸命にあれこれ考え、試行錯誤しながら記念日をお祝いしてくれているということは、想像以上に心と記憶、思い出にも残る嬉しい出来事になるはず。
搭乗後の森伊蔵の(複数本)購入申し込み
記念日と同様、いつでも利用できるわけではないものの、森伊蔵の購入申し込みもファーストクラス利用時には活用したいリクエストの1つです。
なぜなら、毎年3月から夏頃まで機内販売で提供される、幻の焼酎とまでうたわれた森伊蔵は、対象路線のファーストクラスとビジネスクラスの利用者限定で購入できるのですが、ファーストクラス利用者に限って、優先的に在庫が確保されるという特典があるから。
しかも、1人1本までという制限が設けられているものの、実際には在庫さえ残っているのであれば、2本以上の複数本の購入も可能。
その場合も、ファーストクラス利用者は優先的に追加購入できますから、ファーストクラスのシートに座って、担当の客室乗務員の方に最初の挨拶を受けた時には、
- 機内販売での森伊蔵の購入を希望していること
- 在庫に余裕があれば、2本以上の複数本の購入も希望していること
の2点をできるだけ早いタイミングで伝えるのがおすすめ。
そのためには、我が家が森伊蔵の機内販売を利用する時には、事前座席指定の段階で、1Aのようにできるだけ前方&操縦席に向かって左側の席を確保し、より機内での権限の強い責任者に担当してもらえるようにすること。
さらには、飛行機の中に入る時にもファーストクラス利用者も対象の最優先搭乗を活用し、できるだけ早くに席につくように頑張るようにしています。
特に、森伊蔵は自分自身で楽しむのはもちろん、お酒が好きな方にプレゼントすると本当に喜んでくれる贈り物としても活躍してくれる1本ですから、せっかくファーストクラスを利用するのであれば、隠れたメリットとして提供されている森伊蔵の優先購入特典のフル活用の価値はなかなか高いものです。
まとめ
JALが提供する機内サービスの最高峰、国際線ファーストクラス。
その高品質サービスは何気なく過ごしていても十分満喫できるものですが、隠された底力を体感するためには、その時その時でちょっとしたリクエストをお願いする必要があるのも事実です。
また、ビジネスクラスとは異なるレベルの自由度が与えられているファーストクラスだからこそ、利用者の好みを最大限尊重した過ごし方や機内サービスの楽しみ方が許されているのも忘れてはいけないファーストクラスの魅力の1つ。
我が家でも定期的にちょくちょくJAL国際線ファーストクラスに搭乗するのが楽しみの1つになっているのですが、それでも利用する度に毎回新しい発見や自分らしい好きな過ごし方が見つかるあたりも、サービスとしての奥行きや深み、作り上げられた完成度の高さを実感できる理由の1つなのかもしれません。
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