有償の航空券の利用を積み重ねることでしか獲得できない各航空会社の上級会員資格。
しかし、それを保有することで得られるメリットはなかなか強大なもので、特に最上級会員に対しては、サービスとして明記されているものとそうでないものも含め、どんな予約によるフライトでも最大限快適な空の旅を提供しようとする熱意や執念のようなものすら感じるほど。
そのため、飛行機での移動を多く利用するのであれば、上級会員資格、その中でもできるだけ最上級にランクされているものを獲得しておくことはとても魅力的な選択です。
目次
上級会員資格の反映時期と特典提供開始時期の重要性
我が家がメインの航空会社として利用しているJALでも達成の難しい順に、
- JMB ダイヤモンド
- JGC プレミア
- JMB サファイア
- JMB クリスタル
という4つの上級会員資格が用意され、JMB クリスタルからJMB ダイヤモンドまで上に上がる度に利用できる特典が少しずつ追加されていくことになります。
そうなると意外と重要になるのが上級会員の到達条件を満たす搭乗完了後、それがいつ反映され、どのタイミングで特典が利用できるようになるのかということ。
なぜなら、最初はみんなここからスタートする一般会員と、上級会員の最初のステップとなるJMB クリスタルを比べてみても、
- フリーダイヤルを含めた専用予約デスク
- 事前座席指定での優遇
- 混み合っていないチェックインカウンターの利用
- 優先搭乗
- 最大+55%分のボーナスマイル
などの利用価値が高い特典が提供されるようになるから。
この中でもボーナスマイルはあくまで搭乗時に反映されている上級会員資格が元になって計算されますから、もうすでにひとつ上の上級会員資格に到達するだけの搭乗を終えていたとしても、その搭乗実績が反映され、さらにそれを踏まえたより上位の上級会員資格に切り替わらない限り、ボーナスマイルは本来よりも目減りしたものしか付与されません。
しかも、一度付与されてしまったボーナスマイルは、本来の搭乗実績が反映されていたなら付与されて正しいボーナスマイル分より少ない場合でも、後になってからの再計算はなし。
結果、そのまま不利な形で固定されてしまうのは避けられません。
そのため、搭乗完了後、どのタイミングで到達条件を満たすための搭乗実績が反映され、それを受けていつ上級会員資格が切り替わるのかということは、意外に重要なポイントになります。
搭乗実績反映時期と上級会員資格の切り替え&提供開始時期
では、どのようなスケジュールで搭乗実績の反映と上級会員資格の切り替え、さらには特典の提供が開始されるのかまとめたのが下の表。
反映・切り替えの内容 | 必要日数 |
---|---|
搭乗実績反映 | 国内線は搭乗から2日後、国際線は搭乗から3日後 |
上級会員資格の切り替え | 搭乗実績反映の翌日(の日付が変わった頃) |
ボーナスマイルの反映 | 搭乗実績反映の1日後の搭乗分から |
搭乗券の上級会員資格印字切り替え | 搭乗実績反映の2日後(の夕方以降)から |
搭乗券提示でのラウンジ利用 | 搭乗実績反映の2日後(の夕方以降)から |
搭乗券提示での優先搭乗 | 搭乗実績反映の2日後(の夕方以降)から |
ステイタスカード到着 | 搭乗実績反映の8~10日後(ゆうメールで到着) |
ちなみに、JALがホームページ上で一部のみ案内しているスケジュールをまとめたのが下の表。
反映・切り替えの内容 | 必要日数 |
---|---|
搭乗実績反映 | 国内線は約2~3日、国際線は約4~5日 |
上級会員資格の切り替え(ファーストサービス) | 達成の約1週間後 |
ステイタスカード到着(セカンドサービス) | 達成の約2~3週間後 |
こうして2つのスケジュールを比べてみると、JALが案内しているスケジュールにはあらかじめ遅延などのトラブルに備えているのか、本来のスケジュールに比べ、かなりの余裕が加えられています。
さらに、条件達成の約2~3週間後を予定しているステイタスカード到着を待たずに、搭乗実績が反映された2日後にはラウンジや優先搭乗などのサービスは搭乗券の提示によって利用可能になるなど、かなり早い時期から上級会員としての特典を活用できることもはっきりと分かる結果です。
ワンワールド加盟航空会社と提携航空会社提供の空港サービスの違いと注意点
搭乗実績が反映された1日後の上級会員資格の切り替えが完了し、さらにその1日後には搭乗券への上級会員資格の印字が行なわれるようになると、大半の上級会員向けの特典は利用できるようになります。
ただし、それはあくまで搭乗券だけで上級会員資格の確認が可能なJALも含めたワンワールドに加盟している航空会社が提供している空港サービスに限られることには要注意。
逆に、JALと提携しているものの、ワンワールドに加盟していない航空会社が提供している空港サービスの場合、搭乗券上の上級会員資格の印字ではサービスを受けられず、別途ステイタスカードの提示が必要になってしまうリスクもあります。
具体例としては、パリのシャルル・ド・ゴール空港でJALの搭乗手続きなどの地上サービス、ラウンジサービスの提供を行うエールフランスの場合、ステイタスカードの提示なしでは優先保安検査&出国審査の利用が制限されるのはもちろん、エールフランスラウンジの入室にもステイタスカードの提示が求められることがありました。
そのため、搭乗券上の上級会員資格の印字を過信せず、ステイタスカードの提示なしでは利用できない可能性も考えることはもちろん、ステイタスカード到着後はそれを搭乗券の印字さえあれば不要なものとは考えず、忘れずに携帯するというのは無用なトラブルの回避策として想像以上に重要です。
ワンワールド加盟航空会社利用時の搭乗実績の要注意ポイント
上級会員の到達条件は実はJAL利用での搭乗実績だけではなく、ワンワールドに加盟する提携航空会社利用の搭乗実績でも満たすことも可能です。
しかも、それぞれの航空会社ごとに地域ごとの強みやお得な運賃の販売に対する戦略の違いもありますから、JALだけを利用するよりも、他のワンワールド加盟航空会社の利用も程よく組み合わせた方が良い選択肢になることも十分考えられます。
ただし、この場合に問題になるのは、搭乗実績の反映までの時間。
というのも、JAL利用時の搭乗実績の反映までの必要日数は、余裕が加えられていると思われるJALホームページ上の案内でも国内線は約2~3日、国際線は約4~5日。
実質的な反映までの日数はそれよりも早く国内線は搭乗から2日後、国際線は搭乗から3日後となっていて、なかなかスピーディーな加算が実現しています。
しかし、ワンワールド加盟航空会社での搭乗実績になると話は別。
なぜなら、JALホームページ上の案内でも約1~4週間となっていて、JAL利用時よりも格段に必要日数が増えているから。
実際の利用でも、必要日数は航空会社によって大きく異なり、JAL利用時とほぼ同じ数日程度で反映されることもあれば、本当に4週間近くフルに反映までの時間を要することもあるなど、予想自体がとても困難な状況。
しかも、予約時に加え、搭乗前のチェックインの時にもJALのお得意様番号登録が確認できていたにも関わらず、いつまで待っても搭乗実績として反映されないトラブルへの遭遇も実際に経験しています。
もちろん、その場合は加算されないことを確認してからの事後加算申請の手続きを行う必要がありますから、さらに搭乗実績の反映は遅れることに。
そうしたことを考えると、JAL以外のワンワールド提携航空会社の利用では、スムーズな搭乗実績反映&上級会員資格切り替えが行なわれていたのなら本来利用できていたはずの様々な特典を利用できないというようなリスクにも注意が必要ですね。
まとめ
搭乗実績が反映された後は意外に早くから活用が可能になるJALの上級会員資格。
特に、ラウンジや優先搭乗などの快適性に直結する特典はもちろん、ボーナスマイルの加算などにもその影響があるのは好印象です。
しかし、その一方で実際の特典活用の場面ではステイタスカードの提示が必要になるケースや提携航空会社での搭乗実績反映などの注意点がいくつか存在しているのも事実。
そのため、それらに備える意味でも、上級会員資格反映のタイミングと特典が利用できるようになるまでのスケジュールをあらかじめ把握しておくことは、確実な利用のチャンスを広げるためにもなかなか重要だと思いますよ。
コメント