国際線の飛行機を利用する時には忘れずに行う必要のあるチェックインの手続き。
同じ高速な長距離移動を担う公共交通機関でも、鉄道などでは見かけないため、落ち着いて振り返ってみると、座席と利用者を完全に一致させた上で運航が行われる飛行機らしいと言える少し不思議な印象を感じる手続きの1つかもしれません。
そんなチェックインの手続きには、JALの場合、チェックインカウンターでの一般的なチェックインの手続きと、JALホームページなどのインターネットを通して行うオンラインチェックイン(Webチェックイン)の2種類の方法が用意されています。
目次
オンラインチェックインを利用するメリット
インターネットへのアクセスさえ可能なら、JALホームページから手続きが完了するオンラインチェックインでは、完了後に正規の搭乗券として機能する搭乗券が発行され、空港のチェックインカウンターに立ち寄ることなく、保安検査場や出国審査場に直行することも可能です。
こうしたオンラインチェックインを利用することで、
- チェックインカウンターの手続き待ちの列に並ぶ必要がない
- (特に海外の空港で)チェックインカウンターの営業開始を待つ必要がない
- チェックインカウンターが一斉に営業を開始した直後に発生する保安検査場や出国審査場の混雑を回避できる
- 早めに制限エリアに入ることで営業時間に制限のある空港ラウンジも利用可能になる
といったメリットが得られるのは嬉しいポイント。
実際、我が家の場合、主にバンコクのスワンナプーム国際空港から出発する時に、オンラインチェックインを利用するのですが、これは、
- チェックインカウンター営業開始直後の利用者の集中による保安検査場や出国審査場の混雑が凄まじい
- JAL運航の午後出発便の利用では、チェックインカウンターの営業開始前には営業を終了してしまう、バンコクで最も快適に過ごせるラウンジの1つ、キャセイパシフィック航空ラウンジが利用できない
といった形でメリットを活かせるのが大きな理由になっているほどです。
オンラインチェックインの利用条件
こうしたメリットのあるオンラインチェックインですが、利用には条件が設定されていて、常に利用できるわけではないのは少しだけ要注意なポイントです。
その条件とは、
- 出発空港自体がオンラインチェックインの対象になっている
- 出発の24時間前から1時間以上前の間に手続きを行える
- チェックインカウンターや手荷物カウンターで預ける預入荷物がない
- インボラアップグレードの対象になっていない
という4つ。
この中で最も重要なのは、間違いなく、出発空港自体がオンラインチェックインの対象になっているというもの。
というのも、JALが運航する国際線のオンラインチェックインでは、空港ごとにサービスレベルが異なっていて、オンラインチェックインが可能な空港と、そもそもオンラインチェックインの対象外という空港に分かれ、JALホームページ上でも案内されているから。
具体的には、
- ソウル・金浦
- プサン
- ホーチミンシティー
- シンガポール
- ジャカルタ
- マニラ
- ハノイ
- デリー
- 大連
- 天津
といった一部のアジアの空港以外はすべてオンラインチェックインに対応しています。
ちなみに、JALのオンラインチェックインで提供される搭乗券には、利用者自身がプリンターなどで印刷する必要のあるホームプリント搭乗券と、スマートフォンなどに保存した上で必要な時に画面上に表示して利用するモバイル搭乗券の2種類が用意されているのですが、上記の空港以外のオンラインチェックイン可能な空港の中でも、
- ホノルル
- コナ
- グアム
- ニューヨーク
- シカゴ
- ボストン
- ダラス・フォートワース
- ロサンゼルス
- サンディエゴ
- サンフランシスコ
- モスクワ
- 広州
- 上海・浦東
- 上海・虹橋
- 北京
- シドニー
- メルボルン
といった空港はモバイル搭乗券は利用できず、ホームプリント搭乗券の用意が必要になっているのは少しだけ注意が必要かもしれません。
逆に、これら2種類の空港以外は、日本国内の空港を含め、ホームプリント搭乗券もモバイル搭乗券の両方が利用可能で、オンラインチェックインのすべての機能が提供されているので、とても気楽な印象を感じるも正直な部分です。
預入荷物の存在がオンラインチェックインの活用を妨げる理由
また、預入荷物については、保安検査場や出国審査場に向かう前のタイミングで、預入荷物を専門に扱う手荷物カウンターが営業を開始しているのであれば、実は預入荷物があってもチェックインカウンターの営業開始前のタイミングでオンラインチェックインを活用できます。
ただし、海外の空港の場合は、JAL運航便用の手荷物カウンターは常時営業しているとは限らず、その営業時間は、チェックインカウンターの営業時間と全く同じということが一般的。
そのため、各航空会社が共同で長時間営業しているチェックインカウンターを用意しているシンガポールなどの一部の例外と言える空港を除いて、オンラインチェックインの活用は預入荷物がない時だけに限られるのは残念なポイントです。
オンラインチェックインの手続きを複雑にする搭乗券へのバリデーション
JALホームページでオンラインチェックインの対象空港を確認していると、
「カウンターにてホームプリント搭乗券にバリデーションをお受けください」
という不思議な文章を
- ソウル・金浦
- プサン
- ホーチミンシティー
- シンガポール
といった空港を対象とした情報として見つけることになるかもしれません。
このホームプリント搭乗券へのバリデーションとはどういうことかというと、対象となる空港の出発便でオンラインチェックインを行うと、上の画像のような確認印を押す空欄が設けられたホームプリント搭乗券が発行されるのですが、この空欄にチェックインカウンターでの確認印が押されるまでは、この搭乗券は有効なものとして扱われないというものです。
つまり、ホームプリント搭乗券へのバリデーションが必要な空港では、オンラインチェックインを利用して、チェックインカウンターの営業開始前に保安検査場や出国審査場にアクセスするということは、制限されているということですね。
インボラアップグレードとの相性
オンラインチェックインを利用することで、空港のチェックインカウンターを訪れることなく、そのまま飛行機に搭乗できるのですが、そうなると気になるのは、無料で上位クラスにアップグレードしてもらえるインボラアップグレードの取り扱いかもしれません。
これについては、正直、オンラインチェックインを利用したからと言って、本来提供されるはずだったインボラアップグレードが他の利用者に渡ってしまうというような大きな悪影響はないと、私自身は考えています。
なぜなら、
- 事前のインボラアップグレードの対象になったのなら、本来オンラインチェックインが可能になるの24時間前には、JALホームページ上などから予約にアクセスできなくなり、チェックインカウンターを訪れるように促される
- 事前のインボラアップグレードの対象からは外れたものの、空港でインボラアップグレードが決定した場合は、ラウンジ内や搭乗ゲートでアップグレード済みの搭乗券が手渡される
という経験を実際に体験しているから。
もちろん、事前のインボラアップグレードの対象になった場合はもちろん、その対象から外れた場合でも最もインボラアップグレードの提供決定が行われる場所の1つ、チェックインカウンターを訪れることなくスキップしてしまうことで、不利益が全くないとは断言できません。
しかし、チェックインカウンターの営業開始時間はもちろん、営業開始後の保安検査場や出国審査場の混雑に左右されることなく、制限エリアにアクセスできるメリットを考えると、事前のインボラアップグレードの対象にならなかったのなら、素直にそのままオンラインチェックインを活用する方が重要だと考え、納得するようになりました。
まとめ
利用可能な空港に制限が設けられ、すべての空港で同じようなサービスが提供されているわけではないことが残念なJALのオンラインチェックイン。
とは言え、日本国内の主要な国際空港はもちろん、JALが就航している42の国際空港のうち、32の空港では、オンラインチェックインは利用可能ですから、想像以上に身近な存在として活用できるのは間違いありません。
また、手続き自体は、パスポート情報の入力などもあり、最初はおそるおそる、手順を確認しながらの手続きになるとは思うものの、2回目以降は油断さえしない限り、それほど難しいものではなく、意外にスムーズに完了できるお手軽なものに感じるはず。
チェックインカウンターに立ち寄らないからこそ得られる様々なメリットのあるオンラインチェックインですから、通常のチェックインと使い分ける形で少し積極的に活用してみるのもおすすめだと思いますよ。
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