JALファーストクラスを利用する時の最大の楽しみといえば、それは間違いなく機内食。
和洋の有名レストランのシェフによる監修で生み出された美味しい料理に舌鼓を打てるのはもちろん、刻一刻と移り変わっていく高度1万メートル以上の空の様子を窓の外に眺めながら楽しむ食事は、世界でも贅沢なレストランの1つと言えるはず。
しかも、JALファーストクラスでは、1列目の席でも3つ、2列目の席に至っては4つも窓が確保され、座席から遮るものがない状態のため、開放感を感じながら外の景色を楽しむ目的にはぴったりです。
目次
著名なレストランのシェフ監修による和食と洋食
そんなJALファーストクラスでは、メニュー自体も専用の冊子として用意されています。
その内容は大きく分けて和食、洋食、アラカルトの3系統で、この中でも和食と洋食は1回目の食事として希望のものが選択可能。
さらに、洋食に関しては、アペタイザー(前菜)とメインディッシュのそれぞれを3種類から好きなものを選んで自分だけのコースをお手軽に作り出すこともできます。
まず、この1回目の食事を和食にするのか、洋食にするのか、そして、もし洋食にするなら、アペタイザーとメインディッシュはそれぞれ何を選ぶのか。
この選択については著名なレストランの監修で作り出された美味しいメニューばかりで、いずれを選んでも大きく後悔する可能性は少ないものの、微妙な当たりハズレや好みによる相性はありますから、真剣に選びたくなるはず。
しかも、ファーストクラス専用に提供されている機内食の事前予約サービスを利用することで、あらかじめ完全に希望する形での機内食の確約も難しくはありません。
もちろん、ファーストクラスの機内食は和食と洋食のそれぞれのメニューについて、予備も含め十分な分量が用意されているらしく、基本的には機内での希望のメニューを選ぶことも可能。
しかし、それも常に確実ではない以上、事前予約の利用する、その一手間だけでせっかく希望したメニューを断られて、とてもがっかりという経験は確実に避けられるのは本当におすすめです。
1回目の食事終了から着陸直前までのお楽しみ アラカルトメニュー
一方のアラカルトについては、基本的に1回目の食事終了後から着陸前の降下開始のタイミングまで自由に好きなタイミングで注文できるメニューで、ちょっとしたおつまみやスイーツから、比較的充実したボリュームを持つ食事まで、幅広く多彩なラインナップを楽しめるサービスが展開されます。
もちろん、1回目の食事に比べると、素材の質の面での充実や、華やかさや豪華さの点で一段おとなしく感じるものながら、遊び心を感じたり、意外性を突き詰めたコラボレーションに取り組んでいたりと、工夫や熱意を楽しめるのもアラカルトの特長の1つとしてお気に入り。
特に、アラカルトは同じファーストクラスでも日本発同士、海外発同士を比べても路線ごとに、内容の充実度やメニューの構成に細かな違いがあるため、それらの個性を比べてみたり、路線ごとの限定メニューを忘れずに試してみるなどのいろいろな楽しみ方もあるはずです。
成田-ロサンゼルス JL062 ファーストクラス機内食(和食ベース+洋食メイン)
我が家では、日本発のファーストクラスでは和食を選択するようにしています。
ただし、和食を選んでも、洋食を選んでも、飲み物と共に、簡単な前菜が用意されるのは変わりありません。
また、食事と合わせる飲み物の最初の選択は、JALファーストクラスのワインリストのシンボルの1つといえるシャンパン、サロン。
それと一緒にワイングラスで楽しむノンアルコールの高品質茶、ブルーティーもオーダーするのが、最近の定番になりつつあります。
そんな風に始まる和食は、「季節の小皿 五彩」がまず最初に提供されました。
内容は国旗がセットされたお皿から時計回りに、
- 厚焼き玉子
- 椎茸と舞茸 松の実和え
- 蛤のオカラ
- 秋刀魚の梅煮
- 毛蟹のりんご酢仕立て
の5品目。
いずれの小皿も季節の素材を活かしながら、全く別の系統の味付けや食感を楽しめるように工夫され、コンパクトなサイズに似合ない、しっかりとした存在感を感じられます。
続いてのお椀は、「椎茸とホタテの真蒸 しめじの贅沢椀」。
JALファーストクラスで提供されるお椀らしく、香りがしっかりと立ち上がっている一品で、きのこを中心とした香りの面から秋らしさを感じられたのもとても印象的。
さらに続く海鮮は、「車海老と煮鮑 茗荷と塩昆布で」と「燻したジャガ芋の冷製うに茶碗蒸しキャビアと共に」の2品同時に用意。
この海鮮の中では、鮑が火を加えられているにも関わらず、とてつもなく肉厚で柔らかく、薬味としての役割が期待されるトッピングと合わせて、とても感心しました。
ただ、キャビアについては、茶碗蒸しとのセットで美味しいと感じるものの、個人的には洋食で提供されているキャビアモナカの方が楽しみ方としては素直な感じがして私は好みです。
ここで通常は和食のメインディッシュ、台の物「厚切り和牛フィレ肉と松茸 すき焼き秋仕立て」が提供されるのですが、我が家では洋食のメインディッシュの中から好みのものに入れ替えてもらう形で楽しむことが多くなっています。
今回は洋食の牛肉料理「黒毛和牛フィレ肉 柔らかいかぼちゃのエチュベと」を選択。
それに合わせて、飯物から「炊きたてのご飯(ちりめん山椒抜き)」と留め椀から「味噌椀」と「香の物」を一緒に用意してもらいました。
特に、機内で炊きたてのふんわりとしたご飯は甘み、香り、食感のいずれも良好なもの。
利用するフライトによってはファーストクラスで提供されるご飯といえども、粒がわずかにかたく感じられたり、逆に柔らかく感じ過ぎたりすることもあるのですが、今回のフライトでは我が家の好みそのままをカバーする魅力的なおいしさで、専門に調理を担当するスカイシェフの方の意地と技量、熱意を最も感じたのはこのご飯でした。
そして、和食の最後を飾るのが甘味として左から「六本木ぷりん」、「龍吟名物 ピスタチオ仕立ての松風」、「みかんと梨、すだちの氷菓 金木犀のジュレ〜桂花陳酒風味〜」の3種。
この中では六本木ぷりんがファーストクラスの和食で提供されるデザートスイーツとして定番中の定番ながら、変わらぬ食べやすさと美味しさはとても好み。
ちなみに、洋食の場合にもデザートスイーツの定番として上の写真の「大納言フィナンシェ“S”」の提供があるのですが、提供された時の見栄えや口にした時の美味しさ、満足感などは圧倒的に和食の甘味が優れていることも、1回目の食事を和食をベースにしながらも洋食のメインディッシュを好みに応じて組み合わせている理由の1つです。
成田-ロサンゼルス JL062 ファーストクラス機内食(アラカルト)
1回目の食事が終了した後は自由に楽しめるようになるのがアラカルト。
特に、日本発のファーストクラスでぜひとも試して欲しいメニューが存在しています。
それが、「JAL特製『 Japanese Soba Noodles蔦』 醤油ラーメン」。
この醤油ラーメンは11月1日から日本発の北米路線、欧州路線、豪州路線のファーストクラスとビジネスクラスの利用者を対象に提供されているのですが、行列が当たり前の有名店が監修しただけあって、これまでファーストクラスのアラカルトとして提供されてきたラーメンとはひと味もふた味も異なる特長を持っている一品に仕上がっているからです。
私としては、上の写真に写っている従来のとんこつラーメンよりも食べている時に周囲に漂う香りも控えめで、アラカルトとして注文するタイミングを選びにくいのも気に入っています。
現地到着前の食事としてはスタンダートとされるフミコの和食と朝食。
その中から選んだ洋食は、左上から「葡萄のカプレーゼ」、「メゾンカイザー特製パン
プチアサス、プチカボチャのエクメック」、「国産牛ほほ肉の赤ワイン煮
サラダ仕立て」の3種1プレート。
ものすごくおいしい・・・というわけではないものの、味わいや調理方法自体が手軽さや軽快さを重視したものに感じられ、どこか気だるさを残した中で味わう到着前の食事として提供されているのも納得できる仕上がりでした。
また、日本発のファーストクラスといえば、ジャンポールエヴァンのショコラ、フルールが1人につき1箱、持ち帰り可能なアラカルトとして提供されるのも、忘れてはいけないお楽しみの1つ。
ニューヨーク-羽田 JL005 ファーストクラス機内食(洋食)
日本を出発する時には和食を基本とする我が家でも、帰りの海外発の帰国便では、洋食を選ぶようにしています。
その選択は今現在JALが運航する路線の中で最長距離となるニューヨーク-羽田線でも同様。
もちろん、和食と共通の前菜をサロンとブルーティーと一緒に楽しむことから、ファーストクラスでの食事が始まりました。
ちなみに、ファーストクラスを担当する客室乗務員の方の中には、シャンパンのサロンもフルートグラス(シャンパングラス)ではなく、上の写真のようにワイングラスで楽しむように提案される方もいらっしゃり、実際にワイングラスで提供されることも多くなっています。
しかし、私としてはフルートグラスで楽しむほうがサロンの香りや味わいがほどよいバランスで調和するように感じるため、ワイングラスで楽しむときとは別物に思えるほどの差ですから、他の飲み物から再度サロンに切り替える時などに、グラスの種類の変更もお願いしています。
前菜が終わると、洋食らしいテーブルセッティング。
用意されているバターはもちろんエシレ。
セッティング後、最初に提供されるのはアミューズ・ブーシュとして、「鮪のパストラミ、タプナードクリーム」と「ピスタチオと黒トリュフのムース」の2品。
この中では、ムースの香りが華やかでとても楽しめました。
一方の鮪のパストラミについては、海外発としては良いマグロを利用しているのだろうなとは思うものの風味が気になり、あまり良好な印象は感じず。
海外発の便での魚介は満足度の点で少し要注意と意識するきっかけになりました。
アペタイザーとして選んだのは定番の1つ「キャビア マスカルポーネクリーム、スモークチョウザメとポテトブリニ添え」。
こちらもシンプルながらキャビアの食べ方としては十分満足でした。
そして私がメインディッシュとして選んだのは「US プライムビーフ テンダーロイン ペリグーソース」。
家族が選んだのは「鴨胸肉のロースト ビガラードソース」。
どちらも食欲をそそる香りと風味を持ち合わせ、口にした時の味わいもそれらを少しも裏切るものではなく大満足。
焼き加減や温め加減も慎重に見極めてくれたのか文句無しの仕上がりで、とても楽しめました。
それにしても、優秀なスカイシェフの方に担当してもらえた時のJALファーストクラスの肉料理は安定してかなりおいしく、今後の期待値も高くなるというもの。
デザートは「洋梨とアーモンドのタルト アイスクリーム添え」。
アイスクリームの味わいを中心としたシンプルなスイーツですが、すっきり感を全面に押し出した一品で、とても良い後味で1回目の食事を終えられました。
ニューヨーク-羽田 JL005 ファーストクラス機内食(アラカルト)
ニューヨーク-羽田線で、1回目の食事が終わった後のアラカルトは、JALの運航する最長距離線ということもあって、メニューも他路線に比べて別格といえるほど充実を見せています。
ただし、今回の搭乗ではメインとなる1回目の食事を十分楽しめたこと。
そして、さすがに旅行中の疲れを感じ始めていましたから、あれこれ注文することなく、上の写真のように、フルーツとアイスクリーム、ショコラの盛り合わせなど、軽めのスイーツを楽しむくらいに留めていました。
ちなみに、ニューヨーク-羽田線のファーストクラスのアラカルトの中で気に入ったメニューと言えば、ショコラとして提供されている、ニューヨーク5番街にある「5th AVENUE Chocolatiere」の生チョコ。
しっとりとした食感と滑らかすぎる口溶け、豊かなチョコレートらしい風味のバランスが心地よく、ゆったりと味わうにはちょうどよい一品。
実際、機内ではJALこだわりのコーヒーと合わせる形で楽しんでいました。
まとめ
間違いなくJALファーストクラスを利用する時の楽しみの1つになりうる食事。
特に、JALとして総力を上げて作り上げている1回目の食事の満足度は機内食という範疇を越えている時すらあると感じるほど。
そうしたメニューを搭乗前に確認し、どういった方向性を選択していくのかを決めておくことは、最大限JALファーストクラスの食事を楽しむ上ではとても重要になるはず。
特に、ファーストクラス利用者には、1ヶ月前までには公表されるメニューを元に、機内食事前予約サービスがしっかりと提供されていますから、それを忘れずにしっかり利用するのはとてもおすすめです。
また、実際の機内でも担当の客室乗務員の方々は無理のない範囲内で大小様々なリクエストに答えて、より快適で満足度の高い搭乗になるよう、全力を尽くしてくれますから、ファーストクラス利用中に気になった部分はとりあえず相談してみるという姿勢は重要だと思います。
それまでは想像もしていない、カスタマイズされた特別なサービスが思いがけず提供されるかもしれませんから。
コメント